こんにちは、こぱんです!
リベ大では、正しい節約と節税で支出のバランスをコントロールする「貯める力」に関する情報も発信しています。
▼図解:貯める力
リベ大では資産形成の第一歩として、「生活防衛資金を貯めよう」と伝えています。
その中で、以下のような質問をいただきました。
「リベ大では投資や住宅ローン返済の前に、生活防衛資金を貯めることが大切だと言っています。
今、収入がなくなっても半年間は生活できるだけの金額が貯まりました。
とはいえ、急な出費や入院などを想像すると保険を解約すべきか悩んでしまいます。
生活防衛資金の目安や、貯めるメリットが他にもあれば教えて欲しいです。」
生活防衛資金に対する正しい理解は、経済的自由を達成するためには必要不可欠です。
そこで今回は、生活防衛資金に関する以下3点について解説します。
- いくら生活防衛資金を貯れば良いのか
- 生活防衛資金を貯めるべき3つの理由
- 生活防衛資金に関するよくある質問
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:生活防衛資金 いくら必要??
なお、今回の記事のもとになった動画はこちらです。
【ケース別】生活防衛資金はいくら貯めたら良いのか?
必要な生活防衛資金は、働き方や家族構成、生活費などによって異なります。
ここで大切なのは、生活防衛資金は収入ではなく生活費で考えるということです。
例えば、年収が300万円だからといって、年間の必要な生活防衛資金が300万円というわけではありません。
あくまでも生活費をベースにしているため、生活費が20万円であれば年間で必要な生活防衛資金は240万円となります。
今回、3つのケースをもとに、必要な生活防衛資金の目安をまとめました。
- ①会社員:生活費の半年分
- ②自営業者:生活費の1~2年分
- ③子育て世帯:生活費の1~3年分
人によって条件は大きく異なりますが、それぞれ詳しく解説していきます。
ケース①:会社員の場合は生活費の半年分が目安
会社員の場合は、生活費の半年分を目安に生活防衛資金を貯めておきましょう。
会社員は安定的な収入があり、急に仕事が無くなる可能性も低いです。
また、会社が倒産したり、体調不良で働けなくなったりしても、公的保険によって最低限の収入は確保されます。
▼図解:失業!お金どうなる?
ちなみに、独立も視野に入れて、生活防衛資金は手厚く準備しておきたいと考えている人もいるでしょう。
確かに、生活防衛資金には精神安定剤としての効果があります。
しかし、「生活防衛資金が〇年間分あれば脱サラ・独立しても大丈夫」という考え方は危険だと言わざるを得ません。
理由は以下の記事で解説していますので、今後独立しようと考えている方は必見です。
ケース②:自営業者の場合は生活費の1~2年分が目安
自営業者の場合は、生活費の1~2年分を目安に生活防衛資金を貯めておきましょう。
会社員と比べて自営業者は収入が不安定で、公的な保障も薄く、失業保険や傷病手当金もありません。
そのため、会社員よりは多めの金額を貯めておくと安心でしょう。
また、公的な保障の薄さをカバーするために、就業不能保険を検討している人もいるのではないでしょうか。
▼図解:民間の就業不能保険に入るべき?
保険は、確率は低いけど遭遇すると損失が大きい場合に備えるモノなので、自営業者の場合なら就業不能保険は検討の余地があるでしょう。
しかし、民間の就業不能保険は必要性が高いものの、痒い所に手が届くようなコスパの良い保険は少ないです。
最近は保障内容が改良されつつあるので、もし就業不能保険に加入したいと考えているなら、以下の条件で探してみましょう。
障害認定の基準が公的制度と同じ。
病気や障害で働けない間は、月額5~15万円の保険金が受給される。
保険料が1,000~3,000円程度。
精神疾患も多少はカバーしてくれる。
ケース③:子育て世帯の場合は生活費の1〜3年分が目安
子育て世帯なら、会社員であれば1年分、自営業者であれば2~3年分を目安に生活防衛資金を貯めておきましょう。
なお、子どもの教育資金は別途、貯蓄を基本に準備することをおすすめします。
学資保険を活用する人もいるかもしれませんが、以下のように中途半端な保険なので、リベ大ではおすすめしません。
手堅く貯めたいなら、元本保証されている預金で備えるべき。
→ 保険では元本割れや、不払いの可能性がある。
お金を増やしたいなら、自分で運用すべき。
→ 利回りが低く、手数料を保険会社に支払う必要はない。
教育資金のように、将来確実に使う資金を貯めるなら、最優先すべきは元本の安全性です。
学資保険は貯蓄と保険がセットになっている商品であるため、余計なリスクが発生しています。
生活防衛資金を貯めるべき3つの理由
次に、生活防衛資金を貯めるべき3つの理由を見ていきましょう。
「生活防衛資金がなぜ必要なのか?」を理解すれば、貯めるモチベーションも高められます。
- ①精神安定剤になるから
- ②お金が貯まりやすい体質になるから
- ③投資で成功しやすくなるから
理由①:精神安定剤になるから
1つ目の理由は「精神安定剤になるから」です。
生活防衛資金の有無による、精神的な違いを比較してみましょう。
生活防衛資金が貯まっている
- 失業しても、ゆとりを持って次の就職先を探せる。
- 体調を崩しても、治療費を支払える。
- 大切な人が困っていても、助けられる。
生活防衛資金が貯まっていない
- 生活費に困るから、ブラック企業を辞められない。
- 焦って転職活動をして、上手くいかない。
理由②:お金が貯まりやすい体質になるから
2つ目の理由は「お金が貯まりやすい体質になるから」です。
お金が貯まりやすい体質とは、保険などの固定費の見直しができていて、支出をコントロールできる状態です。
例えば、生活防衛資金が貯まっていれば、無駄な保険に入る必要はありません。
医療保険
貯蓄型生命保険
外貨建て保険
変額保険
車両保険
学資保険
▼図解:本当に必要な民間保険は3つだけ
- 掛け捨て生命保険
- 火災保険
- 自動車保険(対人・対物無制限)
貯蓄から支払える金額の治療費や修理費にも、保険をかけている人は大勢います。
不要な保険をかけた結果、手元に残るお金が少なくなってしまうのです。
また、生活防衛資金が貯まると、無駄な買い物を減らせます。
なぜなら、欲しいものが買える状態になると、買わない選択肢も選べるからです。
さらに、「買えない」と「買えるけど買わない」には精神的にも大きな差があります。
→ストレスが溜まる
→ ストレスが溜まらない
生活防衛資金があれば、自分で買わない選択ができるためストレスが溜まりません。
そのため、ストレスなく無駄な買い物を減らせるのです。
無理なくお金が貯められるようになると、理由①でも解説したように余裕が持てるようになります。
その結果、本当に必要なモノかどうかを判断する癖が身につくのです。
そして、判断基準として大切なのが、価格ではなく価値で考えることです。
▼図解:“価格”ではなく“価値”で判断しよう
価格ではなく価値で判断すると、生活の満足度を下げずにお金を貯められます。
以下の記事を参考にして、モノの価値の見極め方をぜひ学びましょう。
理由③:投資でも成功しやすくなるから
3つ目の理由は「投資でも成功しやすくなるから」です。
生活防衛資金が貯まっていると、暴落時でも焦らなくなります。
投資をしていると、いつか必ず不景気になり、暴落に巻き込まれます。
暴落に対して、どれだけ心構えをしていても、生活防衛資金が無いと、不安に襲われて売ってしまう人が多いのです。
また、不景気になると株価が下がるだけでなく、以下のようなことも同時に起こります。
- 給与や賞与のカット
- 労働時間の削減や解雇
- 仕事の激減(フリーランス)
ただし、株価の暴落も不景気も、永遠ではありません。
一時的に家計が赤字になったとしても、生活防衛資金があれば冷静に対処できるでしょう。
生活防衛資金に関するよくある質問
ここからは、生活防衛資金に関するよくある質問に回答していきます。
質問①:生活防衛資金とローン返済はどちらを優先すべき?
生活防衛資金とローン返済の優先順位は、金利によります。
例えば、住宅ローンのように金利が低ければ生活防衛資金を貯めることを優先しましょう。
ただし、残りの返済額や現在の収入によっても状況は異なるため、以下の動画や記事をもとに判断してください。
関連動画
一方で、リボ払いやカードローン、消費者金融など高金利で借金をしている場合は、返済を優先的にすすめましょう。
ちなみに、一般的なリボ払いの金利は10〜15%程度です。
仮に100万円をリボ払いで毎月1万円ずつ返済していくと、手数料の合計は約60万円にもなります。
▼図解:意外と知らないクレジットカードの仕組み
質問②:生活防衛資金が貯まるまで投資をしてはいけないのか?
基本的には、生活防衛資金が貯まってから投資を始めた方が良いです。
なぜなら、生活防衛資金がない状態で投資をすると、精神的に余裕がなくなり、暴落時に投げ売りに走る可能性があるためです。
しかし例外として、投資をしながらでも生活防衛資金を貯められるなら、始めても良いと考えています。
資産や自由な時間を増やすためには、投資は必要不可欠で、始めるのが早いほど資産形成に有利です。
ただし、生活防衛資金を貯めながら投資をする場合、最大でもつみたてNISAの枠内(年間40万円)までにしましょう。
ちなみに、生活防衛資金を貯めながら投資をするのであれば、先に無駄な保険は解約しておきましょう。
投資にお金を回すよりも無駄な保険を解約して固定費を下げる方が効率的です。
また、貯めることに精一杯で投資にお金が回せないなら、時間を使う(投資する)ことも考えてみてください。
- 人生の目的を考える(価値観マップを作る)
- おすすめの書籍を図書館で借りて読む
- スキルが身につく副業を小さく始める
お金も時間もないと言う人がいますが、自分の趣味や飲み会の時間などを減らすと、1日1~2時間は確保できるはずです。
もちろん、何を優先するかはその人の価値観によって異なります。
ただし、経済的自由を達成したいのなら、時間やお金を自己投資や資産運用に使えるようになりましょう。
質問③:いくらあれば保険を解約して良いのか?
必要な生活防衛資金が貯まっているなら、不要な保険は全て解約しましょう。
そもそも保険は「低確率・損失大」のトラブルに対して備えるものです。
▼図解:保険を正しく見直そう
- 掛け捨て生命保険
- 火災保険
- 自動車保険(対人・対物無制限)
ただし貯金が5万円程度しかなく、病気やケガがどうしても不安な人は、民間の医療保険の代わりに都道府県民共済の入院保障2型を検討すると良いでしょう。
保険の見直しは、人に言われたから契約・解約するのではなく、自分で判断するのが大切です。
質問④:どこに生活防衛資金を貯めるべきか?
生活防衛資金は、すぐに引き出せるのが大事なので、銀行の普通預金に預けておきましょう。
時々、銀行の倒産リスクを考慮して、タンス預金をする人もいます。
しかし、タンス預金は盗難のリスクがあるためおすすめできません。
銀行が倒産するよりも、火事や盗難の方が確率は高いので、銀行に預けるのがおすすめです。
なお、リベ大がおすすめしているのは「楽天銀行」と「住信SBIネット銀行」です。
まとめ:投資よりも先に生活防衛資金を確保しよう
今回の記事では、生活防衛資金を貯めるべき理由や貯める目安を解説しました。
貯めるべき理由は次の3つです。
- 精神安定剤になるから
- お金が貯まりやすい体質になるから
- 投資で成功しやすくなるから
- 会社員:生活費の半年分
- 自営業者:生活費の1~2年分
- 子育て世帯:生活費の1~3年分
生活防衛資金の金額は人によって異なりますが、上記を1つの目安にしてみてください。
また、借金がある場合は金利が高ければ借金返済を優先し、最低限の貯金ができる状態を作りましょう。
そのためにも、以下の6つを優先した固定費の見直しを行ってください。
- 通信費
- 光熱費
- 保険
- 家
- 車
- 税金
▼図解:支出を減らし貯蓄を増やす!
もし「生活防衛資金を貯めていく中で、自分のケースを相談したい」という方は、リベ大のオンラインコミュニティ「リベシティ」で相談してみてください。
家計見直しチャットや、通信費・保険見直しチャットで気軽に相談できます。
生活防衛資金を貯めることは、資産形成のための第一歩です。
▼図解:生活防衛資金を把握しよう
人生の最終的なゴールは人によって異なります。
しかし、生活防衛資金を貯めることは、大きな目標を達成するのに欠かせない小さな目標の一つなのです。
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