【意外と知らない】老後にかかる「保険料」「医療費」について解説

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こぱん
突然ですが、皆さんに質問です。

民間の医療保険は必要だと思いますか?

リベ大では「基本不要」というスタンスで、これまで情報発信をしてきました。

なぜこのスタンスなのかと言うと、ある程度貯金がある人は「公的保険 + 貯金」で十分対応できるからです。

あひるくん
民間の医療保険は、全く使いどころがないの?

こぱん
仮に使うとしたら、「ある程度の貯金ができるまでの繋ぎ」くらいかな。

最もコスパの良い「掛け捨ての医療保険」を最低限の金額でかけつつ、貯金が貯まったら解約するイメージです。

しかし、世の中には次のような主張をする人もいます。

「民間の医療保険は、基本的に必要だよ」

「保険に入っておかないと、老後大変になるよ」

「民間保険に入らないと、老後の医療費が大変になる」というのは、保険営業マンの鉄板セールストークです。

実際、似たような言葉でセールスを受けた人もいるかもしれません。

こぱん
そこで今回の記事では、以下の2点について解説します。
今回の記事で分かること

老後の医療保険料

老後の医療費(自己負担額)

あひるくん
保険料と自己負担額、合わせて「老後医療にかかるお金」ってワケだ。

「保険に入らないと老後の医療費が大変になる」と言われるものの、老後医療に関する以下のような問いに答えられる人は少ないのではないでしょうか。

老後医療に関する問い(例)
  • どんな公的保険に加入するのか?
  • 保険料はどのように計算され、いくらになるのか?
  • 自己負担割合はどうなるのか?
  • 自己負担ベースで、寿命がくるまでに総額いくらかかるのか?

こぱん
皆さんが怖いと感じるのは、知らないからです!

あひるくん
知らないと怖くなるの!?

こぱん
昔の人は、カミナリや皆既日食を怖がっていたと言うけど、同じ話だよ。

カミナリは実際怖いものですが、実態が分かれば恐怖は軽減できます。

そして恐怖が軽減できれば、冷静に対応を考えられるようになるワケです。

ぜひ今回解説する内容をベースにして、「老後の保険・医療」についての知識を蓄えてください。

知っておくことで無駄な保険に入ることなく、効率的に資産形成できるようになります。

こぱん
それでは、本題に入ります!

以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。

▼図解:老後の医療費 民間保険で備えるべき?

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解説動画:【意外と知らない】老後にかかる「保険料」「医療費」について解説

このブログの内容は、以下の動画でも解説しています!

老後の医療保険料

老後にかかる「医療関連費」は、主に次の2つです。

老後にかかる2つの医療関連費
  1. 医療保険料
  2. 実際にかかった医療費(=窓口における自己負担額)

こぱん
ちなみに今回の記事では、65歳以降を「老後」と定義します。

一旦65歳~寿命までの間に、「医療保険料」と「医療費」で総額500万円かかると仮定しましょう。

この場合、現時点で500万円用意できている人は、「老後の医療費の準備はすでにOK」という状態です。

では500万円と仮定した医療関連費は、実際のところいくらかかるのでしょうか。

というワケで、まずは「医療保険料」の話題を深掘りしていきましょう。

こぱん
早速ですが、4択クイズです。
皆さんが75歳以上になると、医療保険はどうなるでしょう?

① 会社員の時と同じ「健康保険」

② 会社員・公務員以外の人が使う「国民健康保険」

③ 75歳以上の人専用の「後期高齢者医療制度」

④ 75歳以上の人は「無保険」

③ 75歳以上の人専用の「後期高齢者医療制度」です。

こぱん
日本には、大きく分けて3種類の医療保険制度があります。

(出典:日本医師会「日本の医療保険制度の仕組み」)

日本の3種類の医療保険制度

① 健康保険
→ 会社員や公務員など、雇われている人のための医療保険。

② 国民健康保険
→ 自営業・無職の人などのための医療保険。

③ 後期高齢者医療制度
→ 原則75歳以上の人のための医療保険。

あひるくん
ウッ…こういう堅苦しい言葉を見ると、お腹が痛くなるんだよ…。ちょっとトイレへ…。

こぱん
あひるくん、気持ちは分かるけどココは大事なところだよ!カモにならないためにも、後期高齢者医療制度のポイントをしっかり押さえておこう!

ポイント①:75歳以上になると、みんな「後期高齢者医療制度」に加入する

日本では、国民が公的な医療保険制度に加入していない時期はありません。

原則75歳以上になると、会社員だった人もフリーランスだった人も、「後期高齢者医療制度」に加入することになります。

こぱん
さっき紹介した図の、③のところです。

(出典:日本医師会「日本の医療保険制度の仕組み」)

あひるくん
年齢によって自動的に決まるんじゃのう。

ポイント②:自己負担割合は1割~3割

後期高齢者医療制度の自己負担割合は、以下のようになっています。

自己負担割合(後期高齢者医療制度)
  • 現役並みの所得がある人:3割
  • 一定以上の所得がある人:2割
  • 一般的な所得・低所得の人:1割

以前は「原則1割」でしたが、令和4年10月から上記の形になりました。
(参考:厚生労働省「後期高齢者医療の窓口負担割合の見直しについて(お知らせ)」)

こぱん
お金のある高齢者には、もう少し自己負担を多くしてもらうという趣旨で変更になったワケです。

なお、「現役並みの所得」「一定以上の所得」がどの程度なのかは、以下の通りです。

  • 現役並みの所得
    → 単身者の場合、年収約383万円以上
  • 一定以上の所得
    → 単身者の場合、年収約200万円以上

ちなみに厚生労働省によると、現役並みの所得がある人は10人に1人以下とのことです。

つまり自己負担が3割になる人は、それほど多くありません。

そして全体の約7割にあたる自己負担1割の人は、医療費が5,000円かかったとしても、窓口で払う自己負担額は500円で済むワケです。

あひるくん
ボクは3割負担だから、1割って聞くとだいぶ安く感じるね!

ポイント③:高額療養費制度もある

後期高齢者医療制度には、高額療養費制度があります。

高額療養費制度は、「超高額な医療費がかかった時のために、“自己負担額の天井”を作る」という大変ありがたい制度です。

一般的な所得の人は自己負担額の上限が月57,600円なので、仮に月100万円の医療費が3カ月かかった場合でも以下のような計算になります。

月100万円の医療費が3カ月かかった場合(一般的な所得の人)

 自己負担額で300万円支払う必要がある

自己負担額 57,600円 × 3カ月 = 約17万円で済む

なお低所得者の場合、自己負担額の上限が月15,000円~24,600円になる一方、現役並みの所得がある人の場合、収入に応じて約8万円~25万円超が自己負担額上限となります。

ちなみにリベ大両学長のお父さんは肺がんの手術で1カ月入院したそうですが、約5万円の自己負担で済んだそうです。

あひるくん
高額療養費制度、本当にありがたい制度なんだね。

ポイント④:保険料の平均は月6,472円

厚生労働省によると、令和4・5年度の被保険者1人当たり保険料額は、全国平均で月額6,472円となる見込みです。

この保険料は、次の①と②を合算したものです。

保険料の算出方法

① 均等割額:年間約46,400円(月あたり約3,900円)
→ 保険の加入者全員が、平等にこの金額を負担する。

② 所得割額:所得 × 約10%(自治体により料率は変わる)
→ 所得が高ければ高いほど、保険料も高くなる。

こぱん
数字が多く、頭の中もゴチャゴチャしてきたと思うので、一旦ポイントをまとめます。
老後の医療保険料のポイント

ポイント①:75歳以上になると、みんな「後期高齢者医療制度」に加入する。

ポイント②:自己負担割合は1割~3割

ポイント③:高額療養費制度もある

ポイント④:保険料の平均は月6,472円

このパートの本題は「老後の医療保険料はいくらか」でした。

ここで75歳の人の平均余命をご覧ください。

(出典:公益財団法人 生命保険文化センター「日本人の平均寿命はどれくらい?」)

75歳の人の平均余命
  • 男性:約12.4年
  • 女性:約16年

こぱん
つまり、後期高齢者医療制度で支払う保険料は、平均的なケースで以下のようになります。
後期高齢者医療制度で支払う保険料
男性:6,472円 × 12カ月 × 12.4年 = 約96万円

女性:6,472円 × 12カ月 × 16年 = 約124万円

男性・女性の間を取り、およそ110万円としておきます。

この110万円が、75歳から寿命までの間にかかる公的な医療保険料の総額です。

今回の記事では65歳以上を「老後」と定義しているので、老後の保険料を算出するには65歳~74歳までの保険料も把握しておく必要があります。

こぱん
まずは以下の点をしっかり整理しておきましょう。
  • 75歳以降にかかる保険料(=後期高齢者医療制度の保険料)
  • 65歳~74歳までの保険料(=国民健康保険などの保険料)

All About マネーというサイトで行われている試算をそのまま紹介します。

65歳以降、一般的な年金受給者の保険料は年約11万円(月9千円)とのことです。

あひるくん
74歳までの10年間だと、総額で110万円だね。

こぱん
結局65歳以降にかかる保険料は、以下のようになります。
65歳以降にかかる保険料
  • 65歳からの10年間:110万円
  • 75歳から平均寿命まで:110万円

こぱん
110万円という数字が同じなのは、ざっくりと計算した結果たまたま同じ数字になっただけです。

あひるくん
合計で、約220万円必要なんだね!

「この保険料をどのように支払うか?」という部分のデザイン次第で、将来の生活水準が大きく変わります。

保険料をどのように支払うか?
  • 年金から支払う
  • 貯金から支払う
  • 配当金・利息・家賃などの、資産所得から支払う

こぱん
皆さんは、ある意味ラッキーです。

今回のように勉強することで、いつ何が起きるかが事前に分かるからです。

次の2人について考えた時、老後の生活水準・生活満足度が同じではないと分かるでしょう。

自由に使えると思っていた年金や貯金が、保険料に消えていく人。

最初から保険料をどのように支払うか計算している人。

あひるくん
想定外のことが起きると、いろいろガタガタになりそうだね。

というワケで、保険料の話題はここまでで一旦終わりです。

とにかく、65歳からの公的保険料で約220万円かかることだけ覚えておいてください。

こぱん
次は、医療費の自己負担額の話に移ります。

老後の医療費(自己負担額)

先ほど解説した通り、老後に支払う保険料総額は約220万円です。

とはいえ、これだけ用意していれば「老後は安泰」ということにはなりません。

老後にかかる医療関連費は「保険料 + 自己負担額」だからです。

つまり先ほど解説した220万円に加えて、医療費の自己負担額も発生します。

こぱん
そこでこのパートでは、医療費の自己負担額がどのようになるのか見ていきましょう!

老後の医療費、自己負担額はいくら?

こぱん
まずは以下のグラフをご覧ください。

(出典:フィデリティ証券「老後に必要な医療費はどのくらい?」)

上記グラフは、年齢別の「医療費」「自己負担額」「保険料」を集計したグラフです。

自己負担額は、グラフのオレンジ色の部分です。

こぱん
赤枠で囲った部分(65歳〜84歳の自己負担額)を集計してみましょう。
65歳〜84歳の自己負担額(上図赤枠)
  • 65歳~69歳:年8.6万円(5年で43万円)
  • 70歳~74歳:年7.6万円(5年で38万円)
  • 75歳~79歳:年6.8万円(5年で34万円)
  • 80歳~84歳:年7.8万円(5年で39万円)

平均寿命まで生きるケースを想定すると、65歳以降におよそ150万円の自己負担額が発生する計算です。

またグラフを見ると分かる通り、歳を取れば取るほど医療費は増大します。

(出典:フィデリティ証券「老後に必要な医療費はどのくらい?」)

あひるくん
医療費の大半は、60歳以降に発生してるんだね。

医療費が右肩上がりなのにもかかわらず自己負担額が一定程度に抑えられているのは、先ほど解説した「高額療養費制度」があるからです。

豪華な個室で治療を受けたり、保険適用外の医療を受けたりしない限り、「医療費が増えすぎてヤバイ」という状態にはなりにくいワケです。

「民間の医療保険」に加入する意味とは?

こぱん
ここまでの前提を踏まえて、「民間の医療保険」に加入する意味を考えてみましょう。

65歳~84歳の20年間にかかる医療費(=自己負担額)を150万円と考えると、将来に備えて「民間の医療保険」に加入するというのは、この150万円が支払えない状況を危惧しているのと同じです。

しかし実際のところ、150万円が支払えなくなる状況を懸念して終身医療保険に入る人は少ないでしょう。

なぜなら150万円くらいの金額であれば、多くの人は貯金で十分対応できるからです。

あひるくん
確かに150万円だったら、なんとかなりそうな気もするね。

月約4千円貯金するだけでも、30年で約150万円貯まる計算になります。

このように考えると、そこまでハードルの高いチャレンジではないでしょう。

老後のことを気にして民間の医療保険に入る人は、もっと別のことを想定していると考える方が自然です。

こぱん
別の想定としては、以下のような例があります。
民間の医療保険に入る人が想定していること(例)
公的保険が弱体化され、自己負担割合が高まる可能性がある。

公的保険が弱体化され、高額療養費の自己負担限度額が増える可能性がある。

150万円という自己負担額はあくまで平均的なケースの話で、自分はもっと自己負担額が大きくなる病気を患う可能性がある。

広い視野で見ると、医療費はもう少しかかる可能性が高い。例えば「病院への交通費」「部屋代・食事代」など。

「先進医療」を受けようと思うと、平均的な金額では済まない。

上記で挙げられた懸念は、もっともです。

特に公的保険が弱体化される可能性は、大いにあると言えるでしょう。

こぱん
高齢者医療に関する年表をご覧ください。

(出典:厚生労働省「後期高齢者医療制度について」)

上図を見ると分かるように、昭和48年時点では老人(70歳以上)の医療費は無料とされていました。

それが昭和58年に定額の患者負担が導入され、平成14年には一部で定率1割の負担に変更されています。

平成20年に誕生した後期高齢者医療制度では、原則1割負担になりました。

そして今や、自己負担割合は所得に応じて1割~3割という時代に突入しています。

あひるくん
どんどん負担が大きくなってきてるんだ…。

こぱん
日本は”超”少子高齢化社会なので、保険料の増加・自己負担額の増加は、今後も続くと考える方が自然でしょう。

そして「平均だけで考えない」という視点も重要です。

自己負担額が10万円のAさんと自己負担額が290万円のBさん、この2人の自己負担額の平均は150万円ですが、実際に自己負担額150万円の人は存在しません。

150万円という貯金は、Aさんには過剰ですがBさんには不足している状態です。

あひるくん
じゃあ、やっぱり民間の医療保険も考慮した方が良いの?

こぱん
安易にそう考えるのは、ナンセンスだよ。

リベ大でいつもお伝えしているように、保険は「起きる確率は超低いものの、起きてしまったら人生が台無しになる」ケースに備えるものだからです。

年を取ると病気・医療費が増えるというのは「ほぼ確実に起きること」です。

このようなことに対して、保険はうまく機能しません。

なぜなら保険会社の顧客全員が、「自分が支払った保険料より多くの保険金を請求する」ことになるからです。

こぱん
全員が当たり、得をするカジノはありえません。

原理的に考えると、お得な終身医療保険というのはありえない構造です。

「支払う原資は一体どこから来るの?」という話に行き着きます。

加入者全員が得するような保険を作ってくれる「ボランティア精神MAXの保険会社」は存在しないでしょう。

実際のところ保険会社は、ボランティアどころか、稼ぐのがとても上手な営利企業です。

こぱん
保険会社がどれだけ儲けているか知っている人は、次の行動を取るはずです。

民間の医療保険を買う

保険会社の株を買う

なぜなら保険会社の株を買う方が、長い目で見てはるかに儲かりやすいことを知っているからです。

両学長も、「保険会社は保険料を支払うところではなく、保険料を配当金を通じてもらうところ」と言っています。

結局のところ「公的保険が弱体化されそう」「自分の場合はもっとかかりそう」という懸念に備えたければ、以下の対応が最も経済合理性のある対応<