
「お金の増やし方講座」の第三回では、前回に引き続き「出ていくお金(支出)を減らす」というテーマでお話します。
前回は「家」についてお話しましたが、今回は「保険」です。
ご家庭の保険を最優先で見直すべき理由が3つあります。
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- 保険は感情論が絡みやすい
- 日本人は世界で一番保険にお金を払っている
- 保険の見直しはすぐ効果が実感できる
- 【第1回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」基本の考え方編
- 【第2回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」家の支出を抑える編
- 【第3回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」保険の支出を抑える編
- 【第4回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」車の支出を抑える編
- 【第5回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」サラリーマンの税金編
- 【第6回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」個人事業主の税金編
- 【第7回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」投資をはじめてみよう編
- 【第8回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」投資商品を知ろう編
- 【第9回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」株と投資信託の基本編
- 【第10回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」不動産で騙されたくない編
目次
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6章 保険を数字で考えよう
保険には、加入したほうが良い保険と、見直すべき保険があります。あなたが今加入している保険が「本当に必要か」をいま一度考えてみましょう。
なぜ保険を見直すかというと、高額な支出であることと、「保険は感情論が絡みやすい」という特徴があるためです。
日本の保険会社はとてつもなく儲かってます。都会では「◯◯生命ビル」という名の建物が乱立し、テレビCMで保険会社を見ない日などありません。
ビルを建てるのも、テレビでコマーシャルを流すのも、わたしたちの想像を絶するお金がかかります。そのお金は、一体どこからでてきているのでしょう?
日本人は保険がだいすき
世界には約200カ国の国があり、約76億の人間が存在します。そのすべての人間が払っている「保険料」のうち、13.6%をたった人口1億ちょっとの日本人だけで払っています。
これほどまでの割合を日本人だけで占めているとなると、「私たちの"ふつう"は何かおかしい…」と思いはじめて良いはずです。
「ふつうは保険に入る」のであれば、第一回で紹介した通りふつうの日本人は負債を抱えているんです。
つまり、日本人がお金を増やしたいなら「ふつう」とは違うことをしなければいけません。
保険ってそもそも何?
「保険は安心料」という言葉をよく聞きますが、そもそも保険に加入するということは、「非常に低い確率で病気になればお金が入る」というギャンブルに毎月高額なお金を払っている状態です。
がん保険に加入している人のうち、何歳の何%ががんで死亡するかを、把握していますか?ほんの1%にも満たないことに賭けて、お金を無駄にするのはもったいないです。
「安心料」とはただの感情論であり、「お金を増やすこと」とは全く関係ありません。しっかりと「数字」で判断しましょう。
わたしたちはすでに最強の保険に入っている
国民健康保険(社会保険)は、世界でも例を見ないくらい充実した保険です。なぜなら、医療費の3割を自己負担するだけで、残りの7割は国が負担してくれます。
だとしても、集中治療室に入らなければいけないような、すごい大きな病気になったらどうするの?という意見もありますが「高額療養費制度」があります。
1ヶ月ごとの医療費負担には上限があります。たとえば、年収370万円以下の方は、丸一ヶ月入院することになり手術などで200万円かかってしまう…となっても、1ヶ月57,600円のみの負担で済みます。
お金を増やす保険の見直し
高額な保険料を払って、ギャンブルに勝ってお金持ちになるという選択肢もあるのかもしれません。「保険に入っていて病気になった時に助かった」という人も当然います。
その人は「低確率な賭けに勝った」わけですから、「保険に入っていてよかった」と言うでしょう。
カジノなどのギャンブルでも同じことが言えます。勝った人は「賭けてよかった」と言うでしょう。でも実際には、その裏にたくさんの負けた人たちがいます。
しかしなぜか保険では、負けた人たちが「安心料だから」と感情論で自分を納得させるのです。
しかしここは感情論に流されず、しっかりと、確率・メリット・デメリットで「お金が増える正しい保険の選び方」をご紹介します。
保険を見直し、支出を減らして、そのお金で「お金のなる木をもつ」ほうが、遥かに効率的に「安心」を得られますよ。
- 日本人の保険加入率は異常に高い
- 保険は勝つ確率が非常に低いギャンブル
- 国民健康保険は世界でもトップクラスの充実した保険
積立保険はすべて見直すべき
- 「未来にいくらかお金が返ってくる」というタイプの保険はすべて不要です。
- 理由は、掛け捨て保険+投資信託がセットになっている保険だからです。
投資信託は自分でやるべき
積立保険は、投資信託が抱き合わせで販売されている保険です。
投資信託を買いたければ保険会社に任せてはいけません。非常に高い手数料を取られてしまうからです。
保険の営業マンの「保険会社を通じてしか買えない商品もある」というセールストークもあります。しかしそういった商品は手数料が高いです。
もっと良い投資信託が、高い手数料をとられずに自分で買えます。そして、それは初心者の方が知識ゼロでもはじめることができます。
なので、掛け捨て保険以外はすべてやめて、「掛け捨て保険の中から入るべき保険を探す」という方法がお金を増やすには一番効率的です。
- 保険に入るなら「掛け捨て保険」の中から考える
- 保険会社を通じて投資信託を買うと高額な手数料をとられる
- 投資信託は知識ゼロの初心者でもできるので講座にお付き合いください
見直す必要のある掛け捨て保険
生命保険は本当に必要か考えてください
生命保険を契約する前に、「どれくらいの確率で、何歳のときに自分が死ぬか」を考えたことがありますか?
日本人の30歳生存率は98.9%です。これが40歳になると98.2%に減っています。つまり30歳~40歳の間に死亡する確率は0.7%です。
この0.7%のギャンブルに勝てば1000万円もらえます。というのが、生命保険のしくみの例です。
しかも0.7%の賭けに勝ったとしても、もらえる金額は競馬なんかじゃ比にならないくらい低い倍率の金額なのです。
この実態を理解した上で、それでも必要と感じた場合に加入すべきです。
がん保険は本当に必要か考えてください
心理学では「不安なことに人間はお金を払う」とされていますので、CMなどでは数字のマジックを使って不安を煽ります。しかし、怖いのは不安なことに対して知識が足りないから。正しく知れば怖くありません。
「国民の2人に1人はがんになる時代」と言っていますよね。たしかに、なります。
しかしそれは「最終的に年齢を重ねればがんになる」という意味で、今すぐ5割の確率でなるわけではありません。
現在年齢別がん死亡リスクの表↓
「国民の2人に1人はがんになる時代」とは、「がんになる確率」なので「がんで死ぬ確率」ではありません。
20代のがんになる確率0.1%以下、30代は0.1%です。がん保険とはつまり、この0.1%以下の確率に賭けて高額なお金を払う商品というです。
この実態を理解した上で、それでも必要と感じた場合に加入すべきです。
学資保険はもったいない
- 生命保険
- がん保険
- 学資保険
加入したほうがいい保険
車の対人・対物無制限保険
車の対人・対物無制限保険は加入をおすすめします。つまりは「他人への補償」ですが、これは「車の交通事故の確率が高いから」という理由です。
もし車を運転して、罪のない人を事故に巻き込んでしまったら、どうしようもならないほどお金がかかります…。交通事故は他人事ではないはずです。
損害保険は 平均毎月3000~4000円の支払いで保証を受けることができます。30年加入しても約140万の支払いで済みます!
掛け捨ての生命保険
さきほど「見直すべき」と紹介した生命保険ですが、子供がいるなら加入を検討しましょう。
間違っても、積立保険は選んではいけません。保険は貯蓄になりませんし、保険は投資としては非効率すぎます。
掛け捨てなら、平均毎月3000円前後の保険料で、2000万円近い保証を受けられます。30年支払っても108万の支払いで済みます!
- 車の対人・対物無制限保険(車があるなら)
- 掛け捨ての生命保険(子供がいるなら)
まとめ
ポイントまとめ
図解でわかる:正しい保険の見直し方
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- 保険は感情論が絡みやすい
- 日本人は世界で一番保険にお金を払っている
- 保険の見直しはすぐ効果が実感できる
- 日本人の保険加入率は異常に高い
- 保険は勝つ確率が非常に低いギャンブル
- 国民健康保険は世界でもトップクラスの充実した保険
- 保険に入るなら「掛け捨て保険」の中から考える
- 投資信託を保険会社を通じて買うと高額な手数料をとられる
- 投資信託は知識ゼロの初心者でもできるので講座にお付き合いください
- 独身の生命保険(確率と必要性で考えよう)
- がん保険(セールストークに注意)
- 学資保険(払ったお金が返ってくるだけ)
- すべての積立型(貯蓄性のある)保険
- 車の対人・対物無制限保険(車があれば)
- 子持ち世帯の掛け捨て生命保険
- 【第1回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」基本の考え方編
- 【第2回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」家の支出を抑える編
- 【第3回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」保険の支出を抑える編
- 【第4回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」車の支出を抑える編
- 【第5回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」サラリーマンの税金編
- 【第6回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」個人事業主の税金編
- 【第7回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」投資をはじめてみよう編
- 【第8回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」投資商品を知ろう編
- 【第9回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」株と投資信託の基本編
- 【第10回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」不動産で騙されたくない編
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