こんにちは、こぱんです!
リベ大では、正しい節約と節税で支出のバランスをコントロールする「貯める力」に関する情報を発信しています。
▼図解:貯める力
質問の答え、分かりますか?
質問1:お金持ちを目指すための、最初のステップは何だと思いますか?
質問2:お金持ちであり続けるための、重要なステップは何だと思いますか?
一つはお金の初心者に対する質問で、もう一つはお金持ちに対する質問です。
先ほどの質問の答えは、両方とも「現状の資産と負債を正しく把握すること」になります。
お金持ちを目指すにも、お金持ちであり続けるにも、正しい現状認識こそが全ての土台というワケです。
そこで、今回の記事は「家計の資産と負債の総点検」をテーマに以下の3つを解説していきます。
- 家計の資産を総点検する方法
- 家計の負債を総点検する方法
- 家計の純資産を把握する方法
「将来に向けて、家計の状態をしっかり把握したい!」と考えている人は今回の記事を参考に、家計の資産と負債を洗い出してみましょう。
なお、今回の総点検を実践すると、以下のような表(バランスシート)を作成できるようになります。
少し難しそうな印象を持つかもしれませんが、今回は初心者向けのテーマですので、分かりやすく解説します。
ある程度お金の知識に自信がある人でも、記事を読むことで自分の資産と負債の認識漏れに気づけるかもしれません。
家計の総点検ができれば、お金の悩みをFP(ファイナンシャルプランナー)に有料で相談しなくても、経済的自由への最初の一歩を踏み出せます。
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:おうちの資産 総点検!
目次
解説動画:【初心者向け】まずはココから!自分の「資産」「負債」を完全把握しよう
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
家計の資産を総点検しよう
まずは、家計の資産について見ていきましょう。
- 家計の資産の分類について
- 家計の資産を洗い出す
資産の分類について
資産は金融資産と非金融資産に大きく分かれます。
さらに金融資産は「いつでも自由に現金化できる資産」と「すぐに現金化するのが難しい資産」の2つに分類され、以下のようなイメージです。
金融資産①:いつでも自由に現金化できる資産
- 現金
- 預金
- 有価証券
- 金券
金融資産②:すぐに現金化するのが難しい資産
- 満期のある預金や債券
- 解約返戻金のある保険証券
- iDeCoや公的年金、企業年金などの年金資産
- 退職金
- 自社株
非金融資産
- 実物資産 → 不動産や自動車、家具など
- 無形資産 → 特許権やSNSアカウント、ブログなど
- 人的資産 → 自分自身が働いて稼ぐ力や人脈など
市場性が高い。
→ 誰の目から見ても価格は明確で、基本的にいつでも自由に売買できる。
資産をメンテナンスしなくても資産価値は減少しにくく、価値は上昇する傾向にある。
→ 資産によっては利子や配当金を得られる他に、値上がり益が得られる。
保有するための維持コストが、ほぼかからない。
→ 保有していても邪魔にならない。
市場性がほぼない〜やや高い。
→ 買い手によって価格が変わり、買い手を見つけるのが難しい。
資産をメンテナンスしないと、価値は低下していく傾向にある。
保有するための維持コストがかかる。
資産の分類と特徴を把握したところで、それぞれの資産額を確認する方法を見ていきましょう。
金融資産①:いつでも自由に現金化できる4つの資産
それでは、金融資産のうち「いつでも自由に現金化できる4つの資産」から見ていきましょう。
- 現金
- 預金
- 有価証券
- 金券
自由に現金化できる資産1:現金
いつでも自由に現金化できる金融資産1つ目は、現金です。
現金は「キャッシュ・イズ・キング」と言われることもあれば、一部の投資家からは「現金はゴミ」と言われることもあり、人によって扱い方が変わる資産です。
ご存知のとおり、現金には硬貨と紙幣があります。
財布の中身や貯金箱、へそくり含め、家にある全てのお金を数え上げましょう。
円に換算する場合は、直近の為替レートで計算しましょう。
為替レートは「ドル レート」のようにネットで検索すると、簡単に調べられます。
自由に現金化できる資産2:預金
いつでも自由に現金化できる金融資産2つ目は、預金です。
- 普通預金
- 1年以内に満期を迎える定期預金
預金の残高集計は一つにまとめず、銀行や家族の口座名義ごとに分けて集計しましょう。
なお、どこの銀行に口座があるのかを正確に整理しておくことは、もしもの時の相続対策に役立ちます。
自由に現金化できる資産3:有価証券
いつでも自由に現金化できる金融資産3つ目は、有価証券です。
- 株式
- 債券
- 投資信託
Webサイトや専用アプリを利用し、取引銀行や証券会社の口座にアクセスすれば、どの有価証券をいくら持っているかの確認はできるはずです。
自由に現金化できる資産4:金券
いつでも自由に現金化できる金融資産4つ目は、金券です。
- 商品券
- クオカード
- ポイント
金券は存在を忘れがちな資産なので、確実に集計してください。
「細かいものまで数えるのが大変!」と感じるかもしれませんが、今回はお金の勉強のつもりで頑張って数えてみましょう。
何が資産でどのような特徴があるのか、身をもって理解することは貴重な経験になるはずです。
金融資産②:すぐに現金化するのが難しい5つの資産
続いては、金融資産のうち「すぐに現金化するのが難しい5つの資産」を見ていきましょう。
- 満期のある預金や債券
- 解約返戻金のある保険証券
- iDeCoや公的年金、企業年金などの年金資産
- 退職金
- 自社株
すぐに現金化するのが難しい資産1:満期のある預金や債券
すぐに現金化するのが難しい金融資産1つ目は、満期のある預金や債券です。
- 満期が1年以上先の定期預金や国債、社債など。
- 給与から天引きされる財形貯蓄。
満期が1年以上先だと、すぐに売却できなかったり、売却しようとすると損が出たりするため「すぐに現金化できない金融資産」の扱いとなります。
すぐに現金化するのが難しい資産2:保険証券
すぐに現金化するのが難しい金融資産2つ目は、保険証券です。
ここで言う保険証券とは、解約返戻金のある貯蓄型保険が対象となります。
現時点の解約返戻金の金額は、以下の2つの方法で確認しましょう。
- 保険契約時の解約返戻金の推移表を確認する
- 保険の営業担当に問い合わせる
なお、貯蓄型保険は15年や20年と長期間加入し続けないと元本割れするケースが多く、使い勝手はあまり良くありません。
貯蓄型保険について解説したリベ大の動画や記事があるので、ぜひ参考にして理解を深めていきましょう。
すぐに現金化するのが難しい資産3:年金資産
すぐに現金化するのが難しい金融資産3つ目は、年金資産です。
年金資産には大きく3つあり、以下の方法で残高を確認できます。
- iDeCo(イデコ)
→ 証券会社等のサイトで、残高の確認ができる。 - 公的年金
→ ねんきんネットや年金定期便のハガキで、残高の確認ができる。 - 企業年金
→ 会社の就業規則や給与規則などをもとに、残高の推計ができる。
→ もし分からなければ、会社の人事部担当者に確認する。
年金資産は、皆さんの老後を支える貴重な資産ですが、基本的に老後にならないと使えません。
すぐに現金化するのが難しい資産4:退職金
すぐに現金化するのが難しい金融資産4つ目は、退職金です。
退職金制度がある企業に勤めている人は「現時点で退職したとすると、支給額はいくらか?」をしっかり把握しましょう。
- 勤務先の就業規則で確認する
- 人事部に問い合わせる
すぐに現金化するのが難しい資産5:自社株
すぐに現金化するのが難しい金融資産5つ目は、自社株です。
大企業に勤務し、従業員持ち株会に加入している人は、自社株の評価額を確認しておきましょう。
自社株の評価額の確認方法は、以下を参考にしてください。
- ①持ち株数:勤務先が発行する明細書で確認する
- ②最新の株価:ネットで検索して調べる
意外と自社株の存在を忘れがちな人が多いので、必ず資産に集計しましょう。
非金融資産①:実物資産
実物資産は以下の3つです。
- 不動産
- 耐久消費財
- 貴金属・宝石類とその他の実物資産
実物資産1:不動産
実物資産1つ目は、不動産です。
マイホームや賃貸用不動産を所有している人は、時価を調べてください。
- 不動産会社に査定依頼し、確認をする。
→ 不動産会社3社ほどに査定を依頼し、平均額を算出すると適正価格付近になる。 - 類似物件の価格をもとに推計する。
→ 自宅の付近で売り出されている物件を参考にする。
「マイホームを売却する予定はないから」と、時価を把握していない人もいるでしょう。
しかし、多くの家庭においてマイホームは最も価値の大きな資産です。
マイホームの時価を把握することなく、正しい家計状況を把握するのは難しいと言えます。
以下の記事を参考にし、少なくとも3年~5年に一度は時価を把握しましょう。
実物資産2:耐久消費財
実物資産2つ目は、耐久消費財です。
耐久消費財とは、以下のようなものを指します。
- 自動車
- 家具
- 家電
- バッグ
耐久消費財は、生活の質を上げるために役立ちますが、基本的に時間が経てば経つほど価値は下がっていきます。
しかし、ある程度の価値は残るため、以下の方法でおおまかな価値を把握してみましょう。
- 自動車:査定業者に査定を依頼する。
- 家具や家電、バッグなど:中古買い取り業者のサイトやメルカリで調べる。
「誰にも売るつもりがないから価値を確認しなくても良いのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし、売却するかどうかに関係なく価値の把握は大切です。
価値を確認することで「こんなに資産価値がないものばかり買っていたのか…」と、気づくきっかけにもなります。
とはいえ、全ての耐久消費財を一つずつ調べて集計するのは労力が必要です。
「資産価値が1万円以上のものだけ集計する」というような、自分の中で何かしらの基準を設けましょう。
実物資産3:貴金属・宝石類とその他の実物資産
実物資産3つ目は、貴金属・宝石類とその他の実物資産です。
耐久消費財と同様で、買い取り業者のサイトや店舗などで市場価格の確認ができます。
- 宝石や宝飾品:ダイヤモンドやルビーなど
- 貴金属:ゴールドやシルバー
- 書画骨董品やブランド時計など
皆さんの中にも、あひるくんのように今回の説明が進むほど、資産の価値を把握しづらくなっていることに気づいた人もいるでしょう。
金融資産と比べ、実物資産の市場性が低いと言われる理由は以下になります。
買い手を見つけるのが難しいため
買い手によって買い取り価格が違うため
実物資産の価値は見えづらいので「いつの間にか資産価値のないものばかり買っていた」ということになりやすく、注意が必要です。
非金融資産②:無形資産と人的資産
金融資産と実物資産までチェックできれば、資産の洗い出しはほぼ完了です。
ここからは少し上級編として、非金融資産のうち目に見えない資産である無形資産と人的資産の2つを解説します。
- 無形資産
- 人的資産
目に見えない資産1:無形資産
目に見えない資産の1つ目は無形資産です。
以下のイメージ図に掲載されている資産にも、実際に市場価格がつきます。
- 特許権や商標権
- 著作権
- SNSアカウント
- ブログやWebサイト
SNSアカウントやブログなどの無形資産は、以下のようなイメージで売買サイトにて価格がついています。
- SNSアカウント:フォロワー数やインプレッション数に応じた価格
- ブログやWebサイト:毎月の利益の6カ月~24カ月分の価格
どのようなものがいくらで売り出されているのか、興味のある人は売買サイトを閲覧してみると良いかもしれません。
なお、近年流行している仮想通貨(暗号通貨)は、無形資産に分類されます。
2021年時点、アメリカでは仮想通貨を「耐用年数を確定できない無形資産」と扱っているようです。
(参考:ロイター「コラム:テスラのビットコイン投資、会計規則の矛盾浮き彫りに」より)
なお、仮想通貨に投資を行い億り人を達成した人がいます。
おそらく、その人は無形資産への投資に関して特別に優れた力があったのでしょう。
「目に見えるものだけが資産ではない」ことの好例とも言えます。
話を鵜呑みにせず、自分で判断していくことが大切です。
仮想通貨に対するリベ大の見解は、以下の記事で解説しています。
仮想通貨バブルでどんな人が稼げたのかを知っておくことも大切なので、ぜひ参考にしてください。
目に見えない資産2:人的資産
目に見えない資産の2つ目は人的資産です。
人的資産を一覧で見ると、以下のようなイメージで、人的資本と相続財産などの2つに分類されます。