意外と知らない!?人が貯金をする8つの理由と貯金するための小さな3つのコツ

こんにちは、こぱんです!

リベ大では、正しい節約と節税で支出のバランスをコントロールする「貯める力」に関する情報を発信しています。

▼図解:貯める力

こぱん
あひるくん、世界で一番「金融」が進んでいる国、どこだか分かる?

あひるくん
もちろん!僕たちのUSAだよね!

日本には、FP(ファイナンシャル・プランナー)の資格がありますが、FPの資格認定試験制度が日本で確立されたのは1990年です。

一方、アメリカでは1930年代にFPの概念が誕生し、1960年~1970年頃には業界団体が整備されFP制度が確立しました。

アメリカは、金融に関して数十年レベルで日本の先を進んでいるため、お金のことはアメリカに学ぶのが一番です。

日本でFPと聞くと、証券会社や保険会社の営業マン、銀行員が保有する自己啓発資格のイメージが強いかもしれません。

ネットで調べられるFPの年収は、FPとしてではなく「FP資格を保有する会社員の年収」の側面が大きいでしょう。

こぱん
日本でFPの資格一本で稼いでいる人の年収は、実態を掴みにくいのが現状です。

一方、アメリカでのFPの地位や年収水準は、日本とは格段の差があります。

アメリカでは、FPはれっきとした専門職で、医者や弁護士に並ぶ高報酬の職業の一つです。

それだけ、アメリカには金融アドバイスに広く深い顧客ニーズがあることが分かります。

そこで今回は、アメリカで有名なFPであるルイス・J・アルトフェスト氏の書籍「パーソナルファイナンス プロフェッショナルFPのための理論と実務」から、貯金に関する話題をピックアップし紹介します。

何と上下巻合わせて、約1,150ページという驚異的なボリュームです。

あひるくん
すごく分厚いんだね…!!

今回は初心者向けのテーマを選びましたが、金融先進国アメリカから学べる新しい視点や考え方など、興味深い内容が多く含まれています

今回の記事で分かること
  1. なぜ人は貯金をするのか?貯金の動機8選
  2. 貯金するための小さなコツ3選

貯金のモチベーションが上がらず「上手くお金を貯められない…」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

正しく動機づけをするだけで、人は大きく変われます

年間貯金額を30万円・50万円とアップできるチャンスを掴めるよう、貯金の目的を見直してみましょう。

また、家族や友人にアドバイスが必要になった際に役立つテーマでもあるため、貯金の話題にあまり興味のない人もぜひ最後まで読んでください。

こぱん
今回の記事が、皆さんの資産増に貢献できれば嬉しいです。

以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。

▼図解:どうして貯金してるの?

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解説動画:【意外と知らない】人間が貯金する理由8選

このブログの内容は下記の動画でも解説しています!

なぜ人は貯金をするのか?貯金の動機8選

人が貯金をする動機は、以下の8つに整理されます。

人が貯金をする8つの動機
  • ①純粋なライフサイクル動機
  • ②投資動機
  • ③頭金動機
  • ④予備的動機
  • ⑤改善動機
  • ⑥自立動機
  • ⑦遺贈動機
  • ⑧退蔵動機

あひるくん
初めて見る言葉だらけだよ〜!

お金を貯めるという1つの行為を、さらに8つの視点で分類するところに、金融先進国アメリカのお金に対する関心の高さを感じます。

それでは、人が貯金をする動機について順番に見ていきましょう。

貯金の動機①:純粋なライフサイクル動機

貯金の動機①:純粋なライフサイクル動機

1つ目の貯金の動機は「収入がなくなる期間分は、働ける今のうちに貯めておきたい」と考える、純粋なライフサイクル動機です。

一般的に、人は20歳前後~65歳までの約45年間を働きますが、働き始めてから寿命を迎えるまでは約60年以上の期間があります。

厚生労働省の調査によると、日本人の平均寿命は以下の通りです。

日本人の平均寿命
  • 男性:81.64歳
  • 女性:87.74歳

(参考:厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」より)

平均寿命から定年時の年齢を差し引くと、最低でも約16年間の収入が激減する期間が訪れる計算になります。

そのため、収入がない期間を視野に入れ、今のうちに働いて老後資金を貯めておこうと考えるワケです。

こぱん
これが、純粋なライフサイクル動機で行う貯金スタイルです^^

「老後2,000万円問題」が話題になって以降、純粋なライフサイクル動機をもとに貯金を考える人が増えました。

老後資金の確保は、多くの人にとって貯金の大きなモチベーションになっています。

しかし、老後資金2,000万円の貯金はラクな道ではない上に、貯金さえできれば老後は裕福に暮らせるというワケではありません。

実は、年金と老後資金2,000万円での生活は、働いていた時期よりも生活水準が下がってしまいます

例えば、働いている時は月40万円で生活していた人が、老後は月30万円で生活するイメージです。

あひるくん
生活水準がかなり下がっちゃうんだね…!

世界3,000万部のベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」の著者ロバート・キヨサキ氏は、コツコツ貯金を「貧乏になるためのプラン」と呼んでいます

彼は「貯蓄に時間や労力を費やすのに、どうして今より低い生活水準を目指すのだろう?」と、主張しているのです。

おそらく、彼の言う「貧乏になるためのプラン」という言葉に対する反応は、人によって異なるでしょう。

「貧乏になるためのプラン」に対する反応の一例
「貧乏になるとは感じない。自分には十分幸せなプランだ!」

「確かにその通りかもしれない。より良い貯蓄のプランはないだろうか…?」

こぱん
どのように捉えるかは、皆さんの考え方や価値観次第になります。

貯金の動機②:投資動機

貯金の動機②:投資動機

2つ目の貯金の動機は「投資のタネ銭を貯めたい」と考える、投資動機です。

今の世の中は、歴史的な超低金利時代です。

2008年から2021年9月までの政策金利を示しているグラフを見てみましょう。

主要各国の政策金利データ
  • アメリカ:0.25%
  • カナダ:0.25%
  • イギリス:0.10%
  • 豪州:0.10%
  • 欧州:0.00%
  • 日本:-0.10%
  • スイス:-1.25%

政策金利は、主要各国ともに非常に低い水準となっており、ほぼ利子はつかず預金ではお金が増えない状況です。

低金利な状況だからこそ、株式や債券へ投資を行うために、貯金する人が増えているのです。

貯金をして投資を行う理由
  • 株式投資:およそ5~10%のリターンが期待できるため
  • 債券投資:およそ1~5%のリターンが期待できるため

投資動機をもとに貯金をする人が現れたのは、ここ20年ぐらいの話です。

1980年代~1990年代のバブル期は、預貯金に利息が約7%〜8%とついたため、リスクを負って投資をする必要がない時代でした。

そのため、バブル世代の人に「自分は投資のためにお金を貯めている」と話しても、時代と経験とのズレから共感されにくいでしょう。

貯金の動機③:頭金動機

貯金の動機③:頭金動機

3つ目の貯金の動機は「大きな出費のために、まとまった初期費用を貯めておきたい」と考える、頭金動機です。

例えば以下のように、初期費用は貯金で準備し、残額はローンの活用を視野に入れる流れです。

まとまった初期費用が必要なケースの一例
  • 住宅を購入するための頭金

→ 残額は住宅ローンを利用する

  • 自動車を購入するための頭金

→ 残額はカーローンを利用する

  • 子どもを学校に通わせるための入学費用

→ 残額は教育ローンや奨学金を利用する

なお、人によっては親世代から初期費用に関して資金援助を受けることも多いです。

資金の援助を受けられた人は「助かった!」と考えがちですが、リスクがある点も認識しておくべきでしょう。

なぜなら、お金を与える行為は「強い人を弱くし、弱い人をより弱くする」可能性があるからです。

しかし、以下の対応ができる人は経済的に困る可能性は低く、頭金動機は数ある動機のなかでも健全な動機と言えます。

経済的に困る可能性が低い人の特徴

欲しいモノや目的のために、未来から逆算して計画を立てられる。

立てた計画を粛々と進め、まとまった費用を自力で貯められる。

上記の内容を実行するのは、決して簡単ではありませんが、自分軸をしっかり持ち自分で考え行動する力を身につけることが大切です。

▼図解:魚のとりかたを学ぶことの大切さ

 

貯金の動機④:予備的動機

貯金の動機④:予備的動機

4つ目の貯金の動機は「もしもに備えてお金を貯めておきたい」と考える、予備的動機です。

具体的には以下の通りです。

もしもの時の不安に備える理由の一例
  • 給与や賞与が減少した時のため。
  • 病気などで働けなくなった時のため。
  • インフレによる物価上昇で、購買力が下がってしまった時のため。

もしもの時への備えとして、貯金を行う考え方は大切です。

しかし、特に目的もなく貯金をしている人は、予備的動機の根本にある不安に支配されているケースも少なくありません。

なぜなら、もしもの時の不安は考え出すとキリがなく、100万円や300万円と貯めても、より一層貯めたくなるからです。

具体例として、リベ大両学長の知人Aさんのエピソードを紹介します。

お金の不安から抜け出せない事例

Aさんは、すでに億を超える財産を保有しています。

しかし、お金に対する不安が消えないため、いまだにお金を貯め続けています。

Aさん本人は「資産が50億円ぐらいあっても、まだ不安なんだ…。」と言っているそうです。

あひるくん
お金をいくら貯めても不安が消えないのは、僕だったらツラいなあ…。

人によっては、予備的動機は強力な蓄財動機になるため、客観的な視点で考えることが重要です。

例えば、以下のように考えてみましょう。

客観的な視点での考え方(例)

自分のライフスタイルには、どのようなリスクが潜んでいるのか?

病気やケガには、どれぐらいの確率でなるのか?

病気やケガをした場合、経済的損失はどれくらいか?

貯金以外で備える方法はないのか?

自分は何が不安で、どのような「もしも」にいくら備えたいのかを理解しないと、お金がいくらあっても不安から抜け出せません

そのため、予備的動機は不健全な動機になる可能性があり、注意が必要です。

なお、リベ大ではリスクの備えとして「最低限の生活防衛資金」を貯めておくことが大切だと伝えています。

生活防衛資金について正しく理解したい人は、以下の図解と記事を参考にしてください。

▼図解:生活防衛資金を把握しよう

 

貯金の動機⑤:改善動機

貯金の動機⑤:改善動機

5つ目の貯金の動機は「今のライフスタイルを犠牲にしても、将来をより良くするためにお金を貯めておきたい」と考える、改善動機です。

日本人は忍耐強い気質を持つ人が多い印象です。

例えば、以下のような考え方に心当たりはないでしょうか。

今より将来のライフスタイルを優先する考え方
「恋人ができたら色々な場所にデートに行きたいから、今は節約する!」

「子どもが生まれたら習い事をさせてあげたいから、今は節約する!」

「いつか、より良い暮らしをするために、今は極限まで節約する!」

あひるくん
僕もデートのためなら、節約も貯金も頑張れちゃうよ〜!

一方、今が大事だと考える人たちは、上記のパターンとは逆の道を辿ります。

将来のライフスタイルを犠牲にし、今を良くするために借金を利用することが多いです。

例えば、金融先進国であるアメリカは借金大国でもあります。

「若いうちは貯金をしないで、借金をしてでもお金を使え!」がアメリカ流の考え方のため、一部の人は信じられないほどクレジットカードを多用するそうです。

「貯金か借金か」とは、いわば「未来か今か」というテーマです。

大切なのは未来か?今か?

未来が大切だと考えるタイプ

→ 未来のライフスタイルを良くするために、今を犠牲にし、貯金をする。

今が大切だと考えるタイプ

→ 今のライフスタイルを良くするために、未来を犠牲にし、借金をする。

こぱん
皆さんは、どちらのタイプでしょうか?

貯金の動機⑥:自立動機

貯金の動機⑥:自立動機

6つ目の貯金の動機は「ある年齢まで働いた後、経済的に自立できるようお金を貯めておきたい」と考える、自立動機です。

あひるくん
早期リタイアを目指すFIRE(ファイア)目的の貯金は、自立動機なんだね!

退職そのものが目的ではなく、自立心、自由、名声や権力などから喜びを得るのが目的です。

多くの人にとって、経済的に自立した状態とは「安定した職業に就き、長期的に生活が成り立つ状態」を指すのではないでしょうか。

親元を離れて定職に就き、自分の家庭を持った子どもを見て「まだ経済的に自立していない!」と言う親は恐らくいないはずです。

しかし、今回の記事でいう経済的自立の定義は、基本的に以下のように考えています。

経済的自立の定義

配当金や利子などの資産所得だけで暮らせる状態

→ 例:生活費に毎月30万円必要だが、配当金で毎月30万円入ってくる。

働かなくても、寿命まで暮らせるだけの資産を保有している状態

→ 例:平均寿命まであと30年で、年間500万円の生活費が必要だが、1.5億円の資産を保有している。

上記は、一般の人が考える経済的自立の定義より、1段どころか50段くらいハードルが高いです。

だからこそ、早期に経済的自立を達成できる人は、名声や権力を獲得しやすいというワケです。

経済的自立やFIREの類型については、色々なパターンがあります。

以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

貯金の動機⑦:遺贈動機

貯金の動機⑦:遺贈動機

7つ目の貯金の動機は「家族や家族以外の人に残すお金を用意しておきたい」と考える、遺贈動機です。

お金を残したい相手の一例
  • 自分の子どもや配偶者
  • 友人
  • 親戚
  • 慈善団体

あひるくん
お金を残すって、僕にはイメージができないよ…。

若年層の人で「今は自分の資産形成に必死で、誰かに残す貯金のことまで考えられない」と感じる人は多いでしょう。

しかし、遺贈動機は決して珍しい動機ではありません。

自分の老後生活の目途が立った年代の人ほど、財産の使途を考え