【ほぼ無料にできる!?】賃貸物件の退去費用をトコトン安くする方法

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こんにちは、こぱんです!

リベ大では、正しい節約と節税で支出のバランスをコントロールする「貯める力」に関する情報を発信しています。

▼図解:貯める力

 

誰もが経済的自由を目指せると伝えているリベ大には、色々な質問や相談が届きます。

その中で今回は、賃貸物件の退去費用に関する質問を見ていきましょう。

リベ大に届いた質問
「6年間住んでいたアパートの退去で高額な請求をされて困っています。

例えば、クロス全面張り替えを要求されました。退去者が新品価格で負担する義務があるのでしょうか?」

「退去立ち会いでサインしないと退去は完了しない、と立ち会いを強制させられました。退去立ち会いは本当に必要ですか?」

退去費用は、賃貸物件で特に多いトラブルの一つです。

今回届いた質問のように、本当は負担の必要がない費用を請求されたり、不利な状況にさせられたりといったケースも多々あります。

また、知らぬ間に損していたこともあり得ます。

今回の記事では、退去費用に関する情報を以下のようにまとめました。

今回の記事で分かること
  • 退去費用とは何か?
  • 退去費用でぼったくりが起こりやすい理由
  • 退去費用を安くできる5つの理由
  • 退去費用を安くする手続きの具体的な手順と注意点

知識をしっかり身につけておけば、退去時のトラブルを減らせて退去費用は低く抑えられるでしょう。

また入居中に火災保険を活用すれば、退去費用をゼロにできる可能性もあります。

こぱん
この記事で知識を身につけ、退去者が本当に払うべき費用を見極めましょう!
今回の記事の注意点

今回の記事では、支払う必要のない費用を請求することで儲けようとする、悪質な不動産業者(管理会社や立ち会い業者)が少なからず存在していることをお伝えします。

全ての業者が悪質というわけではなく、健全な不動産業者も数多くいるという点、ご承知おきください。

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解説動画:【ほぼ無料に出来る】賃貸物件の退去費用をとことん安くする方法

このブログの内容は、以下の動画でも解説しています!

退去費用とは何か?

退去費用とはなに?

退去費用とは「退去時に自分の過失で発生した傷みや汚れを元に戻して返す費用」、つまり原状回復費用のことです。

原状回復について、「借りた当時の状態に戻すために新品にする」と勘違いしている人も多いでしょう。

しかし、正しくは「普通に生活して発生する傷みや汚れ以外の消耗を現在の価値まで復旧すること」です。

普通に使って汚れたり擦れたりする分は、基本的に退去者が負担する必要はありません。

こぱん
詳しくは後ほど説明します^^

原状回復義務は賃貸契約書に記載されていることが多く、この原状回復の範囲をめぐってトラブルが起きがちです。

立ち会い業者と退去者のトラブルの例
立ち会い業者「クロスの破れや畳の擦り切れ、フローリングに傷がありますね。
全て新品に直す必要があるので〇万円払ってください。」
退去者「提示の金額は高すぎです!
フローリングの傷は元々ついてましたし、私が全額負担するなんて聞いてません。
まずは敷金を返してください!」

国民生活センターに寄せられた賃貸物件トラブルの相談でも、年間12,048件(2020年度)と多いです。

(参考:独立行政法人国民生活センター「賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル」より)

賃貸物件から退去した経験がある人は、退去費用が高いと感じたことも多いのではないでしょうか?

例えば、クロス代やフローリング補修費用、鍵交換費用という名目で支払っていれば、知らずに損している可能性があります。

あひるくん
僕の友人も、退去費用でたくさんお金を請求されて不満だって言ってたよ。

退去費用でぼったくりが起こる理由

ぼったくり

不動産業界には「入居者と管理会社・立ち会い業者」の間で情報格差があり、ぼったくりが起きやすい業界構造となっています。

情報格差を利用して、退去費用を必要以上に多く請求することで儲けている人たちも存在するのです。

退去費用で儲けようとする人たちの例
  • オーナー
  • 仲介業者(管理会社や立ち会い業者)

オーナーは、退去後にリフォームやクリーニングが必要なため、かかる費用を退去者に負担をさせたいと考えます。

もちろん退去者である皆さんは、なるべく退去費用を安くしたいと考えるので、意見が分かれること自体はやむを得ないでしょう。

ただ、より重要なポイントは、仲介業者が退去費用をぼったくるケースがあることです。

悪質な業者の場合、退去者が支払う必要のない費用を請求することで儲けようとするのです。

中には退去者にもらった費用を、オーナーに連絡もせずに自分たちのものにする業者もいます。

あひるくん
なんでそんなことするんだろう?

理由のひとつとして、管理会社が儲けを出しにくいことがあげられるでしょう。

管理会社の儲け
家賃の5%前後をオーナーからもらうだけ
→ 10万円の家賃でも毎月5,000円の儲けのみで、家賃管理や入居者とやり取りをする。

まともな業者なら、健全な企業努力の中で利益を出すでしょう。

しかし、悪質な業者の場合、本来支払う必要のない各種費用を退去者に負担させて儲けようとします。

また、あえて相場より高い金額で、リフォーム費用やクリーニング費用を得意先に頼んでキックバックを受け取ることもあります。

あひるくん
じゃあ、大手の管理会社を選べば安心かな?

こぱん
残念ながらそうとも言えないんだ。
中には退去費用をノルマにしている会社もあるんだよ^^;

ちなみに、管理会社が立ち会いを別の業者に委託している場合があります。

委託業者が国土交通省の賃貸借契約のガイドラインを無視して、修繕費の上乗せや必要のない修繕項目をでっちあげて請求する場合もあるのです。

例えば、何かと理由をつけて全面リフォームが必要と主張して、ワンルームの退去費用で30万円~40万円を請求するような事例も少なくありません。

退去費用を安くできる5つの理由

退去費用を安くできる5つの理由

退去費用や原状回復費用を安くできる理由は次の5つです。

退去費用・原状回復費用を安くできる5つの理由
  • ①原状回復は借りた当時の状態に戻すことではない
  • ②故意・過失で傷つけた箇所の負担は残存価格のみ
  • ③故意・過失によるものでも、壊れた個所を負担するだけでいい
  • ④自分の過失でつけた傷は火災保険で回復できる
  • ⑤特約に記載されていても無効な契約が多い

理由①:原状回復は借りた当時の状態に戻すことではない

原状回復は借りた当時の状態に戻すことではありません。

入居者が修繕するべきかを考える損耗には、2種類あります。

賃貸物件の損耗の種類
  • 自然損耗:入居者が負担しなくてよい
  • 入居者の故意・過失による損耗:入居者が負担する必要がある

自然損耗

自然消耗とは、日常生活を送っていて、自然に減っていく価値の部分となります。

この修繕費用は家賃に含まれており、オーナーが負担するものです。

ざっくりわかる《原状回復》_負担不要

自然消耗の例
  • 経年による壁紙の黄ばみ
  • 家具設置によるフローリングのへこみ
  • 畳の日焼けやすり減り

借り主の故意・過失による損耗

故意や過失による損耗は、入居者が負担(原状回復)すべき部分となります。

ざっくりわかる《原状回復》_負担必要

借り主の故意・過失による損耗の例
  • タバコのヤニの汚れや焦げ跡
  • ものをぶつけてできた破損
  • 子供の落書き

裁判所の見解も、原状回復は建物の通常損耗分を元の状態への回復ではなく、賃借人の故意・過失等による劣化の回復となっています。

また、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも以下のように掲載されています。

国土交通省の原状回復の解釈

原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明確化

(出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについて」より抜粋)

あひるくん
もし自然損耗の部分を請求されそうになったら、断ればいいんだね!

理由②:故意・過失で傷つけた箇所の負担は残存価格のみ

残存価格とは、ものに残っている現在の価値です。

例えば、オーナーが6年前に新品10万円でクロスを購入した場合、減価償却によって現在の残存価格は1円になります。

1円のものには価値がほぼないので、退去者が傷をつけても負担する必要はありません。

あひるくん
残存価格が残ってる場合、例えば3年前に新品だったらどうなるの?

3年前に新品だったクロスを傷つけたときの負担は、残存価格である5万円となります。

床や壁なども全て同じ考え方で、残存価格のみ払えばよく、新品の価格を払う必要はありません

東京都住宅政策本部のガイドラインにも、下図のように価値の変化が明記されています。

なお、価値がなくなる年数は、設備ごとに耐用年数で決まっています。

耐用年数の例
  • 流し台:5年
  • 畳床やカーペット、クッションフロア:6年
  • 便座や洗面台などの給排水・衛生設備:15年

こぱん
「耐用年数 = 新品で買ってから価値がなくなるまでの年数」と考えてください^^

理由③:故意・過失によるものでも壊れた箇所を負担するだけで良い

残存価格が残っているものを傷つけてしまったら、全体ではなく、傷がついた箇所の修繕費用を負担することになります。

負担箇所

退去者負担箇所の目安
  • フローリングの1枚単位で張り替えれるものなら1枚のみ
  • クロスは最大で1面まで
  • クッションフロアなら1面まで

基本は壊れた箇所を平米単位で確認しますが、境目はケース・バイ・ケースです。

しかし、1面であればさほど高額にはならないでしょう。

もちろん、負担金額は先ほど解説した通り、新品価格でなく残存価格となります。

壁1面張り替えるのに2万円かかったとしても、3年住んでいたら半分の1万円の負担です。

あひるくん
壊れた箇所だけ直せば良いってことは、全面張り替えを要求されたら請求理由を確認しなきゃいけないね。

理由④:自分の過失でつけた傷は火災保険で回復できる可能性がある

自分の過失でつけた傷を補償する火災保険とは

火災保険の補償内容に「借家人(しゃっかにん)賠償」の「不測かつ突発的な事故(破損・汚損)」がついていれば、過失による傷も補償してくれます。

ほとんどの火災保険には「借家人賠償責任補償」もしくは「個人賠償責任補償」がついています。

火災保険についている2種類の補償
  • 借家人賠償責任補償:オーナーに対して損害を与えてしまったときの費用を補償
  • 個人賠償責任補償:日常生活で自分や家族が他人にケガを負わせたり、他人の物を壊したりしたときの費用を補償

こぱん
なお、個人賠償責任補償は一つで十分です。
他の保険やクレジットカードの特約などで重複加入していないか確認しましょう。

ただし、借家人賠償責任補償がついていても、必ずしも過失でつけた傷を補償してくれるとは限りません。

貸主に対する賠償責任補償のみで、オーナーへの補償を狭くして不慮の事故を補償しない保険もあるのです。

借家人賠償責任補償を狭くしている例
  • オーナーへの補償は対象外
  • 破損は1万円までの免責
  • 火災や風災、水害のみ対応

なお、不動産会社(仲介業者や管理会社)の指定で加入した火災保険は、破損・汚損の補償がないなど、補償が薄いケースもあります。

さらに、不動産業者への紹介料が含まれていることから、同程度の補償内容の火災保険よりも割高になりやすいのです。

契約書の特約で記載されない限り、指定の火災保険の加入は強要できません。

ぜひ加入している火災保険の内容を確認しましょう。

ちなみに、破損・汚損の補償の有無によって、年間で保険料に5,000円~8,000円ほど差があります。

こぱん
最適な補償内容は人によって異なるため、以下の記事を参考に火災保険を見直してみましょう^^

 

火災保険の補償を活用する

皆さんが加入している火災保険に「借家人賠償」の「不測かつ突発的な事故(破損・汚損)」がついていれば、オーナーに損害を与えたときの費用を保険会社が負担してくれます。

▼図解:無料で賃貸物件を直す方法

 

火災保険で補償対象となる例
  • 子供が目を離した際に、壁に落書きをしてしまった
  • 物を落として洗面台を壊してしまった
  • 意図せず物が倒れて設備が壊れてしまった

火災保険は何回使っても保険料が上がりません。

ただし、入居中しか使えず退去時には使えないので、傷をつけたときにその都度連絡しなくてはいけません。

あひるくん
火災保険で修繕箇所を減らせれば、そもそも原状回復の負担も減りそうだね!

こぱん
以前の記事で詳しく解説しているので、興味ある人はぜひご覧ください^^

 

理由⑤:特約に記載されていても無効な契約が多い

きれいに使っていて修繕箇所はないのに、以下の内容で10万円近く請求されてしまうケースがあります。

入居者が負担する必要がない内容の例
  • ハウスクリーニング代
  • エアコンクリーニング代
  • 退去時の鍵交換代

納得いかないことを伝えても「特約に記載されてますし、入居時に説明してサインしましたよね?」と言われて泣き寝入りする人も少なくありません。

実はその特約のほとんどは無効である可能性が高いです。

▼図解:特約は無効?!賃貸の退去費用を下げる方法

 

あくまで原状回復は、借りていた人が故意・過失で壊してしまった箇所を負担するものとなります。

次に住む人のための費用は、基本的にオーナーが負担すべきものです。

しかし、特約でお互いが合意すれば問題ないことを逆手に、特約に何でもかんでも記載して、不利な条件で契約させるケースもあるのが不動産業界の現状です。

例えば、美装費用も特約に書いてあっても認められません。

あひるくん
でも、特約にサインしてしまったら承諾するしかないのかな?

こぱん
実は特約を満たすためには3つの条件が必要なんだよ。
特約を満たすための条件
  • 具体的な金額が書かれていること
  • 契約者がきちんと内容を認識していること
  • 論点となる特約のページに記名押印があること

3つの条件すべてが揃っていない項目は、法律上無効になる可能性が高いです。

特に論点となる特約のページに記名押印があることは大きなポイントです。

契約書の最初と最後に記名押印していても、特約のページ自体に記名や押印がなければ、その特約は無効になります。

実際に、3つの条件のうち2つ満たしていても無効とした最高裁の判例(平成17年12月16日)もあるのです。

こぱん
ほとんどの契約書が条件を満たせてないので、気になる方は一度チェックしましょう。

退去費用を安くする手続きの具体的な手順と注意点

具体的な手順と注意点

前章「退去費用・原状回復費用を安くできる5つの理由」の知識を身につけたとしても、先に正しく牽制していかないと、悪質な管理会社や立ち会い業者のペースに飲まれてしまうかもしれません。

口が上手かったり、ゴリ押ししたりする交渉相手に対して大切なのは、やり取りを全て記録を残すことです。

そこで、業者とのやり取りは基本的にメールで行い、口頭や対面での会話は避けましょう。

どうしても口頭や対面が必要な場合は、録音することをおすすめします。

あひるくん
記録が残ると分かるだけでも、おかしなことを言いづらくなるもんね。

それでは、実際に退去手続きの具体的な手順と注意点を見て行きましょう。

退去費用を安くする手続きの具体的な手順と注意点
  • ①火災保険を使って直せる箇所は入居中に直しておく
  • ②賃貸契約書を確認する
  • ③解約通知(退去届)を送る
  • ④退去日までに家具を全て出しておく
  • ⑤退去日の立ち会いをする
  • ⑥解約日までに鍵は返却する
  • ⑦請求が来たら内容確認する

こぱん
順番に解説していきます^^

手順①:火災保険を使って直せる箇所は入居中に直しておく

火災保険を使って直せる箇所は入居中に直しておく

まずは、皆さんが加入している火災保険の補償内容を確認しましょう。

先程も解説しましたが、補償に「借家人賠償」の「不測かつ突発的な事故(破損・汚損)」が含まれていれば、過失でつけた傷を補償してくれます。

ただし、退去時に火災保険を使って直すことはできません。

あひるくん
傷をつけてしまったタイミングで、随時直していく必要があるんだね。

手順②:賃貸契約書を確認する

解約通知を誰にいつまでに送るのかを、賃貸契約書で確認しましょう。

一般的には管理会社に退去日の1カ月前までに連絡することが多いですが、2カ月前の場合もあるので注意してください。

手順③:解約通知(退去届)を送る

解約通知書を送る

解約通知書は自分に不利な点がないか注意

解約通知書は契約書の最後にあることが多く、退去者にとって不利な内容で記載されやすいです。

退去者に不利な内容の例
  • 原状回復費用は言われた通りの金額を支払います。
  • 異議申し立ては一切致しません。
  • 退去日までに鍵交換代とクリーニング代を事前に支払います。

あひるくん
もし書かれてたらどうすればいいの?

こぱん
自分に不利な内容は、全部斜線を引いてその上に印鑑を押せば大丈夫だよ。

中には斜線を認めないという立ち会い業者もいますが、嘘かその業者が知らないだけなので問題ありません。

必要ない手続きを立場を利用して強要することは、強迫にあたります。

もし解約通知書の内容を強迫されたら、記録として残しておきましょう。

そもそも解約通知書は、管理会社や立ち会い業者が用意した書式でなくても問題ありません。

解約通知書がない人は、自分が用意した書式で以下の内容を伝えれば良いです。

解約通知書を自分で用意するときの連絡の例

解約通知と退去日までに鍵の返却をもって、退去は完了することを伝える。

「○○マンション○○号室の〇〇です。

○月○日を持って、○○マンション○号室の契約を解除します。

鍵は○日までに返却致します。」

こぱん
「解約通知書は指定フォームでいただかないと、次月度以降も家賃を請求します」と言う業者もいますが、真に受けなくて大丈夫です^^

解約通知書に盛り込む内容

解約通知書に盛り込む内容は以下の6つです。

解約通知書に盛り込む内容
  1. 今後のやり取りは全てメールでする
  2. 入居時からあった傷を事前に指摘する
  3. 退去立ち会いを避けたい人は退去立ち会いしないと記載する
  4. 退去費用の請求は「ガイドライン」に沿って行うようにお願いする
  5. 特約は無効と主張する
  6. 金額は専門家に確認してから返事する
1今後のやり取りは全てメールでする

自分のメールアドレスを記載して、今後のやり取りは全てメールとお願いしましょう。

メールでの記録を残すことで、「言った・言っていない」というトラブルを防止できます。

電話をかけてきて直接やりとりしようとする業者もいますが、無視するか専門家からのアドバイスですと言い切り、断って問題ありません。

こぱん
記録に残しておくことは非常に大切なので、ぜひ実践してください^^
2入居時からあった傷を事前に指摘する

入居時からあった傷は事前に指摘しておきましょう。

ここでも記録を残すためにメールで連絡することをおすすめします。

電話で事前に伝えたとしても、退去時に「そのような話は覚えていません」と言われるかもしれないからです。

3退去立ち会いを避けたい人は退去立ち会いしないと記載する

退去立ち会いを避けたい人は、解約通知書に退去立ち会いはしないと記載できます。

あひるくん
えっ!本当にしなくて良いの?

こぱん
知らない人が多いんだけど、実はそうなんだ^^;

法律やガイドラインにも、退去立ち会いが必須とは記載されていないのです。

また、立ち会い時のトラブルも多いことから、リベ大としてもおすすめしていません。

退去立ち会いをおすすめしない理由
その場でサインをさせようとする業者がいる
→ 中には強面の人が来て、サインするまで帰さないと脅されたりする場合がある。
サインをしてしまうと一気に話がややこしいことになる
→ 各種費用を認めることになるので、後から変更するのが難しい。

もちろん、退去立ち会いを希望する不動産業者のうち、悪質な業者は一部です。

退去立ち会いを断ることで、健全な不動産業者から不審に思われるリスクもあります。

「退去立ち会いはしない」という選択肢があることを知り、実際にするかどうかは皆さん自身で判断しましょう。

こぱん
もし、退去立ち会いをする場合は、後ほど解説する注意点を参考にしてください^^

なお、退去時に鍵を直接返してほしいという理由で、退去立ち会いを提案する管理会社もいます。

しかし、鍵は退去日までに郵送で返却できるので問題ありません。

4退去費用の請求は「ガイドライン」に沿って行うようにお願いする

退去費用の請求について、以下のような内容をメールに記載すると、過剰な請求をしにくくなるでしょう。

退去費用の請求についての連絡

「原状回復費用を請求される場合は減価償却部分を明確にしたいです。

ガイドラインにある通り、貸主側の立証責任において、最初から新品だったかどうかを証明する写真や領収書も添付してください。」

そもそも、入居時にクロスや床が新品であったどうかは貸主側で立証する責任があります。

しかし、記録がないから新品として扱うというぼったくり業者もいます。

借主である入居者に対して「チェックしていない、または写真を撮って証拠を残していないあなたが悪い」と立証責任を押しつけるのは誤りなのです。

悪質な業者の中には、払ってもらえたらラッキーという気持ちで請求する人もいます。

あひるくん
これを防ぐためにも、事前に牽制しておくことが大切なんだね。
5特約は無効と主張する

先述した通り、入居時の契約書にある特約のほとんどは条件を満たせておらず、無効なものが多いです。

ただし、契約書の内容によってケース・バイ・ケースのため、条件をしっかり確認しておきましょう。

特約を満たすための条件
  • 具体的な金額が書かれていること
  • 契約者がきちんと内容を認識していること
  • 論点となる特約のページに記名押印があること
6金額は専門家に確認してから返事する

金額は専門家に確認してから返事をすると伝えることで、管理会社への牽制となります。

無理やり金額を認めさせてサインさせようとする業者は、変な請求をしづらくなるでしょう。

なお、解約通知書は配達記録が残るもので送るのをおすすめします。

こぱん
送ったにもかかわらず、管理会社が受け取っていないと言うのを防ぐためです。

悪質業者の発言や要求の例

悪質業者の発言や要求の例

悪質業者の発言や要求のうち、真に受ける必要がない例を紹介していきます。

悪質業者の発言や要求の例
  1. 「退去日前までにハウスクリーニング代と鍵交換代を支払ってください。」
  2. 「退去立ち会いしないと退去は完了しません。家賃が来月分もかかります。」
  3. 「なぜ退去立ち会いができないのですか?」
  4. 「原状回復はあくまでガイドラインであり、法的効力はないですよ。」
  5. 「今後家が借りれなくなりますよ。」
  6. 「退去立ち会いしないなら家具は全部勝手に出しますよ。」
1「退去日前までにハウスクリーニング代と鍵交換代を支払ってください。」

実際に契約書に書いてあるなら、一方的に不利な特約であり、消費者契約法10条違反になります。

契約書に書いてないなら「専門家に相談しますので、退去日前までに払わなければならない根拠をメールで送ってください」と伝えましょう。

2「退去立ち会いしないと退去は完了しません。家賃が来月分もかかります。」

悪質な嘘の一つであり、退去立ち会いをしないという選択肢もあります

退去は解約通知と鍵の返却をもって完了しますので、来月分の家賃は請求できません。

3「なぜ退去立ち会いができないのですか?」

法律やガイドラインに退去立ち会いが必要という記載はないことや、対面でのトラブルを避けたいことなどを丁寧に伝えましょう。

健全な不動産業者であれば、退去者とのコミュニケーションを通じて、双方にとっての最善案を考えてくれるでしょう。

退去立ち会いを一方的に強く要求してくる場合、その場でとにかくサインさせたい可能性があるので注意してください。

4「原状回復はあくまでガイドラインであり、法的効力はないですよ。」

裁判では基本的にガイドラインに沿った判決になります。

法律とガイドラインは厳密には異なりますが、最高裁の判決にもガイドラインを遵守するようにという判決が過去に出されています。

あひるくん
実質的な法的拘束力はあるってことだね。
5「今後家が借りれなくなりますよ。」

問題なく借りられますので、真に受けないようにしましょう。

もちろん、本当に自分で壊したり支払い義務のあるものは支払うべきです。

借り主が負担すべき故意・過失による損耗の修繕義務から逃れるという目的で、退去立ち会いをしないのは許されません。

6「退去立ち会いしないなら家具は全部勝手に出しますよ。」

あひるくん
本当にそんなこと言う人いるの!?

こぱん
実際、リベ大両学長の知人が遭遇したそうだよ^^;

両学長の知人は退去のときに、勝手に家具を持ち出される被害を受けたことがあるようです。

両学長の友人の被害

退去予定日前に、両学長の知人が家に帰ったところ、家具が全てなくなっていました。

仲介業者が知人の断りもなく、勝手に家から家具を持ち出してしまったのです。

完全に犯罪なので弁護士に相談した結果、慰謝料100万円以上の支払いと家具代全て弁償してもらいました。

この事例は担当が暴走してやったことが分かり、会社側から丁重に謝罪があったようです。

こぱん
もし、会社の指示であれば業務停止命令を受けます^^;

手順④:退去日までに家具を全て出しておく

退去日までに家具を全て出した後に、室内の写真をたくさん撮っておきましょう。

管理会社によっては写真を加工して日焼け写真ぽく見せたり、自分で壁に傷をつけたりして費用を請求する人もいます。

悪質な請求に反論できるように、証拠として写真を記録しておきましょう。

手順⑤:退去日の立ち会いをする

退去立ち会い

もし、退去立ち会いをするなら以下のことは守りましょう。

退去立ち会い時に守るべきこと

男性同伴か複数人で立ち会う

→ 強面の人が来て、サインするまで帰さないと脅されたりする場合がある。

録画や録音をする

どんな書類にも絶対にその場でサインをしない

特にその場でサインをしないことは、後述する「保証会社からの請求」の件でも重要です。

サインしなくても退去は完了できるので、「専門家に確認してからサインします」と伝えれば問題ありません。

立ち会い時に様々な指摘をされても「請求書に記載してメールをください」と伝えて、その場で同意しないようにしましょう。

悪質な業者が立ち会いを希望するのは、表向きはお互いに原状回復費用の箇所を確認するためですが、本音としてはその場でサインさせたいという理由が少なくありません。

退去者が原状回復の範囲がよく分からなくても、退去費用の同意書にサインさえしてもらえれば、後で回収がしやすくなるので業者には都合が良いのです。

こぱん
入居者にとって不利益な内容でも、サインしたことを根拠に請求できてしまいます。

あひるくん
絶対にその場でサインしないようにするよ。

手順⑥:解約日までに鍵は返却する

退去は解約通知と鍵の返却を持って完了するので、解約日までに鍵は返却しましょう。

なお、鍵の返却は管理会社へ直接手渡しする必要はありません。

退去立ち会いをしない場合は郵送をおすすめします。

手順⑦:請求が来たら内容確認する

清算金がなければ無事に解約できます。

ただし、中には解約精算書に「修繕費29万円」といった記載のみで、詳細が全く無い場合があるので、内容は必ず確認しましょう。

もしくは、下図のように費用の記載はあるものの明細が無く、不当に高額な費用が記載される場合もあります。

【p76】ぼられてない?退去費用のチェックポイントはここ!

解約精算書のチェックポイント

解約精算書について以下のチェックポイントを参考にしながら、原状回復の負担が正しいか確認しましょう。

ぼられてない?退去費用のチェックポイントはここ!

解約精算書のチェックポイント

残存価格での請求になっているか?

修繕範囲が明確で、自然損耗以外の箇所の請求になっているか?

入居時新品だった証明を送られているか?

退去者と貸主の負担割合は記載されているか?

こぱん
請求内容が原状回復のガイドラインに沿っているか確認しましょう。

ぼったくりされやすい費用:クロスの単価と㎡

解約精算書の中で、特にクロスの単価と㎡の計算は、ぼったくられる可能性が高いため注意してください。

クロス単価の相場は地域にもよりますが、700円~800円程度です。

約2倍の1,500円で計算したり、張替えの範囲計算がおかしかったりすることがよくあります。

クロスの範囲計算は、アパートの部屋の一般的な高さである2.5mを基にすると「高さ(2.5m) × 幅 = ㎡」となります。

例えば、ワンルーム1面の横幅が4mの場合、2.5 × 4 = 10㎡で一面張り替えられます。

こぱん
100㎡を請求されたケースもありましたが、100㎡ ÷ 10㎡ / 面 = 壁10面分を請求されたワケです^^;

あひるくん
そんなにたくさん張り替えしなきゃいけないケースなんて珍しいよね。

保証会社から請求が来た場合

契約書

保証会社は、入居者の保証人になってくれる会社です。

家賃の滞納や退去費用を不払いがあった場合、入居者の代わりに立て替えして、その後入居者へ取り立てを行います。

実は、保証会社は入居者の味方でなく、オーナーの味方です。

退去の際に保証会社から請求されると、トラブルが大きくなりやすいので注意しましょう。

関連動画

悪質保証会社からの請求にご注意

実際、退去費用を退去者が支払わないとオーナーが判断して、代わりに保証会社へ費用を請求することがありました。

保証会社はオーナーの請求が適切であると解釈し、退去者に取り立てを行うのです。

実際にあった、両学長の知人の事例を紹介します。

両学長の知人の事例

ワンルームの退去費用で30万円を全面リフォーム代として請求されました。

部屋をきれいに使っていて、証拠として写真も残っていることから、両学長の友人は同意しませんでした。

後日、保証会社から請求の連絡が着ました。

「なぜ請求額を支払わないのですか?30万円という金額は妥当だと考えています。

オーナーには弊社が代わりに支払っているので、あなたに請求させていただきます。」

あひるくん
なんか変な話だね…。
支払うべき費用がまだ何も決まってないのに。

両学長の知人の事例では、入居者とオーナーとの間で合意がとれていません。

しかし、保証会社が勝手に金額を決めてオーナーに支払い、入居者に請求しているのです。

本来、保証会社は金額が確定するまで関係ありません。

保証会社が動くべきなのは、入居者とオーナーの間で合意が取れて、金額の同意書にサインをしているにもかかわらず入居者が支払わない場合です。

こぱん
悪質な保証会社の場合は、分かった上で、請求をしてくるケースもあり得ます^^;

だからこそ、退去時にその場でサインをしてはいけないのです。

もしサインをしてしまうと、それを根拠にオーナーや管理会社は保証会社に請求できるし、保証会社も支払いを迫ってきます。

逆に言えば、退去時にサインをしなければ、保証会社が出てきません。

まれに管理会社が勝手に同意書にサインをして保証会社へ請求をかける場合がありますが、不動産会社の「有印私文書偽造」で犯罪となります。

実は、先程あげた保証会社からの請求も、同意書にサインしていないのにも関わらず来たものでした。

その場合、以下のような内容をメールしましょう。

同意していない内容に対する保証会社へメール

「〇〇アパートを退去した〇〇です。

退去費用について、同意書に承諾およびサインをしていないにもかかわらず、御社より請求を受けました。

専門家に相談したところ、以下のようなアドバイスをいただきました。

『今回のケースは、退去費用を代位弁済するための入居者側がサインをする所を偽造している有印私文書偽造にあたり、犯罪行為と考えられます。

ない借金を架空に請求する行為ですので、架空請求詐欺の可能性も含まれます。

保証会社が知っていた場合、犯罪の共謀の可能性がありますので、請求根拠について文書やメールでお返事をいただいてみてはいかがでしょうか?』

今回、お電話で請求された内容は、御社も共謀していると認識で良いかお返事ください。

よろしくお願いいたします。」

保証会社は上記メールに対し、自分たちとは関係ないと全面的に否定し謝罪しました。

貸金業の免許では、実際にはない借金を、貸金屋さんが本人の借金ではないものと分かっていて受けると詐欺の共謀とされます。

ガイドラインとは全く別問題で、警察への被害届がすぐ受理されるものです。

保証会社の中にはある程度暗黙でやってる会社もありますが、指摘されると引き下がるでしょう。

こぱん
立ち会っていないことを証明するためにも、退去前から管理会社とメールでやり取りしておくと良いですね^^

まとめ:退去費用に関する正しい知識を身に着けよう!

退去費用に関する正しい知識を身に着ける

今回の記事では、賃貸物件の退去費用をとことん安くする方法について解説しました。

今回の記事で学んだこと
  • 退去費用とは何か?
  • 退去費用でぼったくりが起こりやすい理由
  • 退去費用を安くできる5つの理由
  • 退去手続きの具体的な手順と注意点

退去費用とは原状回復費用のことであり、退去時に自分の過失で発生した傷みや汚れを元に戻して返す費用のことです。

原状回復について、「借りた当時の状態に戻すために新品にする」と勘違いしている人も多いでしょう。

正しくは「普通に生活して発生する傷みや汚れ以外の消耗を現在の価値まで復旧すること」です。

しかし、退去者に知識がないことを利用して、支払う必要のない費用を請求して儲けようとする業者は存在するのです。

本来は入居者とオーナーが納得すれば良いのですが、間に入ってる管理会社や退去立ち会いの代行会社が、支払う義務のない退去費用を上乗せするワケです。

こぱん
中にはオーナーも知らない場合があったりします^^;

退去費用を安くできる理由は以下の5つです。

退去費用を安くできる5つの理由
  • ①原状回復は借りた当時の状態に戻すことではない
  • ②故意・過失で傷つけた箇所の負担は残存価格のみ
  • ③故意、過失によるものでも、壊れた個所を負担するだけでいい
  • ④自分の過失でつけた傷は火災保険で回復できる
  • ⑤特約に記載されていても無効な契約が多い

あひるくん
退去手続きの具体的な手順と注意点も解説してくれたよね!
退去費用を安くする手続きの具体的な手順と注意点
  • ①火災保険を使って直せる箇所は入居中に直しておく
  • ②賃貸契約書を確認する
  • ③解約通知(退去届)を送る
  • ④退去日までに家具を全て出しておく
  • ⑤退去日の立ち会いをする
  • ⑥解約日までに鍵は返却する
  • ⑦請求が来たら内容確認する

退去の手続きをする上で特に重要なのが「やり取りは記録すること」と「退去立ち会いの場でサインをしないこと」です。

もし、保証会社から請求が来た場合でも、退去費用の金額同意書にサインをしていなければ問題ありません。

こぱん
不動産会社の有印私文書偽造の可能性もあることも、頭に入れておきましょう。

退去時のぼったくりは、誰でも起こりうるのが現状です。

退去費用は本来ほとんどかからないことが多いですが、大金をぼったくれてしまうケースもあり、知っているか知らないかで大きな差が出ます。

皆さんの中には、今回の記事を読んで、退去手続きに怖さを感じた人もいるかもしれません。

だからこそ、事前に知識を身につけ、未来に起こる可能性のある退去費用トラブルを未然に防ぎましょう。

注意点としては、皆さんが理由なしに退去費用をとにかく下げようとするクレーマーになってはいけないことです。

あひるくん
法律やガイドラインを守ってない相手に対しては、正しく対処しようってことだもんね。

住宅費用は固定費の中でも金額が大きい支出の一つです。

消費者と管理会社または立ち会い業者の間で情報格差がある不動産業界では、知識がないと知らぬ間にカモにされてしまいます。

今回の退去費用のように、知識を身につければ住宅に関わるお金をグッと減らせるでしょう。

賃貸物件で見直したい住宅費用の例
  • 入居するとき:賃貸契約費用
  • 入居中:家賃の値下げ交渉、火災保険
  • 退去するとき:退去費用、引っ越し費用

 

知識を身につけ、相手がおかしなことを言っていることが分かったら、堂々と主張しましょう。

あひるくん
僕も知識を学んで、自分の身をしっかり守るね!

こぱん
皆さんの大切なお金は、投資や豊かな時間を過ごすために使って欲しいです^^

以上、こぱんでした!

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