【現役FPに聞く!】スマホ代を見直すポイントを6つの事例と共に解説!

あひるくん
スマホ代の見直しって、正直面倒で…。

リベ大では日々「お金にまつわる5つの力」について情報発信しています。

そして、最優先に育てるべき力が「貯める力」、支出をコントロールする力です。

▼図解:貯める力

 

特に、6大固定費(通信費、光熱費、保険、住宅、車、税金)の見直しは重要で、月々の支出が数万円以上は変わるケースも少なくありません。

今回取り上げるスマホは、2021年に世帯での保有率が88.6%、個人でも74.3%にのぼり、多くの人がスマホを保有する時代となりました。

日本のスマホ比率

(出典:総務省「令和3年通信利用動向調査の結果」)

今やスマホ代はほとんどの人にとって固定費となり、同時に一度は必ず見直すべきほど重要なのです。

あひるくん
でもスマホの契約って複雑だし、見直す一歩が重いんだよね…。

秋山さん
あひるくん。その一歩を踏み出せた人とそうでない人で、生涯で数百万円以上もの差が生まれるんだよ。

あひるくん
FPの秋山さん!

秋山芳生さんについて

・家計簿アプリ マネーフォワードMEの元事業責任者
・FPとして年間1,000件以上の家計相談・保険の見直しを実施
リベシティでも家計・保険見直しの講師を担当

皆さんの中には、店頭でいろいろな説明を長々と聞いて言われるがまま契約した後、見直していないという人もいるのではないでしょうか?

さらに、スマホ代の見直しに関して、以下のような「勘違い」をしている人も意外に多いです。

スマホ代の見直しにおける「勘違い」
「田舎だと大手キャリアじゃないと繋がりにくいでしょ?」

「かけ放題や大容量通信が必要だから、大手キャリア一択でしょ?」

「キャリアメールが必要だから乗り換えられない!」

あひるくん
え?勘違いなの!?

秋山さん
はい、ズバリどれも勘違いなんですよ。

そこで今回は、スマホ代の見直しに関する6つの相談事例を、秋山さんがズバッと見直していきます。

今まで見直しをしたことが無い人はもちろん、過去に一度見直しただけという方も必見の内容になっています。

ぜひ最後まで読んでください。

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相談事例①:スマホ代の見直しを面倒だと感じてしまう…。

事例紹介

  • 相談者:20代男性(会社員)
  • 世帯年収:400万円
  • 資産:預貯金50万円
  • スマホ:大手キャリアに加入中(通信費:月8,000円)
  • 相談内容:「スマホ代を見直した方が良いと聞きましたが、正直、見直すこと自体が面倒だと感じてしまいます。多少高いだけなら、その分稼いで補填すれば良いとも考えてしまうのですが…。」

あひるくん
すごく気持ち分かる!

秋山さん
相談者さんのように、「スマホ代の見直しを面倒だと感じている人」は実際に多いです。確かに、見直しをして一度だけ費用が安くなるケースなら分かります。しかし、固定費は一度見直せば効果がずっと続くので、行動する・しないの差は驚くほど大きいのです。例えば1年間の差を計算してみましょう。
1年間の見直し効果
  • 現在の通信費:月8,000円
  • 見直し後の通信費:月3,000円
  • 差額:月5,000円(年60,000円)

秋山さん
さらに会社員の場合、手取り月5,000円を稼ぐためには、月7,000円以上稼がなくてはなりません。

あひるくん
え?どういうこと??

秋山さん
会社員が残業を増やして給与を増やしても、増えた給与に対して所得税・住民税・社会保険料がかかります。つまり、皆さんが「手取りを5,000円増やす」ためには、それ以上の金額を稼がならけれなければなりません。

あひるくん
その考え方は初めて知ったよ…!

秋山さん
スマホ代を見直して月5,000円の効果があるということは、手取りの5,000円UP、給与なら月7,000円、年8.4万円の昇給と同じ効果とも言えるワケです。それが今後ずっと続くわけですから、効果はドンドン積み上がっていきます。
スマホ代見直し効果の積み重ね
  • 10年:84万円
  • 30年:252万円
  • 50年:420万円

あひるくん
今の行動が、30年後の252万円になるとも言えるんだね。

秋山さん
その通りです。皆さんのお金を真剣に考えられるのは、他でもない皆さん自身しかいません。ぜひ、今回の記事をキッカケにスマホ代の見直しを考えてくれる人が増えると嬉しいですね。ちなみに、具体的な見直し方については、次の相談で解説していきます。

相談事例②:色々な会社があってドコに乗り換えたら良いの?

事例紹介

  • 相談者:30代女性(会社員)
  • 世帯年収:350万円
  • 資産:預貯金100万円
  • スマホ:大手キャリアに加入中(通信費:月7,000円)
  • 相談内容:「スマホ代の見直しをしようと思って調べてみると、色々な会社があってよく分かりません。結局自分は見直すべきなのかどうかも判断がついていないです…。

秋山さん
見直そうと踏み出した大切な一歩、ぜひ応援させてください。まずは、スマホ業界の全体像を費用目安と一緒に見てみましょう。
 スマホ業界の全体像と費用目安

大手3大キャリア

  • ドコモ、au、ソフトバンク
  • 月額:約5,000円〜

大手3大キャリアの格安プラン

  • ahamo(アハモ)、povo(ポヴォ)、LINEMO(ラインモ)
  • 月額:約1,000円〜

第4のキャリア

  • 楽天モバイル
  • 月額:約1,000円〜

    その他、格安SIM

    • mineo(マイネオ)、日本通信SIMなど
    • 月額:約数百円〜

    あひるくん
    確かに色々な会社があるよね。見直すべき判断基準みたいなのはあるの?

    秋山さん
    ズバリ、大手3大キャリアを使っているなら間違いなく見直したほうが良いですね。また、月5,000円以上払っているなら、見直すことで良いプランが見つかる可能性は高いと思います。

    あひるくん
    なるほど…。でも、一社ずつ検討していかなきゃダメなんだよね…。

    秋山さん
    大手キャリアを利用していて、色々な会社を検討するのが苦手なら、大手の格安プランに変えるだけでも十分効果がありますよ。使い心地がほとんど変わらず、料金だけ安くなったという声も多いです。
     3大キャリアの格安プラン
    • ドコモ → ahamo
    • au → povo
    • ソフトバンク → LINEMO

    あひるくん
    なるほど。でも僕はせっかくだから、自分に最適なプランを検討したいな!

    秋山さん
    それなら、リベ大がおすすめしている組み合わせを検討してみると良いですね。分かりやすい目安もあるので、検討しやすいでしょう。
    おすすめの格安SIM

     店頭サポート不要で価格重視(使用データ量によりおすすめが異なる)

    • 1GB~3GB:日本通信SIM(月額料金:290円(超過1GBあたり220円)、高速データ通信:1GB、国内通話料:30秒11円)
    • 6GB~7GB:HISモバイル(月額料金:990円、高速データ通信:7GB、国内通話料:30秒9円)
    • 20GB~:mineo (月額料金:2,178円、高速データ通信:20GB(+中速データ通信100GB)、国内通話料30秒22円(アプリ利用時30秒10円))【限定特典】mineo事務手数料無料キャンペーンを実施中!

    店頭サポート必要

    • UQmobile(3GB/月が税込1,628円!au回線)

     店頭サポート不要で通信品質重視

    • ahamo(20GB/月&5分以内の国内通話無料が税込2,970円!+1,980円/月で+80GBとなる「大盛りオプション」もあり!ドコモ回線)

    ※iPhoneはどの格安SIMでも対応しています。
    ※Androidは格安SIMのWebサイトで動作確認端末情報をチェックしてください。
    ※SIMロック解除も忘れずに実施してください。

    相談事例③:大手キャリアじゃないと田舎は繋がらないでしょ?

    事例紹介

    • 相談者:30代男性(フリーランス)
    • 家族:妻(会社員)、子供1人
    • 世帯年収:650万円
    • 資産:預貯金300万円
    • スマホ:夫婦で大手キャリアに加入中(通信費:月16,000円)
    • 相談内容:「夫婦でドコモを契約しています。都市部から離れた所に住んでおり、電波が届かなくなるのが心配です。大手の格安プランや格安SIMなどにすると、電波が繋がらなくなる可能性がありますよね?」

    秋山さん
    結論から言うと、ズバリ勘違いですね。大手の格安プランはもちろん、格安SIMも大手キャリアの通信網をそのまま使います。つまり、現時点で電波が届いているなら、見直した後に繋がらないというケースは考えにくいです。
    日本のスマホ比率

    (出典:ahamo「通信・サービスエリア」)

    あひるくん
    ホントだ。ahamoならドコモのエリアで普通に使えるんだね。

    同様にpovoはauと、LINEMOはソフトバンクと同じエリアで使うことができます。

    ただし、楽天モバイルは独自の回線のため、繋がらないケースもあるので事前に公式ホームページでチェックしておきましょう。

    秋山さん
    格安SIMの場合は、各社のホームページで利用している大手キャリアの回線を調べることができます。
     格安SIMの回線エリア
    • 日本通信SIM → ドコモ回線
    • UQ mobile → au回線
    • mineo → ドコモ、au、ソフトバンク回線(選べる)

    あひるくん
    僕はmineoだから自由に選べるんだね!

    秋山さん
    とは言え、大手キャリアのいずれも通信エリアをかなり広く網羅しています。今と同じブランドの回線を使うこと以上に、自分の使い方にあった会社・プランを選ぶことの方が重要だと言えるでしょう。

    相談事例④:かけ放題・大容量通信が必要なら大手キャリアでしょ?

    事例紹介

    • 相談者:40代男性(会社員)
    • 家族:妻(会社員)、子ども3人
    • 世帯年収:800万円
    • 資産:預貯金800万円
    • スマホ:家族で大手キャリアに加入中(通信費:月25,000円)
    • 相談内容:「家族全員のスマホ代の見直しに取り組んでいます。ですが、妻はかけ放題が欲しく、子供達も動画視聴などで大容量の通信が欲しいそうです。こうなると大手キャリアしか選択肢が無いように思うのですが…。」

    秋山さん
    そんなことありませんよ。大手の格安プランや格安SIMでも、かけ放題や大容量のプラン・オプションがあるため、トータル金額をグッと押さえることも可能です。例えば、かけ放題のオプションを見てみましょう。
    かけ放題のオプション例
    • ahamo:+1,100円
    • povo:+1,650円
    • LINEMO:+1,650円
    • mineo:+1,210円
    • UQ mobile:+1,870円
    • 楽天:アプリを使えば、かけ放題(追加料金無し)

    あひるくん
    ほとんどの会社に、かけ放題オプションがあるんだね!

    秋山さん
    また、見直していく中で、電話ではなくLINEなどを多く活用していると気づく人もいますよ。その場合は、5分・10分だけのかけ放題や、一定の無料通話時間を含めたプランを検討するのも良いでしょう。
     短時間かけ放題

    5分かけ放題

    • ahamo:標準
    • povo、LINEMO:+550円

    10分かけ放題

    • UQ mobile:+770円
    • mineo:+550円

    無料通話パック

    • 日本通信SIM:70分(標準)
    • UQ mobile:60分(+550円)

    あひるくん
    確かに、ちょっとした問い合わせだけなら、5分でも十分かも。

    秋山さん
    通信容量も同様ですね。特に最近は、大容量を意識したオプションも増えてきました。
     大容量通信
    • ahamo大盛り:+80GB(+1,980円)
    • BIGLOBEモバイル:YouTubeなどの21サービスが通信無制限(+308円)

    → 対象のサービスは公式ホームページにて確認してください。

    • 楽天モバイル:楽天エリア無制限

    秋山さん
    ただ、本当に大容量が必要なのか?は同時に検討したいところです。自宅のWi-Fiを活用していたり、実際にはそれほど使っていなかったりというケースも少なくありません。また、スマホの通信容量は抑えて、新たに自宅へ光回線を引くという選択肢もあげられます。

    あひるくん
    なるほど。僕も副業を始めようと思っていたから、光回線をセットで考えるのはアリだね!

    秋山さん
    自宅のインターネット回線に関しては、リベ大の記事を参考にしてみると良いですね。

    相談事例⑤:キャリアメールが必要だから乗り換えられない!

    事例紹介

    • 相談者:20代女性(会社員)
    • 家族:両親と同居
    • 世帯年収:300万円
    • 資産:預貯金100万円
    • スマホ:大手キャリアに加入中(通信費:月8,000円)
    • 相談内容:「愛用しているサービスがあるのですが、キャリアメールしか登録ができません。そのため、見直しができないのです。他にできることはあるでしょうか?」

    ※キャリアメール:主に大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)が提供しているメールアドレスの総称。

    例:@docomo.ne.jp、@softbank.ne.jpなど

    秋山さん
    ズバリ、キャリアメールは他社に乗り換えてもそのまま使えるので見直しできますよ!

    あひるくん
    え!そうなの!?

    秋山さん
    実は、2021年から大手3キャリアでは有料でキャリアメールの持ち運びに対応しています。
    ドコモメール持ち運び

    (出典:docomo「ドコモメール持ち運び」)

     キャリアメール持ち運び
    • ドコモ:月330円(税込)
    • au:月330円(税込)
    • ソフトバンク:月330円、年3,300円(税込)

    秋山さん
    2021年12月からのサービスなので、まさに新しい情報ですね。有料サービスのため月々料金がかかりますが、大手キャリアから格安SIMなどに乗り換えれば、スマホ代もトータルで見れば安くなるでしょう。

    あひるくん
    なるほど。でも、このサービス全然知らなったな…。

    秋山さん
    だからこそ、固定費の見直しは定期的に行うと良いのです。以前見直した時はキャリアメールが足かせになっていたのかもしれませんが、今なら解決できるわけですからね。

    あひるくん
    自分の状況だって変わっているかもしれないしね。

    秋山さん
    その通りです。見直した結果「今が最良だ」と分かったなら、それも良し。新しいサービスが見つかったのなら検討すれば良いだけですからね。ぜひ柔軟に考えてみてください。

    相談事例⑥:スマホの補償サービスって必要?

    事例紹介

    • 相談者:30代男性(フリーランス)
    • 世帯年収:300万円
    • 資産:預貯金200万円
    • スマホ:大手キャリアから格安SIMに乗り換え予定(通信費:月7,000円)
    • 相談内容:「現在、スマホ代を見直しており、格安SIMを契約する予定です。その中で、ケータイ補償サービス(Apple Careなど)の必要性に悩んでいます。何かあった時が心配なので、つけようと考えています。」

    秋山さん
    ズバリ不要ですね。考え方は保険と同じで、発生する確率が少なく、損失も小さいなら預貯金で対応するのが一番です。
    保険と貯蓄の考え方

    あひるくん
    保険と同じ…なるほど。

    秋山さん
    今回の場合、補償を付けなかった場合の最大損失はスマホ代(iPhone等)のみです。それなら補償を付けるのではなく、その分をしっかり貯蓄しておくべきでしょう。
    補償と損失
    • 補償金額:月550円(2年間:13,200円)
    • 最大損失:スマホ代(約3万円〜10万円)

    あひるくん
    月々の支払いは安くても、積み重なると大きいね。

    秋山さん
    保険だから、スマホだからと考えるのではなく、何にお金を支払っているのか?を考えてみると他のことでも応用できますよ。例えば、家電の延長保証も同じ考え方から不要ですね。

    あひるくん
    僕、家電の延長保証って結構入ってる…。

    秋山さん
    蓋を開けてみると、「補償サービスに月数千円使っていた!」というケースもめずらしくありません。また、補償に入ったことで満足してしまい、使わなかったことを「何事も無くてよかった」と美談で済ましてしまう人もいます。貯蓄でまかなえる損失なら、万が一の時は貯蓄から支出して、その分をしっかり貯めておくことが重要ですね。

    まとめ:6つの事例を参考にスマホ代を見直してみよう!

    6つの事例を参考にスマホ代を見直してみよう!

    今回はスマホ代の見直しに関して、6つの事例を秋山さんと見てきました。

    大手3大キャリアを利用していたり、月5,000円以上支払っていたりするなら、まずは一度見直すことが重要です。

    あひるくん
    逆に、大手キャリアを使うべきケースってあるの?

    秋山さん
    正直ほとんど無いですね。家族割引やネット割引、長期割引があるからという人もいますが、実際見直すと結果的に乗り換えた方が良いことが多いです。大手キャリアは元の通信料金が高いです。スマホ・固定回線をそれぞれ最適化した方が、自分達にあったプランを選べ、かつ料金も割安になりやすいですね。
     割引後も割高
    スマホ、固定回線を大手キャリアで統一
    → 割引は多いが、元々がかなり割高。
    → 結局、割高となりやすい。
    スマホ、固定回線を別々に最適化
    → 通信費全体で見た時、割安になりやすい。

    あひるくん
    他にも色々と気になることがあるんだけど…。例えば、
    スマホ代の見直し関する質問