こんにちは、こぱんです!
リベ大では、経済的自由を達成するために大切な「増やす力」を伸ばす手段の一つとして、資産運用を推奨しています。
▼図解で分かる「増やす力」
米国一本か?
世界分散か?
これは、投資家にとって永遠のテーマと言えるほど大切な話です。
そこで、今回の記事では以下の3点について解説していきます。
- 米国株ファンドと全世界株ファンドの10年チャートの比較
- 米国株派の主張
- 全世界株派の主張
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:全世界株と米国株、どっちに投資すべきか?
目次
解説動画:【結論】投資初心者は「全世界株」と「米国株」どちらに投資すべきか?
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
米国株ファンドと全世界株ファンドの10年チャートを比較
まず、米国株(VOO)と全世界株(VT)の実績(チャート)を紹介する前に、それぞれのファンドについて解説します。
米国株の代表:VOO
VOOとは、世界最大級の資産運用会社バンガードが運用している世界最高レベルの優良ファンドです。
- 2010年9月に誕生
- 米国株の代表的な指数である「S&P500」の値動きに連動
- 運用総額約18兆円(ETFでは、世界トップ3に入る超巨大ファンド)
- 経費率0.03%
全世界株の代表:VT
VOOと同様にバンガード社が運用するETFで、文句なしの優良ファンドです。
- 2008年6月に誕生
- 「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」の値動きに連動
※先進国及び新興国約47ヶ国の大型・中型・小型株約8,000銘柄で構成される指数 - 全世界の株式市場時価の98%をカバーしていて、これ一本で世界中に投資可能
- 運用総額約1.6兆円
- 経費率0.08%
VOOとVTの比較対決とは、
- 野球でいうと、メジャーリーグのワールドシリーズ
- サッカーでいうと、ワールドカップの決勝戦
- 格闘技でいうと、チャンピオンベルトを賭けた決勝戦
と言えるほど大物VS大物の試合です。
では、実際にVOOとVTの比較チャートを紹介します。
このチャートからVOOとVTの過去10年間の実績は以下のように分かります。
- 約10年で10,000ドル→32,529ドルに成長
- 年利は12.86%
- 一番リターンの低かった年の成績は-4.5%
- 瞬間的な最大損失は-19.58%
- 約10年で10,000ドル→21,150ドルに成長
- 年利は7.99%
- 一番リターンの低かった年の成績は-9.76%
- 瞬間的な最大損失は-22.15%
各年度のリターンを比較すると、米国株の8勝2敗と、10年のうち8年は米国株のリターンの方が全世界株よりも高い結果でした。
また、この10年を通してみると、
- 米国株は3.3倍
- 全世界株は2.1倍
と成長に明確な差がついています。
この結果を見ると、
「米国株の圧勝だし、全世界株はいらないな!」といった感想を持つ人もいるのではないでしょうか。
過去10年の成績を見て、米国株に賭けるべきなのか?
それとも、米国経済の失速を読み、全世界株に賭けるべきなのか?
先ほどのチャートを頭の片隅に置きつつ、
- 米国株派の主張
- 全世界株派の主張
それぞれを具体的に紹介していきます。
米国株派の主張
まず、米国株派の主張をまとめると以下の通りです。
- 全世界株には、低成長の国も含む
- 新興国の成長も、米国市場で取り込める
- 世界分散は、リスク低減にならない
- 唯一無二の長い歴史がある
- 全世界株に投資すると、余計なリスクやコストを負う
順番に解説していきます。
米国株派の主張①:全世界株には、低成長の国も含む
米国株派の人は、以下のように主張します。
GDPに関して、中国に追いつかれつつあるものの、現時点ではアメリカがトップです。
主要先進国の中で人口が大きく伸び続けるのは、アメリカだけです。
自社株買いとは、企業が「自分の会社の株」を買い戻すことを指し、基本的にこれが行われると株価は上がります。
無敵の株価指数の一つであるS&P500も、自社株買いの影響を除けば、「現在より26%低い株価になっていたはず」といった試算もあるようです。
また、米国企業の自社株買いは年々増え続けています。
世界を変えたハイテク企業である「GAFAM」は全てアメリカ企業です。
これまで紹介した4つの根拠から分かるように、これほど優れた条件が揃っている先進国はアメリカ以外にはありません。
例えば、「米国を除く先進国」に投資するVEAというファンドがありますが、VOOと比較すると以下のようになります。
このチャートから、VEAは10年間で約1.5倍にしかなっていないことが分かります。
そのため、米国株派の人からすると、
「ほら、低成長の国に投資すると、こうなるんだよ」となるのです。
米国株派の主張②:新興国の成長も、米国市場で取り込める
低成長の国はさておき、今後も大きな成長が見込める「新興国市場」について、米国株派はどう考えているのでしょう。
米国株派の主張は以下の通りです。
実際にS&P500を構成する企業の「海外売上高比率」は、ここ数年で40~50%弱もあります。
米国外の市場が成熟したとしても、「それをまるごと取りこぼすようなことはない」というワケです。
米国株派の主張③:世界分散は、リスク軽減にならない
「世界分散してもリスクヘッジにならない」ということも、米国株派の主張として頻繁に言われています。
では、感覚ではなく数字を見ていきましょう。
投資の世界において、リスクは標準偏差で測ります。
過去10年のVOOとVTの標準偏差は以下の通りです。
- VOO(米国株):13.22%
- VT(全世界株):13.84%
この数字が大きいほど「リスクが高い」と判断されます。
そのため過去10年間に限れば、世界分散株はリスク軽減どころが、むしろ「リスクが高かった」という結果です。
実は、過去20年、30年と遡ってみても、米国株と全世界株に大きなリスクの差はありませんでした。
過去の実績を見ていても、米国オンリーでなく「全世界株に投資していたら助かった~」といった場面は、それほど多くありません。
今や、全世界株ファンドの約50~60%を占めているのが米国株です。
米国株派の主張④:唯一無二の長い歴史
米国株派の主張には「歴史の長い試練に耐えてきたのは、米国だけだ!」といった主張もあります。
これまで、NYダウは右肩上がりで伸び続けてきました。
これほど超長期チャートで右肩上がりの実績を残してきたのは、米国市場を除いて他にはありません。
- 世界大恐慌
- ベトナム戦争
- リーマンショック
こういった大事件が起きるたびに語られてきた「米国悲観論」は、今のところ例外なく全てが誤りでした。
米国株派の主張⑤:全世界株に投資すると、余計なリスク・コストを負う
米国株派の人は、国際分散投資の重要性を認識する一方で、そのリスクとリターンが見合わないと判断しています。
なぜなら米国株以外の株式に投資することが、以下のような追加のリスク・コストを負担することになるからです。
新興国株に投資するのは、その国の通貨リスクを負うことになる
(※基軸通貨であり、価値の安定した「ドル」だけ持っておけば良いという考え)
運用コストが高くなる(例:VOOは0.03%でVTは0.08%)
未熟な会計・法制度、政情不安のある国に投資する「固有のリスク」がある
このようなリスクやコストに対して「本当に、より良いリターンを得るために必要なコストなの?」といった疑問を米国株派の人は持っています。
つまり、世界経済の中心、王道ド真ん中の「米国株投資」にコストをかけて「他国の株」をトッピングすることに対して魅力を感じていないのです。
以上の米国株派の主張をまとめると、以下のようになります。
- 全世界株には、低成長の国を含む
- 新興国の成長も、米国市場で取り込める
- 世界分散は、リスク低減にならない
- 唯一無二の長い歴史がある
- 全世界株に投資すると、余計なリスクやコストを負う
それでは、次に全世界株派の主張を見てみましょう。
全世界株派の主張
この10年間の比較を見ると、米国株が圧倒的に強かったのは間違いありません。
これは先ほど紹介したVOOとVTの比較したチャートです。
しかし、全世界株派も言われっぱなしではありません。
そんな彼らの主張は以下の通りです。
- 米国の暗黒時代をお忘れですか?
- 米国一強は、永続するとは限らない
- インデックス投資の生みの親も「全世界株派」
順番に解説していきます。
全世界株派の主張①:米国の暗黒時代をお忘れですか?
米国株は長期で見れば右肩上がりのチャートですが、特定の期間に区切ってみると「暗黒の期間」があります。
たとえば、1966年2月~1982年8月は完全なボックス相場でした。(※ボックス相場:株価がある程度の範囲で上がったり下がったりを繰り返す相場)
また、2000年代には、BRICSを中心とする新興国株への負けが続いて、米国株ホルダーこそが、まさに「情弱」と言われる時代でした。
最強の米国株といえど、10年や15年もの間、停滞することがあるのです。
そして投資家には、
- 最近、いちばん成績が良かったものを称賛
- 最近、成績が悪かったものをこっぴどく批判
こういった傾向があります。
値下がりし続ける株を持ち続けることは、よほどの信念がなければ難しいです。
多くの人は荒波の相場にもまれ、
高値で買わされて
安値で売らされる
これを繰り返すことになります。
そのため、いつか全世界株に投資する人が、米国株投資家の狼狽する姿を見て、
「ほら、だから米国以外にもちゃんと投資しておくべきだったのさ」と言う日がいつか来るかもしれません。
全世界株派の主張②:米国一強は、永続するとは限らない
米国株派の人は、「米国の暗黒時代はあくまでも過去の話で、将来に目を向ければ米国が凋落することはない」こういった自信があるからこそ、米国一本投資をしているわけです。
しかし、人類の歴史に目を向けてみると、特定の1つの国・政府が栄え続けたことはありません。
例えば、
- ローマ帝国
- 江戸幕府
のように、どれだけ強大な力を持っていたとしても、必ず歴史の波に飲まれてきました。
ここで1つ重要なグラフを紹介します。
上記のグラフから、1900年の時点では世界の株式時価総額に占める米国の割合は15%しかなく、トップはイギリスの25%でした。
もしかしたら当時は「イギリスにだけ投資しておけば良い」という時代だったのかもしれません。
そして、1980年代後半になると、空前のバブルで大躍進した日本は、米国に肩を並べるレベルになります。
今は、米国が中国に覇権を奪われないように、必死に戦っています。
しかしGDPで見れば、中国が米国を抜くのは必然とも言える状況です。
そこで、
世界のルールが変わる時、米国が今のようにトップを独走できるのか?
その時代の転換点は読めるのか?
このあたりがポイントとなります。
この点に関して、どんなプロであっても相場の転換点をリアルタイムで読むことは難しく、むしろ「転換点は読めない」というデータが積みあがっています。
そのため、「米国株が下落を始めたら逃げれば良い」といった考えは、一部の天才を除き、ほとんどの人には当てはまりません。
だからこそ、全世界株派の人たちは「勝つ国を、わざわざ予想して選ばなくても良い」と主張します。
VTのような時価総額加重型のファンドに投資しておけば、
強い国には多く投資
弱い国には少なく投資
と効率的なバランスになるように、ポートフォリオを自動的に調整してくれます。
普通、カジノのルーレットで赤・黒に全賭けをしたら、「払い戻し金」よりも「賭け金」の方が多くなってしまいます。
しかし、株式市場においては、赤・黒全賭けという「狂った賭け方」をしても勝ててしまうのです。
なぜなら、「人類」や「世界経済」はトータルで成長するからです。
全世界株派の主張③:インデックス投資の生みの親も「全世界株派」
S&P500のような指数に連動する投資を、インデックス投資と呼びます。
インデックスファンドこそが、「庶民でもお金持ちになれる歴史上最強のツール」と言われていますが、その生みの親は、
- 米国株派
- 全世界株への分散投資派
のどちらなのでしょうか?
インデックス投資を研究している有名な学者たちも「米国だけでオッケーです!」とは言っていません。
なぜなら、全世界株への分散投資が「理論的に正しい」投資手法だからです。
ノーベル経済学賞を受賞した「現代ポートフォリオ理論」をもとにすると、どんな投資家でもやることは以下の2つしかないとされています。
- 市場全体に投資せよ(全世界株というリスク資産を買え)
- 「リスク資産」と「無リスク資産」の比率を調整せよ
つまり今、この記事を読んでいる皆さんがやるべきことは、誰しも同じだというワケです。
例えば、
たくさんリスクを取れる人はVT80%:預金20% あまりリスクを取れない人はVT30%:預金70%といった感じです。
この手法こそが、世界経済がどう転んでも、
お金が増える
一文無しになるリスクがない
手間も決断力もいらない
「永遠に戦える投資手法」です。
全世界株ファンドさえ購入しておけば、
- GAFAMのような時代を牽引するような企業を含みながら
- 中国やインドなどの新興国の企業までカバーされ
- 衰退していく企業は、自然に投資比率が落ちて除外される
このようにポートフォリオは自動で調整されるため、世界経済の成長を1つも取りこぼすことなく享受できます。
全世界株は、夢の「思考停止で無限に買い続けられるファンド」です。
もちろんこれは、投資期間が「長期」であることが前提です。
投資期間が短く、15年に満たない場合などは、いつでも元本割れを起こす可能性があります。
全世界株を買い続ける投資手法は、
- 勝ち馬を選ばない
- 理論的に正しい投資法
だからこそ、実現が可能です。
変化の激しい世界経済の中で、10年後、20年後に笑っているのは、「米国株派」それとも「全世界株派」どちらでしょうか?
まとめ:悩むなら腰を据えて長期できる「全世界株への投資」がおすすめ
今回の記事では、「米国株と全世界株、どっちに投資したら良いのか?」という悩みを解決するヒントとして、
- 米国株派の主張
- 全世界株派の主張
それぞれを紹介しました。
先ほど紹介した通り、全世界株ファンドの半分以上は米国株であり、全世界株に投資したからといって、米国が含まれないわけではありません。
皆さんが大好きな、今をときめくGAFAMやテスラもバッチリ含まれており、どの国、どの企業が伸びても取りこぼしがないのが全世界株です。
もし「米国が絶対に勝つ!」といった自信がないのであれば、全世界株に投資することをおすすめします。
なぜなら、何が起きても、腰を据えて長期投資ができるからです。
資本主義を生き抜くために大切な「問い」は、
米国株に投資するか?全世界株に投資するか?ではなく
貯金だけで生きるか?株式にも投資するか?
という問いです。
歴史的に見て、株式には年利5%以上で成長するパワーがありますし、15年以上の投資を前提とするならば、元本割れのリスクも消失します。(米国に“負けた”全世界株ですら10年で2倍以上になっている)
株式に毎月5万円を20年間積み立てれば、元本1,200万円で2,000万円以上の資産が作れます。
大切なのは、このことに目を向け、リスクを取って投資を始められるかどうかです。
資本主義社会において、
- 株主
- それ以外の人
この2者の経済格差は広がるようにできています。
「株主」になるという方向性さえ間違えなければ、「米国株を買うのか?それとも全世界株を買うか?」という悩みは、実は小さな問題なのかもしれません。
もしこの記事を読んでいる方で、まだ投資を始めていないのであれば、証券口座を作るところからスタートしてみましょう。
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以上、こぱんでした!
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