こんにちは、こぱんです!
2020年5月にGAFAM(ガーファム)の時価総額が約560兆円を超え、その勢いはとどまることを知りません。
実際にGAFAMの2020年1~3月期の決算を見ると、以下のように5社とも増収(前年同期比)となりました。
- Google:+13.3%
- Apple:+0.5%
- Facebook:+17.0%
- Amazon:+26.4%
- Microsoft:+15.0%
コロナウイルス感染症の影響を感じさせないGAFAMは、本当に絶好調なのか?
そこで今回は、GAFAMの中から1番売上が伸びていたAmazonを取り上げて、以下の2つについて解説します。
- Amazonの明るい3つの話題
- Amazonの暗い3つの話題
目次
解説動画:売上26%アップのアマゾンは本当に「絶好調」なのか?
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
Amazonの明るい3つの話題
まず初めに、Amazonに関する以下の3つの明るい話題について見ていきましょう。
- コロナショックにおいて驚異の26%増収
- 17.5万人の雇用拡大
- e-コマース以外の分野でも成長中
①:コロナショックにおいて驚異の26%増収
コロナウイルス感染症拡大によって、世界経済の状態は急降下しています。
今後2年間で、5兆ドル(日本のGDPと同額)以上の損失が出る可能性があるとも言われています。
Amazonは巣ごもり消費で好調な「e-コマース市場の雄(ゆう)」であり、売上規模は2019年で14兆円です。
e-コマース(Electronic Commerce)とは電子商取引のことで、ECとして表記されることもある。インターネット上で商品やサービスを売買することを意味する。
14兆円という金額は、国民幸福度が世界7位(156ヶ国中)という世界有数の福祉国家スウェーデンの国家予算を軽く超えています。
2020年6月以降も世界各国で外出自粛は続いているため、さらなる需要の増加も見込まれています。
②:17.5万人の雇用拡大
Amazonはコロナウイルス感染症拡大による需要の増加に対応するため、配送業務を中心に17.5万人を新規採用すると発表しました。
現在、アメリカの雇用環境は急激に悪化しています。
- 4月の失業率は戦後最悪の14.7%
- アメリカの労働省は「隠れ失業者を含めると実態は20%近い可能性もある」とコメント
ちなみに、日本においてもアマゾンジャパンの社長が以下のように発言しています。
「物流拠点で働く人材を増員していく。」
「目黒の本社オフィスに勤務する人材についても、既に7000人雇用しているところ、さらに1000人採用する計画がある。」
「特にエンジニアや商品開発に携わるプログラマーを中心に採用する」
Amazonのエンジニア、プログラマーは年収1,000万円を超える好待遇です。
コロナウイルス感染症拡大が落ち着いた後の世界では、e-コマース関連で働く人も増えていくかもしれません。
③:e-コマース以外の分野でも成長が続いている
Amazonと言えば、通販、オンラインショッピングというイメージが強いです。
しかし、他の事業においても急成長を続けているということが、Amazonの強みでもあります。
例えば、AWS(アマゾンウェブサービス)は世界シェア33%と業界1位のクラウドサービスです。
クラウドサービスとは保有しているサーバーやデータベースなどを、第3者にインターネットを介して提供するサービスのこと。現在は多くの企業が提供するwebサービスでAWSが採用されている。
- 売上:+33%(前年同期比)
- 営業利益:+38%(前年同期比)
また、Amazon Prime(アマゾンプライム)などのサブスクリプション収益も28%の増収でした。
Amazonの暗い3つの話題
実はAmazonに関する暗い話題は多くあるのですが、ここでは以下の3つについて見ていきましょう。
- 実は2020年1~3月期の決算が減益(前年同期比)
- 従業員とのトラブル
- 独占禁止法違反の疑惑、租税回避への批判など
①:実は2020年1~3月期の決算が減益(前年同期比)
Amazonでは以下のような理由からコストが増大しています。
- 需要が増えたことによる人員増加
- 危険手当のために時給の引き上げ(2ドル)
- 物流施設における時間外労働の賃金を2倍へ
- 研究開発費、マーケティング費用の増加
また、2020年1~3月期に購入された商品の大半が、利益率の低い日用品だったことも分かりました。
それに加えて、2020年4~6月期にかけてAmazonはコロナウイルス対策に40億ドル以上をかける予定です。
具体的には以下のような計画が準備、実行されています。
- 従業員向け感染予防グッズの準備(マスク1億枚など)
- 施設の衛生管理を徹底(1000台以上のサーマルカメラ、3.1万台の体温計など)
- コロナウイルス検査キットの開発(費用は3億ドル)
- 効率よりもソーシャルディスタンシングを優先
コロナウイルス対策の結果、2020年4~6月の営業損益は15億ドルの赤字もあり得る状況です。
AmazonのCEO ジェフ・ベソス氏も「これまでで1番厳しい時期」とまで発言しています。
②:従業員とのトラブル
Amazonにおいても2020年5月23日時点で、コロナウイルス感染症が以下のように広がっています。
- 少なくとも74の物流倉庫でコロナウイルスの感染者が発生
- 物流倉庫で働いていた作業員8人が死亡
このような状況において、Amazonでは従業員との間で以下のようなトラブルが起きています。
- 従業員が「コロナウイルス対策が不十分」とストライキ
- 会社側がストライキのリーダーを解雇
- 副社長のティム・ブレイ氏が、解雇に抗議して退社
ちなみに、辞めた元副社長のティム・ブレイ氏は著名なエンジニアでありXMLの第一人者です。
XML(Extensible Markup Language)とはデータ通信やデータの管理を簡単に出来る言語のこと。現在では世界中のシステムで利用されている。IT初心者の方ならHTMLの親戚と覚えておけば大丈夫。
社内のトラブルはいつか会社の崩壊に繋がることも多いです。
実際に学長も会社経営の中で従業員とのトラブルを経験しています。
- 100人規模で従業員が辞める
- 自分が作った会社の経営陣からクビにされる
学長の過去の経営トラブルについては、下記の動画を参考にしてみてください。
関連動画
さて、この状況について会社側であるAmazonの主張は以下のとおりです。
- コロナウイルス対策は十分できている
- 従業員側の声明は大げさすぎる
- 従業員解雇の理由は社内規則違反でストライキとは無関係
ですが、少なくとも最後の従業員解雇については、以下のように大きな話題となっています。
- ニューヨーク市長が市の人権委員会に調査を指示
- ニューヨーク州司法長官が全米労働関係委員会に調査を要請
③:独占禁止法違反の疑惑、租税回避への批判など
Amazonが独占禁止法違反として疑われているのは、以下の内容です。
「アマゾンは出品者データを不正利用して、自社商品を開発している」
これについて、5月1日に米下院司法委員会から、CEOのジェフ・ベソス氏宛に議会での証言要求が出されました。
6月16日にジェフ・ベソス氏は「今夏に証言する」と回答しましたが、今後の動向が気になるところです。
- フランスの裁判所「従業員の保護が不十分のため、必需品以外の配送禁止」
- インド当局「独占禁止法違反の疑いで要調査」
- 創業地のシアトル市「Amazon等の大企業を狙い撃ちで課税検討」
さらには、Amazonの租税回避に対する批判も年々高まっています。
「アマゾンの年次報告書によると、2017年と2018年の日本での売上高の合計は、1ドル110円で換算して2兆8000億円強」
「2017年と2018年12月期の2年間で計300億円弱の法人税を納付」Yahoo!ニュース「アマゾン「インフラただ乗り」のDNA 租税回避のため、先住民居留地での創業も模索」より
これだけ課題や敵も多い状況を乗り切るためには、かなりの覚悟が必要になります。
Amazonは広がり続ける暗闇の荒野に、進むべきを道を切り拓けるのでしょうか?
まとめ:何事も多角的に見て判断する習慣を身につけておこう
絶好調に見えるAmazonの明るい話題(光)と暗い話題(闇)を3つずつ解説してきました。
- コロナショックにおいて驚異の26%増収
- 17.5万人の雇用拡大
- e-コマース以外の分野でも成長中
- 実は2020年1~3月期の決算が減益(前年同期比)
- 従業員とのトラブル
- 独占禁止法違反の疑惑、租税回避への批判など
みなさんはAmazonの光と闇はどちらが強く、今後どうなっていくと思いますか?
リベ大としては、闇の部分がとても気になってしまうというのが正直なところです。
実際、Amazonについては今回紹介した暗い話題以外にも、大きな爆弾をいくつも抱えていると感じています。
その一方で、Amazonの成長性を考えると「株主にならないという選択肢」はありません。
そのためリベ大では引き続き、個別株ではなくS&P500ファンドを通じた投資をおすすめします。
S&P500ファンドへの投資に関しては、下記の動画を参考にしてみてください。
関連動画
→SBI・バンガード・S&P500インデックス、eMaxisSlim米国、楽天VTIどれが一番お勧めか?
どんなことにも必ずプラスの面(光)と、マイナスの面(闇)があります。
何事も多角的に見て判断する習慣を身につけておくことで、以下のような失敗は減っていきます。
- 思い込みで突っ走ってしまう
- 独りよがりになって失敗してしまう
- 自覚無しに博打を打ってしまう
今後もリベ大では、YouTubeチャンネルやブログで様々な物事を多様な切り口で解説していきます。
以上、こぱんでした!
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