こんにちは、こぱんです!
リベ大では、お金のなる木を育てて、資産と自由な時間を増やしていく力である「増やす力」に関する情報発信もしています。
▼図解:増やす力
皆さんの中には、リベ大がきっかけで投資を始めたという人も多いのではないでしょうか。
ネット証券会社の収益の柱とも言えるのが手数料です。
ここ最近は、週刊東洋経済の記事「背水の陣で臨む手数料ゼロ ネット証券5社の曲がり角」にもあるように、ネット証券会社間で手数料の引き下げ競争が激しくなっています。
手数料の無料化が嬉しいニュースだと感じる人もいますが、実は懸念点もあるのです。
そこで今回は、次の2点について解説します。
- ネット証券業界の現状
- ネット証券との賢い付き合い方
現代の富の倉庫と呼ばれる証券口座は、経済的自由を目指す人には必要不可欠です。
そして、効率よく資産形成するためには、楽天証券・SBI証券のようなネット証券がおすすめです。
目次
解説動画:【初心者必見】ネット証券の「賢い付き合い方」を分かりやすく解説
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
ネット証券業界の現状
ネット証券の歴史
ネット証券の現状を解説する前に歴史をおさらいしましょう。
2021年現在、個人投資家の株式売買はネット取引が一般的となっています。
しかし、ネット取引が始まったのは最近の出来事であり、2000年あたりまでは株の購入方法は次の2つが主流でした。
当時は投資家と証券マンの間で、「NTTの株を400株欲しいから買っておいて」や「次はトヨタの株が値上がりしそうですが、1,000株どうですか?」といったやり取りが行われていました。
この映画は、ゴミ株やクズ株を売りさばいて、約49億円もの年収を手にした株式ブローカーの実話が元になっています。
証券業界のバブリーな様子が描かれているので、興味のある方は見てみてください。
投資家が株式を売買するには、証券会社を通さなければなりません。
証券会社を通すとは、証券マンに株式の売買を委託(=お願い)することであり、証券マンは投資家から手数料を徴収します。
この手数料を株式委託手数料と呼びます。
1999年まで、株式委託手数料はどの証券会社も固定で統一されていました。
しかし、金融ビッグバンによる手数料の自由化で、証券会社間の自由競争が始まったのです。
日本では1997年から金融ビッグバンに取り組み始め、1999年10月には手数料の完全自由化が施行されました。
その後、1998年~2004年の間に現在の大手証券会社5社が出揃います。
- 1998年5月:松井証券が国内初のインターネット取引サービスを開始
- 1999年6月:マネックス証券が誕生
- 1999年8月:ソフトバンク・フロンティア証券(現SBI証券)が誕生
- 2001年4月:カブドットコム証券(現auカブコム証券)が誕生
- 2004年7月:楽天証券が誕生
2021年におけるネット証券業界の現状
2021年現在、大手ネット証券5社の国内株式取引シェア・顧客からの預かり資産は以下の通りです。
上記の図からSBI証券は17.2兆円、楽天証券が9.9兆円の預かり資産があると分かります。
取引シェアも預かり資産残高もSBI証券と楽天証券が圧倒的に強いです。
シェアトップのSBI証券は口座数もネット証券会社の中で最多となっており、超大手証券会社である野村證券の口座数を上回りました。
一方で新規口座開設数は楽天証券がトップです。
なんと2020年の1年間だけでも130万口座以上を獲得しています。
ネット証券会社の売上の柱は3つ
次に、大手ネット証券5社の売上の内訳を見てみましょう。
その中で大きな割合を締めている3つの柱は、非常に大切なので覚えておきましょう。
- 委託手数料
→ ユーザーから徴収する取引手数料
- 金融収益
→ 信用取引の際にユーザーから徴収する金利や保有する株式の配当金など
- トレーディング収益
→ 自社で雇っているトレーダーが生み出す収益
ネット証券会社の売上の30~50%が金融収益です。
つまり、ネット証券会社は信用取引をやっているユーザーから金利を貰うことで利益を出していると言えるでしょう。
信用取引とは、現金や株式を担保として証券会社に預けて、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株券を借りてそれを売ったりする取引のことです。最大預けた担保の評価額の約3.3倍まで株式の取引ができます。
冒頭で、ネット証券会社の競争激化による手数料の無料化をお伝えました。
この手数料とは委託手数料のことです。
ネット証券の売上20~30%を占める委託手数料は今後どんどん減っていくことが予想されます。
ネット証券の歴史と現状のまとめ
ネット証券の歴史と売上について見てきましたが、簡単にまとめてみましょう。
まず、ネット証券が誕生してから約20年が経過し、2021年現在、ネット証券の大手は以下の5社です。
2021年現在のネット証券の大手は以下の5社です。
- SBI証券
- 楽天証券
- 松井証券
- auカブコム証券
- マネックス証券
5社の中でも、「売買シェア率・預かり資産・口座残高」はSBI証券と楽天証券が圧倒的です。
SBI証券が超大手証券会社の野村證券の口座数を抜き、今ではネット証券が主流となりつつあります。
また、ネット証券の売上の大部分を占めるのが以下の3つです。
- 委託手数料(売上の20~30%)
- 金融収益(売上の30~50%)
- トレード収益(売上の5~20%)
手数料の無料化競争によって委託手数料の売上は減少傾向にあります。
競争激化のおかげで、ユーザーは資産運用に取り組みやすくなりますが、ネット証券会社の業績は悪くなります。
以上を踏まえたうえで、ネット証券会社の賢い使い方を解説します。
ネット証券との賢い付き合い方
結論から伝えると、リベ大おすすめのネット証券との付き合い方は以下の2つです。
優良株・ファンドを淡々と購入する
余計なことをしない
- 信用取引をしない
- IFAと付き合わない
- アクティブ運用しない
信用取引をしない
ネット証券は手数料の引き下げや無料化合戦で収益源を失いつつあります。
収益源を失ったままでは企業は成長できないため、このまま何も対策をしないとは考えられません。
例えば、松井証券の社長である和里田氏は「信用取引の活用をもっと広めていく」と発言をしています。(出典:東洋経済-SBIの「宣言」で曲がり角を迎えたネット証券)
この発言から、松井証券は以下のような想定で収益を確保しようとしているのではないかと推測できます。
- 手数料無料で顧客を集める
- 信用取引に参加してもらう
- 参加者から金利を取る
先ほど、金利がネット証券の大きな収益源になっていると解説しました。
プロならともかく、初心者が着実に資産を増やす目的で手を出すものではありません。
過去に動画で信用取引に関わる株破産のニュースを解説していますので、参考にしてください。
関連動画
→ 【株式投資で破産】7年で利益5億円→借金4,000万円に転落。株破産ニュースから分かる3つのこと
IFAと付き合わない
楽天証券では、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)と提携して中間富裕層向けに資産運用コンサルティングを行っています。
IFAを通じて取引をすると、かなり高い手数料が取られます。
そこで楽天証券は、委託手数料の代わりとして、以下のようなストーリーで売上を確保しようとするはずです。
- 楽天ポイントで顧客を集める
- 資産残高の多い人にコンサルティング営業をかける
- 利用者から手数料を取る
IFAを通さなくても、優良株やファンドの購入はできます。
資産運用の鉄則の一つが「手数料をなるべく払わないこと」です。
高い手数料を払えば成果が得られると思いがちですが、資産運用の世界では優良商品ほど手数料が低い傾向にあります。
また、海外のオフショア投資にもIFAは関わってきます。
- プレミアトラスト
- メティス
- RL360
経済的自由を達成するためにオフショア投資は必要ありません。
詐欺まがいの商品も多いので、注意しましょう。
関連動画
→ オフショア積立保険(RL360・プレミアトラスト・メティス)に気をつけろ
アクティブ運用しない
アクティブ運用とは、資産運用のプロに報酬を払って自分の代わりに資産運用をしてもらうことです。
coindeskの記事によると、マネックス証券はブローカーモデル(取引手数料を取る)から、アセットマネジメントモデル(預かり資産額に応じて報酬を取る)に移行すると宣言しています。
マネックスグループの松本会長は「手数料ゼロでも資産が増えなければ、顧客に価値を提供しているとは言えない」と発言しました。
(出典:東洋経済ONLINE-SBIの「宣言」で曲がり角を迎えたネット証券)
つまり、「皆さんの資産を増やすのが、私たちの仕事です!」と言っているのです。
例えば、資産を100万円から150万円に増やすから、成果として10万円の手数料をくださいといった感じです。
マネックス証券はアクティブ運用を強化すると言っていますが、多くのケースで高い手数料に見合う運用はできていません。
もちろん、成果が出ているアクティブファンドもあるので、全てが割に合わないワケではありません。
ネット証券のメリットを最大限に生かして優良ファンドへ投資しよう
ネット証券と賢く付き合うためには、コストが安くて便利というネット証券のメリットを活かすことが大切です。
口座開設や維持手数料がかからない
売買コストが安い(無料が増えている)
アプリが使いやすく資産管理しやすい
国内外の優良ファンドも買える
ネット証券会社で口座を開設する
ネット証券がおすすめする新しいサービスを利用しない
信用取引をしない
優良株・ファンドを淡々と購入し続ける
ネット証券にとってはありがたくない顧客かもしれませんが、効率よく資産形成をするためには、どうしようもありません。
信用取引やデイトレードなどで、ネット証券にたくさん手数料を支払わないようにしましょう。
おすすめの投資信託(関連動画や記事も紹介)
投資信託とは、複数の出資者から集めた資金を投資のプロが運用して、得られた利益を出資者に分配する金融商品のことです。
▼図解:よくわかる投資信託の仕組み
- SBI・バンガード・S&P500・インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
人気のある投資信託や選び方は過去の記事で解説していますので、参考にしてください。
おすすめのETF(関連動画や記事も紹介)
ETFとは、「Exchange Traded Fund」の頭文字を取ったもので、「上場“投資信託”」と呼ばれています。
投資信託という名前がついていますが、ETFと投資信託は別物です。
詳しい違いは解説すると長くなるため、以下の動画や記事を参考にしてください。
- VT(全世界株式)
- VTI(全米株式)
→ 【投資信託・ETFで迷ったらこれ】インデックス投資はVT1本、VTI1本でも立派なポートフォリオ
- VYM/HDV/SPYD(米国高配当株ファンド)
→ 【高配当ETF】高配当株マニアがHDVに投資している7つの理由
→ 【高配当ETF】高配当株マニアがSPYDに投資している7つの理由
- AGG(総合債券ファンド)
→ 【米国総合債券ファンド】AGGは初心者でも投資しやすい鉄板の債券ETF
- LQD(総合社債ファンド)
ネット証券を活用し、最安コストで優良ファンドに淡々と投資をすれば、短期的にマイナスになっても、5年・10年と長い目で見れば資産は増えていきます。
下の図は株式投資の投資期間と年間の平均リターンに関するもので、10年以上の投資期間が取れるならほぼ負けなしということが分かります。
(参考:JPモルガンアセットマネジメント)
長期を見据えて投資ができるのは、個人投資家の強みの一つです。
着実に資産形成したい方は以下の動画や記事を参考にして、個人投資家の強みも学んでください。
まとめ:ネット証券は現代の富の倉庫
今回の記事では、ネット証券業界の現状とネット証券との賢い付き合い方を解説しました。
ネット証券会社が誕生して約20年が経ち、投資環境が整備され、優良株やファンドを誰でも超低コストで買える時代になっています。
近年、証券会社間の手数料の引き下げ競争は激しく、ユーザーにとっては追い風とも言える環境です。
一方で、売上構成比20~30%を占めていた委託手数料の減収が見込まれるネット証券は、新たな収益源を確保するために以下のようなサービスを進めてくるでしょう。
- 信用取引
- IFAのコンサルティング
- アクティブ運用
上記は全てスルーして問題ありません。
投資初心者にとって正しいネット証券との付き合い方は以下の通りです。
新しいサービスに目を奪われない
信用取引やデイトレをしない
淡々と優良株やファンドを購入する
ネット証券口座は現代の富の倉庫です。
証券口座は経済的自由を達成するために、必要不可欠だと言えます。
リベ大がおすすめしているネット証券は、楽天証券とSBI証券の2つです。
最初はどちらか1つでも良いですが、慣れてきたら複数の証券口座を持つことをリベ大ではおすすめしています。
もしネット証券口座を持っていない人は、早めに開設するのがおすすめです。
ネット証券と賢い付き合い方をすれば、人生100年時代をお金に悩まず自由に過ごせます。
以上、こぱんでした!