こんにちは、こぱんです!
リベ大では、お金のなる木を育てて資産と自由な時間を増やしていく力、「増やす力」についても情報発信しています。
▼図解:増やす力
リベ大で学んだことをキッカケに、本当に多くの人達から「投資を始めました!」という報告をいただいています。
その中で、インデックス投資に関して以下の質問をいただきました。
現在つみたてNISAで、S&P500に連動するインデックスファンドへの積み立てを始めました。
またそれとは別に、リベ大でも紹介されていたHDVという高配当株ファンドにも投資しています。
SNSや投資家のブログを見ていると、インデックス投資と高配当株投資はまったくの別物として紹介されているようでした。
では、HDVはインデックス投資なのでしょうか?それとも高配当株投資なのでしょうか?
アメリカの有名経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルに、「2019年8月にインデックスファンドの運用総額(約461兆円)がアクティブファンドの運用総額(約459兆円)を上回った」と報道されていました。
(出典:ウォール・ストリート・ジャーナル 「ウォール街の新たな王者、インデックスファンド」)
これは金融史に残る大きな転換点です。
一方で、インデックス投資ブームを受け、様々なインデックスファンドが誕生したことで、個人投資家の混乱を招いています。
そこで今回の記事では、以下の2点について解説します。
- 王道のインデックス投資とは?
- スマートベータとは?
この2つを理解できると、自分がどのような投資をしているのか理解が深まるだけでなく、見せかけのインデックスファンドを掴まされて大損することが減るでしょう。
目次
解説動画:【初心者向け】王道インデックスVSスマートベータ、どちらが賢い投資?
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
王道のインデックス投資とは?
平均的な投資成績の強み
インデックス投資とは、以下のような指数(=インデックス)に連動した成績を目指す投資方法です。
- 日経平均
- TOPIX
- NYダウ
- S&P500
インデックス投資は「市場平均」の投資成績を目指すため、地味な投資戦略と感じる人もいます。
ですが、インデックス投資の合理性・有効性については、過去に何度もリベ大で解説してきました。
また、平均的な成績は、実際にその他の成績を上回ることが多くあります。
なぜそんなことが起こるのか、身長を例に、中央値と平均値について考えてみましょう。
- Aさん:身長190cm
- Bさん:身長170cm
- Cさん:身長170cm
→ 3人の身長の中央値:170cm
→ 3人の身長の平均値:176.6cm
上記の例では、平均身長176.6cmは、身長170cmの2人を上回っていることが分かります。
その理由は、1人だけ身長が190cmと飛び抜けた人がいるためです。
これと同じで、インデックス投資は「突出して成績の良い企業」のリターンも得ることができます。
つまり、インデックス投資が得られる成績は平均的なものでも、その他多くの成績を上回ることができるのです。
実際、アクティブファンド(インデックスファンドを上回る成績を目指すファンド)の70~80%が、インデックスファンドに敗北するというデータがあります。
(出典:モーニングスター「“アクティブVSパッシブ”新手法で検証、コストが明暗」)
さて、「特定の指数(=インデックス)」に連動するように作られたファンドは、すべてインデックスファンドと呼ばれます。
しかしここで注意したいのが、以下の2つのファンドは同じインデックスファンドでも、全く違うものだということです。
- 伝統的・王道のインデックスファンド
- 最近生まれたインデックスファンド
伝統的・王道のインデックスファンド
伝統的・王道のインデックスファンドは、基本的に時価総額(株価×発行済株式数)に着目した指数に連動しています。
この指数を「時価総額加重平均型の株価指数」と言い、別名マーケットウェイトとも呼ばれています。
- 日本:TOPIX
- アメリカ:S&P500
- 香港:香港ハンセン
- イギリス:FTSE 100
- ドイツ:DAX
「時価総額加重平均」とは、時価総額の割合に従って銘柄の構成を決めていく方法です。
そのため、時価総額が大きな企業ほど構成割合が大きくなり、時価総額が小さい企業ほど構成割合が小さくなります。
例えば、100社の株式を、単純に平均して100万分購入する場合、1社当たり1万円分(100万円 × 1%)の株式を購入します。
しかし、時価総額加重平均で購入する場合は割合が異なります。
→ 100万円(全体)における割合は5%
→ 1%よりも大きくなる
→ 100万円(全体)における割合は0.05%
→ 1%よりも小さくなる
このように、時価総額加重平均で株を購入するほうが、単純平均で株を購入するより相場全体の実態に近くなります。
時価総額加重平均型の株価指数に投資するということは、株式市場全体に投資すると言えるため、以下のメリットがあります。
銘柄選定が不要なため、余計な調査コストがかからない。
銘柄の組み換えが発生しないため、売買手数料がほとんど発生しない。
利益確定をする必要がないため、税金を最小限に抑えられる。
ファンド内の銘柄が10倍になれば、その利益をすべて受け取れる。
→ 低コストで、「平均」という名の優良リターンを受け取れる。
ここで伝えたい一番大切なポイントは、伝統的・王道のインデックスファンドは市場全体に投資しているということです。
一方、同じインデックスファンドでも、市場全体を対象にしていない指数に連動したファンドには、以下のようなデメリットがあります。
銘柄の入れ替えが多いため、売買手数料が多くかかる。
利益確定のたびに税金を払わないといけない。
株価が10倍となる銘柄を選定できなければ、恩恵を受けられない。
→ 王道のインデックスファンドに負ける。
王道のインデックス投資とは、TOPIXやS&P500のような「時価総額加重平均型のインデックスファンドに投資すること」と覚えておきましょう。
時価総額加重平均型以外のインデックスファンドは、いわば亜種です。
スマートベータとは?
インデックスファンドの人気が高まるにつれて、「”市場全体”という指数よりも、”賢い指数”を生み出せればもっと良い投資成績が出せるのでは?」と考える人が出てきました。
この考えから生まれた投資戦略を、スマートベータ戦略と言います。
スマートベータを支持する人たちは、「”市場全体”という指数よりも、”特定の要素”に比重をかけてポートフォリオを作った方が良い!」と考えます。
→ 企業の実態価値に比べて株価が割安の株
→ 時価総額と流動性が低い株
→ 勢いがあり高成長が期待できる株
→ 価格変動の小さな株
実際に上記の株は、低リスク・高リターンであることが様々な研究から証明されています。
そのため、「低リスク高リターンの株を買えるなら、あえて”市場全体”に投資する必要はない」という考えが生まれました。
その結果として、特定の要素に連動した多様なインデックスファンドが誕生したのです。
→ バリュー・インデックスファンド
→ サイズ・インデックスファンド
→ モメンタム・インデックスファンド
→ 低ボラティリティ・インデックスファンド
さらに、これら複数の要素を組み合わせたインデックスファンドなど、次から次へと新しいインデックスファンドが生まれています。
今回、冒頭の質問に挙げられていた高配当株ファンドのHDVは、「モーニングスター配当フォーカス指数」という指数に連動したインデックスファンドです。
この指数は、「財務の良い優良・高配当企業は優れたリターンを生みだす」という考えに基づいて設計された指数です。
時価総額加重平均型ではなく配当加重平均型、つまり配当という要素に着目したスマートベータと言えるでしょう。
スマートベータのファンドは、「割安・低リスク」であることが分かったのに、なぜ王道のインデックスファンドに勝てなかったのでしょうか?
その理由としては、大きく以下の3つが挙げられます。
- 机上の空論に過ぎなかった
→ 研究者のシミュレーションでは上手くいったが、実際に投資手法を再現するのは不可能、もしくは高コスト過ぎた。 - 市場の気まぐれ
→ 特定の要素(バリュー株・小型株など)が良いリターンをおさめたのは偶然だった。 - 知れ渡ってしまった
→ 特定の要素の良さが知れ渡り、株価が上がりおトクさがなくなった。
結局、スマートベータというのはアクティブ運用の一種にすぎません。
市場平均の成績をおさめられるのは、あくまでも時価総額加重平均型の株価指数に連動したインデックスファンドへの投資です。
そのため、リベ大では伝統的・王道のインデックス投資をおすすめしています。
S&P500のような、時価総額加重平均型の株価指数に連動したインデックス
スマートベータのような、特定の要素に連動したインデックス
指数に連動するように運用されているファンドをインデックスファンドと呼びますが、スマートベータと伝統的・王道のインデックスファンドは別物であると認識しましょう。
リベ大が解説しているHDVなどの高配当株投資は、あくまでもアクティブ運用です。
アクティブ運用が、インデックス投資に全敗するというわけではありませんが、一般的に勝率が低くなるのは間違いありません。
そのため、高配当株投資はインデックス投資よりも「難易度が高め」とお伝えしているのです。
HDVは特定の指数に連動するように運用されているという意味では、インデックスファンドと言えます。
しかし、実態は市場平均に勝とうとしているアクティブな投資スタイルです。
そのため、冒頭の質問への回答は以下の通りです。
回答:HDVへの投資はインデックス投資ではない
- 市場全体に投資するのが王道のインデックス投資
- HDVは市場平均に勝つことを目指すアクティブな投資スタイル
まとめ:王道のインデックス投資をしよう!
株式投資の世界では、非常にたくさんの指数が今も誕生しており、それに伴って数多くのインデックスファンドが生まれています。
その中には、スマートベータのような特定の要素に連動した指数、それを目指すファンドもあります。
しかし、リベ大がおすすめするインデックス投資は、あくまでも時価総額加重平均型の株価指数に連動するファンドです。
スマートベータはアクティブ運用の一種と捉えるべきで、伝統的な指数ではありません。
有効性は完全に否定されていませんが、投資をするなら分散投資の一つとしてポートフォリオに組み込むのが良いでしょう。
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(注:「SBI・バンガード・S&P500 インデックス・ファンド」は楽天証券では購入できません。)
実際に資産運用を始めると、つい新しいファンドに目移りしてしまいがちです。
ですが、資産運用の柱は、時価総額加重平均型の株価指数に連動する伝統的な王道インデックスファンドにすべきです。
流行っているファンドだからといって、簡単に投資しないようにしましょう。
以上、こぱんでした!
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