こんにちは、こぱんです!
リベ大では経済的自由を達成するために、資産と自由な時間を増やしていくための「増やす力」についても発信しています。
▼図解:「増やす力」
2021年1月16日に「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」が発表されました。
これは、投信ブログを書いている個人投資家が、この1年で一番良かったファンドを投票で決める有名なイベントです。
皆さんは「金融機関でオススメされる投資信託」が、手数料の高いぼったくり商品が多いということをご存知ですか?
実は、金融機関がおすすめする投資信託と、個人投資家が評価している投資信託は全く違うのです。
→ 手数料の高いファンド
→ 低コスト・運用成績良好のファンド
この事実を知らないばかりに、金融機関の窓口でファンドを購入してしまう人は少なくありません。
そんな日本の投資環境を少しでも改善するために、個人投資家が「Fund of the Year」を開催し、優良ファンドを発表することにしたのです。
今年は通算14回目の開催で、185名の投信ブロガーが投票に参加しました。
現在、この投票結果を個人投資家が参考にするのはもちろん、日経新聞でも取り上げられたり、資産運用会社も動向を気にしています。
そこで今回の記事では、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」の1位~10位にランクインしたファンドについて解説します。
この記事は、以下のような人の資産運用には特に役立つ内容となっています。
解説する全部のファンドの名前と概要を網羅できれば、100人に1人の高い金融知識をもった投資家にレベルアップできるでしょう。
なお、11位~20位のファンドについては、公式ホームページでご確認ください。
目次
- 1 解説動画: 【毎年恒例】「ファンド・オブ・ザ・イヤー2020」の結果について解説
- 2 「Fund of the Year 2020」1位~10位の結果
- 3 「Fund of the Year 2020」入賞:全世界株ファンドの解説
- 4 「Fund of the Year 2020」入賞:先進国株ファンドの解説
- 5 「Fund of the Year 2020」入賞:米国株ファンドの解説
- 6 「Fund of the Year 2020」入賞:バランス型ファンドの解説
- 7 「Fund of the Year 2020」入賞:アクティブファンドの解説
- 8 まとめ:優良ファンドを知り小金持ちへの第一歩を踏み出そう
解説動画: 【毎年恒例】「ファンド・オブ・ザ・イヤー2020」の結果について解説
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
「Fund of the Year 2020」1位~10位の結果
「Fund of the Year 2020」の結果は以下の通りです。
- 1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 2位:ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 3位:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
- 4位:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- 5位:ひふみ投信
- 6位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 7位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックスファンド
- 8位:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- 9位:eMAXIS Slim S&P500
- 10位:農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね
全世界株ファンド
- 1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 3位:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
- 8位:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
先進国株ファンド
- 2位:ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 7位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックスファンド
米国株ファンド
- 9位:eMAXIS Slim S&P500
バランス型ファンド
- 4位:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- 6位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
アクティブファンド
- 5位:ひふみ投信
- 10位:農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね
「Fund of the Year 2020」入賞:全世界株ファンドの解説
「Fund of the Year 2020」に入賞した全世界株ファンドは以下の3つです。
- 1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 3位:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
- 8位:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
栄えある1位に輝いたのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
昨年も1位を受賞し、見事2連覇を果たしました。
このファンドは、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する投資成果を目指したインデックスファンドです。
投資対象:先進国だけでなく、新興国を含む49の国・地域
投資額全体の55%が米国
一番投資額の多い銘柄:GAFAM&テスラ
ファンドの純資産:約900億円
管理費用:年0.1144%
ファンドが設定されてからのチャートは、以下の通りです。
設定されてから現在までの約2年3カ月、価格がどれだけ変化したかを表す騰落率は、プラス32%となっています。
さらにコロナショックの下落からも回復しており、ここ数年の「株高トレンド」に乗っているファンドです。
またこのファンドは、時価総額が大きくなった国や企業への投資比率が自動的に高まる仕組みになっています。
そのため、勢いのある米国や発展を続けるGAFAMなど、国や企業の成長を取りこぼしなく投資できるのです。
今後、成長の勢いが米国から新興国に入れ替わったとしても、うまく機能するでしょう。
3位:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
3位の「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」は、1位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と同様に「これ1本で全世界に投資できる」ファンドです。
同じ全世界株ファンドですが、大きな違いが2つあります。
「投資信託」か「ETF(上場投資信託)」かどうか
小型株を投資対象に含むかどうか
「投資信託」か「ETF(上場投資信託)」かどうか
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は投資信託で、「VT」はETF(上場投資信託)です。
投資信託とETFの違いについては、以下の記事を参考にしてください。
小型株を投資対象に含むかどうか
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は小型株を投資対象に含まず、「VT」は小型株も投資対象としています。
このように投資対象の違いが生じるのは、連動する指数が違うからです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 指数:オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)
- 構成銘柄数:約3,000(大型株・中型株のみ)
- 時価総額カバー率:世界の株式市場の約85%
VT
- 指数:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
- 構成銘柄数:約9,000(大型株・中型株・小型株含む)
- 時価総額カバー率:世界の株式市場の約98%
カバーする範囲が広いという点では、VTの方がより「全世界」の名にふさわしいと言えるでしょう。
ちなみに、リベ大両学長はVTの方が好きとのことです。
- 運用歴がeMAXIS Slim 全世界株式(2018年~)より、VT(2008年〜)の方が長い
- 純資産総額もeMAXIS Slim 全世界株式(約900億円)より、VT(約1.8兆円)の方が大きい
- ドル建てで購入可能、分配金もドルで入る
- 世界最大規模の資産運用会社「バンガード社」のファンド
- 経費率が0.08%とかなり低い
- 小型株を含むため、小型株の成長も取りこぼさない
8位:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
8位の「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」は、1位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」から、日本を除いたものです。
→ 「稼ぐ力」を考慮した分散投資
色々な投資商品があるので、自分にあった商品を選んでポートフォリオを調整していくと良いでしょう。
以上、1位・3位・8位が「全世界株ファンド」という結果から、個人投資家には広く分散されたインデックスファンドが人気であると分かります。
「Fund of the Year 2020」入賞:先進国株ファンドの解説
次に、「Fund of the Year 2020」で入賞した2つの先進国株ファンドを紹介します。
- 2位:ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 7位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックスファンド
この2つはどちらも「MSCIコクサイ(配当込み、円換算ベース)」という指数の連動を目指したインデックスファンドです。
この指数は、日本を除く先進国22ヵ国に上場する大型、中型株を投資対象としています。
これらのファンドはアメリカが投資額の約70%を占めており、次に投資額の多いイギリスやフランスなどへの投資額は約3~4%となっています。
投資している企業数は約1,300社で、投資額が大きい銘柄は、時価総額が大きい超巨大企業のGAFAMやテスラなどが中心です。
ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 運用スタート:2013年12月
- 基準価額の成長率:運用開始から約2倍
- 純資産:約2,200億円
- 運用管理費用:0.1023%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスファンド
- 運用スタート:2017年2月
- 基準価額の成長率:運用開始から約1.5倍
- 純資産:約1,500億円
- 運用管理費用:0.1023%
運用管理費用はともに0.1023%と安く、信託報酬以外のいわゆる「隠れコスト」を加味しても「0.01%~0.02%」の差しかありません。
そのため、どちらを選んでも差はないと考えて良いでしょう。
日本を除く先進国に投資する人の考え方は以下の通りです。
関連動画
→ 【意外に儲かりにくい】先進国と新興国の違い&新興国株投資の落とし穴
「Fund of the Year 2020」入賞:米国株ファンドの解説
第9位に入賞した「eMAXIS Slim S&P500」は、リベ大で何度も紹介している「S&P500」に連動するファンドです。
「S&P500」は、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数で、世界一有名と言っても過言ではありません。
運用総額も「S&P500」に連動するファンドの方が、全世界株や先進国株ファンドよりはるかに大きいです。
関連動画
どの国に投資するかは、個人の考え方や好みによって変わるので、自分に合った投資先を選びましょう。
→ 全世界株ファンド
たぶん新興国は足を引っ張るし、先進国株だけの方がリターンは高いだろう。→ 先進国株ファンド
今後もアメリカが一番強いだろう。→ 米国株ファンド
「Fund of the Year 2020」入賞:バランス型ファンドの解説
米国に絞った投資商品から、全世界へ視点を広げてみましょう。
「Fund of the Year 2020」で入賞したバランス型ファンドを紹介します。
- 4位:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- 6位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
4位の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と6位の「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は株式だけではなく、債券なども含むバランス型ファンドです。
投資対象
- 株式(全世界30カ国以上)
- 債券(先進国10カ国以上)
投資割合:株式と債券に50%ずつ
投資対象
- 株式(国内、先進国、新興国)
- 債券(国内、先進国、新興国)
- リート(国内、先進国)
投資割合:上記8つの資産それぞれに12.5%ずつ
「バランス」という名前からも分かる通り、色々な資産に分散投資しているのが特徴です。
このようなバランス型ファンドに投資する人の考え方は以下の通りです。
バランス型ファンドのメリット・使い道に関しては、以下の記事を参考にしてみてください。
結論から言えば、バランスファンドの特徴は「トップの成績は取れないけれど、最下位の成績にはならないこと」です。
株式の値動きが精神的にツライと感じる人には、魅力的なファンドでもあります。
ただリベ大は、リスク許容度の高い人にはバランス型ファンドより、株式ファンドをおすすめします。
- 15年以上の長い投資期間を確保できる
- 年収が高い
- 多くの貯金がある
- 短期的な暴落にもめげない鋼のメンタル
なぜなら、バランス型ファンドより株式ファンドの方が、15年・20年と長期投資をした場合、良い成績を収める可能性が高いからです。
投資商品としての株式の成長性については、ぜひ以下の動画・記事も参考にしてみてください。
「Fund of the Year 2020」入賞:アクティブファンドの解説
インデックスファンドがランキングを占める中、見事に入賞を果たしたアクティブファンドは以下の2つです。
- 5位:ひふみ投信
- 10位:農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね
- 高い運用報酬に見合う成績を残し続けられるアクティブファンドが少ない。
- アクティブファンド投資の成功可否は、ファンドマネージャーの能力次第。
- ファンドマネージャーに関する情報が少なく、能力分析が難しい。
しかし現状、この2つのアクティブファンドは、高い運用報酬に見合うだけの実績を残しています。
5位の「ひふみ投信」は2008年以降、TOPIXに圧勝しています。
コロナショックからの回復も見事と言える成績でした。
わずか10年たらずで、基準価額が6倍にもなっているわけですから、年間約1%の信託報酬は安いと感じる人もいるでしょう。
米国に上場する超優良企業27銘柄に厳選投資。
上位の構成銘柄は、ディズニー、VISA、ナイキ、コストコなど。
2017年7月の運用スタート後、約3年半で基準価額は1.5倍に成長。
「おおぶね」のファンドマネージャーである、奥野一成さんが執筆した本「教養としての投資」はかなり売れているようです。
本では、リベ大で解説している高配当株投資について、きっぱりと否定しています。
ただ、様々な投資の考え方を知れば投資家としてのレベルが上がるので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
リベ大では「信託報酬が高いファンドは、全部ぼったくりファンドだ」と言っているワケではありません。
この2つのアクティブファンドのように、信託報酬以上の成果を上げられるならば申し分ないでしょう。
しかし実際は歴史的に見ても、信託報酬に見合う仕事をしてきたアクティブファンドが、それほど多くありませんでした。
これは、はっきりと「数字」で表れている事実です。
このようにアクティブファンドは運用が難しい反面、うまくいけば短期で資産が増える投資といえます。
まとめ:優良ファンドを知り小金持ちへの第一歩を踏み出そう
「Fund of the Year 2020」上位入賞ファンドの特徴まとめ
今回は、2021年1月16日に発表された「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」で上位10位に入賞したファンドを紹介しました。
各ファンドの特徴をまとめると以下の通りです。
→ 小型株を除く全世界の約3,000銘柄に投資し、世界の株式市場の約85%をカバーしているファンド
→ 全世界の約9,000銘柄に投資し、世界の株式市場の約98%をカバーしているファンド
→ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)から日本を除いたファンド
→ ともに日本を除く先進国22カ国、約1,300銘柄に投資しているファンド
→ アメリカの代表的な株価指数「S&P500」に連動するファンド
→ 全世界株50% + 先進国債券50%で構成されたファンド
→ 株式(国内、先進国、新興国)、債券(国内、先進国、新興国)、リート(国内、先進国)の8資産に12.5%ずつ均等投資するファンド
→ 2008年以降、TOPIXに圧勝しているファンド
→ 2017年7月の運用スタート後、約3年半で基準価額は1.5倍に成長しているファンド
「Fund of the Year」の特徴は、「低コスト・広分散のインデックスファンド」が圧倒的に強いということです。
インデックス投資の代表的なファンドが名を連ねているので、「このファンドに投資をしておけば、老後資金に困る可能性は低いだろう」という期待を抱かせるものばかりです。
確かにインデックス投資は、「15年以上の長期投資では損をする可能性は著しく低くなる」というデータがありますが、将来の成績を保証するものではありません。
「Fund of the Year」は、金融リテラシーの高い個人投資家やブロガーたちが「現状における、インデックスファンドの最適解」を選定してくれるため、多くの個人投資家にとって最高にありがたいイベントです。
ランキングの中に、9位の「eMAXIS Slim S&P500」より低コストなファンドである「SBIバンガード・S&P500」がないのは不思議だと思いつつも、おおむね納得できるものばかりでした。
手数料の高いぼったくりファンドではなく、「Fund of the Year」で入賞したファンドを買えば、金融資産5,000万円の小金持ちになることも、決して不可能なことではありません。
もし、まだ資産運用をスタートしていないならば、今回の記事をきっかけに、資産運用の一歩を踏み出してみてください。
関連動画
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ちなみに、今回「Fund of the Year 2020」で入賞したファンドは、リベ大がおすすめしている「楽天証券」「SBI証券」での購入が可能です。
ファンドの特徴を理解して目的に合った投資をしよう
最後に伝えたいのは、今回紹介したようなインデックスファンドでは爆発的に資産を増やせないということです。
インデックスファンドのリターンは年利3~7%程度なので、以下のような投資商品と比べて、資産が増えるスピードは遅いです。
- セクター別ETF:特定の業種だけに投資するファンド
- レバレッジファンド:指数の2倍や3倍に変動するファンド
- 個別株
しかし「Fund of the Year」にランクインするようなインデックスファンドは、再現性が高く、着実に老後資金を増やせます。
このような特徴をしっかりと理解し、自分の目的に合った投資手法を検討しましょう。
- 再現性の高い方法で、着実に老後資金を増やしていく
- キャッシュフローを得る
- インフレに負けないようにする
ちなみに、「短期でリタイアを目指して集中投資する!」という目的も否定はしません。
ですが、ほとんどの人が失敗する手法のため、リベ大は誰もが小金持ちになれる「お金の増やし方」を引き続きおすすめしていきます。
- 「事業所得」を大きく増やして、投資の種銭を作る。
- つみたてNISAやiDeCoで、着実に老後資金を作る。
- 高配当株や不動産などを購入し、キャッシュフローを強化する。
以上、こぱんでした!
「お金にまつわる5つの力」を磨くための実践の場として、オンラインコミュニティ「リベシティ」をご活用ください♪
同じ志を持った仲間と一緒に成長していきましょう!
140万部発行された、「お金の大学」。
情報を最新化・新規コンテンツ追加して【改訂版】としてパワーアップ!(なんと52ページ増量!)
貯める・増やす・稼ぐ・使う・守る…一生お金に困らない「5つの力」の基本をまとめた一冊!
▼「増やす力を育てたい!」という人に読んでほしい記事がこちら!