こんにちは、こぱんです!
リベ大では、経済的自由を目指すための「貯める力」、支出のバランスをコントロールする力に関する情報も発信しています。
▼図解:貯める力
住宅に関する永遠のテーマといえば、「賃貸派か?マイホーム派か?」でしょう。
リベ大では一貫してリセールーバリューを意識することを伝えています。
そのため、以下の理由から多くの人に賃貸をおすすめしています。
- 日本では、 購入時より高く売れるリセールバリューの良い家が少ない。
- 返済リスク・金利リスクなどのリスクを減らせる。
- 家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応できる。
しかし、マイホーム派の人を否定する気はありません。
リセールバリューが高い家を見つけられる人や、家族みんなが喜ぶ理想の家で豊かな時間を過ごしたいと思っている人は、マイホームの購入も良いでしょう。
贅沢や浪費、もしくは投資を目的に家を購入するにしても、現金一括で支払う人は少数派ではないでしょうか。
だからこそ、損をしないためには住宅ローンに関する知識をつけることが重要です。
そこで今回は、「住宅ローンに関するよくある20の質問」を以下の3つのカテゴリーに分けて回答・解説します。
- 基礎内容
- 借りる時
- 借りた後
住宅は、人生で一番大きな買い物の1つです。
そのため、家を購入予定の人だけでなく、すでに住宅ローンを組んでいる人にとっても間違いなく役に立つでしょう。
今回の記事で、以下のような人が増えてくれれば嬉しいです。
目次
解説動画:【超お得】住宅ローンに関する「よくある質問20」にすべてお答えします
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
住宅ローンのよくある質問(基礎内容)
まず、住宅ローンの基礎的な内容に関する、よくある質問のテーマは以下の4つです。
- ①家賃とローン返済額
- ②低金利
- ③銀行の貸付
- ④借入金額
では、順番に回答と解説をしていきましょう。
質問①:家賃よりローン返済額が安ければ家を買った方がお得?
今の家賃よりローン返済額が安いなら、家を買った方がお得ですよね?
回答
そんなにシンプルな話ではありません。
今の家賃よりローンの返済額が安いなら、ローンを組んで家を購入した方がお得だと考える人も多いでしょう。
しかし、お得かどうかを判断するには、長期的な目線で総住宅費を比べることが必要です。
総住宅費とは、住んでいる間にかかる合計金額です。
賃貸と持ち家の総住宅費を計算する項目には、以下のようなものがあげられます。
- 家賃
- 更新料
- 火災保険料
- 引っ越し代
- 住宅ローンの返済総額
- 購入時の諸費用(税金、登記費用、住宅ローンの諸費用、中古なら仲介手数料等)
- 火災保険料
- 固定資産税
- 修繕費
さらに持ち家の場合には、「売却額(売却の見積もり額)- 売却時の諸費用」も考慮する必要があります。
このように、賃貸の場合と持ち家の場合の総住宅費を比べることで、初めてどちらがお得か結論を出せるのです。
将来のことは分からないとはいえ、今の家賃とローンの返済額だけを比べて損得を考えるのは賢い方法ではありません。
「家賃を払うぐらいなら、その支払い分でマイホームを買った方がお得ですよ」という住宅販売業者のセールストークに乗せられないよう注意しましょう。
質問②:金利が低い時に住宅ローンを組むのはお得?
今は金利が低いから、住宅ローンを組むとお得ですよね?
回答
そんなにシンプルな話ではありません。
低金利だからといって、住宅ローンを組むのがお得になるとは限りません。
もっと多角的に考える必要があります。
欲しい人が多いほど、値段はどんどん上がっていくんだ。
金利が低くて、住宅ローンが組みやすくなると、住宅の購入を検討する人が増えます。
つまり住宅を買おうとする人が増えれば、住宅価格は上がりやすくなるのです。
実際、最近の都市圏の中古マンションの価格はどんどん上がっています。
たとえ金利が低くても、住宅そのものの価格が高くなると、住宅の購入にかかるお金も上がる可能性があるのです。
また、今後金利が上昇した場合に起きる以下のリスクも考慮する必要があります。
変動金利で住宅ローンを借りている人は、返済額が増える可能性がある。
住宅そのものの資産価値が下がりやすくなる。
→ 金利が上昇し住宅ローンを組める人が減れば、住宅の需要が落ちて価格が下がる。
金利が上昇した場合のリスクを考えないと、「こんなはずじゃなかった!」と後悔することになるでしょう。
家賃とローン返済額の質問と同じく、シンプルすぎる話に乗せられてしまうのが、お金に弱い人の特徴です。
質問③:銀行の審査が通れば、お金を借りても大丈夫?
銀行が貸してくれるなら、借りても大丈夫ですよね?
回答
そんなにシンプルな話ではありません。
確かに銀行は「この人はきっちりと住宅ローンを返済してくれるか?」という点に注意して、貸し付けの判断をします。
しかし、銀行の審査が通ればお金を借りても大丈夫とは言えません。
貸し付けする銀行の意図もしっかりと押さえておく必要があるのです。
→ 銀行は、借り手の暮らしまで考えていない。
→ 銀行は、住宅を担保にとっている。
→ 銀行は、何%かの人は返済できなくなることを想定し、貸付金利を決めている。
質問④:世間一般の借入金額は、どのくらい?
世間一般の借入金額は、どのくらいなのでしょうか?
回答
令和元年度の借入額平均は以下の通りです。
- 注文住宅:3,361万円
- 分譲戸建住宅:2,830万円
- 分譲マンション:2,702万円
- 中古戸建住宅:1,575万円
- 中古マンション:1,551万円
(出典:国土交通省「令和元年度住宅市場動向調査」より)
借入金額の平均値に関しても、多くの質問をいただきます。
世間の平均値が気になるのはよく分かります。
しかし、人それぞれ状況は異なるため、平均の借入額なら大丈夫という考え方は危険です。
- 購入した住宅の資産価値
- 保有している資産全体の金額
- 年収
- 収入の安定度
- 住宅費以外にかかる費用
- 家族構成
- 住宅ローンの借入金利や借入期間
住宅ローンのよくある質問(借りる時)
次は、住宅ローンの借入時に関する、よくある質問のテーマです。
- ⑤固定金利と変動金利
- ⑥店頭表示金利
- ⑦借入金額
- ⑧フルローン
- ⑨頭金
- ⑩借入期間
- ⑪カーローンやカードローンの返済
- ⑫提携ローン
- ⑬借入する銀行
- ⑭住宅ローンの複数申し込み
- ⑮元利均等返済と元金均等返済
- ⑯ボーナス返済
- ⑰ペアローン
質問⑤:固定金利と変動金利のどちらを選ぶべき?
固定金利と変動金利では、どちらが良いでしょうか?
回答
一概には言えません。リスクを取れるなら変動金利を検討しましょう。
固定金利と変動金利の問題の本質は、誰が「金利の変動リスク」を負うかです。
3,000万円の住宅ローンを組んだ場合、固定金利と変動金利の総返済額は以下の通りです。
固定金利の総返済額:3,700万円
変動金利の総返済額:3,300万円~4,100万円
固定金利を選択すれば、金利の変化に関わらず総返済額は変わりません。
一方、変動金利を選択した場合、金利が低いままなら総返済額は安く済みますが、金利が高くなると負担が重くなってしまいます。
つまり変動金利は固定金利で借りた時より得するかもしれないし、損するかもしれないのです。
これが「金利の変動リスクを引き受ける」ということです。
契約時点で固定金利と変動金利のどちらが得なのかは、誰にも分かりません。
皆さんの中には「固定金利は変動金利より高いからイヤだな。」と思う人もいるでしょう。
しかし、固定金利と変動金利の差は、金利上昇に対する保険料みたいなものです。
そのため固定金利と変動金利の基本の考え方は以下の通りとなります。
→ 固定金利
→ 変動金利
意外に思う人も多いでしょうが、金利が高い固定金利は収入や資産に余裕のない人向けで、金利が低い変動金利は収入や資産に余裕のある人向けなのです。
なぜなら、収入や資産に余裕がある人は、たとえ金利が上昇しても返済に耐えられるからです。
一方、収入や資産に余裕がない人は、金利が上昇すると返済に耐えられなくなる可能性があります。
そのため、収入の少ない人が変動金利を前提にギリギリのローンを組むのはおすすめしません。
関連動画
質問⑥:店頭表示金利とは?
店頭表示金利とは何ですか?
回答
金利の定価のようなものです。ここから金利の割引があります。
店頭表示金利とは、金利の定価のようなものです。
住宅ローン金利は、以下の2段構えになっているのが特徴です。
- いったん店頭金利を見せる。
- 店頭金利から引き下げて、最終的な融資利率を決める。
では、2021年3月時点の、三井住友銀行の住宅ローン金利を例に見てみましょう。
一番上に記載されている変動金利型には、以下の記載があります。
- 店頭金利:2.475%
- ご融資利率:0.475%~0.725%
→ 値引き:2.0%〜1.75%
つまり最大2.0%の値引きをするので、2.475%の金利が0.475%にまで下がる可能性があるのです。
しかし、ここで皆さんに知っておいてほしいポイントがあります。
それは最終的な融資条件は、審査後でないと分からないということです。
- 金利の引き下げ幅
→ どれくらい金利の値引きをしてくれるのか?
- 金利の引き下げ期間
→ 何年間、金利を引き下げてくれるのか?
融資条件は以下のような様々な要因で変わります。
そのため、広告の見かけの金利に惑わされないように注意しましょう。
- 皆さんの属性(職業、勤務先、年収、資産など)
- 物件の価値
- 頭金の金額
質問⑦:適切な借入金額は?
借入金額は、どのくらいが適切ですか?
回答
毎月の返済額が、月の手取りの30%以内に収まる金額です。
借入金額は、毎月の返済額が月の手取り金額の30%以内に収まる金額が適切と言えるでしょう。
具体的には以下の通りです。
- 手取り金額:20万円
→ 約2,000万円(毎月の返済額:6万円)
- 手取り金額:30万円
→ 約3,000万円(毎月の返済額:9万円)
- 手取り金額:40万円
→ 約4,000万円(毎月の返済額:12万円)
- 手取り金額:50万円
→ 約5,000万円(毎月の返済額:15万円)
※すべて借入期間35年、固定金利1.2%、元利均等返済、ボーナスによる返済なしを想定
しかし、これらの金額は一つの目安にしてください。
なぜなら、生活スタイルや家族構成によって、月の手取り金額の40%~50%でも大丈夫な場合や、20%でないと厳しい場合もあるからです。
なお、「貯める力」と「増やす力」が強い人の借入金額は、手取り収入の20%以下にしていることも多いです。
資産をとことん増やしたい人は、手取り収入の20%以下の借入金額を意識すると良いでしょう。
質問⑧:フルローンで家を買っても良い?
フルローンで家を買っても良いでしょうか?
回答
買った時点で純資産が黒字の良物件なら考えて良いでしょう。
住宅を購入する際には必ず、住宅のリセールバリュー(=市場価値)から住宅ローンの残債を引いた純資産の金額が黒字かどうかを意識しましょう。
なぜなら純資産が赤字の場合、もしもリストラや病気などで収入を失い、住宅ローンが返せずマイホームを売却したとしても、借金だけが残るからです。
そのため、フルローンでの購入を検討して良いのは、買った時点で純資産が黒字になる良物件のみと言えます。
例えば本来3,500万円の価値がある住宅を、売り手の売り急ぎや投げ売りなどの理由でたまたま3,000万円で買える場合は、フルローンで購入しても良いでしょう。
なぜなら3,000万円の住宅ローンがあっても、保有する住宅のリセールバリューが3,500万円なら、いつ住宅を売っても「借金だけが残る」という状況にはならないからです。
質問⑨:適切な頭金の金額は?
頭金の金額はどのくらいが良いのでしょうか?
回答
以下の2つの基準で判断してください。
- 自分が保有するお金を、住宅ローン金利以上で運用できるかどうか。
- 自由に使えるお金をどれだけ持っていたいか。
例えば、1,000万円持っている人が、3,000万円の家を買おうとしている場合を想定してみましょう。
以下のケースでは、頭金を入れる必要はありません。
→ 年1%の住宅ローン金利を払っても、トータルで年4%の利益を増やせる。
→ 年1%の住宅ローン金利を払っても、将来の教育費や介護費などに備えられる。
逆に自分で資産運用できない人、突発的にお金が必要になりそうにない人は、可能な限り頭金を入れても良いでしょう。
ちなみに以下のような場合、実質的に購入した時点で500万円の赤字になります。
- 新築マイホーム購入時の価格:4,000万円
- 頭金:0円(4,000万円のフルローンを組む)
- 1年後のリセールバリュー:3,500万円
購入時点で赤字になるため、手元に500万円の現金を持っていない場合は要注意です。
なぜならイザというときに家を売りたくても、借金が残ってしまうため売れなくなるからです。
またこのような物件は、そもそも頭金を入れないとローンの審査に通らない可能性が高いです。
質問⑩:適切な借入期間は?
借入期間はどのくらいが適切でしょうか?
回答
最長期間で組むのが良いです。
通常、住宅ローン借入の最長期間は、現在から80歳までの年数、もしくは35年かのどちらか短い期間が適用されます。
例えば、30歳の人なら35年、50歳の人なら30年となります。
リベ大としては、以下の理由から住宅ローンは最長期間で組むことをおすすめします。
- 月々の返済額が減り、自由に使えるお金が手元に残るから。
- 住宅ローンの金利は、個人の借入金利の中で最も低いから。
- 原則的に、借入期間は短縮できても延長はできないから。
最長期間で住宅ローンを組み、月々の返済額を減らすことで、自由に使えるお金が手元に残ります。
自由に使えるお金が手元にあると、以下のメリットがあります。
もしもの時に備えられる
繰上げ返済にも使える
住宅ローン金利以上の利回りで資産運用できる可能性がある