こんにちは、こぱんです!
映画「鬼滅の刃」が大ヒットしており、公開から59日目の12月13日に興行収入が300億円を突破しました。
この数字は興行収入が歴代1位の映画「千と千尋の神隠し」の308億円にも目前で、大きな話題になっています。
今回の映画のヒットで、原作者である吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)さんに入る原稿使用料は、数百万円だと言われています。
少し多めの500万円だと仮定しても、売上300億円に対して、0.01%程度しかありません。
そこで今回の記事では、以下の2点について解説します。
- 映画業界の仕組み(誰がどう儲けているのか)
- 「鬼滅の刃」大ヒットに学ぶ、お金持ちになるための3つの原則
「お金持ちになれる人」と「お金持ちになれない人」の間には、分厚い壁があります。
目次
解説動画:【お金の勉強】大ヒット映画「鬼滅の刃」原作者の取り分は適正なのか?
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
映画業界の仕組み
「ヒットした映画の原作者の取り分が少なすぎる」という問題は、漫画や小説を原作とする映画が大ヒットする度に話題になってきました。
例えば、2012年に公開されてヒットした「テルマエ・ロマエ」は、
- 映画の興行収入約60億円に対して
- 原作料は約100万円
と原作者のヤマザキマリさんがテレビ番組内で公表したことによって、2013年にネット炎上が起きました。(※参考記事)
また、テレビ・映画の人気シリーズ「海猿」の原作者である佐藤秀峰(さとう しゅうほう)さんも原作料は、100~200万円で、視聴率や興行収入に応じて支払われることはないと公表しています。
「どうして興行収入に比例して原作料が支払われないのか?」
「原作者は搾取されているのか?」
こういったことを考えるためには、まず映画業界の仕組みについて知っておく必要があります。
まずは、一般的なケースを解説していきます。
ざっくりと主な登場人物は以下の5者です。
原作者(鬼滅の刃の場合:吾峠呼世晴さん)
出版社(鬼滅の刃の場合:集英社)
映画製作会社(鬼滅の刃の場合:集英社&アニプレックス&ufotable)
映画配給会社(鬼滅の刃の場合:東宝&アニプレックス)
興行会社(=映画館)
このうち、「原作料」問題に直接絡むのは、
- 原作者
- 出版社
- 映画製作会社
の3者です。
この3者における、お金の流れは以下のようになっています。
まず、「映画製作会社→出版社」に原作料が支払われます。
そして、この原作料の一部が「出版社→原作者」に支払われるといった流れです。
通常、原作料は最大1,000万円、平均して200~400万円が相場だと言われています。
原作者と出版社、2者の取り分は基本的に原作料のみであるため、実際に作った映画が、
大赤字を出して失敗しようが
大ヒットしてブームを起こそうが
原作者と出版社の収入は変わりません。
つまり、映画の収入に関わらず事前に決まった金額を受け取れるのです。
興行収入に応じた収入を受け取れるのは、
- 映画製作会社(鬼滅の刃の場合:集英社、アニプレックス、ufotable)
- 映画配給会社(鬼滅の刃の場合:東宝、アニプレックス)
- 映画館(鬼滅の刃の場合:TOHOシネマズなど)
の3者です。
そして、一般的な取り分は以下のような割合が多いとされています。
- 映画製作会社:35~45%
- 映画配給会社:5~15%
- 映画館(=興行会社):50%
映画とは、超ハイリスクなビジネスモデルです。
なぜなら、
製作費が多額(邦画で数億~数十億円)
広告費も多額(〇億円単位)
収益予測ができない(上映してみないとヒットするか分からない)
ため、当たれば大きい一方で、外した時の損もデカいからです。
もし皆さんだったら、
どちらの立場になりたいと思いますか?
お金持ちになるための3つの原則
ここまでの映画業界の仕組みの知識を前提として、ここからは「お金持ちになるための3つの原則」を今回の事例に当てはめて解説します。
- リスクとリターンは比例する
- 黙っていると、損をする
- 儲けたいなら、儲けさせてあげろ
原則①:リスクの大きさとリターンの大きさは比例する
多くの日本人がお金持ちになれない理由は非常にシンプルで、リスクを取らないからです。
リスクを取らないということは、「大失敗する可能性は下がるが、大成功する可能性も捨てる」ことを意味しています。
もし他の人よりもお金持ちになりたいと思ったら、他の人よりもリスクを取らなければなりません。
では、今回の「鬼滅の刃」の場合、
- 映画製作会社が取ったリスクと得られるリターン
- 原作者が取ったリスクと得られるリターン
を順番に見ていきましょう。
映画製作会社が取ったリスクとは、制作費用やプロモーション費用です。
もし映画が大ゴケした場合、これらのお金は完全にドブに捨てることになります。
例えば、自分事として考えてみてください。ある映画プロデューサーが皆さんにこう言ってきました。
ほとんどの方は“No”と言うのではないでしょうか。
映画がヒットするかどうか分からない中で、先行投資として、製作費・プロモーション費用をつぎ込むことは相当なリスクを背負う行為です。
だからこそ、そのリスクを背負える「リスクテイカー」は、当たったら莫大な収入が得られます。
これは金融やビジネスの世界において、全くおかしな話ではありません。
前提知識のところで説明した通り、ほとんどの映画はコケて終わります。
一方で、原作サイドが取ったリスクですが、少なくとも金銭的なリスクは負っていません。
自分は1円も出資しないし、映画がコケた時の損失も全く負わずに済むのに、
著作権使用料数百万円
認知度が高まったところによる「原作(マンガ)」の販売促進効果(結果的に書籍からの印税収入が増える)
グッズ収益に対する数%のロイヤリティ
映画のブルーレイ・DVDなどの二次使用料
こういったリターンを得られるため、元本保証で利益が欲しい日本人にとっては、「悪くない取引」だと言えます。
もちろん、原作者側にも映画製作にかかる打ち合わせや台本チェックなど「自分の時間が取られる」といったデメリットはあります。
また、映画の出来が悪かった場合には、
原作そのものの評判を落とす
連載中の作品に悪影響が出る
次回作の話がなくなる
といったリスクからも逃れられません。
しかし、
- 出資していない
- 損失を埋め合わせる責任がない
などの大きな金銭的なリスクを背負っていないのだから、リスクやリターンのバランスは取れていると言えるのではないでしょうか。
原則②:黙っていると、損をする
作家の原作料は、最大でも1,000万円です。
これだけ大ヒットした鬼滅の刃でも、適正な価格だと言えるのでしょうか。また、「これが常識」ということで、黙っているべきなのでしょうか。
この点に関して、参考となる事例を紹介します。
「海猿」の原作者である佐藤氏。
海猿を原作にした映画がヒットしたにも関わらず、1~2作目の原作使用料は約200万円で固定だったそうです。
さらに、海猿関連グッズが制作・販売されても、自身には1円も権利料が入ってこなかったとのこと。
「それはおかしいだろう」ということで、3作目以降は、出版社に任せず自力で交渉することにしました。
その結果、
原作使用料が10倍以上にアップ
グッズの権利料が発生
することになり、お金周りの状況は劇的に改善されました。
結局、全てを出版社サイドに任せていると、
- 作家の利益を最優先にした契約ではなく
- 出版社の利益が最優先の契約になってしまう
ということです。
お金の世界では、
知らなかった
分からない
それは人に任せた
これらは、免罪符になりません。
どんな理由であっても、黙っていれば損をするのがお金の世界です。
もしお金持ちになりたいのであれば、「黙っていた方が得をする」という日本の美徳は忘れましょう。
欲しいものは、欲しいと言う
自分の権利は、正当に主張する
万が一に備えて、法的な守備力を高めておく
どれも絶対に必要なことです。
会社や取引先に言うべきことが言えずに、割を食っている人は少なくないのではないでしょうか。
- 自分の上司に「給料を上げて欲しい」
- 取引先に「もっと単価を上げて欲しい」
こういったことをケンカにならないよう、上手く伝えられる人は少ないのかもしれません。
鬼滅の刃がヒットすればするほど、原作者である吾峠さんの「お金の話」にも注目が集まってくると思います。
これだけ大きな社会現象を生み出したクリエイターが、どれだけ大きな夢を見れるのか、皆さんも興味あるのではないでしょうか。
リベ大としては、
- 吾峠さん
- 出版社
- 制作会社etc…
皆が良い感じに儲かって「登場人物、全員大儲け!ジャパンドリーム!!」といった景気の良い記事が読めれば良いなと思っています。
原則③:儲けたいなら、儲けさせてあげろ
商売人には、儲けるための鉄則があります。
それは「儲けたいなら、先に相手を儲けさせてあげろ」です。
鬼滅の刃は、2020年12月4日発売の最終巻23巻をもって、累計1億2,000万部の発行になるようです。
しかし、
- 原作でどれだけ稼いでいるかは、映画化とは関係ない話であり
- マンガのアニメ化・ドラマ化・映画化などで作家と制作サイドが揉める
といった話はよくあります。
そのため、これから紹介する話にも学びがあるはずです。
例えば、原作の漫画をアニメ化や映画化に繋げるというのは、作家さんが「0→1」にしたビジネスを、他の人たちで「1→10」に拡大していくようなイメージです。
この流れは、マンガの世界に限った話ではなく、ビジネスの世界でも頻繁に起こります。
この時に、
「自分が一番儲かりたい!」 「自分よりも他の人が儲かるなんて不愉快だ!」このような感情を持ってしまうと、ビジネスの拡張はそこで終わりです。
例えば、ベンチャービジネスを立ち上げて「0→1」にできた社長が、そこから規模を拡大できるかどうかは、関係者を「先に」儲けさせてあげられるかどうかにかかっています。
映画化も同じで、自分が作ったマンガ(0→1)をもとに、そこから規模を拡大できるかどうかは、関係者を「先に」儲けさせてあげられるかどうかにかかっています。
もし関係者を先に儲けさせてあげられたら、
その関係者は皆さんを大切に思ってくれる
次のチャンスを活かすために、もっと頑張ってくれる
こういった良い流れが生まれます。
参考動画
→【子供でも楽しめる】金持ちになりたい人が絶対に聞くべき小話「魔法のザクロ」
吾峠さんは「鬼滅の刃」の前に、映画化でヒットした実績はありませんでした。
そういった意味では、今回は「自分の利益」を主張するタイミングではなく、関係者を「先に」儲けさせてあげるタイミングなのかもしれません。
実際に関係者の間でどのような契約が結ばれているかは分かりませんが、仮に今回の映画化で原作者にうま味がなかったとしても、これだけの大ヒットであれば、「先に儲けさせてあげる」という点では100点満点だと言えます。
ちなみに、世の中には鈍感な人がいて、「先に儲けさせてもらった」ということに気付かない人がいます。
こういった人と一緒に仕事をすると、延々と搾取されることになってしまいます。
「先に儲けさせてあげる」ことは大切ですが、「永遠に」相手を儲けさせてあげる必要はありません。
お金にシビアでいることは、悪いことではありません。
お金を儲けさせてあげているばかりで、全然自分が儲けられていない会社員の方は、このままの働き方で良いのか、この機会にぜひ考えてみてください^^
まとめ:誰がどのくらい儲けているかは、誰がどんなリスクを取るかによって変わる
誰がどれぐらい儲けているか話をする時は、
登場人物、お金の流れのイメージ
誰がどんなリスクを取っているのか把握
こういった順序で考えるようにしましょう。
現在の映画ビジネスの商流を考えると、利益分配のバランスは妥当であるとリベ大では考えています。
もし、皆さんがお金持ちになりたいのであれば、社会や会社の中で、自分はどういった立ち位置にいるのか考えたうえで、「自分が引き受けるリスク」を増やすことを検討しましょう。
やみくもにリスクを増やすのではなく、あくまでも「適正なリスク」を取ることを忘れてはいけません。
そして、今回紹介したお金持ちになるための原則は以下の3つです。
- リスクとリターンは比例する
- 黙っていると、損をする
- 儲けたいなら、先に儲けさせてあげろ
以上、こぱんでした!
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