リベ大では、経済的自由を目指すために大切な「稼ぐ力」を伸ばす方法の一つとして「起業」をおすすめしています。
▼図解で簡単に分かる稼ぐ力
「どれぐらい儲かるの?オーナーの月収はどれぐらい?」
「一カ月でどれぐらい働いてるの?休みはとってるの?」
「コロナ禍で、どれぐらいダメージ受けたの?生きていけるの?」
日本の外食市場規模は25.8兆円であり、これは全国のコンビニの年間売上である約11兆円の2倍以上にもなります。
そんな大きな外食市場で働いている日本人は非常に多いです。
そこで今回の記事では、そんな外食市場で奮闘している「元プロレスラー・現在ステーキ屋の店長」が書いた「デスマッチより危険な飲食店経営の真実」という本を紹介していきます。
他業界・他職種について知ることは、皆さんの「稼ぐ力」を高めることに役立ちます。
なぜなら、他業界・他職種と自分の仕事を比較することで、
- 自分の仕事のメリット
- 自分の仕事のデメリット
が見えてくるからです。
目次
解説動画:【夢から絶望へ】デスマッチよりも危険な「飲食店経営」【書籍紹介】
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
「デスマッチより危険な飲食店経営の真実」の著者について
まずは「デスマッチより危険な飲食店経営の真実」の著者プロフィールを紹介します。
- 本名:松永光弘(まつながみつひろ)
- 生年月日:1966年
- 出身地:愛知県
高校時代は相撲でインターハイ出場、空手で全日本3位という実績を残して、1989年にプロレスデビュー。
1992年には、後楽園ホールの2階から「伝説のダイブ」を決めて、「ミスターデンジャー」の異名を獲得する。
その後は、
- リングを炎で囲ったり
- リング下に五寸釘を敷いたり
といったように、「デスマッチ」のスターとして、プロレス界での地位を確立していきました。
そしてプロレスで活躍する傍らで1997年に、ステーキハウス「ミスターデンジャー」をオープン。
しばらくの間、プロレスと兼業で経営していましたが、2009年にプロレスを引退。
ステーキ店の経営に専念するようになったようです。
今回紹介する「デスマッチより危険な飲食店経営の真実」には、松本さんが波乱万丈・数々の困難を乗り越えながら、ステーキ店を都内屈指の人気店に育て上げた経緯が書かれています。
デスマッチより危険な飲食店経営の真実はここが面白い
今回、この書籍を紹介する理由は単純に中身が面白いだけではなく、皆さんのマネーリテラシーが上がると思ったからです。
「おいおい、普通こんなにリアルな数字出さないだろ」こう思うレベルで、この本にはリアルなお金の話が紹介されています。
それでは、この書籍の中からお金にまつわる話をピックアップしていきます。
お金にまつわる話①:開業資金
松永さんは、ステーキ店をオープンするためには、いくら開業資金があれば良いのか知人に確認したところ、350万円と教えてもらったようです。
その金額はまさに松永さんがプロレスで貯めた全財産。
「これならやれる!」と思ったのも束の間、いざ蓋を開けてみると、開業資金は800万円必要となりました。
どんなビジネスでも「0→1」が一番難しく、「1→2」は一気に難易度が下がります。
なぜなら、経験があるからです。
「0→1」の場合は経験がないため、独立前の皮算用は大きく外れます。
松永さんは知人から500万円を借りて、資金を工面したそうです。
350万円も用意して借金なしで開業できるはずだったのに、結局は借金からのスタートになり、地獄の一丁目に踏み込むことになりました。
お金にまつわる話②:物件の家賃と改装費用
松永さんは、自身のお店をオープンさせる前に、他のステーキ屋さんで1年修行を積んだそうです。
そのステーキ屋さんで紹介された物件が、墨田区・立花にある以下の物件でした。
ミスターデンジャーは今でこそ大人気の行列店になっていますが、第一印象は「こんな立地で成功するわけない」と思ったそうです。
なぜなら、駅から徒歩4分の物件でありながら肝心の乗降客が少なく、周りにはコンビニ一つもないほどの人通りが少ない殺風景なところだったからです。
しかしメリットもありました。
それが、1ヶ月189,000円(オープン当時の価格)と家賃が安かったことです。
この固定費の安さで、後の狂牛病騒ぎも、現在のコロナ禍も乗り越えられることになります。
リベ大では、「固定費に気をつけよう!」と伝えていますが、これは日常生活を守るだけでなく、ビジネスでも役立つ基本スタンスだと言えます。
しかも松永さんは店の内装工事に関しても、自分で汗を流して乗り切っています。
開業時は「最初の赤字はしょうがない」と思いがちですが、成功する商売人は余計なお金を1円も払いません。
固定費が高すぎて苦しむ
つい気が大きくなり、お金を使いすぎてしまう
お金にまつわる話③:オープン直後の売上の推移
1997年4月にお店はオープン。
3,000枚配ったチラシの効果もあってか、初日から大行列で1日100人ほどのお客さんが訪れました。
松永さんは、昼は仕込み、夜は厨房に立っていたため、ほとんど休む暇なく6日で10キロ痩せるほど働いたそうです。
そのタイミングで、以下の2つの取り組みがガッツリはまらないと、だんだんお客さんが減ってしまいます。
- リピーターを獲得する
- 新規のお客さんを開拓し続ける
ミスターデンジャーでも開店1週間で行列がなくなり、余裕をもって用意していた肉が余り始めたとのことです。
結局、毎月の売上は150~200万円で推移。
もともと「月200万いけば合格」というラインであったため、合格点に達しない月もありました。
家賃や人件費が安かったため、「食べていける」状況でしたが、オープンから数か月は仕事以外のことは全く出来なかったようです。
どんなビジネスでも初めから目標をクリアをすることは難しく、最初は仕事以外のことが何も出来ないという状況でも珍しくありません。
お金にまつわる話④:事業が軌道に乗った後の売上
開業から1年3ヶ月ほどで事業は軌道に乗り、月の売上は240万円を記録しました。
そして1998年のゴールデンウィークには、320万円を突破し、そのままの勢いで2000年には月間売上670万円という数字を叩き出します。
月の売上200万円で夫婦がギリギリ食べていける状況なら、月間売上が600万円を超えれば、貯金はとんでもないペースで増えていきます。
そこで、松永さんが貯金のシミュレーションをしてみたところ、「45歳で貯金が5,000万円になる」計算になったそうです。
売上が伸びていた頃は1日170人~180人のお客さんが来店し、「こんな忙しさが続いたら、俺の身体はぶっ壊れてしまう!」と思いながら松永さんは暮らしていたそうです。
しかし結果的に彼の身体は壊れずに済みました。
なぜなら、2001年の「狂牛病(BSE)」騒ぎが原因でお客さんが激減したからです。
その結果、松永さんの45歳・貯金5,000万円計画は消えてしまいました。
お金にまつわる話⑤:売上激減後のマインド
もともとミスターデンジャーが儲かっていたのは、アメリカの輸入肉が安かったからです。
しかし、狂牛病騒ぎで安い牛肉の輸入が禁止になってしまいました。
結局、アメリカからの輸入牛肉が解禁されるまで3年もかかり、
オーストラリア産の肉は高い
輸入解禁後の牛肉は高騰している
こういった理由から思うような利益が出せず、松永さんの貯蓄は0円まで減ってしまったのです。
借金500万円から始まったことを考えれば、まだマイナスじゃない
今まで儲かっていたのは「牛肉バブル」だっただけで、今が普通の状態。この状態で儲かる形にしなければならない。
このようにして、松永さんは気持ちを切り替えました。
そして彼は、ギブアップせずに再度ステーキ店の経営を成長軌道に乗せて、2000年にマークした月商670万円という記録を更新していくことになります。
お金にまつわる話⑥:フランチャイズ
ミスターデンジャーが調子の良かった時に、フランチャイズの話がきていたそうです。
フランチャイズは、「本部」が儲かるような仕組みになっています。
そこで、松永さんは「笑いが止まらない」ほど儲かると言われるフランチャイズビジネスに参入しました。
しかし、大失敗して900万円の借金を抱えることになってしまうのです。
理由はフランチャイズ傘下の店長がポンコツで数トン単位で肉を余らせて、大損失を発生させたからです。
結局、松永さんは子供の失敗の責任を負うハメになってしまったんだよ。
親の立場でフランチャイズをすることに懲りた松永さんは次に、自分が「子」としてラーメン店のフランチャイズに参加します。
狂牛病騒ぎでステーキ屋の経営が上手くいかなくなっていたので、ラーメン店で生き残りを図ろうとしたのです。
ところが、ラーメン店の経営も大失敗。
ミスターデンジャーが人気だったのは、人気プロレスラーだった「松永さん自身」が厨房に立ち、ひたすら肉を焼き続けるスタイルが確立していたからです。
しかしラーメン店では自分の名前だけ貸して、実際に松永さん自身はお店に立っていませんでした。
ラーメン店の損失は1,600万円にもなり、月30万円の純利益を出しても、借金返済に4~5年かかります。
「単価の低いラーメン店で、借金を返すのは無理だ」と考えた松永さんは、経営権を他人に600万円で譲渡し、損失を1,000万円に減らして撤退しました。
そして「ステーキ店一本に絞る」と決意したわけです。
例えば、アフィリエイト業界。
アフィリエイトとは、Web上の成果報酬型広告のことで、自分が運営するサイトに他社の広告を貼り、そこから商品が購入されたら、広告料が受け取れるビジネスを指します。
このアフィリエイトビジネスで成功した人たちが、稼いだお金で、
- 不動産投資を始めたり
- 飲食店経営を始めたり
他の業態に手を出すものの、結局失敗することが多いです。
なぜなら、熱意も経験もないのに、無駄にお金だけがあるからです。
お金にまつわる話⑦:学ぶべきはリアルな店舗経営
紆余曲折を経て、松永さんはステーキ店一本で生きていくことに決めました。
プロレスではどんなに大きなダメージを負ってダウンしても10カウント取られるまで、負けではありません。
- 休みなしの超激務
- 狂牛病問題
- フランチャイズ展開に失敗
- ラーメン屋も失敗
こういった数々のダウンから何度も立ち上がり、何百万円もするような構成の厨房設備に勇気を出して投資するなどして、本業のステーキ屋で月商800万円を突破するまでになりました。
大学院に通って大企業のケーススタディを学びMBAを取るのも良いですが、自分が独立・開業したいのであれば、学ぶべきは、
座学の経営学ではなく
リアルな「店舗経営」の話です。
市販されている「経営学」のテキストは「億円」単位の大企業の話ばかり載っているので、大企業の社長・幹部になりたい人には面白いかもしれません。
しかし、フリーランスや中小企業の社長には使えない話が多いです。
むしろ勉強になるのは、今回紹介したような本だと言えます。
ちなみにミスターデンジャーは、数々の困難を乗り越え、月商800万円を超えたところで、狂牛病を超える大問題、コロナ禍と戦うことになります。
ミスターデンジャーは、
- どんな対応をしたのか?
- 今、どうなっているのか?
気になる方は、ぜひ本を買って読んでください^^
まとめ:リアルな「店舗経営」を学ぶことで「稼ぐ力」を高めることが出来る
ここまで、元プロレスラーの松永さんが書いた、「デスマッチよりも危険な飲食店経営の真実」という本を紹介してきました。
飲食店経営の「地獄」のような大変さ、成功した時の「爆発力」などリアルな数字が包み隠さずに書かれている、エンタメ感満載の良書です。
多くの「起業あるある」が載っているため、経営学の教科書として学ぶことができます。
今回紹介した起業あるあるは以下の通りです。
- いつの間にか開業資金が倍増する
- 固定費が高すぎて苦しむ
- つい気が大きくなり、お金を使いすぎてしまう
- 初速が出て調子に乗り、仕入れを増やし過ぎてしまう
- 「ヤバい世界にきてしまった」と絶望する
- 事業が軌道に乗ったところで、隕石が落ちてくる
- 過去の栄光にすがらない人だけが、生き残る
- 本業で成功後、色々な業態に手を出して失敗、戻ってくる
これは「飲食店経営」に限った話ではなく、どのビジネスにも共通した内容だと言えます。
飲食店経営の実態を知りたい人や、これから独立・開業を考えている人は、この書籍に載っている失敗談・マインドを学ぶことで、未来の「転ばぬ先の杖」になるはずです。
こういった個人向けの経営学の教科書を読みこんで、ガンガン「稼ぐ力」を高めていきましょう^^
▼図解で簡単に分かる稼ぐ力
以上、こぱんでした!
「お金にまつわる5つの力」を磨くための実践の場として、オンラインコミュニティ「リベシティ」をご活用ください♪
同じ志を持った仲間と一緒に成長していきましょう!
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