こんにちは、こぱんです!
リベ大では、お金のなる木を育てて、資産と自由な時間を増やしていく力、「増やす力」に関する情報発信もしています。
▼図解:増やす力
そのため、リベ大で資産運用について学んでいる多くの方から、「このファンドはどう思いますか?」と質問をいただきます。
質問者の中には、気になるファンドを見つけても、ファンドの分析方法や購入基準が分からず、自分では決めかねている人も少なくないでしょう。
また質問にあがるファンドの値動きを調べてみると、必ずと言って良いほど大幅に値上がりしています。
NYダウ(ダウ平均株価)の2~3倍もの好成績を続けている、eMAXIS Neo(イーマクシス・ネオ)もその1つです。
- eMAXIS Neoシリーズの9本の平均:20,828
- eMAXIS NYダウインデックス:11,734
上記のチャートを見て、eMAXIS Neoシリーズに魅力を感じる人は多いでしょう。
そこで今回は、eMAXIS Neoシリーズをもとに、ファンド分析に関する5つのことを解説します。
- eMAXIS Neoシリーズの概要
- テーマ型ファンドの基礎知識
- 「交付目論見書」からeMAXIS Neoを分析
- 「2020年12月の月報」からeMAXIS Neoを分析
- リベ大のeMAXIS Neoに対する見解
過去最高値を更新し続け、NYダウすらも凌駕するeMAXIS Neoシリーズに投資すべきなのか気になっている人は必見です。
また、他のファンドを分析する時にも応用できる内容となっているので、しっかり学んでいきましょう。
目次
解説動画:【新時代到来か】過去最高値を更新し続ける「NYダウ」にも圧勝。イーマクシスネオについて解説【eMAXIS Neo】
このブログの内容は以下の動画でも解説しています!
eMAXIS Neoシリーズの概要
まずは、eMAXIS Neoシリーズについて基本情報と、2つの特徴を見ていきましょう。
- eMAXIS Neoの基本情報
- 特徴①:ノーロード・インデックスファンド
- 特徴②:革新的なテーマからAIが銘柄を選定
eMAXIS Neoの基本情報
eMAXIS Neo(イーマクシス・ネオ)は、三菱UFJ信託銀行の100%子会社である三菱UFJ国際投信が作ったインデックスファンドシリーズの名称です。
- 設立:1985年
- 資本金:20億円
- 従業員:約800名
- ファンド運用総額:国内の資産運用会社で5本の指に入る規模
同社の運用商品の人気っぷりは、個人投資家が投資信託のランキングを決める「ファンド・オブ・ザ・イヤー」からも分かるでしょう。
上位10本のファンドのうち、なんと5本が同社の運用するeMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)シリーズでした。
関連動画
→ 【毎年恒例】「ファンド・オブ・ザ・イヤー2020」の結果について解説
個人投資家にも人気のeMAXIS Slimシリーズですが、「eMAXIS Neo」とは全くの別物です。
2つのファンドが全く違うことを理解しておくだけでも、想定外の事態は避けられるでしょう。
eMAXIS Neoの公式ホームページでは、伝統的な底堅い資産運用ではなく、攻めのファンドだと分かります。
- ノーロード・インデックスファンド
- 革新的なテーマからAIが銘柄を選定
特徴①:ノーロード・インデックスファンド
ノーロードとは、「購入時の手数料がかからない」ことを意味します。
ぼったくりファンドの多くは、販売する業者にとって嬉しいファンドなので、購入時や保有時に高い手数料を取っています。
つまり、ぼったくりファンドを避けたいなら、ノーロードは常識です。
関連動画
→ 【初心者向け】ぼったくり投資信託を掴まされない3つのポイント
また、インデックスファンドとは以下のような指数に、同じ値動きを目指す運用をする投資信託のことです。
- S&P500
- NYダウ
- TOPIX
- 日経平均株価
eMAXIS Neoは、Kensho社が開発した指数への連動を目指しています。
Kensho社の基本情報を見ても、正直よくわからないけど、なんとなくスゴそうと感じる人がほとんどでしょう。
- S&P500を作ったS&P Global incの100%子会社
- データ分析・機械学習などを強みとするアメリカのテクノロジー企業
- 世界で最も有望なAI企業100社に選出
なお、インデックスファンドについては、以下の動画もチェックしてみてください。
関連動画
→ 【初心者向け】インデックスファンド選びの4つのポイント(アニメ動画)
特徴②:革新的なテーマからAIが銘柄を選定
eMAXIS Neoシリーズには、投資対象テーマごとに、全部で9本のファンドがあります。
以下の投資対象テーマからも分かるように、私達の未来を劇的に変えるであろう革新的なテーマだけに投資しているのです。
- 自動運転
- ウェアラブル(スマートウォッチ、スマートグラスなど)
- フィンテック(クラウドファンディング、デジタル通貨など)
- ナノテクノロジー
- バーチャルリアリティ
- ドローン
- 宇宙開発
- ロボット
- 遺伝子工学
さらに、これらのテーマに関連した企業の選択には、「AI」が活用されています。
ノーロードのインデックスファンドである
ホットなテーマに関する銘柄をAIが選定して投資する
これらの特徴を聞いて、「eMAXIS Neoは、テーマ型ファンドでは?」と気づけた人は、リベ大で学び続けている方でしょう。
過去にリベ大でも解説してきましたが、実はテーマ型ファンドはぼったくりも多いのです。
そこで、次はテーマ型ファンドの基礎知識を見ていきましょう。
関連動画
→ テーマで選ぶ株式投資フォリオ(folio)・LINEスマート投資をおすすめしない理由
テーマ型ファンドの基礎知識
テーマ型ファンドとは、世の中で話題となっている分野(テーマ)に関連した銘柄へ積極的に投資するファンドです。
しかし、テーマ型ファンドは4つ注意すべき点があるので、リベ大では中・上級者向けのファンドだと考えています。
- テーマの流行り廃りが激しく長期保有に向かない
- 集中投資である
- コストが高い
- 高値掴みになる可能性が高い
注意点①:テーマの流行り廃りが激しく長期保有に向かない
皆さんもご存知の通り、ブームというのは永遠には続かず、必ず終わりがくるものです。
- ポケベル
- ルーズソックス
- たまごっち
- 原宿のポップコーン
テーマ型ファンドは、世間でブームとなっているモノに投資をするワケです。
つまり、当てることも売り抜けることも難しく、かなりの目利きが必要となるでしょう。
当たり外れの差が激しい
当たった場合でも成長し続けることはない
注意点②:集中投資である
テーマ型ファンドは、数十銘柄の企業に投資していることが多いですが、実は効果的な分散投資ではありません。
例えば、桃太郎・犬・キジ・サルで構成される架空のテーマ型ファンド「鬼ヶ島討伐ファンド」に、分散投資をした場合はどうなるか見てみましょう。
鬼ヶ島に向かう途中に嵐で船が沈没したら終わり
鬼ヶ島での戦いに負けて全滅したら終わり
同じ船に乗っている人達の中で分散投資しても、意味がありません。
ですが、テーマ型ファンドは同じ船に乗る人達への集中投資を行っていると言えるのです。
関連動画
→ 【重要】資産が少ないうちは「集中投資で増やせ!」は正しいか?
注意点③:コストが高い
一般的に、テーマ型ファンドの運用コストは高くつきます。
S&P500や日経平均株価などの指標は市場全体へ投資をしていますが、テーマ型ファンドは投資対象の選定や分析のために余分なコストがかかるからです。
また、テーマ型ファンドは、高い運用コストに見合うだけの成果を出し続けるファンドが少ないことが数々の研究結果からも明らかになっています。
コストの高さという観点から見ても、テーマ型ファンドは「長期目線ではなく、短期・中期目線で付き合う方が無難」と言えるでしょう。
注意点④:高値掴みになる可能性が高い
- すでに、大きく値上がり始めているファンド
- 今はイマイチだけど、将来値上がりそうなファンド
多くの人が「値上がり始めているファンド」だと答えるのではないでしょうか?
実際、現段階で伸びているもの、売れているもの方が、資産運用会社や販売会社にとっても売りやすいファンドです。
「今、一番熱いのはこのテーマです!」
「圧倒的な成長が期待できますよ!」
言い方を変えれば、皆さんが話題のテーマ型ファンドを目にした時には、すでにファンドが一番伸びる旬の時期が過ぎていることは少なくありません。
その結果、安値の時に買いたくても気づいたときには高値となっているので、結果的に高値掴みしてしまうのです。
もちろん、テーマ型ファンドの全てが高値となっているわけではありませんが、そういう傾向があるからこそ慎重さが必要となるでしょう。
さて、改めてテーマがファンドの4つの注意点を振り返ってみましょう。
- テーマの流行り廃りが激しく長期保有に向かない
- 集中投資である
- コストが高い
- 高値掴みになる可能性が高い
「交付目論見書」からeMAXIS Neoを分析
eMAXIS Neoシリーズの9本のファンドのパフォーマンスを見てみましょう。
このチャートは、2019年5月28日を起点に基準価額を10,000とした時の、eMAXIS NeoシリーズとNYダウインデックスの推移を比較しています。
- eMAXIS Neoシリーズの9本の平均:20,828
- eMAXIS NYダウインデックス:11,734
eMAXIS Neoシリーズの多くが、NYダウに2倍近くの差をつけて圧勝しています。
また、9本のファンドのうち成績第1位・第9位とNYダウを比べてみました。
- 成績第1位(自動運転テーマ):31,077
- 成績第9位(宇宙開発テーマ):12,690
- eMAXIS NYダウインデックス:11,734
NYダウは史上最高値を更新し続けている状況のため、eMAXIS Neoの健闘ぶりが窺えます。
成績第1位の自動運転では、約1年9カ月で3倍以上のパフォーマンスを発揮しています。
この状況であれば、eMAXIS Neoに興味を持つ人が多いのも納得できるでしょう。
値上がりしているモノを見ると、誰でも興味を持ち、欲しくなるものです。
そこで次は、eMAXIS NEOシリーズの中でも、成績第1位だった「eMAXIS Neo 自動運転」に絞ってファンドを分析していきます。
今後皆さんが、様々なファンドを自分で分析できるように丁寧に解説するので、「魚の釣り方」を学んでいきましょう。
▼図解:「魚のとりかたを学ぶことの大切さ」
まずは、対象となるファンドの「交付目論見書」を見るために、Googleで「eMAXIS Neo 自動運転」と検索しましょう。
ちなみに自動運転以外のファンドを調べるなら、自動運転という部分をテーマに合わせて変更してください。
表示された検索結果の一番上をクリックしてください。
すると、eMAXIS Neoシリーズの自動運転をテーマにしたファンドの交付目論見書が見つかります。
ページに「※ご購入に際しては、本書の内容を十分にお読みください。」とあるように、交付目論見書はファンドへの投資を検討する際に、非常に重要な資料になります。
ファンドに対する皆さんの質問の答えが書かれていることも多いため、まずは目を通してほしい資料です。
今回は交付目論見書の中で、最低限チェックして欲しい4つの内容を解説します。
- 投資リスク
- 代表的な資産クラスとの騰落率の比較
- 年間収益率の推移
- ファンドの費用
チェックポイント①:投資リスク
交付目論見書には、様々なリスクが記載されています。
特に注意すべきが、「特定のテーマに沿った銘柄への投資リスク」です。
- 価格変動リスク(元本割れの可能性)
- 為替変動リスク(為替の影響を受ける)
- 信用リスク
- 流動リスク
- 特定のテーマに沿った銘柄に投資するリスク
- 株式市場全体の動きとファンド基準価額の動きが、大きく異なる場合がある。
- より幅広い銘柄に分散投資する場合と比べて、ファンドの基準価額が大きく変動する場合がある。
つまり、S&P500やTOPIXに連動した、幅広い銘柄に分散投資するファンドとは大きく異なる値動きをする可能性があるのです。
しかも「わざわざ明記するほど」、大きなリスクがあるということでもあります。
チェックポイント②:代表的な資産クラスとの騰落率の比較
次は、過去5年間の各月末時点における、直近1年間のリターンを見てましょう。
- eMAXIS Neo自動運転に投資した場合:マイナス25.1%~プラス70.1%
- 先進国株に投資した場合:マイナス17.5%~プラス34.1%
eMAXIS Neo自動運転のファンドは、振れ幅が大きいことが分かります。
儲かるときは非常に儲かり、損をするときは大きく損するという振れ幅の大きさのことを、投資の世界では「リスク」と言います。
関連動画
日本株や先進国株、リスクが高いと言われる新興国株と比較しても、eMAXIS Neo自動運転ファンドは圧倒的にリスクが大きいことが分かります。
リスクが小さい債券とは、もはや比べ物にはなりません。
リスクが大きければ、資産はジェットコースターのように上下し、多くの人は振れ幅の大きさに強いストレスを感じるでしょう。
どのようなファンドに投資するにせよ、他の資産クラスと振れ幅を比較して、リスクの大きさを確認することが重要です。
チェックポイント③:年間収益率の推移
チェックポイント3つ目は、年間収益率の推移です。
なお、ファンドが誕生したのは2019年のため、2013年〜2018年は指数の収益率推移となっています。
- 2019年:26.3%
- 2020年:34.9%
世界最高の投資家であるウォーレン・バフェット氏ですら、平均年間リターン平均は20%ほどです。
バフェット並か、バフェット以上の運用リターンを狙えるファンドと言えるでしょう。
しかし年間収益率の推移から、このまま高リターンがしばらく続くのか、それともすでに旬は過ぎているのかを判断しなければいけません。
参考までに、他の成長率は下記の通りです。
- 先進国のGDP成長率:年2~5%程度
- 米国の株価指数の成長率:年5~10%程度
- Amazonの売上高成長率:年25%程度
大きな視点での数字や細かな目線の数字をそれぞれ並べてみてください。
その上で、対象のファンドがこれまでと同じ成長率で成長し続けることは現実的なのかを推測してみると良いでしょう。
チェックポイント④:ファンドの費用
チェックポイント4つ目は、ファンドにかかる費用です。
「年率0.792%以内」と記載がありますが、優良なインデックスファンドと比較するとかなり高めです。
今は、多くのファンドが0.03%~0.2%程度のコストで運用しています。