
こんにちは、こぱんです!
当ブログ「リベラルアーツ大学」では、自由を目指すための着実な資産形成方法として、インデックス投資をオススメしています。
この間暴落したけど、また元に戻るって信じてる!
今の価格は気にならないけど、ぼくが引退する時に暴落したらどうしよう…
あひるくんみたいに、“自分が死ぬよりも先に、資産がなくなる心配”をする人も多いです。
そこで今回は、インデックス投資の2つの出口戦略について解説いたします。
- パターン① 引退時の資産×4%を、定額で取り崩し続ける(定額取り崩し)
- パータン② 毎年の資産残高×4%を、定率で取り崩し続ける(定率取り崩し)
長い時間をかけて、積み立てたインデックスファンドのストック(=残高)を、どうやってフロー(=収入)に変えていくのか?
アメリカでは、できる限り資産を減らさずに取り崩すために、以下の項目について取り崩し方法を研究した人たちがいます。
- どんなポートフォリオで取り崩すか
- 何%ずつ取り崩せばいいか
- 資産はどれくらい残ったのか
目次
解説動画:【インデックス出口戦略】貯めた資産を最高効率で活用する「4%ルール」について解説
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
4%ルールには2種類ある
インデックス投資の出口戦略には2つあります。
- パターン① 定額取り崩し型の4%ルール
- パータン② 定率取り崩し型の4%ルール
混同して勘違いしがちなので、一つずつ解説していきます。
パータン① 4%ルール(定額取り崩し)
4%ルール(定額取り崩し)の概要
4%ルール(定額取り崩し)の例は以下です。
- 1年目の取り崩し額:3,000万円×4%=120万円
- 2年目の取り崩し額:3,000万円(引退時の資産額)×4%=120万円
- 3年目の取り崩し額:3,000万円(引退時の資産額)×4%=120万円
- 4年目以降も同様
つまり、引退時の資産×4%に相当する金額を定額で取り崩していくということです。
運用しながら取り崩しを行うと、資産はもっと長持ちします。
1998年にアメリカのトリニティ大学の教授3人が、「トリニティ・スタディ」という研究で、以下のような答えを導き出しました。
- 対象期間:1926年~1995年の70年間
- ポートフォリオ:株式50%:債券50%
- 取り崩し率:1年で4%
上記の条件で取り崩しを行うと、30年後に資産が残っている確率が96%
25年で資産が尽きて0になるどころか、30年経っても96%以上の確率で残高が残っているのです。
むしろ、多くのシナリオで、資産残高は増えています。
具体的に金額で説明すると、以下のようなことが起こります。
- 3,000万円をもって引退
- 4%に相当する120万円を30年間取り崩し続ける
- 30年後には残高が2億4,000万円に増加していた
これが、“一番良かったシナリオ”ではなく、“中央値のシナリオ”なのです。
トリニティスタディの対象期間(1926年~1995年の70年間)には、もちろん、暴落や弱気相場も含まれています。
- コロナショックのような暴落相場を踏まえて、
- かつ4%ずつ定額で取り崩しても、
思っている以上に、資産は長持ちする可能性が高いのです。
トリニティ・スタディが行われたのは1998年なので、「それって古い研究でしょ?今でも通用するの?」と思う人もいるかもしれませんが、2011年にトリニティ・スタディの筆者自身によって、検証用データが更新されました。
結果は、そう大きく変わっていませんでした。
さらに2018年には他の研究者によって、トリニティ・スタディのアップデートがされていて、その研究では以下のような結果になりました。
- 株式50%:債券50%のポートフォリオに
- 取り崩し率を年間4%に設定すると
- 30年どころか、35年後に資産が残っている確率が96%
- 40年後に資産が残っている確率が86%もある
- 株式と債券の割合をそれぞれ何%にして、
- 取り崩し率を何%に設定すると、
- ○年後に資産がゼロにならずに残っている確率がどれくらいあるか?
トリニティ・スタディの研究結果がまとめられているので、興味がある人はご覧ください。
(出典:Updating the trinity Study)
4%ルール(定額取り崩し)に対する疑問点まとめ
ここまで、4%ルール(定額取り崩し)について解説しましたが、疑問点も色々あると思います。
良く言われる疑問点について、解説いたします。
- 疑問点①「株式と債券の投資先は何ですか?」
- 疑問点②「米国株・米国社債に投資すると、為替リスクがありますが、日本人にも有効ですか?」
- 疑問点③「インデックスファンドではなく、優良なアクティブファンドに投資すればより高いリターンが得られますか?」
疑問点①「株式と債券の投資先は何ですか?」
米国株・米国社債のインデックスファンドを前提にしています。
具体的な投資先は以下の通りです。
株式:S&P500
債券:高格付け社債
疑問点②「米国株・米国社債に投資すると、為替リスクがありますが、日本人にも有効ですか?」
為替リスクがあることは間違いありません。
取り崩す際は、円ベースではなくドルベースで行う必要があります。
毎年定額で4%取り崩したとしても、円ベースでいくらになるかは、その時の為替レート次第です。
1ドル=110円だったら132万円になるってことだね!
日本の国民皆年金制度(円ベースで年金がもらえる)と、米国のインデックスファンドはむしろ相性の良い組み合わせなのです。
以下の通り、同時に2つの年金を手に入れることができます。
円ベースの公的年金
ドルベースの年金(インデックスファンドの取り崩し)
リベ大では、円資産しか持たないのは却ってハイリスクだと考えているので、4%ルールが日本人に全く役に立たないということはありません。
疑問点③「インデックスファンドではなく、優良なアクティブファンドに投資すればより高いリターンが得られますか?」
株式50%:債券50%のインデックスファンドに投資すれば、4%ずつ引き出しても30年後に96%の確率で資産が残るのは、これまで解説した通りです。
ですがファンドマネージャーに支払う手数料を増やすと、以下のように成功率は下がります。
手数料が年1%増加…成功率84%
手数料が年2%増加…成功率65%
大半のアクティブファンドは、長期のインデックスファンドに勝てません。
難しく考えず、インデックスファンドへの投資が最適解です。
パターン② 4%ルール(定率取り崩し)
4%ルール(定率取り崩し)の概要
ここからは、もう一つの4%ルール(定率取り崩し)について解説いたします。
4%ルール(定率取り崩し)は
引退時の資産額×4%を定額で取り崩すのではなく
毎年の資産残高×4%を定率で取り崩すものです。
4%ルール(定率取り崩し)は、インデックス投資の名著「ウォール街のランダムウォーカー」で紹介されている方法です。
長期的に見ると、株式・債券の平均リターンは以下の利率になります。
- 株式…7%
- 債券…4%
株式50%:債券50%のポートフォリオを組むと、期待リターンは5.5%になります。
インフレ率を考慮しないといけないからね^^
インフレが進めば進むほど、お金の価値は減ります。
つまり資産運用の期待リターン5.5%は、インフレ率の分だけ実質的には減少するということです。

インフレ率を年間1.5%だと想定すると、ポートフォリオの実質リターンは4%(5.5%-1.5%)になります。
だから、毎年の資産の取り崩しは4%ずつになるのです。
資産が4%ずつ増えるなら、資産を4%ずつ取り崩しても資産は減りません。

この小づちを振った時に出てくる小判の金額は、インデックスファンドの総額に比例します。
- 1,000万円の小づちなら、約40万円
- 3,000万円の小づちなら、約120万円
- 5,000万円の小づちなら、約200万円

資産を長持ちさせるための工夫
次のような工夫をすると、資産は半永久的に長持ちします。
- ポートフォリオの期待リターンより、小さい%で取り崩す
- インフレ率を高めに考慮する
- 暴落相場では取り崩し額を控えめにする
コロナショックのような暴落相場は、過去を振り返ってみると平均で11カ月程度しか続きません。
暴落時に資産を取り崩すのは「安く売る」ということなので、取り崩し額を減らす調整をオススメします。
インデックス投資は毎年必ず増えるわけではありません。
ある年はプラス15%
ある年はマイナス10%
その年によって上下するものです。
20年30年と長期で見れば運用は安定しますが、短期で見ると資産額は変動します。
しっかり理解しておきましょう。
まとめ:下落だけに目を奪われず、リターンのことも思い出そう
インデックス投資を続けるならすごく大切な話なので、ぜひ理解しておきましょう。
この記事では、“インデックス投資で増やしたストック(=残高)を、フロー(=収入)に最高効率で変えていく方法”は、4%ルールだという話をしました。
そして4%ルールには、以下の2パターンが存在します。
- パターン① 引退時の資産×4%を、定額で取り崩し続ける(定額取り崩し)
- パータン② 毎年の資産残高×4%を、定率で取り崩し続ける(定率取り崩し)
どちらのパターンでもやりたいことは同じで、できるだけ長く資産を長持ちさせることです。
株式50%:債券50%のポートフォリオなら、40年後に資産がゼロにならず残っている可能性は86%
普通に使えば25年でなくなってしまう金額が、86%の確率で40年保てるなら、確率的には十分な数字です。
60歳で引退しても人生100年時代を戦えます。
定額で4%取り崩すのとは違い、毎年決まった金額が使えるわけではありません。
しかし定率取り崩しなら、資産が完全に枯渇することはありません。
暴落相場があると、心を痛めてしまう人も多いです。
しかし、インデックス投資は
暴落相場でのダメージを全部食らう代わりに
上昇相場でのリターンは総取りできるというメリットがあります。
下落だけに目を奪われず、リターンのことも忘れてはいけません。
長期的に見れば、暴落よりも上昇の方がエネルギーは強大です。
暴落相場でも淡々と積み立てを続けると、「打ち出の小づち」はどんどん大きくなり、将来豊かなフローをもたらすでしょう。
暴落があるたびに悩んでしまう方も多いと思いますが、データを正しく知ることで、解消できる不安もあります。
しっかり学んで、良い人生にしていきましょう。
以上、こぱんでした!
投資を始めるなら、リベ大では楽天証券、SBI証券をおすすめしています!
SBI証券
▼「投資を始めたい!」という人に読んで欲しい記事がこちら!
「増やす力」を身につけるために、もっと詳しく知りたい方はオンラインコミュニティ「リベラルアーツシティ」をご活用ください♪
自由へと一歩近付くための「お金にまつわる5つの力」の基本をまとめた一冊です!