こんにちは、こぱんです!
リベ大では、お金のなる木を育てて資産と自由な時間を増やしていく力、「増やす力」に関する情報発信もしています。
▼図解:増やす力
2021年の暮れに「SPYDが大減配した!」と、一部の投資家たちの間で話題になったのをご存知でしょうか。
SPYDとは、リベ大ブログでも紹介したことのある米国高配当株式ETFで、配当金を受け取りながら生活したい人に需要のあるファンドです。
ことの始まりは、アメリカのメディア「ブルームバーグ」に掲載された、SPYD配当情報に関する以下の数字です。
- 直近配当額(2021年12月17日):0.127557ドル
- 直近配当利回り(税込):1.19%
「2021年の配当額が、2020年と比べて約79%も減配している!」
「SPYDは高配当ETFなのに、配当利回りがたったの1.19%!?」
「大減配だなんて、暴落するのでは!?」
「もうSPYDは売ります!」
では、大減配と話題になったSPYDの株価を見てみましょう。
2022年2月時点ではSPYDの暴落は起きておらず、話題となった2021年12月ごろと比べても株価は上昇傾向にあります。
「一体これは何が起きているんだ?」と、キツネに化かされたような気分の人もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事は、SPYD大減配ニュースをテーマに、以下の4点について解説します。
- ①本当にSPYDは大減配しているのか?
- ②ETFの魅力と基本的な知識
- ③SPYDに関する2つの疑問への回答
- ④SPYD大減配ニュースから学ぶ投資の心構え3選
今回の記事を読むことで、SPYD大減配ニュースの本質が理解でき、SPYDを含むETF(上場投資信託)の知識が深まるはずです。
なお、高配当株式投資の基本に関しては以下の図解や記事で詳しく解説しているので、興味のある人はぜひ参考にしてください。
▼図解:高配当株に投資しよう
目次
解説動画:【知っておくとトク】SPYD大減配騒動に学ぶ、ETFの超基本と投資の心構え3選【初心者向け】
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
本当にSPYDは大減配しているのか?
波紋を呼んだSPYDですが、実は大減配していません。
大減配していないからこそ、株価も下がっていないのです。
では一体何が起きていたのか、ニュースの内容を読み解きながら、SPYDの特徴・仕組みについて解説します。
- SPYD大減配ニュースの解説
- SPYDの特徴・仕組み
SPYD大減配ニュースの解説
楽天証券のSPYD分配金履歴の画面を参考に、2020年と2021年のSPYDの動向を比較してみましょう。
今回話題になったSPYD大減配のニュースでは、2020年12月と2021年12月の分配金を四半期ベースで比較していました。
四半期ベースで計算すると約79%の減配となる
- 2020年12月の分配金 → ①0.6066ドル
- 2021年12月の分配金 → ②0.1275ドル
→ (①0.6066ドル - ②0.1275ドル)÷ ①0.6066ドル = 約79%
確かに、四半期ベースで分配金を確認するとSPYDは約79%の大減配に見えます。
では、分配金を四半期ではなく年ベースで確認すると、どうなるでしょうか。
年ベースで計算すると約5.07%の減配となる
- 2020年の分配金 → ①合計1.6320ドル
- 2021年の分配金 → ②合計1.5492ドル
→ (①1.6320ドル - ②1.5492ドル)÷ ①1.6320ドル = 約5.07%
年ベースで確認するとSPYDは約5.07%の減配となり、確かに減配ではありますが、大減配というよりは微減です。
四半期ベースで算出した数字とは、ずいぶん印象が違います。
配当利回りで言うと「分配金1.5492ドル ÷ 基準価額42.82ドル = 約3.61%」です。
ではもう一度、ブルームバーグの情報を確認してみましょう。
確かに「直近配当利回り1.19%」とブルームバーグの情報に記載があります。
実は、ここで重要なポイントは「直近配当利回り」という言葉です。
ブルームバーグに掲載の直近配当利回りは、以下の計算式で算出されています。
直近の分配金 × 4 ÷ 基準価額 = 直近配当利回り(%)
→ 0.1275ドル × 4 ÷ 42.82ドル = 約1.19%
つまり、直近配当利回りは「分配金の支払いは年に4回だから、直近の分配金を4倍すれば年間の配当額が分かる!」という発想で計算されたものなのです。
個別株式は一度増配すると、その後1年間は増配した水準で配当金が支払われるケースが多いです。
- 第1四半期:1.05ドル
- 第2四半期:1.05ドル
- 第3四半期:1.05ドル
- 第4四半期:1.05ドル
→ 配当の合計:年間で4.2ドル
※第1四半期に1ドルから1.05ドルに増配した場合
上記のような前提であれば、「直近四半期配当 × 4回分 = 年間配当」をベースに配当利回りを計算しても違和感はないでしょう。
しかし、SPYDを含むETF(上場投資信託)の場合、分配金の水準は以下のように時期によりバラつきが生じます。
- 第1四半期 → 1.0ドル
- 第2四半期 → 1.6ドル
- 第3四半期 → 0.4ドル
- 第4四半期 → 1.1ドル
→ 配当の合計:年間で4.1ドル
つまり、SPYDのようなETFの場合「直近四半期配当 × 4回分」という年間配当の計算式で配当利回りを算出しても、何の意味もなさないのです。
結局のところ、配当利回りは仮想的な数字に過ぎません。
なぜなら、配当利回りは「①配当金 ÷ ②株価」で計算できますが、①の配当金にどの数値を当てはめるか、様々なパターンが考えられるからです。
- 過去1年の実績ベース
- 直近の四半期配当の4回分で算出
- 企業が「これだけ配当金を出す予定です」と公表している予想ベース
- アナリストが「配当金はこれだけ出るだろう」と計算している予想ベース
- 個人の予想
上記いずれの情報で計算したにせよ、保証された配当利回りとは言えず、推測の域を出ないのです。
したがって、配当利回りについて正しく考えるためには、以下の2ステップが不可欠となります。
何をベースに配当利回りを算出しているのか確認する
配当利回りの算出方法が妥当なのか精査する
上記のステップを踏むことで初めて、配当利回りが資産運用の判断に活用できる数字になり得ます。
「算出された配当利回りは本当に実現するのか?」や「配当金水準は今後も維持されるのか?」を見極めるのは、投資を行う一人ひとりが担うものです。
誰かが割り出した数字や、発信した数字を鵜呑みにしないよう、気をつけましょう。
SPYDの特徴・仕組み
ここで一旦、大減配ニュースで話題になったSPYDの情報について整理しておきましょう。
四半期ベースで2020年12月と2021年12月の分配金を比較
- 前年同四半期比:およそマイナス79%
年ベースで2020年と2021年の分配金を比較
- 前年比:およそマイナス5.07%
→ SPYDは大減配ではなく微減である
上記のようにSPYDの仕組みを整理し、正確に把握できていた人は、大減配というニュースを聞いても「その情報は違っているな」と感じられたはずです。
分かりやすく説明するから、一緒にSPYDについて勉強していこう。
SPYDとは、S&P500に含まれる企業のうち、「配当利回りが上位80銘柄を持ち続けるだけ」というシンプルな設計のファンドです。
SPYDの正式名称:SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF
投資対象:S&P500のうち配当利回りが上位80位までの銘柄
投資比率:各銘柄を1.25%ずつ均等に保有(均等分散)
- 1銘柄1.25% × 80社 = 100%の計算となる
銘柄入れ替えタイミング:基本的に年2回(時間の経過で株価や比率は変動するため)
- 値上がりで配当利回りが下がった銘柄を売却して利益を確定させる
- 新たに配当利回りが高い銘柄をポートフォリオに迎え入れることでバランス調整を行う
基本的にSPYDは、上記のルールに則って淡々とポートフォリオを維持するのみです。
ファンドマネージャーが独自の判断で銘柄を選ぶワケではなく、トレーダーのように毎日・毎週と銘柄を売買するファンドではありません。
そのため、SPYD大減配のニュースが駆け巡った時、以下のように考えた人はSPYDの仕組みを勘違いしていると言えるのです。
「ファンドマネージャーが運用を誤ったんだ!」
「運用会社が、見えないところで分配金を調整したんだ!」
「配当利回りが低い銘柄を大量に掴み、その損切りのせいで分配金が減ったんだ!」
ETFの魅力と基本的な知識
続いては、SPYDを含むETF(上場投資信託)の魅力や基本的な知識について見ていきましょう。
- ETFの最大の魅力は透明性
- 基本的にETFはタコ足配当できない
ETFの最大の魅力は透明性
一般に、皆さんが購入しているファンドは、以下の2つに分類されます。
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
今回話題になっているSPYDは、ETF(上場投資信託)に該当します。
ETFの最大の魅力は透明性であり、2種類のファンドイメージを比較してみると分かりやすいです。
投資信託のイメージ
- ファンドマネージャーが小さい窓のある密室で資産運用している
- 何を行っているのか見えるようで全ては見えない
ETF(上場投資信託)のイメージ
- ファンドマネージャーがガラス張りの部屋で資産運用している
- 何を行っているのか「ほぼ丸見え」になっている
基本的にETFはタコ足配当できない
投資信託でタコ足配当をしているファンドはありますが、基本的にETFでタコ足配当はできません。
なぜなら、ETFは運用ルールが法律で明確に定められているからです。
タコ足配当(特別分配金)とは、配当金の原資となる十分な利益がない状態にもかかわらず、過度な配当金を無理やり出すことを言います。
ここで一つ、タコ足配当について分かるエピソードを見てみましょう。
Aさんは100万円の投資を行い、毎年10万円の分配金を3年間受け取っていました。
3年目の分配金を受け取った後、Aさんはファンドを解約し、手元に戻ってきた金額を見て驚きました。
なんと出資金が100万円から50万円に減っていたのです。
- ①分配金:毎年10万円 × 3年間 = 合計30万円
- ②解約時に戻ってきた出資金:50万円
→ 出資金100万円-(①30万円 + ②50万円)= マイナス20万円
「年利10%の高利回りだ!」と受け取っていた分配金は利益ではなく、実態は出資した100万円が少しずつ取り崩されていただけだったのです。
投資した100万円は3年間で全く増えておらず、実質80万円になってしまいました。
なお、毎月分配型の投資信託にはタコ足配当のものが多く、手を出してはいけない投資信託として過去の記事でも紹介しています。
知識を深めたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
ETFから出せる分配金は、法律により以下のように定められています。
「分配金 = ①インカムゲイン - ②各種コスト」で計算される
- ①インカムゲイン:ファンドの構成銘柄から生み出された配当金や利息
- ②各種コスト:支払利子や信託報酬といったファンド運用のための費用
上記の計算式によりETFの分配金が決まるため、銘柄の売買で生じた損益は分配金の原資にはなりません。
このETFの基本ルールを知っているかどうかで、冒頭で紹介したSPYD大減配のニュースを読んだ時の反応や考え方にも違いが生まれるはずです。
ETFの基本ルールに気づかず、慌ててしまうケース。
- 「利益が出ない銘柄ばかりを掴んで、売買取引を失敗したんだ!」
- 「きっと取引失敗の損失が大きいから、分配金が減ったんだ!」
ETFの基本ルールを熟知し、落ち着いて考えられるケース。
- 「ETFの仕組みを考えると、S&P500の配当利回り上位80社が同時に約79%も減配するはずはない。」
基礎となる知識を日頃より学んでおくことで、一つひとつの情報に惑わされず冷静に判断できるようになるでしょう。
繰り返しになりますが、ETFの魅力は透明性です。
投資信託とは異なるETFの特徴や魅力は以下の通りです。
ファンドの時価をリアルタイムで把握できる。
ファンドの保有銘柄が毎日開示されている。
分配金の計算に恣意性(しいせい)が入る余地はなく、基本的にタコ足配当できない。
隠れコストの元凶となる取引コストの不合理さがないので、一般的に投資信託より低コストになる。
プロの投資家がETFを好むのも、資産運用の透明さゆえです。
ETFが20世紀最大の発明の一つと呼ばれるのには、相応の理由があるのです。
投資信託とETFの違いについて、あらためて興味を持った人は以下の記事や動画が参考になります。
関連動画
→ 【初心者向け】投資信託とETFの違いを分かりやすく解説。高配当株好きはETFがおすすめ!(アニメ動画)
SPYDに関する2つの疑問への回答
さて、SPYDが大減配していないことは解説してきた通りですが、以下のような疑問を感じた人もいるでしょう。
- 疑問①:銘柄の入れ替えで確定する利益・損失はどう扱われるのか?
- 疑問②:なぜSPYDの分配金は四半期でブレるのか?
そこで続いては、SPYDに関する2つの疑問について回答していきます。
疑問①:銘柄の入れ替えで確定する利益・損失はどう扱われるのか?
SPYDの銘柄入れ替えにより確定した利益や損失は、ファンド内に溜めておき再投資を行うことで、ETFの取引価格(株価)に反映されます。
なお、銘柄の入れ替えで確定する利益をキャピタルゲイン、損失をキャピタルロスとも言います。
SPYDの取引価格(株価)が上昇しているということは、SPYDに組み入れられた銘柄の株価が伸びているのです。
つまり、銘柄入れ替えの仕組みが上手く機能しているとも言えるでしょう。
疑問②:なぜSPYDの分配金は四半期でブレるのか?
SPYDの分配金が四半期でブレる背景として、様々な要因が考えられますが、今回の記事では以下のポイントを押さえておけば十分です。
- SPYDの分配金推移は、年ベースで見ないとあまり意味がない。
- 取引価格を含め、SPYDのトータルリターンについても注視しよう。
高配当株式ETFの中でもHDVやVYMとは異なり、SPYDは四半期で分配金のブレが大きくなりやすいことは、過去の実績を見ても明らかな事実です。
SPYDの性質や特徴については、以下の動画で詳しく解説しているので、ぜひこの機会にしっかり理解しておきましょう。
関連動画
→ 【高配当ETF】高配当株マニアがSPYDに投資している7つの理由
SPYD大減配ニュースから学ぶ投資の心構え3選
最後に、今回紹介した大減配ニュースから学ぶ、投資に対しての心構えを解説します。
- ①何もかも正しく発信できる人はいない
- ②自分が理解できるものに投資する
- ③勘違いやミスをしても乗り越えるたびに強くなれる
心構え①:何もかも正しく発信できる人はいない
ここ数年の株高を背景に、Twitterやブログ、YouTubeなど、様々なメディアで情報発信する個人投資家が増えてきました。
情報収集が便利な時代になった一方で、注意すべきことはあります。
それは「全ての情報が正しいとは限らない」ことです。
個人の発信だけでなく、権威あるメディアでも事実と異なる情報が含まれている可能性はあります。
- テレビ
- 日本経済新聞
- ニューズウィーク
- ウォール・ストリート・ジャーナル
…etc
投資に関する情報を目にした時は、以下のような意識の持ち方が重要となります。
- 情報は鵜呑みにせず、「本当に合っているだろうか?」と自分で考えて判断する習慣を心がける。
- すぐ情報に反応するのではなく、少し時間を置いてあらためて様子を確認する。
- 波紋が広がっている情報の中心には近寄らず、一歩引いた距離感を保つ。
もし何らかの投資情報を見て、急いでポジション整理の必要がある投資をしているとすれば、それは長期投資家の姿勢ではありません。
デイトレーダーのような短期投資をする人の姿勢です。
自分が目指しているのは、短期投資と長期投資のどちらなのかを常に考え、落ち着いて情報を取り入れてみてください。
以下の図解を参考に、人生の目的や自分の目指すゴールに合わせた投資手法を心がけましょう。
▼図解:投資で成功するには目的を知ろう!
心構え②:自分が理解できるものに投資する
投資の世界では、誘惑の声を耳にする機会が毎日のようにあります。
- 「早く買わないと乗り遅れてしまうよ!」
- 「こんなにも好条件なのに、何で買わないの?」
- 「もう損切りしないと大変なことになるよ!」
周りの声に踊らされないためにも、自分はどこまで深く納得した上で投資を行っているのか、腹落ちするまで考えることが重要です。
世界最高の投資家であるウォーレン・バフェット氏の有名な言葉の一つに「リスクはあなたが何をやっているか理解していない時に起こる」があります。
彼は「自分が理解できない、理解していないものに投資をしてはいけない。」と伝えているのです。
自分自身で理解できていなければ、他人の言動を信じ、追従するしかありません。
しかしそれでは、投資の世界において格好の標的になりやすく、「他人の収益の源泉」にされてしまう可能性があります。
自分が保有する資産を、本来の価値より安い値段で買い叩かれる。
取引手数料をどんどん取られる。
結果論となりますが、今回の大減配ニュースで「暴落する!早く売り抜けないと!」と焦って売却した人は、事実と異なる解釈をした影響で収益の機会を失っています。
少なくとも2022年2月時点では、SPYDの大暴落は起きておらず、株価は上昇傾向にあります。
己の知識レベルを高め、経験を積み上げていかない限り、いずれまた似たようなことが起き得るのはSPYDに限った話ではありません。
自分が腹落ちする投資に照準を合わせ、日々レベルアップを目指していきましょう。
心構え③:勘違いやミスをしても乗り越えるたびに強くなれる
今回話題となったSPYD大減配ニュースの件について、ここで明確にしておきたいことがあります。
それは、大減配の情報を発信した人や、事実と異なる情報を元に行動した人を批判する意思は全くないということです。
理由はシンプルで、以下のように考えているからです。
- 人は間違いや勘違いをすることもあるため。
- たとえ転んでも、人は起き上がるたびに強くなれるため。
人である以上、念入りに調べて発信したとしても、間違うことはあります。
そのため、リベ大では日頃より「情報を妄信せずに、自分で最終的な判断を行うことが大切。」と、伝えているのです。
そして、人は成長の過程で転ぶことはありますが、起き上がるたびに強くなれます。
SPYD大減配のニュースでエネルギーを消耗した人は、確実に以前より成長していると言えるでしょう。
なぜなら、身銭を切って行動したからこそ、情報や経験を自分の血肉にできたからです。
皆さんが実際に体験したことは、頭の中で考えただけでは決して積めない貴重な経験となります。
2022年から投資を始めた人と、コロナショックや大減配などの様々なニュースに巻き込まれてきた人との間には、大きな経験の差が生まれています。
とはいえ、投資を始めたばかりの人は、これから様々な行動を通して経験を積むことで、少しずつレベルアップしていけるのです。
リベ大ブログでは「最速で成功できる人は、最速で失敗を繰り返す人である。」と、繰り返し伝えてきました。
以下の2点の原則を守って行動し続けている限り、皆さんはいつかきっと成功するでしょう。
失敗から学び、同じ失敗を繰り返さないこと。
リスクの取りすぎといった、致命傷になるような行動は避けること。
なお、行動に対する意識や心構えについては以下の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
今回の大減配ニュースを通じ、様々な思いをした人がいるはずです。
- SPYDのような高配当株式ETFはコリゴリだと思った人
- ETF(上場投資信託)の透明性について学べたと感じた人
- 情報に振り回されないよう気をつけたいと考えた人
今回得た知識や経験をどのように整理し、生かしていくかは皆さん次第です。
まとめ:情報に惑わされず自分にとって心地良い投資をしよう!
今回の記事では、SPYD大減配ニュースを題材に、以下4点について解説しました。
- 本当にSPYDは大減配しているのか?
- ETFの魅力と基本的な知識
- SPYDに関する2つの疑問への回答
- SPYD大減配ニュースから学ぶ投資の心構え3選
SPYDは大減配ではなく、微減です。
配当利回りの計算方法には、様々なパターンがあります。
そのため、どのような計算式を用いているのか、正しく理解して内容を精査することが大切です。
なお、SPYDの利回りは以下になります。
- 四半期をベースにした場合(直近配当額 × 4)→ 約1.2%
- 直近1年の配当実績をベースにした場合 → 約3.6%
株価の上昇が、SPYDの利回りが下がっている主な要因となります。
とはいえ、分配金利回りが約1.3%であるS&P500連動のETFよりも、SPYDは高配当です。
SPYDを含むETFの魅力は、何と言っても透明性です。
分配金の原資は、構成銘柄を保有することで得られる配当金や受取利息(インカムゲイン)であり、銘柄入れ替え時の利益や損失(キャピタルゲイン・キャピタルロス)は含まれません。
ETFの分配金計算に運用者の恣意性(しいせい)が入る余地はなく、タコ足配当もできないことは覚えておきましょう。
SPYDに関する疑問への回答は以下の通りです。
- 疑問①:銘柄の入れ替えで確定する利益・損失はどう扱われるのか?
→ 利益や損失はファンド内に溜めておき、再投資を行うことでETFの取引価格(株価)に反映される。
- 疑問②:なぜSPYDの分配金は四半期でブレるのか?
→ SPYDの分配金推移は、年ベースで見ないとあまり意味がないため、取引価格やトータルリターンについても注視する必要がある。
今回のSPYD大減配ニュースから学ぶ投資の心構えは、以下の通りです。
- 何もかも正しく発信できる人はいない
- 自分が理解できるものに投資する
- 勘違いやミスをしても乗り越えるたびに強くなれる
2022年2月時点で、SPYDの5年間のトータルリターンは約9.4%です。
一方、市場平均であるS&P500の5年間のトータルリターンは約17%で、大差がついています。
しかし、投資の世界は一部例外はあれど、上がり続けるものでも下がり続けるものでもありません。
世界経済の歴史は韻を踏み、循環しながら変わり続けています。
異次元の金融緩和が終わり相場の温度感が変化していく中、皆さんの行動や投資スタイルは、投資の目的や許容できるリスクによって変わるはずです。
- グロース株(成長株)とバリュー株(割安株)のどちらに賭けるのか?
- 特定のジャンルに絞るのか、市場全体に賭けてバランスを意識するのか?
- 株式投資から一度身を引くのか、それとも継続するのか?
ぜひ、心から自分が納得できる投資を行っていきましょう。
以上、こぱんでした!
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