こんにちは、こぱんです!
当ブログ「リベラルアーツ大学」の運営を始めて数年が経過しました。
ブログだけでなく、YouTubeや各種SNSの運営も含めて多くの媒体で活動を行っています。
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元々は友だち向けに教えていた「お金の知識」が、今や多くの方々に広まりました。
日々、数百件の質問が寄せられ、その中で1番多い質問が
「“なぜか”お金が貯まらない、どうすればいいですか?」というものです。
お金を貯めたいと思っている人は大勢います。
リベ大では、お金を貯めるためのヒントをあらゆる切り口で、何度も伝えてきました。
そこで今回は「行動経済学」という学問を切り口に、お金が貯まらない理由と消費者心理に付け込む5つのテクニックについて解説します。
- テクニック① 無料のワナ
- テクニック② フレーミング効果
- テクニック③ 感応度逓減性(かんのうどていげんせい)
- テクニック④ おとり効果
- テクニック⑤ 極端回避性
これらのテクニックによって
合理的に行動できなくなる
企業の工夫により、うまくモノ・サービスを売りつけられる
という人が増えます。
さて、企業サイドはどんな工夫をして、消費者の心理を突いたビジネスを展開していくのでしょうか?
今回紹介するマーケティング手法を知っておくと、自分のお金を守るのに役立ちます。
一方で、フリーランスとして独立したり、起業して会社を作った時には、自社サービス・商品を売るのに役立ちます。
マーケティングの知識は「攻め」にも「守り」にも役立つということです。
“マーケティングの知識がないお金持ちはいない”と言われるほど、マネーリテラシーを高めるために必須の知識です。
関連動画
→ 【価格を見すぎ】収入が増えても、お金が貯まらない究極の理由
→これに惑わされているうちはお金が貯まらない!金食い虫の割高キーワード3選(アニメ動画)
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:お金を使わせる ズルい心理操作5つ
目次
解説動画:【無意識】ついついお金を払ってしまう「5つの罠」【行動経済学】
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
消費者心理につけこむ5つのテクニック
合理的に賢く行動できるはずの人間を、非合理な行動に導くためのテクニックを5つ紹介します。
- テクニック① 無料の罠
- テクニック② フレーミング効果
- テクニック③ 感応度逓減性
- テクニック④ おとり効果
- テクニック⑤ 極端回避性
テクニック① 無料の罠
ネットスーパーなどで買い物をしていると
「あと300円買えば送料無料になるから、あと300円分の何かを買おう!」と考えてしまうことはありませんか?
これが、無料の罠です。
「無料になる」という条件を組み合わせて、「合理的に考えれば、これ以上出費すべきじゃない」という状況でも、追加でお金を出させます。
- スーツを2着買えば、3着目がタダになる
- 2,000円飲食すれば、駐車代が無料
無料の罠にはまると、総支出額が増えてしまいます。
- 「どうせ必要なものだから」
- 「いつか使うことになるから」
と色々な理由をつけて、とにかく“無料”の条件を満たすために、余分な買い物をしてしまうのです。
100円ショップで、大量の商品を買ってしまう人の心理もこれに近く、激安セールや無料の広告文句に釣られてしまうからです。
最終的な出費が膨らんでいることに気づかず、「お得だ!」と思い込み、結局手元にお金が残りません。
「無料」は、人の購買意欲をコントロールする最も有効な戦略の1つです。
無料の罠にはまらないために「タダより高いものはない」という昔ながらの戒めを、心に刻んでおきましょう。
タダというのは一見お得のようで、結局は、相応の対価を払うことになりがちです。
リベ大の両学長は、楽天アンリミットの1年無料に魅力を感じて、サービスを申し込んでいます。
※楽天アンリミットの1年間無料のキャンペーンは2021年4月7日に終了しました。
しかし「もし1年後に楽天アンリミットが割高なサービスだったら、迷わず他社に乗り換える」とのことです。
乗り換えをめんどくさがって、ダラダラと契約を続けてしまったら、結局高くついてしまいます。
ネットには無料情報で集客して、最後にぼったくり商品を売りつける業者も多いので注意しましょう。
楽天経済圏には大きなメリットがありますが、楽天の各種サービスでは手数料の値上げなど、一部サービスの改悪も進んでいます。
そのため、各自が情報感度を高めながらお得な新サービスや改悪状況をチェックしていきましょう。
テクニック② フレーミング効果
フレーミング効果で有名なのは、以下のような文言です。
「タウリン、1000mg配合!リベビタンR!」
1gです^^
他には、病気で手術を控えている時に
「手術の成功確率は90%です」
「手術の失敗確率は10%です」
と医師に言われる場合です。
このように、“同じ情報なのに表現が変わると印象も変わる”ことをフレーミング効果と言います。
一般的に営利企業は、消費者が「最も魅力的に感じる表現」を使って、巧みにマーケティングをしています。
消費増税の時も
「消費税が2%アップします!増税前に買った方が得!」ではなく、
「消費税が10%になります!増税前に買った方が得!」
と、散々アピールしていました。
同じことを言っているはずなのに、やはり後者の方が強く訴求できますね。
フレーミング効果の罠にはまらないためには、「今、自分が目にしている広告」は、企業が考え抜いた「最高」のアピールだと知ることです。
広告によって、本来の価値よりも良いものに見えている可能性があることを覚えておきましょう。
テクニック③ 感応度逓減性(かんのうどていげんせい)
金融庁の調査によると、30代の貯金の中央値は100万円にも満たないようです。
なので50万円は、多くの人にとって文句なしに大金でしょう。
ところがそんな人たちでも、50万円を少額に感じてしまう時があります。
例えば、3,000万円の住宅を買う時の営業マンのセールストークです。
- 「70万円で、床暖房のオプションをつけましょう!」
- 「一生に一度のお買い物、ここでケチってどうするんですか!」
- 「心の底から納得できる、良い買い物をしましょう!」
- 「今決断してくれれば、20万値引きして50万円にしますよ!」
このセールストークの流れを見ると、
① 3,000万円(家の価格)
② 3,070万円(床暖房のオプション追加)
③ 3,050万円(オプション値引き)
となっています。
最終的に50万円も支払金額が増えていますが、3,000万円と3,050万円を比較することで、50万円が大した金額じゃないように見えてしまいます。
その結果、「あまり変わらないし、別に良いか!」となってしまう人は少なくありません。
例のように、
基準になる金額(3,000万円)の大きさによって
同じ金額(50万円)の価値が変わってしまう
ことを感応度逓減性と呼びます。
感応度逓減性は色々なところで利用されており、メインになる商品・サービスの価格が高いほどオプション価格が安く見えます。
- 結婚式のオプション
- 自動車のオプション
- エステのオプション etc
そして、“ついで”でどんどん買わされることになるのです。
感応度逓減性の罠にはまらないためには「1,000円は、どんな時でも1,000円だ」と、ちゃんと理解しておくしかありません。
いつ、どんな時でも、
- 1,000円は1,000円
- 1万円は1万円
- 100万円は100万円
他との比較で、価値が変わるわけではありません。
学長も昔は、金遣いが荒かった時期があり、
- 「お金をちゃんと丁寧に使わないといけないよ」
- 「学長君が1,000億円持っていても同じことを言うよ」
- 「1万円は、どんな時でも1万円なんだよ」
と大金持ちに言われ、今でも強く印象に残っているそうです。
資産が1,000万円を超えるまでは節約していたのに、お金が貯まると手元のお金を雑に扱う人もいますので、気を付けてください。
テクニック④ おとり効果
まずは、こちらの画像をご覧ください。
ライオン人形が2種類(大・小)ありますが、2種類あると売れてるように見えませんか?
「もし売れてなかったとしたら、別のバージョンを作らないだろう。」と考えてしまうためです。
リベ大のグッズに興味を持ってくれてる人が、「ライオン人形を“買うか買わないか”で悩む」状態から「ライオン人形の“どちらを買うか”悩む」状態へ変化します。
新しい選択肢を追加することで、まるでその商品に「市民権」があるかのように見せることを、おとり効果と言います。
今まで存在していなかった商品・サービスが市民権を得るには
- 競合相手
- 比較対象
が必要です。
競合相手や比較対象ができたとしても、競争は激化せずに、かえって消費者に安心感を与え、市場が成長することがあるのです。
もしかしたら、実は学長が今回紹介したマーケティング手法を使って
- リベ大グッズでボロ儲けして
- タワマンの最上階で高級シャンパンを開けて
- モデルを集めてハーレムを作っている
と思っている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。
なお、おとり効果には他の説明ありますが、今回は割愛します。
興味のある人は、行動経済学の教科書をぜひ読んでみてください。
おとり効果の罠にはまらないためには
「どう売られているか」ではなく、
「自分が欲しいかどうか」だけに集中しましょう。
テクニック⑤ 極端回避性
極端回避性は、具体例を交えて紹介します。
例えば、副業でブログやサイト運営を始める場合、「どこのサーバー会社と契約するか」ということが最初の検討事項になります。
具体的には、以下の選択肢があります。
- ロリポップ:月額250円
- ConoHa:月額800円
- エックスサーバー:月額900円
これらの選択肢がある時、多くの人は「極端」な選択肢を排除する傾向にあります。
安すぎるもの・高すぎるものを避けて、
真ん中を選びます。
「安物買いの銭失い」という言葉に代表されるように、一番安い商品・サービスはそれだけでクオリティに問題がありそうに見えるためです。
一方で極端に高いものは、心理的ハードルが上がります。
そして最終的に、無難・保守的に行動して、つい真ん中を選んでしまうことを極端回避性と言います。
たとえば、1,500円のランチを売りたい場合は、以下のような選択肢にします。
- Aランチ(1,000円)
- Bランチ(1,500円)
- Cランチ(2,500円)
新たに「Aランチ」と「Cランチ」をメニューに入れることで、もしお客さんの本来のランチ予算が1,000円でも、1,500円のものを選んでくれる可能性が高まります。
特に複数人でお店に来る場合は「一番下のランクのものは、プライド的に頼めない…」という状況にもなりやすいです。
他にも、不動産の営業マンが
- 安くて貧相な家
- 高くて豪華な家
を見せた後に、最後に「手頃」な価格帯の家を見せて、「売りたい家」を売るというのも有名な話です。
極端回避性の罠にはまらないためには
- 「自分には何が必要か」
- 「自分は何が欲しいのか」
自分目線の軸を、絶対に曲げてはいけません。
まとめ:行動経済学やマーケティングを学ぶと「貯める力」「稼ぐ力」の両方を高められる
「思ったよりお金が手元に残らない」という人は、“無意識”のうちに高いお金を払わされている可能性があります。
今回紹介した、消費者心理の穴をつくマーケティングテクニック5つをまとめます。
「無料になる」という条件を組み合わせて「合理的に考えれば、これ以上出費すべきじゃない」という状況で、追加でお金を出させることです。
送料を無料にするために「いらないもの」まで買ってはいけません。
同じ情報なのに、表現が変わると印象が変わります。
タウリン1,000mg=タウリン1gです。
皆さんが目にしている数字は「売りたい側」にとって一番都合が良い数字だということを覚えておきましょう。
基準になる金額の大きさによって、同じ金額の価値が変わってしまいます。
1万円の重さは、いつでも1万円です。
大きな買い物をするときは特に気をつけましょう。
新しい選択肢を追加することで、その商品に「市民権」があるかのように見せることができます。
おとり商品に目を奪われて「買うべきかどうか」から「どれを買うべきか」に変わっていないか、気をつけましょう。
無難・保守的に行動して、つい真ん中を選んでしまうことです。
真ん中を選ぶのではなくて、自分が本当に必要なもの、欲しいものを選びましょう。
行動経済学を活かしたマーケティング手法が、悪いというつもりはありません。
良い商品・サービスを作るだけでは商売は成立せず、お客さんに届けてはじめて成立するからです。
とはいえ、マーケティング手法によって、
必要なモノを、必要とする人に届けるだけでなく
不要なモノを、必要としていない人に届けることもできてしまう
というのも事実です。
消費者として、自分にとって「不要なモノ」が必要なものだと誤認させられていないか十分に注意する必要があります。
“無駄なお金を払っていることを自覚できない”ような、無意識の状態は危険です。
“自覚できている”ならまだ良いのですが、“自覚できていない”場合は財布や預金口座に穴が空いてるようなものです。
行動経済学やマーケティングを学ぶと、お金にまつわる5つの力のうちの2つ、「貯める力」「稼ぐ力」両方を高めることができます。
▼図解:お金にまつわる5つの力
日々の生活の中には、商品・サービスを消費者に届けるために色々な仕掛けがされています。
「仕掛け」を知っていると、時には身を守る盾になり、時には売上をあげる武器にもなります。
なので、まずは知っておくことが大切です。
これからもしっかり学んで、行動して自由への道を歩んでいきましょう。
以上、こぱんでした!
「貯める力」を身につけるために、もっと詳しく知りたい方はオンラインコミュニティ「リベラルアーツシティ」をご活用ください♪
自由へと一歩近付くための「お金にまつわる5つの力」の基本をまとめた一冊です!
「貯める力を身に付けたい!」という人に読んでほしい記事がこちら!