こんにちは、こぱんです!
2020年2月のコロナショックから一転、2020年8月までの米国市場は絶好調でしたね。
特にGAFAMを中心としたハイテク企業の伸びは、スゴイと言わざるを得ません。
そして、テスラ・ズームを含んだハイテク株に引っ張られ、S&P500連動のインデックスファンドも最高値を更新し続けていました。
さて、株式投資を始めると「暴落だけが怖い」と感じる人も多いですが、実際には現在のような暴騰(ぼうとう)も同様に怖いのです。
そこで今回は、株式投資の爆益が生み出す意外な「3つの副作用」について解説します。
- リスクジャンキーになる
- 労働がアホらしくなる
- 「貯める力」が故障する
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:株で爆益 副作用に注意!
目次
解説動画:【要注意】株式投資で爆益を出した人を襲う「3つの副作用」
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
副作用①:リスクジャンキーになる
リスクに対する「肌感覚」を理解できない
例えば、1,000万円の投資資金が、わずか1年で5,000万円となった時、脳は「爆益の快感」を経験します。
すると次は、より大きなリスクを求めるようになってしまうのです。
解説動画
100万円を投資した場合
- 明日、10万円(10分の1)になるかもしれない
- 明日、1,000万円(10倍)になるかもしれない
つまり、上記のような状態は「リスクが高い」ということです。
多くの日本人は、預貯金という無リスク資産に慣れすぎて、株や不動産のようにリアルタイムで時価が動く資産に慣れていません。
「どれぐらいの金額を投資すると、どれぐらい資産価額が変動するのか?」感覚として分からないのです。
リスクを「肌感覚」としてあまり理解できていないことは、資産運用において大きな弱点となります。
想定以上にリスクを取りすぎてしまう
ある程度のリターンが必要なのに、全然リスクがとれていない
だからこそ、投資初心者は時に転んでケガをしながらでも、リスクに対する「肌感覚」を身につけることが重要なのです。
実際に経験することで、資産運用の丁度いいバランスが分かってくるんだよ。
そのため、リベ大では下記の動画でも解説したように、少額からでも投資を始めることをおすすめしています。
解説動画
→少額からの資産運用は意味がないのか?意味ない派・意味ある派の3つの主張
また、実際に投資を始めると、以下のようなことを実感するでしょう。
「こんなに値下がりするのか…、リスクを取りすぎてたな。」
「全然資産が増えない…、リスクの取り方が足りてないのかも。」
また、意外に感じるかもしれませんが、「リスクを取りすぎていた!」と学ぶのは、暴落で大損した時に限りません。
実は爆益で大儲けしている時も、同様にリスクの取り過ぎに注意しなければならないのです。
なぜなら、投資の原則でもあるように「リスクとリターンは表裏一体」だからです。
「資産が1年で10倍になった = リターンが大きかった」ということは、それだけ大きなリスクをみなさんが背負っていたことを意味します。
つまり、意図しないカタチで「いつの間にか」大きなリスクを取ったことで、「たまたま」爆益が出たのかもしれません。
そういう場合は、資産のバランスを見直して、自分にとって「適切なリスク許容度」に調整しましょう。
解説動画
リスクに対する中毒症状を引き起こす
実際のところ、ほとんどの人は投資に対して「儲かれば儲かるほど良い」としか考えていません。
年利5%より年利10%
年利10%より年利30%
年利30%より年利100%
年利が大きいほど、資産が大きく増えるほど、「スゴイ!偉い!立派!」と言われるのは当然です。
そのため、爆益を経験した人の脳は「冷静さ」以上に「リスク」を求めてしまうのです。
つまり「リスクを取りすぎたから少し冷静に」とはならず、「もっとリスクを取って、もっと儲けよう!」と思うわけです。
資産のほとんどをたった1つの銘柄に投資する
借金してまで投資のタネ銭を用意する
信用取引やハイレバレッジな商品で「勝負」にでる
そして多くの場合、「爆益の興奮」を忘れることができず、負けるまで勝負を続けることになるのです。
じゃあ、とあるギャンブル中毒者の話を見てみよう。
そこから、ギャンブルにのめり込み、稼いだお金も全てつぎ込んだ結果、老後も貯金は1円もない。
後に「アノ時の興奮が忘れられず、余った金があれば全てギャンブルに使った」と語った。
たまたま、ギャンブルに一回だけ当たってしまったことで、彼は少なくとも金銭的な意味で苦しい一生となってしまったのです。
投資も同じで、それだけ脳は「一度経験した爆益の興奮」を忘れることができません。
一度大勝ちすると、一度の勝ちでは終われず、また勝とうとする
大きく負けても、負けで終われず、負けを取り返そうとする
投資のつもりで始めた資産運用が、気づけばただの「ギャンブル」になっていたということは決して珍しくありません。
また、ギャンブル中毒者の話を聞いて、「1回で止めておけばいいのにバカだな」っと思った人もいるでしょう。
ですが、自覚をしていないだけで、投資の世界では同じことをしている人達が実際かなり多くいます。
だから、リベ大では「リスクを避けること」ではなく、「適切なリスクを取ること」が重要だと繰り返し伝えているんだ^^
解説動画
→【子供でも楽しめる】金持ちになりたい人が絶対に聞くべき小話「難破船と3人の乗客」(アニメ動画)
リスクを取らなければリターンはなく、リスクを避け続ければ豊かな人生をつかみにくいという事実から目を背けてはいけません。
リベ大は、みなさんに「幸せなお金持ち」になって欲しいと考えています。
だからこそ、意図して短期集中の株式投資に賭けるなら良いですが、意図しないカタチで「爆益」を得ているのであれば要注意です。
「儲かりさえすれば何でも良い」と考えるのではなく、「ちょっとリスクを取りすぎたかも?」と反省し、資産のバランスを見直しましょう。
副作用②:労働がアホらしくなる
簡単に言えば、「爆益」を得ると「稼ぐ力」がどうでも良くなってしまうのです。
だってカネでカネが増やせたら、汗水流して働く必要ってある?って思うよね…。
そもそも、若いうちから資産運用を頑張っている人は変わり者・少数派です。
様々な統計結果を見ても分かるように、資産運用は誰もがやっていることではありません。
また、若いうちから一生懸命勉強して、投資している人には「早く会社を辞めたい」という感情を持っている人が多いと感じます。
その一方で、働いている多くの人は「仕事」そのものではなく、下記のような「働き方」が嫌いなのではないでしょうか?
毎日決められた時間に出社する
満員電車で消耗する
ソリの合わない上司に詰められる
生産性のない会議に参加する
無駄な残業をする
実際のところ、働き方を変えるだけで「仕事を続けたい!」と感じる人は増えるでしょう。
学長は明日の仕事が楽しみで、「寝られないような日だってある」とも話していました。
みなさんも、以下のような働き方で仕事をするとしたら、働きたくないと感じるでしょうか?
人から感謝されて、
好きな人と付き合って、
好きな時間・場所で働いて、
嫌ならいつでも辞めることができて、
お金だってもらえてしまう。
もちろん資本主義の世の中は、そんなお花畑の環境ばかりではありません。
自分が理想とする「仕事・働き方」を手に入れるためには、努力が必要です。
ですが、「①資産運用で儲けること」と、「②自分の理想の仕事・働き方を手に入れること」は全くの別物です。
お金にまつわる5つの力における「増やす力」・「稼ぐ力」は、あくまで両方必要なのです。
▼図解で簡単にわかる「増やす力」と「稼ぐ力」
幸福度を決める要素は保有資産額だけではなく、人的資本の大きさも重要です。
ですが、株式投資で「爆益(年利50%、1年で1,000万円増やせた)」が出ると、脳は「資本家こそ最高で、労働者はダメ」と勘違いしてしまいます。
株式投資でお金を増やすことが、自分で働いて稼ぐことの上位互換になってしまうのです。
なぜなら、資産が急増する時の「全能感」は、自分が優秀になったと錯覚するほどスゴイのです。
その錯覚によって、会社で働くことに対して様々な感情が沸いてきます。
職場の上司・同僚がアホに見える
だから金持ちになれないんだと相手を見下す
くだらないことを自分にやらせるなと思う
投資の爆益は、1人の人間を「傲慢な人間」にするのに十分な理由になるのです。
肥前国(びぜんのくに)平戸藩の第9代藩主、松浦静山(まつうらせいざん)が残した格言を参考にしましょう。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
- 投資で爆益が出た時は傲慢にならず「不思議の勝ち」と考える
- 投資で損をした時は「不思議の負けなし」と考え、反省・改善する
「投資は投資」・「仕事は仕事」と分けて考え、「稼ぐ力」を高める努力を続けていきましょう。
副作用③:「貯める力」が故障する
3つ目の副作用は、「ドケチ」もしくは「浪費家」になってしまうということです。
株式投資で爆益を出すと、「こんなに今儲かるならタネ銭を増やせばもっと儲かるのでは?」と多くの人が考えるようになります。
1年で2倍になるなら、種銭を+100万したら+200万になるんだもんね。
自分が本来望んでいる生活水準
満足度の高い生活水準
→ そんな事よりも「カネでカネを増やす輪廻」にハマる
「何故カネを増やそうとするのか?」という問いに、「そこに金があるから!」と答えるようになります。
このようにお金に縛られる考え方は、おすすめできません。
さらに、投資で得た爆益によって、これまで高めてきた「貯める力」が傷ついてしまう場合もあります。
- 高級車を買う
- 豪華な旅行に行く
- 綺麗なお姉さんがいるお店で散財する
もちろん、お金を増やしている目的は「本当に欲しいモノ」を手に入れるためですから、自分の価値観に合ったモノであれば買うのはアリでしょう。
ただ、「お金があるから買う」と考えているのであればナシです。
自分がいくら持っているかによって、購買行動が大きく変わる人はマネーリテラシーの低い人です。
みなさんは、投資の神様と言われているウォーレン・バフェットの生活を知っていますか?
1950年代に買った家に住んでいる
質素な車に乗っている
コーラを飲んでいる
彼は「彼自身がこれらに価値がある」と判断しているから、上記のような行動をしているのです。
つまり、「いくら使えるのか?」ではなく「自分は何が欲しいのか?」を常に見ていると言えるでしょう。
人は突然大金を手にすると、今まで使っていたモノの価値が低く見えたり、何か買わなければいけない気がしたりします。
そんな副作用に惑わされた人は、蓄財レースから次々と脱落していくのです。
投資の爆益というのは、決して長続きするものではありません。
確かに爆益を継続して得ている天才トレーダーも実在しますが、みなさん自身がそんな風になれるとは思わない方がいいでしょう。
「偶然手に入ったお金」で生活水準を変えると、いわゆる「バブルの時は良かったおじさん」になりかねません。
ちなみに、自分で磨き上げた「稼ぐ力」は、時代が変わっても何度も爆益を生んでくれます。
それは、時代によって偶然稼いだわけではなく、世に価値を提供できる本当の力を自分に持っているからです。
だからこそ、破産した社長も復活劇を遂げることができるのでしょう。
投資は時代の流れによる要素が大きいため、一部の天才を除いて、良い時なら誰もが儲かり、ダメな時は誰もがダメなのです。
まとめ:増やしたお金で不幸にならないためにも5つの力を見直そう
今回は、株式投資の爆益が生み出す意外な「3つの副作用」について解説してきました。
一度でも1年で2倍という幸せを味わった人は、年利3%~10%では満足できないカラダになる可能性があります。
もっと投資で儲けたくなり、もっとリスクを取るようになってしまいます。
人間の脳は、一度経験した「爆益の興奮」を忘れられません。
一度大勝ちすると、一度の勝ちでは終われず、また勝とうとする
大きく負けても、負けては終われず、負けを取り返そうとする
投資で1,000万円も増やせるのに、なぜ月30万円の給料のために頑張らないといけないのか?
その気持ちはわかりますが、お金を手に入れるプロセスが全然違うからこそ、「投資は投資」・「仕事は仕事」と分けて考えましょう。
人的資本(稼ぐ力)が、幸福の土台になっているという研究結果も多く報告されています。
投資で爆益を出すと、以下のどちらかに大きく変わるパターンをよく見かけます。
カネでカネを増やせることに味を占めて、タネ銭を手に入れるためにドケチとなる
利益に浮かれて、生活水準をどんどん上げて浪費家となる
幸せなお金持ちというのは、お金にまつわる5つの力をバランスよく兼ね備えています。
▼図解で簡単にわかるお金にまつわる5つの力