こんにちは、こぱんです!
コロナ禍において、未だに厳しい経済状況が続いています。
航空大手のANAは、この1年の赤字額が過去最大の約5,100億円になる見込み
JR東日本は、約4,200億円と巨額の赤字を計上する見込み
このように、この1年間、たった2社の赤字だけでも計1兆円の資産が吹き飛ぶ計算となります。
身近な例をあげると、誰もが羨む「1億円の資産を持つ億り人」が1万人消えるぐらいの金額です。
先ほどあげた2社以外の誰もが知っているような大企業・有名企業が軒並み赤字転落しており、日本経済は不景気真っただ中です。
そこで今回は、皆さんが気になっているであろう「冬のボーナス」の最新状況を解説します。
経済最悪期のボーナス事情について知っておくことは、以下のような多くのメリットがあります。
- 堅実なライフプランが立てられるようになる
- 会社員一本足打法ではなく、副業や配当金を育てる重要性が分かる
- 不景気に強い業界・弱い業界が分かる
小金持ちや大金持ちを目指すのは、遠く離れた「絶海の孤島」を目指して泳ぐようなものです。
そのため、泳ぎ方を知らず、波の流れが読めなければ溺れてしまいますし、がむしゃらに泳いだところで、目的地に到達することも絶対にありません。
「給料・賞与」や「雇用状況」などに関心を持つことは、「波の流れ」を知ることと同様です。
目次
解説動画:【リーマンショック以来の減少】2020年「冬のボーナス事情」について解説【大企業でも厳しい】
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
2020年冬のボーナス事情
まずは、企業の実名付きで最新のボーナス事情を紹介していきます。
- 旅行業界
- 航空業界
- 鉄道業界
- 百貨店業界
- 自動車業界
といった「コロナで大ダメージを受けた業界の大手企業」を中心に解説していきます。
JTB
旅行業界大手のJTBは、冬のボーナスを100%カットすると発表しています。(※参考記事)
賞与カットの対象となった人員は約13,000人であり、冬のボーナスを支給しないのは1989年以来初となります。
Go Toトラベルで国内旅行が増えているとはいえ、業績が厳しいのは相変わらずのようです。
さらにJTBは、賞与カットだけでなく、国内100店舗を段階的に閉鎖していく方針を発表しています。
コロナの感染再拡大(第3波)により、Go Toキャンペーンに対して様々な意見が言われていますが、
経済を重視すれば、感染者が増える
感染者を抑制しようとすれば、経済が沈む
といった感じで、「あちらを立てれば、こちらが立たず」な状況です。
ちなみに、ディズニーリゾートを運営する「オリエンタルランド」も約4,000人いる正社員や嘱託社員を対象に、冬のボーナス7割カットを決定しています。
全日本空輸(ANA)
ANAも冬のボーナス支給を「ゼロ」にする方針を発表しています。
ANAは、通常であれば年間約200万円のボーナスを支払っている企業であるため、冬のボーナスがなくなれば、生活が厳しくなる人が多いかもしれません。
企業が抱える人員数は約15,000人ですので、その経済影響は甚大です。
さらに、賞与カットのみならず、年収ベースで3割減の基本給の引き下げも検討しているようです。
現状、
国際線は前期比96%減
国内線は前期比80%減
と、経営は壊滅的で、見通しは暗いままになっています。
高給で華やかなイメージがある航空会社は、学生の「就職期希望ランキング」で常に上位です。
もし皆さんの中に、
「今の会社で、定年まで30年勤めるつもりだし大丈夫!」 「キャッシュポジションゼロ、米国株100%でOK」といった「油断」をしている人がいたら、ぜひ自分のリスク管理状況を見直して欲しいと思います。
タルムードのお話で解説したように、お金に強いユダヤ人は「想定外」という言葉を嫌います。
「どれだけ人生において『想定外だった!』のセリフを減らせるか」
これが、皆さんがお金持ちになれるかどうかを決める重要な要素です。
まだタルムードのお話を読んでいない方は、この記事を読み終えたら、ぜひ読んでみてください^^
JR東日本
JR東日本の冬のボーナスは3割カットで落ち着きそうです。(※参考記事)
戦後最大の赤字を計上するような事態にも関わらず、
- 2019年の支給実績は、3.19ヶ月
- 2020年の支給見込は、2.2ヶ月
と、平均約70万円(平均年齢39歳)のボーナスを支給するようです。
会社の説明によると、「社員が社会的使命の遂行に力を尽くしていることを重く受け止め、総合的に判断した」とのことです。
まさに伝統的な日本の大企業として威厳を保った形となります。
ちなみにですが、鉄道18社の2021年3月期の業績は、全社が最終赤字(18社合計で約1.2兆円)となるようです。(※参考記事)
こういった状況を踏まえて、どの鉄道企業も「過去最大の賞与カット」に踏み切る方針ですが、ゼロにはしないとされています。
鉄道業界に対して、超安定業種といったイメージを持っている方がいるかもしれませんが、
- 2011年の東日本大震災
- 2020年のコロナ大流行
など、意外に腰を据えてはいられない状況が続いています。
大丸松坂屋
大手百貨店の大丸松坂屋は、賞与50%カットで労働組合と合意をしました。
百貨店は今や斜陽産業と言われており、「外国人旅行者の爆買い」によって、なんとか持ちこたえていた側面があります。
しかし、コロナによって外国人旅行者が激減してしまい、業界全体に不景気の嵐が吹き荒れているのです。
- 今の若い人は、ネットで買い物
- 主要な顧客である団塊世代は、現役を引退して年金生活に移行
こういった流れから、今後も百貨店業界は厳しい状況が続きそうです。
三菱自動車・トヨタ自動車
三菱自動車は春の時点で、冬のボーナスを例年よりも低い2.65ヶ月とすることを妥結していました。(※参考記事)
ところが、ここにきて賞与を2.05ヶ月分までカットすると決定しています。
三菱自動車では、今期3,600億円の赤字が見込まれており、約500人のリストラも計画しているようです。
一方でトヨタ自動車は、最新の決算で約6,300億円の純利益を叩き出しています。
2021年3月期の予想利益は、なんと1.4兆円です。
そのため、ボーナスは春闘で妥結した「夏冬合計6.5ヶ月」が満額支給される見込みとなっています。
冬のボーナスの平均額はどうなっているのか?
ここまでは、誰もが知っているような「業界の大手企業」の冬のボーナス事情について解説してきましたが、
「平均ではどれくらいなりそうなの?」
「大企業じゃなくて、中小企業はどうなの?」
「公務員はどんな感じ?」
このような点が気になる人も多いと思うので、解説していきます。
2020年11月16日に公表された、「みずほ総合研究所のレポート」によると、2020年冬における民間企業(従業員数5人以上が対象)の1人あたりボーナス支給額は約36万円(前年比-7.5%)だそうです。
この下落率は、2009年のリーマンショック以来の大幅なマイナスであり、要するに、文句なしの不況だと言えます。
中小零細企業については実態がつかみにくいですが、大阪シティ信用金庫が大阪市内の中小企業に取ったアンケートによると、「冬のボーナスを支給する」と回答した企業は54%だったそうです。
予想にはなりますが、多くの中小零細企業は、「存続できるかどうか、雇用を維持できるかどうかの瀬戸際にあり、ボーナスどころの話じゃない」というのが本音なのではないでしょうか。
大企業のリストラや賞与・給与カットの話が出ると、「大企業はオワコン」といった極論が出てきたりしますが、大企業が厳しい時は、
中小企業はもっと厳しく
フリーランスはさらに厳しい
状況になりがちです。
次に公務員のボーナス支給予測は、約72万円(前年比-3.8%)だそうです。
公務員の賞与は「民間並み」になるように調整されますが、実態は「民間大手並み」であるため、高めに出ています。
公務員のボーナスは、冬の方が若干高いとはいえ、民間の会社員からすると「貰いすぎだ!」と思う人がいるかもしれません。
では、ここまでをまとめると、以下のようになります。
日本を代表するような大企業ですら、賞与3~10割減もありうる
平均支給額は約36万円、前年比-7.5%とリーマンショック以来の落ち込み
大阪市の中小企業のうち約半数は、「冬のボーナスを支給しない」方針
公務員は約72万円、前年比-3.8%減と民間と比較してかすり傷
印象としては、
- ボーナスが出るなら、まだマシ
- 1か月分出れば、平均的
- 2ヶ月分以上出るなら、かなり貰えている方
といった感じではないでしょうか。
ここまで読んでみて、皆さんの中には、
「自分は賞与カットにはならなそう、安全地帯で良かった^^」 「景気が良い時には、たいして増えなかったのに、悪くなるとカットかよ!」 「会社ですらこんな状況なのに、フリーランスだったら死んでるんじゃない?」 「公務員は貰いすぎ!あいつらの給与は減らすべきだ!」このように様々な意見が浮かんでいるのではないでしょうか。
そこでここからは、今まで紹介したデータを踏まえて「賞与に関する話題あるある」について、リベ大の考えを解説していきます。
賞与カットに関する話題
まず、「簡単に賞与カットしやがって!もっと従業員を大切にしろ!」という意見について。
日本企業の雇用形態は「年功序列・終身雇用」が前提とされているため、
- 景気の浮き沈みにあまり影響なく
- 安定的な給与や雇用を保証
というのが暗黙の了解になっています。
業績が良い時に、ボーナスが増えるのであれば良いですが、「戦後最長の好景気」とされたアベノミクスでさえ、好景気を実感できた人は少なかったのではないでしょうか。
しかし、あえて厳しいことを言うと、それが資本主義社会の論理なのです。
資本主義社会において、一番「お金で報われやすい」ポジションにいるのは、
従業員ではなく
株主
日経平均株価は、2020年11月17日に29年ぶりの高値となり、26,000円を突破しました。
コロナで経済的に苦しむ人が多い状況ですが、日本株に投資している人の中には、資産を増やしている人もいるのが現実です。
そして、NYダウも史上最高値を更新し続け、30,000ドルを突破しそうな勢いになっています。
もちろん、株式投資にはリスクがあるため、
- 給与&賞与カット
- 株価暴落
のダブルパンチを喰らうこともあります。
日本での「正社員」というポジションは、労働法にガッチリ守られた魅力的な立場であるものの、その立場だけで「豊かになろう」とするのは難しいです。
以前からお伝えしている通り、日本企業の正社員+適正な資産運用は、かなり手堅いと言えます。
次に「公務員は貰いすぎ!」という意見について。
この意見に対して、リベ大では、
- 公務員は、好景気の時はそれほど多く貰えない
- 公務員も会社員と同じで、頑張っている人もいれば、そうじゃない人もいる
(だから一律で「あいつは貰いすぎ!」と言うのはナンセンス) - 「皆で貧しくなろう」という発想は捨てた方が良い
と考えています。
例えるなら、会社員と公務員は、「株」と「債券」のようなものです。
会社員の方が、ハイリスク・ハイリターンという意味で「株」
公務員の方が、ローリスク・ローリターンという意味で「債券」
株価が暴落した時に、
「なんで俺の株は下がっているのに、債券は値下がりしないんだ!ズルい!」という人はいないはずです。
「債券は好景気の時に株ほど値上がりしなかった」このことを忘れてしまっては、アンバランスな結論となってしまいます。
公務員の働きぶりや給与体系に不満のある人が、
- それを不満として、声に出すこと
- 自分の1票を、公務員の待遇を変えようとしている政治家に投票すること
こういったことは、一切否定しません。
実際に「なんだかなぁ」って思うこともありますが、それでも多くの公務員の方々は、一生懸命やっていると思います。
ヒトの財布のお金は、どこまでいってもヒトのお金です。
他人が持っている100万円より、自分が持っている1,000円の方を大切にしましょう^^
このように、収入源を増やす方法について、これまでも解説してきました。
リベ大で勉強して、収入源を増やしてきた方は賞与の増減に負けず、
「へぇ~そうなっちゃったんだ。そういう時もあるよね」という感じで「ドン!」と構えられているのではないでしょうか^^
最後に「こんなに賞与を減らされたら、生活できないよ!」という意見について。
この点に関しては、厳しく感じてしまうかもしれませんが、ハッキリと伝えます。
賞与が出なくなったら生活に困るというのは、そもそも生活設計がおかしいです。
世の中には、「賞与ありき」で生活設計をしている人がたくさんいます。
これはマネーリテラシーの高い人からすると、信じられないような話です。
賞与を前提に、住宅ローンを組んだり
賞与を前提に、カードローンを組んだり
賞与での補填を前提に、月々の生活費が赤字になっていたり
とにかく、生活の「土台」に賞与が入り込んでしまっています。
「貯める力」がある人は、
- 住宅
- 車
- 保険
- 通信
- 教育
など、色々な面で支出が最適化されていて、賞与がなくても月々の家計がプラスになっています。
むしろ、賞与は全額「投資」に回すぐらいの家計です。
支出を最適化する
転職して基本給を高める
副業で収入を増やす
やり方は、何でも大丈夫です。
賞与とは、もともと変動しやすいモノであり、賞与の多い・少ないによって生活の基盤を揺るがすようでは、家計管理はまだまだと言えます。
▼図解で分かる「稼ぐ力」
▼図解で分かる「貯める力」
まとめ:不況の現実を正しく知って、ライフプランを見直そう
ここまで、冬のボーナス事情について解説してきました。
内容をまとめると、2020年冬のボーナス事情は以下のような感じです。
日本を代表するような大企業ですら、賞与3割~10割減もありうる
平均支給額は約36万円、前年比-7.5%とリーマンショック以来の落ち込み
大阪市の中小企業のうち約半分は「冬のボーナスは支給しない」方針
公務員のボーナスは約72万円、前年比3.8%減と、民間に比べるとカスリ傷
リベ大の印象では、
- ボーナスが出るなら、まだマシ
- 1ヶ月分出れば、平均的
- 2ヶ月分出るなら、かなり貰えている方
です。
これからが冬のボーナス支給シーズンとなるので、新しい情報がまだまだ出てくると思いますが、厳しい状況は変わらないでしょう。
こういった状況を受けて、
「従業員をもっと大切にしろ!」 「公務員はボーナス貰いすぎだ!」 「こんなにボーナスカットされたら生活できない!」など、様々な意見がありますが、この世界の荒波を泳ぐのは他ならぬ皆さん自身です。
- なぜこんな不景気な世界で、株価指数が軒並み過去最高を更新しているのか?
- 給与・賞与カットをものともせずに安心して暮らしている人たちは、どんな家計を作っているのか?
今の日本における、最も攻守のバランスが良い働き方は、
正社員
フルリモートOK
副業OK
かもしれません。
上記のような状態で支出を適正化し、余剰資金を投資に回していくことで、間違いなく小金持ちになれます。
賞与の支給ポリシーを見れば、
- 皆さんの勤め先が、どんな状況にあるか
- 皆さんの勤め先が、従業員のことをどう考えているか
これらがよく分かるはずです。
以上、こぱんでした!
「お金にまつわる5つの力」を磨くための実践の場として、オンラインコミュニティ「リベシティ」をご活用ください♪
同じ志を持った仲間と一緒に成長していきましょう!
140万部発行された、「お金の大学」。
情報を最新化・新規コンテンツ追加して【改訂版】としてパワーアップ!(なんと52ページ増量!)
貯める・増やす・稼ぐ・使う・守る…一生お金に困らない「5つの力」の基本をまとめた一冊!
▼「ボーナスに頼らない家計を作りたい」という人に読んで欲しい記事がこちら!