こんにちは、こぱんです!
2020年5月27日の読売新聞において、以下の見出しが紙面を飾りました。
「前澤友作氏 資産会社申告漏れ 国税5億円指摘 社有機私的利用で」
まず、先に結論をまとめると、今回の前澤さんのニュースは以下の通り、全く問題がありません。
- 「脱税ではなく、申告漏れ」であり、犯罪ではない
- 「法に触れてないけれど悪いこと」をしたわけでもない
税金の申告もしっかり理解すれば全然怖くないし、むしろ数百万円も得する場合だってあるんだよ^^
そこで今回は、前澤さんのニュースと確定申告に関する以下の3つについて解説します。
- 前澤さんのニュース(5億円申告漏れ)の概要
- 前澤さんのニュースから学ぶべき2つのこと
- 確定申告で気をつけるべき2つのこと
目次
解説動画:5億円申告漏れの概要と確定申告の注意ポイントを解説
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
前澤さんのニュース(5億円申告漏れ)の概要
ZOZOの創業者である前澤さんが、5億円の申告漏れを税務署から指摘されたニュースの概要を、以下の2つに分けて解説します。
- 前澤さん(個人)と資産管理会社(法人)について
- 税務署から指摘された内容について
前澤さん(個人)と資産管理会社(法人)について
前澤さんは「グーニーズ」という資産管理会社を保有しています。
会社は法人と呼ばれていることからも分かるように、法律上は「人」と同様に扱われます。
個人が家や車を所有できるように、法人も法人名義で物を所有することができるわけです。
- 前澤さんは「個人」として税金を申告する必要がある
- 資産管理会社(グーニーズ)は「法人」として税金を申告する必要がある
さて、グーニーズは資産としてプライベートジェット機を保有しています。
ここで重要なことは、会社は本来、以下の目的を持って生まれた存在だということです。
- 事業を行うため
- 利益を稼ぐため
つまり、グーニーズが保有するプライベートジェット機も、会社が「事業に使うため」の資産ということになります。
そして前澤さんは、グーニーズが保有するこのジェット機を個人の旅行などに私的利用していました。
グーニーズからすれば、自分の保有物を前澤さんという「個人」に貸し出していたわけです。
そこで前澤さんは、ジェット機の使用料として一定の金額をグーニーズに支払っていました。
グーニーズとしては、前澤さんから受け取った使用料が会社の売上となるわけです。
税務署から指摘された内容について
ところが税務署は「会社(グーニーズ)に支払う前澤さんの使用料が5億円ほど足りていない!」と指摘したのです。
ジェット機の使用料に明確な定義がある訳ではないため、見解の相違とも言えます。
- 前澤さんの認識:ジェット機の使用料は〇〇円ぐらいかな?
- 税務署の認識:ジェット機の使用料は△△円です!
さて、「前澤さんの支払う使用料が5億円足りない」ということは、グーニーズの売上が5億円少ないということになります。
これが読売新聞によって記事となり、「5億円申告漏れ!」というニュースになったわけです。
通常であれば、以下のような計算式で売上、利益、納税額が決まります。
【計算方法】
- 売上-費用=利益
- 利益×税率=納税額
【関係性】
- 売上が少ない→利益も少ない→納税額も少ない
売上(800万円)ー 費用(600万円)=利益(200万円)×税率
- 売上が増える→利益も増える→納税額も増える
売上(1,500万円)ー 費用(600万円)=利益(900万円)×税率
ところが、グーニーズはもともと大赤字の会社で売上が5億円増えたところで、まだまだ赤字なのです。
税務署が5億円の「申告漏れ」を指摘したところで、追加で収める税金は1円もありません。
【赤字の例】(売上が500万円上がっても赤字のため税金がかからない。)
- 売上(300万円)ー 費用(1,000万円)=利益(-700万円)
- 売上(800万円)ー 費用(1,000万円)=利益(-200万円)
つまり、今回の前澤さんのニュース(5億円申告漏れ)は以下のようにまとめることができます。
- 前澤さんはジェット機の使用料を1円も払っていなかったのではなく、払っていた
- ただし、その金額について前澤さんと税務署で見解の相違があった
- 税務署の指摘どおりだったとしても、追加で収める税金は無し
ちなみに、前澤さん「個人」の税務調査でも申告漏れを指摘され、4,000万円の追加課税が発生したそうです。
ただ、このような申告漏れはお金持ちにとっては普通のことです。
上場企業でも2~3年に一度、税務調査が入るたびに数千~数億円が追加課税されます。
そのほとんどが計算ミスや税務署との見解の相違ばかりで、脱税ではありません。
そもそも、確定申告制度というのは以下の2つの前提で成り立っています。
自主的に納税者から納税してもらう
間違いがあれば、後から修正する
前澤さんのニュースから学ぶべき2つのこと
今回の前澤さんのニュース(5億円申告漏れ)から、みなさんが学ぶべきことは以下の2つです。
- ①税務署・確定申告を怖がりすぎない
- ②メディアの情報をそのまま受け取らない
①税務署・確定申告を怖がりすぎない
今回の前澤さんのニュースは、税務署としては国民に向けた効果的な威嚇になります。
勝手に「税務署は怖い」というイメージを持って、何も動き出せない状態になることが1番いけません。
確定申告は税金を自分で計算して納める、という昔では考えられなかった「大事な権利」です。
だからこそ、合法的な経費計上、節税はしっかりとやるべきです。
▼図解で簡単に分かる確定申告
確定申告に関しては、以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてみてください。
ちなみに、犯罪事件にまで発展するような脱税は年間100数件しかありません。
今回の前澤さんのニュースは、金額も大きく有名人のため記事にされましたが、そもそも脱税ですらありません。
普通に税務調査が入り「見解の相違」があって、申告内容を修正しただけです。
②メディアの情報はそのまま受け取らない
納税額を見れば収入の水準が分かることから、納税額は重要な個人情報とも言えます。
もし友人やマスコミが、みなさんの納税額を知っていたらどう思いますか?
もし、今回の前澤さんのニュースについて、税務署職員がマスコミに情報をリークしたなら、明らかに公務員の守秘義務違反です。
税務署は法に則って正しく活動して情報発信をすべきなのに、違法なやり方をしているのであれば、世間からの風当たりは強くなります。
メディア目線で見れば、確かに嘘ではありませんが、誤解を与えない形で情報提供ができているとは思えません。
世間の関心を集める、センセーショナルな内容の方が読者のウケはよくなるからです。
だからこそ、「メディアの情報は全て正しい」わけでは無いと理解しましょう。
もちろん、このブログの情報も十分に精査して気をつけていますが、学長やリベ大の主観が強く反映されています。
以下のような情報は鵜呑みにするのではなく、ちょっと引いた目線で見るようにしましょう。
- マスコミの情報
- 個人の発信者の情報
確定申告で気をつけて欲しい2つのこと
前澤さんのニュースを通して、脱サラ希望者やフリーランスの人など、確定申告をする人に気をつけて欲しいことは以下の2つです。
- ①事業に関係ないものを経費にしない
- ②家事按分の比率を合理的に説明できるようにする
①事業に関係ないものを経費にしない
リベ大では繰り返し伝えていることですが、事業は利益を出すために行うものです。
そして、経費は売上をあげるために必要なものであり、個人的な支出を経費にすることは認められません。
以下のような事業に関係の無いものを経費に入れ始めると、アレもコレもと際限がなくなります。
- 友人との旅行代→旅費・交通費にする
- 愛人へのプレゼント代→交際費にする
- 個人利用の最新スマホ代→消耗品費にする
胸に手を当てて公正に考えた時、「これは必ずしも経費とは言えないな…」という物は経費にしてはいけません。
一度でもインチキをすると「バレてないし良いかな」と考えて、結局は税務署にバレるまでやり続けることになります。
②家事按分の比率を合理的に説明できるようにする
個人事業主の場合、個人と事業で費用が混在するケースとして、以下のようなことが多くあります。
- 住宅費:オフィスとしても使用
- 光熱費:仕事用のPCや部屋の照明のためにも使用
- 車両費:仕事用としても使用
例えば、家賃が8万円の賃貸において「半分をオフィスとして使用している」場合、8万円×50%=4万円が経費となります。
家事按分の基準としては、以下を合理的に説明できれば問題ありません。
- 使用時間
- 使用量(回数、距離等)
- 使用面積
前澤さんのニュースにおける「ジェット機の適切な使用料はいくらか?」と同じで、家事按分の割合に明確な定義はありません。
絶対の正解はないからこそ、自信を持って「これが合理的!」と言えるようにしておくことが重要です。
家事按分を上手く使いこなせれば、生涯で数百万円も節税することができます。
フリーランスだけではなく、副業で青色申告をしているサラリーマンでも家事按分は使えるため、正しい知識を身につけましょう。
まとめ:正しい知識を持って、自分の人生の前進に活かそう
まずはじめに、前澤さんのニュース(5億円申告漏れ)の概要を解説しました。
- 前澤さんはジェット機の使用料を1円も払っていなかったのではなく、払っていた
- ただし、その金額について前澤さんと税務署で見解の相違があった
- 税務署の指摘どおりだったとしても、追加で収める税金は無し
税務調査が入って追加課税を指摘されることは、大企業やお金持ちの確定申告では当たり前のことです。
「脱税してずるい!」と勘違いしてしまった人は、まず正しい状況を理解しましょう。
ちなみに、個人的な情報である納税額をマスコミがなぜ知っているかは分かりません。
ただ、もし税務署関係者から情報のリークがあったのならば、公務員の守秘義務違反にあたります。
今回の前澤さんのニュースを受けて、みなさんに確定申告で気をつけて欲しいことは以下の2つです。
- ①事業に関係ないものを経費にしない
- ②家事按分の比率を合理的に説明できるようにする
このような基本的なことをしっかり守れば、税務署は決して怖い存在ではありません。
税金をコントロールすることは、個人が資産をつくるために重要だとリベ大では繰り返し伝えています。
とはいえ、税金に関して以下のような質問を抱く人も多いでしょう。
- どうやって副業で青色申告すればいいのか?
- 家事按分の比率はどうすればいいのか?
- これは経費になるのか?
- そもそも、副業はどうやって始めればいいのか?
これら個別の質問にはリベ大オンラインコミュニティ(リベラルアーツシティ)の先輩、税理士の方が相談に乗ってくれます。
現状より一歩前に進みたいという人は、ぜひリベラルアーツシティへの参加を検討してみてください。
以上、こぱんでした!
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