楽天経済圏の改悪が続く中、注目を集めているのが「三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券」のコンビです。
NLとは、ナンバーレスのことを指します。
三井住友カードのゴールドには、クレジットカード番号の印字があるものとないもの(NL)の2種類があるので、混同しないように注意しましょう。
今回話題にしているのは、ナンバーレスのものです。
三井住友カードゴールド(NL)とSBI証券の組み合わせは、長期投資家にとって現時点で最適解と呼べる競争力を持っています。
今回の記事は、すでに投資を始めている人はもちろん、投資をこれから始める人にも参考になる内容です。
実際どれくらいお得なのか?
三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券のメリット
- メリット①:クレジットカード還元率が最大1.5%
- メリット②:月5万円の投信積立をクレジットカード決済できる(1%のポイント還元)
- メリット③:投信の残高に応じてポイントが付与される
- メリット④:付与されたポイントは投資信託の購入に使える
三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券をおすすめできる人
三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券をおすすめできない人
三井住友カードゴールド(NL)に関する注意点
クレジットカードと証券会社の組み合わせは、本当に数多く存在します。
例えば、以下の組み合わせも考えられますが、どれを選ぶのかは皆さん次第です。
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楽天カード×楽天証券
- その他のクレジットカード×その他の証券会社
しかし、組み合わせと投資期間によっては、「三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券」と100万円以上もの差が出てしまう可能性があります。
目次
解説動画:最高効率】長期で資産形成したい人必見!「三井住友カード」×「SBI証券」コンビのメリットを解説
このブログの内容は以下の動画でも解説しています!
実際どれくらいお得なのか?
まずは、具体的にどれくらいお得になるかを見ていきましょう。
「楽天カード×楽天証券」の組み合わせと比較すると、「三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券」の方が20年で約25万円ほどお得になります。
内容がまったく同じなら、少しでもコストが安いものを選ぶのは金融の大原則です。
原則を軽んじると、しっぺ返しをくらいます。
例えば、以下のようにS&P500に連動するファンドが2つあるなら、信託報酬が低いファンドを選ぶべきでしょう。
Aファンド:0.8%
Bファンド:0.09%
上記は大げさな例ではなく、実際に全く同じ商品でも手数料が10倍以上違うことはあります。
このコスト差が、20年30年といった長期投資で致命的な差になるのです。
同じことをするなら、その他のクレジットカード×証券会社ではなく、「三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券」を選ぶのが合理的です。
固定費の見直しは一度時間をかけてしまえば、あとは全く手間がかかりません。
そういう意味で、コスパは決して悪くないでしょう。
最初の例は20年で約25万円の差が出るとシミュレーションしましたが、現代は長寿の時代です。
今40歳の男性でも、平均寿命の82歳までには40年以上あります。
100歳まで生きるとしたら、60年もあるね!
そこで、「三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券」と「楽天カード×楽天証券」との差額を運用期間別にまとめました。
- 20年:約25万円
- 40年:約136万円
- 60年:約548万円
最適なプランに乗り換えるか乗り換えないかで、かなりの差が出てしまいます。
しかし、この差を見ても、懐疑的に思う人もいるかもしれません。
「そりゃあ机上の空論だよ!楽天だって改悪されたし。」
「こういう制度が何十年も続く保証なんてないでしょ?」
金融業界は特にルール変更が非常に多いので、上記のように思う人達がいるのも当然のことです。
しかし、まっとうな競争原理が働いている市場なら、対抗馬は必ず現れます。
実際、楽天の改悪をチャンスと見て、三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券が元気になってきましたよね。
他にも、マネックス証券もクレジットカード積立のポイント付与を始めています。
複数ある選択肢の中から、ベストを選び続けることはできるのです。
以下のような2人がいたら、時間が経つにつれて差がつくのは当然でしょう。
どうせいつか改悪されるし…と一切何もしない人
状況に応じてベストな選択肢を選んでいく人
資本市場の女神様は、面倒くさがりの人には決して微笑みません。
複利の計算ができる人ならピンとくることでしょう。
そこで続いては、具体的なメリットを順に見ていきましょう。
三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券のメリット4つ
シミュレーションで具体的な金額の差がイメージできたところで、ここからは最強コンビのメリット4つを解説します。
- ①クレジットカード還元率が最大1.5%
- ②月5万円の投信積立をクレジットカード決済できる(1%のポイント還元)
- ③投信の残高に応じてポイントが付与される
- ④付与されたポイントは投資信託の購入に使える
メリット①:クレジットカード還元率が最大1.5%
三井住友カードゴールド(NL)のスペックは、以下のとおりです。
通常還元率:0.5%
年会費:5,500円
発行ブランドはVISA・Mastercardのいずれか
最高2,000万円の海外・国内旅行傷害保険
年間300万円までのショッピング補償
年会費5,500円に対して、還元率が0.5%なのは一見すると使い勝手が悪いように見えることでしょう。
しかし、実は以下のようなお得な仕組みが4つあるのです。
それぞれ1つずつ解説していきます。
- ①年間100万円以上の決済で年会費が永年無料
- ②還元率は最大1.5%になる
- ③特定の店舗タッチ決済なら還元率は5%
- ③選んだお店で+0.5%(3店舗まで)
①年間100万円以上の決済で年会費が永年無料
まず年会費ですが、一度でも年間100万円以上使うと翌年以降の年会費は永年無料になります。
SNS等で100万円修行と呼ばれているものです。
月額換算で約8.3万円になりますが、家賃や日常の生活費をクレジットカード払いしている人なら、決してハードルの高い金額ではないでしょう。
一度でも達成すれば、ゴールドカードながら年会費は一切かからなくなります。
ちなみに、永年とは長い年月という意味です。
将来的に有料になる可能性は残るため、「永久無料」と混同しないようにしましょう^^
②還元率は最大1.5%
通常還元率は0.5%ですが、年間100万円の利用で毎年10,000ポイントがもらえます。
例えば、100万円ちょうど使った場合を見てみましょう。
- 100万円×0.5%=5,000ポイント
- 100万円利用に対する10,000ポイント
- 合計:15,000ポイント
100万円に対して15,000ポイントなので、還元率は1.5%です。
年会費無料で1.5%還元は、破格の数字と言えるでしょう。
しかし、100万円が一番コスパの良い金額で、このあとは使えば使うほどコスパが低下します。
仮に200万円を支払った場合は、還元率1.0%になります。
このあたりを理解しておくと、このカードを上手に使えますね^^
③特定の店舗のタッチ決済なら還元率は5%
また、特定の店舗で「タッチ決済」を使うと還元率は5%になります。
特定の店舗は以下のとおりです。
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ローソン
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ファミリーマート
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セブンイレブン
- マクドナルド
コンビニ商品は、もともと便利ではあるものの割高です。
5%還元してもらうよりも、0.5%還元でスーパーで買った方がトータルお得になるケースがほとんどでしょう。
④選んだお店で+0.5%(3店舗まで)
3店舗までという制約はありますが、選んだお店で+0.5%という特典もあります。
よく行くお店があれば、こちらも活用すると良いでしょう。
- スーパー:ライフ、ヤオコー
- ドラッグストア:マツモトキヨシ、ココカラファイン
- カフェ:ドトール
- ファストフード:すき家
メリット②:月5万円の投信積立をクレジットカード決済できる(1%のポイント還元)
三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券の組み合わせでは、月5万円(年額60万円)まで、投信積立をクレジットカード決済できます。
そして積立額に対して、0.5%~2.0%のポイントが還元されます。
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通常カード:0.5%還元
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ゴールドカード:1.0%還元
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プラチナカード:2.0%還元
ただし、還元対象外の利用もあるので注意しましょう。
対象:つみたてNISAと一般NISA
対象外:ジュニアNISAとiDeCo
また、プラチナカードは2%還元ですが、年会費が33,000円とかなり高額です。
3種類のカード中で、投資家にとって最も使い道があるのがゴールドカードといえるでしょう。
1.0%という還元率は、もともと楽天カード×楽天証券で達成できていた数字です。
しかし、楽天のクレジットカード積立の還元率は低コストの優良ファンドの場合0.2%にまで低下しています。
なお、楽天カードは2022年8月〜12月28日までの買付分は1%ポイント還元のキャンペーンも行っているので、気になる人はチェックしてみてください。
高コストファンドはポイント還元率が高いですが、投資対象としてそもそもオススメできません。
もともと、楽天カード×楽天証券の組み合わせが爆発的な人気になったのは「クレジットカード積立還元率1.0%」という破格のボーナスがあったからです。
三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券なら、その条件を維持できます^^
具体的なシミュレーションをしてみましょう。
- 投資金額:1,000万円
- ファンド:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 信託報酬:0.0968%(税込)
- 付与されるポイント:1%
投資信託を保有する際にかかる信託報酬を、付与されるポイントで相殺できるレベルのポイント還元となります。
実質、ノーコストで世界トップレベルの優良ファンドを持てることになるので、個人の資産形成にとって、プラスになるのは当然です。
20年前のインデックス投資家が見たら、うらやましがる環境でしょう。
彼らはポイント還元のような特典もない中、インデックスファンドにさえ、1.0%といった高い信託報酬を払ってきた経緯があるからです。
メリット③:投信の残高に応じてポイントが付与される
こちらは、SBI証券単独のメリットです。
どんなクレジットカードを使っていても大丈夫ですが、重要なので解説します。
SBI証券には、「投信マイレージ」というサービスがあります。
これは、投資信託の保有残高に応じて一定のポイントを付与するサービスです。
超優秀な、本当にありがたいサービスですよ。
ポイントの付与率は、どんなファンドを持っているかで変わります。
リベ大で特におすすめしているファンドの場合は、以下のとおりです。
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):0.042%(年率)
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):0.034%(年率)
7月16日時点の、メガバンクの定期預金金利は0.002%です。
その15~20倍相当のポイントが利息のようにもらえます。
ちなみに、上記2つのファンドの信託報酬は以下のとおりです。
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 付与ポイント:0.042%(年率)
- 信託報酬:0.1144%(税込)
- 信託報酬の約36%を相殺できる
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 付与ポイント:0.034%(年率)
- 信託報酬:0.0968%(税込)
- 信託報酬の約35%を相殺できる
ただでさえ安いコストが、さらに安くなります。
「ファンドの保有残高に応じてポイントを付与」という仕組みは、楽天証券やマネックス証券にもあります。
しかし、楽天証券は永続的にポイントがもらえるワケではありません。
保有残高一定額に達したとき一回だけもらえる仕組みになっています。
また、マネックス証券のポイント付与率は、基本的にSBI証券よりも低いです。
投信マイレージサービスに関しては、SBI証券が頭1つ抜け出て優秀です。
先述したクレジットカード積立と合わせると、実質ノーコストで超優良ファンド保有ができるようになります。
そのため、次の違いがある個人投資家の将来の資産額に変化が出るのは、当たり前でしょう。
銀行や証券会社の窓口で、高い手数料を払って信託報酬の高いファンドを買っている
常にベストな選択肢をとっている
お金の世界では、知っているだけでトクをして、知らなければ損をすることがたくさんあります。
今回の長期投資におけるクレジットカードと証券会社の組み合わせは、まさにその残酷な例の1つと言えるでしょう。
メリット④:付与されたポイントは投資信託の購入に使える
でもさ〜、ポイントをもらったって、Vポイントなんて知らないよ。
そんなあひるくんに朗報だよ。
4つめのメリットとして、付与されたポイントは、そのまま投資信託の購入に使えることがあげられます。
2022年5月30日、三井住友カード株式会社が「Vポイント投資」というサービスについてリリースを出しました。
-
対象商品:SBI証券が取り扱う投資信託
- 買付方法:金額指定買付(スポット買付のみで、積立買付は不可。)
-
利用単位:1ポイント1円相当(SBI証券の投資信託は100円から購入可能。)
100ポイント以上あれば、優良ファンドへの投資に無駄なく使いきれます。
Vポイント投資がなかった時は、ちょっとした回り道が必要でした。
-
貯まったポイントを上手に使って生活費を削減。
- 生活費が減った分、貯金額が増える。
- その貯金で、投資信託を買う。
しかし、Vポイント投資ができたおかげで「貯まったポイントは、そのまま投資信託の買付に回す」という分かりやすい流れが出来ました。
そのおかげで、トータルかなり完成度の高いサービスになったと言えるでしょう。
以上、4つのメリットを踏まえて「楽天カード×楽天証券」か「三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券」か、下記条件でシミュレーションしてみました。
- 資産ゼロからスタート
- 積立額は月5万円
- 投資ファンドは、eMAXIS Slim 全世界株式(オール·カントリー)※年利5%想定
- もらったポイントはすべて再投資
20年後
- 楽天コンビの総資産:約2,038万円
- 三井住友×SBIの総資産:約2,063万円
- 差額:約25万円
40年後
- 楽天コンビの総資産:約7,444万円
- 三井住友×SBIの総資産:約7,580万円
- 差額:約136万円
60年後
- 楽天コンビの総資産:約2億1,790万円
- 三井住友×SBIの総資産:約2億2,338万円
- 差額:約548万円
長期投資がコストとの戦いだというのは、上記の結果を見ると明らかでしょう。
1ヵ月、1年単位で見ると小さなことが、10年、20年単位で見ると大きなことになります。
皆さんの人生において、選択の場面はいくつもやってきます。
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銀行
- 保険
- 証券会社
- ファンド
数々の「間違った選択」の積み重ねがお金に困る人生を作ります。
逆に、「正しい選択」の積み重ねがお金に困らない人生を作っていくのです。
何をどう積み重ねていくか、皆さんのお金のセンスが問われ続けているんですね。
10年先、20年先、まして50年先にクレジットカード業界や証券業界がどうなっているかは分かりません。
むしろ、今と同じではないと考える方が自然でしょう。
しかし、先述したように「将来、変わっていく可能性が高い」ことと「どうせ変わるから、何もしなくて良い」ことは別問題です。
毎月のように何かを見直していたら手間ですが、数年に1度見直すぐらいなら、コスパが合う人も少なくないでしょう。
ちなみに、固定費見直しの知恵は家族にも影響を与えていきます。
つまり、家庭の金融教育の1つになりうるのです。
60年先のシミュレーションは不要と考えるか、金融教育のキッカケにもなると考えるかは、皆さん次第です。
三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券をおすすめできる人
最強コンビのメリットを理解できたところで、おすすめできる人・できない人を解説します。
まずは、おすすめできる人の特徴から見ていきましょう。
判断のヒントにしてみてくださいね。
- ①これから投資を始める人
- ②コンビニやマクドナルドでの買い物が多い人
- ③クレジットカードの年間利用額が100万円~200万円程度の人
- ④とにかく最適な状態にしておきたい人
- ⑤乗り換えの手間暇が苦ではない人
おすすめできる人①:これから投資を始める人
ネット証券は、SBI証券と楽天証券がツートップです。
どちらもおすすめできるという点では変わりません。
しかし、今はSBI証券が頭1つ抜けて優秀になったので、これから投資デビューする人にはSBI証券がおすすめです。
そのお供として、三井住友カードゴールド(NL)は最有力候補の1つと言えるでしょう。
これから投資を始めたい人は、過去の記事も参考にしてください。
おすすめできる人②:コンビニやマクドナルドでの買い物が多い人
普段スーパーよりもコンビニの利用が多かったり、マクドナルドをよく利用したりする人にとっては、三井住友カードゴールド(NL)は高還元カードです。
コンビニ決済用・クレジットカード積立用のサブカードと割り切るのもアリでしょう。
1度だけ100万円修行を済ませてしまえば、その後の年会費は永年無料です。
そういう意味で、金銭的なリスクを背負うことにはなりません。
おすすめできる人③:クレジットカードの年間利用額が100万円~200万円程度の人
クレジットカードの年間利用額が100万円〜200万円であれば、還元率は1.0%〜1.5%です。
還元率にムダがなく、単独で見てもコスパが良いため、おすすめできます。
おすすめできる人④:とにかく最適な状態にしておきたい人
今回のような節約系の話題では「80点以上取れればOK」というのがリベ大の基本スタンスです。
現状、楽天証券×楽天カードも、80点以上と言って良いでしょう。
常にベストな状態でないと気がすまない人にとって、三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券は有力な選択肢です。
おすすめできる人⑤:乗り換えの手間暇が苦ではない人
リベ大が乗り換えをすすめないケースがあるのは、手間暇に見合わないことがあるからです。
そのため、以下のような人なら気兼ねなくベストの選択肢を選んで良いでしょう。
時間がありあまっており、時間単価を気にする必要がない
手続きが好き・得意でまったくストレスを感じない
ちなみに、楽天証券からSBI証券へのファンド移換方法については、過去のブログ記事で分かりやすく解説しています。
興味のある人はぜひ読んでみてください。
三井住友カードゴールド(NL)×SBI証券をおすすめできない人
次に、おすすめできない人の特徴を解説していきます。
- ①クレジットカードで年間100万円も利用しない人
- ②マネックス証券を愛用している人
- ③楽天経済圏を上手に活用できている人
- ④乗り換えを続けるのがおっくうな人・稼ぐ力がバグっている人
おすすめできない人①:クレジットカードで年間100万円も利用しない人
100万円修行をこなせないと、年会費5,500円がかかり続けます。
この年会費に見合うスペックのカードではありません。
また、一度100万円修行をして年会費がタダになったとしても、継続的に100万円ほど使わないと高還元になりません。
通常還元率は0.5%しかないので、年間100万以上を継続的に利用しない人には、おすすめできません。
おすすめできない人②:マネックス証券を愛用している人
マネックスカード×マネックス証券の組み合わせでは、クレジ