こんにちは、こぱんです!
突然ですが、みなさんは「東芝」と言えばどのようなイメージを持っていますか?
ということで今回は、東芝に関する以下の2つについて解説していきます。
- 過去に発覚した東芝の3つの事件
- 東芝の新しい2つのチャレンジ
また最後に、リベ大が東芝を投資対象としてどう考えているのか?ということにも触れます。
目次
解説動画:【東芝大復活?】1兆円巨額損失→東証2部降格からの、1部復活へ
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
過去に発覚した東芝の3つの事件
まずはじめに、東芝が過去に起こした不祥事について振り返ってみましょう。
2015年からの一連の流れの中で、発覚した事件は以下の3つです。
- ①2015年4月の「不正会計」
- ②2016年12月の「巨額損失」
- ③2020年1月の「架空取引」
①2015年4月に発覚した不正会計
2015年4月に発覚した不正会計では、東芝が約7年間で2,000億円以上の利益を水増しして会計処理をしていたことが分かりました。
その結果、東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」に指名されることになりました。
「この会社は問題があるので、投資する人は注意してくださいね!」
「もっとちゃんとした管理体制にしないと、上場廃止になるよ!」
通常は上場企業に対して、不正会計のようなインチキをさせない仕組みがあります。
公認会計士というエリート達が集まった「監査法人」という組織が、企業の財務チェックをしているのです。
東芝の不正会計発覚後、不正を見抜けなかったとして「新日本監査法人」は、監督庁である金融庁から以下のような指導を受けています。
21億円の課徴金(いわば罰金)
3ヶ月間の新規契約禁止
業務改善命令
特に東芝の場合は、組織的な関与があったとされているので見放されても仕方がありません。
学長も「絶対こんな会社に投資したくないし、していたら損切りして資金を引き揚げる」と言ってます。
②2016年12月に発覚した巨額損失
不正会計から1年7ヶ月後、新たに発覚したのがアメリカの原子力事業に関連した1兆円以上もの巨額損失です。
それにより、東芝は2017年3月期には債務超過になり、2017年8月には東証1部から2部に降格しました。
債務超過とは「会社の全資産 ー 会社の全負債=マイナス」になってしまうという状態です。
言い換えれば、全資産を売り払っても借金が返せないということです。
この巨額損失の原因は、2006年に東芝が買収し、2017年に経営破綻したウェスチングハウス・エレクトリック社です。
実際には、以下のような流れで経営破綻に至りました。
- アメリカで原子炉の建設が遅延したため、コストが増大
- 2011年の東日本大震災により、原子炉の需要が急激に低下
- その結果、2017年3月に経営破綻
この影響を受けて東芝は2017年3月期の決算において、監査法人と意見が対立してOKがもらえませんでした。
提出期限までに金融庁へ決算資料が提出できない事態となり、まさに大混乱。
金融庁から以下のような指摘を受けても、東芝の対応はグダグダでした。
「もっと前から損失がでることは分かっていたのでは?」
「今更、急に巨額損失を計上することはおかしい!」
そして、不祥事を起こすたびに、株価は大暴落を繰り返して株主を泣かせてきました。
- 2015年1月~9月:不正会計発覚
- 2016年12月~2017年1月:巨額損失発覚
③2020年1月に発覚した架空取引
これまでの不祥事を受けて、東芝は心を入れ替えて頑張るという発言をしていました。
「わが社は生まれ変わりました!」 「コンプライアンスもバッチリです!」 「法令を遵守します!」そんな中で発覚したのが、2020年1月の架空取引、やはり不祥事は繰り返されたのです。
連結子会社の東芝ITサービス株式会社で、実態のない売上を4年弱で約435億円計上していました。
この架空取引に関して、東芝自身は以下のような調査結果を発表しています。
東芝の新しい2つのチャレンジ
不祥事の話題が目立つ東芝ですが、明るい話題として以下の新しい2つのチャレンジに取り組んでいます。
- ①東証1部復帰申請
- ②週休3日制導入
①東証1部復帰申請
東芝は2020年4月3日付で、東証1部への復帰を申請しました。
もし、東芝が東証1部に復帰すると、以下のようなメリットがあると言われています。
- 企業としての信用力が高まる
- 資金調達がしやすくなる
- イメージアップができる
- 株価が上がる可能性がある
- その結果、外資の投資会社が株を手放す可能性もある
外資の投資会社は、いわゆる「物言う株主」が多く、経営陣にとっては少し面倒だと感じる存在です。
物言う株主:上場企業の経営に自らの考えを表明して積極的に関わる株主。株主総会で独自の議案を提出したり、役員などを送り込んだりして経営改革を迫ることもある。
東芝の株式においては、外資の持ち株比率が以下のように増加しています。
- 2016年:3割
- 2019年:7割
それに合わせるように、以下のような噂も聞こえてきます。
「しっかり株価が上がるように動いてとお尻を叩かれている」
「早く解放されたい、と悲鳴を上げている」
外資の投資会社の「出口」に利用されないように、個人投資家のみなさんは慎重な投資判断をしましょう。
ちなみに、今回の東芝の1部復帰申請を後押ししたのが、東証2部→1部への移動ルールの緩和です。
2020年2月から、適正意見付の有価証券報告書が「直近5年分」から「直近2年分」で良いとなりました。
東芝は2017年3月期に監査法人から完全OKをもらっていません。
つまり以前のルールでは、まだまだ1部の復帰は不可能だったわけですが、今回の変更で1部復帰申請にこぎつけられたわけです。
- JASDAQ(ジャスダック)から東証1部:2年分が必要
- マザーズから東証1部:2年分が必要
- 東証2部から東証1部:5年分が必要(これを2年分にして統一)
②週休3日制の導入
2020年5月、東芝が週休3日制の導入するという施策を発表して話題となりました。
コロナウイルス感染症の対策として、変形労働時間制を採用して週4日勤務を実現しようとしています。
働く日は今までよりも長く働き、週休3日になったとしても給料は変わらないという設計です。
コロナウイルスが完全終息するまでということで、2~3年を目処に導入されます。
1日あたりの労働時間が長くなっても、週に3日の休みとなる方が嬉しい人も多いかもしれません。
- 結果として、生産性は特に変化なし
- 4日間は働く時間が長くなったが、毎週3日間休みがあることは好評
- その後社員全員、1年間の有給休暇としたため、週休3日制は廃止
学長の1年間有給休暇の取り組みに関しては、下記の動画で詳しく説明しているので参考にしてみてください。
関連動画
キッカケがコロナウイルス感染症であったとしても、日本の大企業が新しい働き方を認め始めたことは悪くないと言えます。
東芝も良い人材を集めるために、色々と頑張ってる部分もあるのかもしれません。
まとめ:不正に手を染めた会社には投資しない
不祥事を繰り返してきた東芝の、過去に発覚した3つの事件、そして新しい2つのチャレンジについて解説してきました。
- ①2015年4月:不正会計
- ②2016年12月:巨額損失
- ③2020年1月:架空取引
- ①東証1部復帰申請
- ②週休3日制導入
今後の東芝については色々な見方がありますが、リベ大としての結論は1つです。
「不正に手を染めた会社には投資しません。」
特に上場企業のような大きな会社の体質は、簡単に変えることができません。
不正に手を染めた会社に投資しない理由に関しては、下記の動画で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
関連動画
もちろん、東芝がこれから以下のような取り組みによって、良くなっていく可能性はあります。
- 内部の体制を見直す
- 企業文化を変える
もし東証1部に復活することになれば、短期的に株価が上がる可能性もあります。
また、東芝のように「まだ信頼しきれない企業」が東証1部に復活すると、TOPIXなどの日本株インデックスにも含まれてしまいます。
日本市場やTOPIXが世界中の投資家から「信頼される市場・指数」、つまり「株価が伸びる市場・指数」となるためには以下の仕組みが必要不可欠です。
- 弱い企業を退場させる
- 不正を起こした企業を退場させる
そういう意味でも、やはり米国市場・指数は安心できるものが多いです。
企業の不正は繰り返されるものであり、一度起これば想定価値を失い、その責任を追うのは株主です。
自分以上に自分の資産を守ってくれる人はいません。
だからこそ、正しい情報を取りに行って、多角的な視野で投資の舵取りをしていくことが大切です。
東芝については、良い面・悪い面の両方について、今後の動向を温かい目で見守りましょう。
以上、こぱんでした!
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