
今回の記事は、書籍「世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法」から、お金持ちに共通する7つの思考法を紹介します。
- 時間を味方にして、「早く」と「速く」にこだわる。
- 自分の得意な1つのことに集中する。
- チャンスを前にしたら、全てを捨てて突き進む。
- つまらない贅沢をせず、お金と上手に付き合う。
- 自分が決めたルールに忠実であり続ける。
- 勝利を手にするまで、諦めることなく挑戦し続ける。
- お金持ちであることの責任をまっとうする。
書籍では、この7つの思考法に対応するお金持ちの名言・エピソードがたくさん紹介されています。
今回の記事では、全84の名言・エピソードの中から重要そうなものを厳選して解説します。
お金持ちになるための一番確実な方法は、お金持ちと同じように考えて、同じように行動することです。
逆に言うと、お金持ちが考えないような考え方や、お金持ちがやらないような行動をしている限り、お金持ちになれる可能性はかなり低くなります。
これは、サッカーの練習をしている人が、プロ野球選手になれないのと同じようなものです。
お金持ちになることに習熟するには、それ用の習慣が必要というワケです。
今回の記事を読み、ぜひお金持ちの考え方を学び取ってください。
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:大富豪に学ぶ お金を増やす思考法
目次
解説動画:【エピソード付き】金持ちの考え方は皆同じ?富豪に共通する思考法7選【書籍紹介】
このブログの内容は以下の動画でも解説しています!
世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす7つの思考法
思考法①:時間を味方にして、「早く」と「速く」にこだわる

この思考法にまつわる名言は、ホンダの創業者、本田宗一郎氏の言葉です。
発明・創意・工夫の中で一番大切なのが時間。
いくら良い発明、発見をしても、百万分の一秒遅れたら、発明でも発見でもない。
この言葉では、発明や創意工夫よりも、スピードの方が大事だと伝えています。
ビジネスをやっている人であれば、誰もがピンとくる話でしょう。
身近なところで言えば、YouTubeが良い例です。
世の中にはヒカキンさん、はじめしゃちょーさんというトップYouTuberより、面白いエンターテイナーが数多くいるかもしれません。
しかし、面白いエンターテイナーの多くは、YouTubeという舞台ではヒカキンさんたちには勝てないのです。
なぜなら、トップYouTuberたちは、発明や創意工夫以上に、早くに始めたというスピードの力を生かして今の立場を作ったからです。
本田氏が、「一番大切なのが時間だ」と言ったのも、まさにこのことを言っています。
もし両学長が、今日からYouTubeを始めていたら、登録者200万人超の人に見てもらえることは無かったでしょう。
もちろん、日々のコンテンツ作りにはたくさんの創意工夫をしていますが、それ以上にスピードが重要だったということです。
ちなみに、両学長はYouTubeで成功したくてスピードを意識していたワケではありません。
YouTubeを始めた時期は、完全にたまたまなので、運が良かったとも言えるでしょう。
以下の「早ければ早いほど良いものの例」では、スピードがあるだけで武器になることが分かります。
- お金を貯めて、投資を始める。
→ 複利が効く
- 何かのジャンルを選んで、副業を始める。
→ 競合に勝てる
- 衰退産業から、成長産業の会社に転職する。
→ 急成長を味わえる
本田氏は、「6日の菖蒲(あやめ)、10日の菊」という言葉を好んだそうです。
あやめは端午(たんご)の節句の5日、菊は重陽(ちょうよう)の節句の9日に用意してこそ意味があります。
その日から1日でも遅れてしまうと、何の意味もありません。
手遅れになるような無駄な努力をしないコツは、早くやることだけというワケです。
「あの人は、やった時期が良かっただけだよ。」というセリフを言う人ではなく、言われる人になりましょう。
思考法②:自分の得意な1つのことに集中する

この思考法にまつわる名言は、アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏の言葉です。
5つの製品に集中するとしたらどれを選ぶ?
ほかは全部やめてしまえ。あれもこれもではマイクロソフトになってしまう。
ジョブズ氏は、グーグルの創業者であるラリーペイジ氏に対して、「5つの製品を残して、ほかは全部やめてしまえ」とアドバイスしたそうです。
これがジョブズ氏の哲学の1つである「選択と集中」です。
1997年に、ジョブズ氏は倒産の危機に瀕していたアップルに復帰しました。
暫定CEOに就任した後、彼が最初にやったことは選択と集中です。
40種類あった製品をたったの4つに絞り込み、優秀な人材をそこだけにつぎ込んだのです。
ジョブズ氏は「フォーカスとは、ノーと言うことである」と考えていたそうです。
つまり何かに集中する(= フォーカス・焦点を合わせる)というのは、集中したいこと以外にはノーと言う考え方です。
例えば、株式投資に集中するというのは、以下の投資についてノーと言っているのと同じです。
- 債券
- ゴールド
- 不動産
- 仮想通貨
たいていの場合、資産運用においては分散が重要です。
一方ビジネスは、分散すればするほど結果は陳腐でつまらないものになります。
投資とビジネスの真逆の成功法則については、リベ大の過去のブログでも詳しく解説しています。
お金持ちになるために必要な行動を5つ選び、他は全てやめましょう。
1ヵ月もすれば、お金という観点ではしっかり成果が出るはずです。
思考法③:チャンスを前にしたら、全てを捨てて突き進む

この思考法にまつわる名言は、アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾス氏の言葉です。
年に2,300%成長しているとなると、すぐに行動に移さなければなりません。
その切迫感が一番重要な強みになるんです。
世の中の成功者には、貧しい家庭で育った叩き上げの人も少なくありません。
しかし以下の経歴からも分かるように、ベゾス氏は恵まれたエリートです。
- アメリカの名門大学、プリンストン大学で2つの学位を取得。
- バンカーズ・トラスト社では、26歳で同社史上最年少の副社長に就任。
- 次に移ったDEショー社でも28歳の若さで、最年少の上級副社長に就任。
経歴からも、ベゾス氏は非常に頭が良く仕事も抜群にできることが分かります。
このような背景もあり、1994年にベゾス氏が「インターネットで本を売るビジネス」での独立を考えた際に、当時の上司は次のように言いました。
しかし皆さんご存じの通り、結局ベゾス氏は起業します。
当時、インターネットで大儲けした人はまだ誰もいませんでしたが、ベゾス氏は年に2,300%も成長する超有望産業に目を付けました。
この話は、世間で良い会社(役所)と言われる所に勤めている人に刺さって欲しい内容です。
良い学校・良い会社に入り、約束された将来を歩んでいるような人は、リスク・チャンスに鈍感になりがちです。
リスクをとらず、チャンスを掴まなくても、ある程度の将来が約束されているはずなので無理もありません。
今までに手にしたものと、これから手にするものの2つは、全く別なものです。
チャンスはどんな状況下でも掴むことができます。
将来を約束されている人だろうが、そうでない人であろうが、チャンスがあれば掴めば良い。
今が幸せだろうが、そうでなかろうが、チャンスがあれば掴めば良い。
今に満足していようが、そうでなかろうが、チャンスがあれば掴めば良い。
お金に愛される秘訣は、いつもチャンスを探し続け、チャンスを見つけたら掴みにいくことです。
そして新しいものを掴むために必要があれば、今持っているものを手放す姿勢も重要になります。
ちなみに、両学長の目には「チャンスの女神様」が前髪を振っている姿が見えているそうです。
両学長もチャンスがあれば、ワクワクする楽しそうなビジネスのために、いつでも財産や立場を捨ててリスクをとる覚悟があります。
思考法④:つまらない贅沢をせず、お金と上手に付き合う

この思考法にまつわる名言は、IKEA(イケア)の創業者、イングヴァル・カンプラード氏の言葉です。
いくら持っているか、いくら稼いでいるかなんてたいしたことじゃない。
大事なのは、いくら金を使うかだ。
たとえ貧乏でも、無駄遣いさえしなければ金持ちになれる。
IKEAの創業者、カンプラード氏はとてつもない資産家です。(2008年時点で世界7位 参考:AFPBBnews)
一方彼は倹約家だったので、「世界一しみったれた男」「とても金持ちには見えない家具業界の王様」というような呼び名もあります。
カンプラード氏がIKEAを創業したのは1943年で、彼が17歳の時です。
ところで皆さん、IKEAの名前の由来をご存知でしょうか?
- IとK:自分の名前、イングヴァル・カンプラードの頭文字であるIとK。
- EとA:自分が育った、エルムタリッド農場のEとアグナリッド村のA。
彼が育ったところは非常に貧しい地域だったそうですが、冒頭で紹介した名言の通り「無駄遣いさえしなければ金持ちになれる」と言われていたそうです。
つまりカンプラード氏の倹約のルーツは、彼が生まれ育った地方の文化にあったワケです。
実際、IKEAは徹底したコスト管理で知られています。
彼の言葉を借りれば、「無駄遣いは、人類最大の病の1つ」です。
いくら無駄遣いをしなくても、高収入でなければお金持ちになんてなれないし、早期リタイアなんで夢のまた夢だと考えている人もいるでしょう。
しかし、経済的自由に到達するための重要な要素は「貯蓄率」です。

(出典:ダイヤモンド社「FIRE 最強の早期リタイア術」)
グラフによると、収入の50%で暮らし、残った50%を投資に回せば、利回り3%程度の投資でも20年未満でリタイアできることになります。
さらに利回りを5%~6%に高めれば、15年でのリタイア到達も視野に入ります。
貯蓄率が早期リタイアのための重要な要素という点については、過去のリベ大ブログの記事でも解説しています。
今は人生100年時代と言われています。
定年が70歳になるかもしれない、それどころか定年は一生来ないかもしれないと言われる時代です。
この時代で、40代や50代でのリタイアが見えるのはすごいことです。
まさに、倹約力こそお金持ちが持っている重要な力の1つと言えるでしょう。
両学長の周りで長く生き残っているお金持ちにも、倹約家は多いそうです。
使う時にはドカッと使うものの、使わないところはピシッとしめるイメージです。
格安SIMはその代表例の1つかもしれません。
ちなみに、書籍では触れられていませんでしたが、カンプラード氏には少し残念な話題もあります。
2004年に、元幹部から数十億円の豪邸・高級リゾート地の保有を暴露されたのです。
また、愛車も古いボルボと言われていましたが、実際はポルシェだったとも言われています。
IKEA本を書いたジャーナリストによると、「カンプラード氏は、企業イメージ作りのマスコミ戦略に長けており、シンプルライフのイメージ戦略は、家族の安全・税金対策・会社のイメージ保護のためだった。」とのことです。
このようにケチがついた形にはなりましたが、倹約が蓄財の土台という事実は変わりません。
彼が育った地方に伝わる通り、無駄遣いをしなければ、誰でもお金持ちになれます。
ココを疑うと、一気にお金持ちへの道が遠ざかるので、気を付けてください。
豊かな浪費は、十分にバランスを考えた上でやりましょう。
思考法⑤:自分が決めたルールに忠実であり続ける

この思考法にまつわる名言は、東大教授で「造園の父」と呼ばれ、明治神宮なども設計した本多静六(ほんだせいろく)氏の言葉です。
あらゆる通常収入は、それが入った時、天引き4分の1を貯金してしまう。
さらに臨時収入は全部貯金して、通常収入増加の基に繰り込む。
- 貧乏を圧倒し40歳で経済的自由を達成。
- 60歳で大富豪に。
- 老後資金を残し、ほぼ全財産を寄付。
- 全370の著作。
ちなみに両学長は、本を1冊書いただけでもフラフラになってしまったそうです。
370冊の著作というのが、いかにスゴイことが分かります。
蓄財を目指す一般人にとって、本多氏はロールモデルとして5本の指に入ると言っても過言ではありません。
本多氏の著作「私の財産告白」については、過去のリベ大ブログ記事でも解説しています。
本多氏の手法は、以下のような一握りの人だけが実現できる方法ではありません。
- 起業で大成功して上場する
- 宝くじを当てる
- FXで億を稼ぐ
本多氏の提唱する方法は、通常収入の4分の1を貯金し、臨時収入は全部貯金するという、誰でもできるきわめて地味な手法です。
「生活が苦しくなる」「ゆとりがなくなる」「そんな暮らしはつまらない」など、色々と言いたいことは出てくるかもしれません。
しかし多くの人にとって、実行不可能というワケではない手法です。
ちなみに、有名なFIRE本である「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」では、収入の25%を貯蓄する人のことをスーパーセーバー(super saver)と呼んでいます。
本多氏にとって、4分の1天引き貯金法は誰でもやれる貯金法ですが、FIRE界での25%貯蓄は、めちゃくちゃ貯金する人というワケです。
それは、決めたことを守るということです。
すなわち自分が作ったルールに忠実であるということが重要です。
一度4分の1貯金をすると決めたら、お金持ちは何があってもそのルールを崩しません。
感情・気分に振り回されず規律を守るというのは、非常に重要な資質です。
皆さんは以下のように、決めたことについて「でも…」となっていませんか?
上記のように、「でもでもでも」を繰り返していたら、お金持ちへの道は遠のきます。
両学長も、眠たい日・疲れた日・ゲームに心惹かれる日にも、YouTubeライブや新規ビジネスの立ち上げには欠かさず取り組んでいます。
「やると言ったら、やるんや!」の精神を皆で共有してほしいと考えているからです。
ルールを守れ・ルールに忠実であれということは、投資の神様ウォーレン・バフェット氏を筆頭に、数多くの伝説の投資家も口をそろえて言っています。
自分が未熟な頃に作ってしまった未熟なルールは破棄して構いません。
偉大なルールを守るということは、高速道路に乗るようなものです。
ルールを守り続ける限り、他の人が一般道で止まったりのろのろ進んだりしているうちに、自分の方が早く目的地に到達することができるでしょう。
目指すところがある以上、高速道路を降りてルールを破る必要はありません。
思考法⑥:勝利を手にするまで、諦めることなく挑戦し続ける

この思考法にまつわる名言は、米国史上最大の大富豪と言われる、ジョン・ロックフェラー氏の言葉です。
諸君、今やアメリカの石油精製業の93%は我々の手にある。
だが、この93%のことは忘れよう。残りの7%に全力を傾けるのだ。
ロックフェラー氏は、ブラウン大学で演説をした時に、次のような有名な言葉も残しています。
「赤いバラの花は、蕾のうちにまわりの余分な枝を払い落としておけばこそ、一輪だけ美しく豪華絢爛(ごうかけんらん)に開花する。」
赤いバラとは、すなわちロックフェラー氏が経営する会社のことです。
払い落とされる余分な枝というのは、他の会社のことを指しています。
ロックフェラー氏には、同業他社や取引先などを含め、共存共栄を図るという考え方が全く無かったようです。
彼は、経営するスタンダード石油が巨額の利益を上げるには、1つのエリアには1つの会社しかなくて良いと考えました。
リベ大で良くお伝えしている、「win-win」や「三方良し」の考え方こそがお金持ちのルールでは?と感じた人がいるかもしれま