2022年7月の「お金のニュース」記事において、以下の投資詐欺の話題を解説しました。
- お笑いタレント、TKOの木本さんが巨額の投資詐欺にあったが、著名人はなぜ投資詐欺に引っかかるのか?
→ その理由は、「資産運用」と「ビジネス」の成功法則が“真逆”だから。
成功法則が真逆ということは多くの人にとって盲点だったようで、非常に大きな反応をいただきました。
そこで今回は、資産運用とビジネスの成功法則は真逆であることについて、より丁寧に解説していきます。
リベ大では、以下の方法で資産5,000万円超の小金持ちを目指そうという提案をし続けています。
- 無駄な支出を月5万円減らす
- 今よりも収入を月5万円増やす
- 浮いた10万円を年利5%で資産運用し続ける
上記のプランは、シンプルでありながら再現性の高い方法となります。
2つ目の、「収入を月5万円増やす」という部分はビジネスの話であり、会社員生活や副業などで、いかに成果を出すかということとなります。
そして、「年利5%で運用する」という部分は資産運用の話です。
収入を増やし、浮いたお金を運用するというプランを成功させるためには、それぞれ別の成功法則に従わなくてはいけません。
どんな場合でも成功法則は同じだと勘違いしてしまうと、高い確率で失敗してしまいます。
今回の記事を最後まで読んでいただければ、会社員生活や副業だけでなく、資産運用がうまくいく可能性も高まります。
目次
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資産運用とビジネスの「真逆の成功法則」5選
資産運用とビジネスの「真逆の成功法則」は以下の5つです。
- 人脈と情報
- 価格と価値
- スピード感
- 好き・得意
- 分散・集中
5つの内容を理解すれば、なぜビジネスの法則を資産運用の世界にそのまま持ち込んではいけないのか?という理由が分かります。
真逆の成功法則①:人脈と情報
ビジネスの成功法則:基本、人を通じて、ここだけの話を手に入れる。
資産運用の成功法則:基本、人を介さず、オープンな情報を活用する。
ビジネスにおける人脈と情報
ビジネスの世界では、クローズドな情報こそ命であり、美味しい話は基本的に、人を通じてやってきます。
つまり、ここだけの話にこそ旨味があるのです。
経営者や芸能人のような、成功した人たちは多かれ少なかれ、コネや人脈から得たクローズドな情報を活用しているものです。
経営者がゴルフや会員制のクラブを好む理由も、上記のような「ここだけの話」を仕入れるためでもあります。
資産運用における人脈と情報
一方で、資産運用の世界では必ずしもクローズドな情報が旨味になるとは限りません。
人からやってくる話や、「ここだけの話」は基本ゴミや詐欺だと考える必要があります。
資産運用の世界においては、書籍やネットから手に入る、オープンな情報で十分なのです。
例えば、インデックス投資などがその典型となります。
誰もが知っていて、誰もがやっているS&P500への投資が王道であり、最適解の1つとなるワケです。
しかし、資産運用の中でも、不動産投資については注意点があります。
なぜなら、不動産は資産運用とビジネス両方の性格を持つからです。
- 不動産投資仲間から、良い物件を紹介してもらう。
- 付き合いのある業者から、ネット掲載前の情報を紹介してもらう。
→ クローズドな情報が役に立つ場面が多いので、ビジネス側の成功法則を意識する方が良い。
経営者や著名人が、よく投資詐欺に引っかかっている理由は、上記の法則の違いからです。
つまり、自分には、「一般人には手に入らない良い情報が入ってくる」と信じてしまうワケです。
実際に、それまで「ここだけの話」で成功しているため、無理もありません。
おそらく、これから先も投資詐欺に遭う経営者や著名人は後を絶たないでしょう。
一方で、ビジネスの世界でオープンな情報しか活用できなければ、成功の芽は小さいと思って良いでしょう。
なぜなら、オープンな情報が出回る頃には、情報鮮度が落ちてしまっていて、既に使えなくなっているからです。
もし、資産運用でもビジネスでも再現性高く成功したければ、以下のスタイルを取る必要があります。
- ビジネスにおいては、人を通じて、ここだけの話を手に入れる。
- 資産運用においては、人を介さず、オープンな情報を活用する。
家族や友人から、「あなたは、人を信用しているの?していないの?どっちなの?」と言われるような、真逆のスタイルを取る必要があります。
真逆の成功法則②:価格と価値
ビジネスの成功法則:価格に見合う価値(または価格以上の価値)を提供する。
資産運用の成功法則:高い価格に、高い価値を期待しない。
ビジネスにおける価格と価値
ビジネスの世界では、値付けが非常に重要です。
もし500mlのペットボトル飲料を、1,000円で売りたいのであれば、1,000円の価格に見合った高い価値を付ける必要があります。
価格に見合わない価値の商品を提供してしまったら、100%そのビジネスはコケてしまうでしょう。
- 価格に見合う価値をしっかり提供する
- 価格以上の価値を提供する
上記の2点を徹底しておこなうことができれば、まずやっていけるワケです。
成功している経営者達は、価格に見合った(または価格以上の)価値を提供したから成功したという自負を、少なからず持っているものです。
資産運用における価格と価値
一方、ビジネスにおける価格と価値の法則が通用しない世界なのが、資産運用の世界です。
例えば、皆さんの目の前に、以下のような2つのファンドがあったとします。
- ファンドA
- 投資対象:米国の厳選された成長株
- 購入手数料:購入額の3.3%
- 信託報酬:年間2.2%
- ファンドB
- 投資対象:米国企業全体
- 購入手数料:無料
- 信託報酬:年間0.15%
経営者目線では、ファンドAの方が有望に見えるワケです。
なぜなら、ファンドAはプロが厳選した株にのみ投資しており、コストも高くなっているからです。
対して、ファンドBは米国企業全体にまるっと投資しており、ローコストです。
飛行機の座席を例にあげると、エコノミークラスは安くて狭いのに対して、ファーストクラスは高いけど広くて快適です。
そのため、価格が高い方が良いファンドだと思うことも無理はありません。
しかし実際は違うということを、これまでリベ大の発信の中でも何度もお伝えしてきました。
投資の世界はいつでも不透明な霧の中にあり、確実なことは何一つありません。
つまり、お金を払えば儲かる可能性が高まるということも無いのです。
多くの場合、金融関係のサービスというものは、利益相反になりがちです。
- 買い手が得すれば、売り手は損する。
- 買い手が損すれば、売り手は得する。
つまり、たくさんお金を払えば良いサービスを受けられると思うことは、大体が勘違いなのです。
上記の流れから、成功した経営者たちは、プライベートバンカーや専属投資アドバイザーなどへ高い料金を支払って、普通の人がタダ同然のコストでやっている資産運用に負けたりするワケです。
もし、資産運用でもビジネスでも再現性高く成功したければ、以下のスタイルを取る必要があります。
- ビジネスでは、価格と価値のバランスを見極める。
- 資産運用では、価格と価値の間に関係性を見出さない。
家族や友人から、「あなたは、結局のところ価格を重視してるの?してないの?」と言われるような、真逆のスタイルを取る必要があります。
真逆の成功法則③:スピード感
ビジネスの成功法則:最速でやる
資産運用の成功法則:ゆっくりやる
ビジネスにおけるスピード感
ビジネスの世界では、スピードこそ命です。
例えば、以下のようなイメージで物事を進めることが重要となります。
- 今日できることは、今日やる。
- 「いつか会う」ではなく、「今日会えるなら会う」。
- 「来年新商品を発売する」ではなく、「1ヶ月後に新商品を発売する」。
- 「来年売上1億円にする」ではなく、「3ヶ月後に売上1億円にする」。
- 「期限は1週間です」と言われたら、「1日で完成させる」。
- 良い商談を持ちかけられたら、その場で即決する。
上記のようなスピード感が重要になるのです。
リベ大両学長自身も、「3〜5年後には、このビジネスを収支トントンまで持っていきたい」と言いながら、成功した人を見たことが無いと語っています。
「1秒でも早く黒字化するために、1日18時間働いてでもやりきる」といったタイプの人は、何かしら結果を残す傾向にあるようです。
ビジネスの世界で成功できる人は、とにかく動きが速いです。
両学長もスピード感には自信があり、2022年に入ってから以下の内容に取り組んで形にしています。
- マッチングサービス2つリリース
- シェアハウス「リベ大合宿所」オープン
- リベ大フェス開催
- リベ大東京・愛知オフィス契約
- リベシティアプリリリース
- 旅するリベ大キッチンカー(立ち上げ中)
- リベ大税理士法人会(8月に登記完了予定)
リベシティはビジネスとは少し違いますが、上記のようにビジネス並みのスピード感で開発を進めていることは間違いありません。
資産運用におけるスピード感
一方、資産運用の世界ではゆっくりやることが王道となります。
なぜなら、資産をもっとも大きく増やすためのエンジンは複利だからです。
- 100万円を年利7%で1年間運用した場合
→ 107万円になり運用収益は7万円に過ぎない
- 100万円を年利7%で50年間運用した場合
→ 約3,000万円にまで大きくなる
上記のように、複利の力で100万円が50年間で約3,000万円に化けるワケです。
投資の神様とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏も、以下のような言葉を残しています。
複利の力を活かすためには、時間をかけるしかありません。
時間をかけるという絶対的な法則を無視して、手っ取り早く儲けようとして、資産運用に失敗してしまうのです。
ビジネスで成功した人には、せっかちな人も多いので、「30年後にお金持ちになろう!」なんてゆっくりしたスタイルに納得することは難しいかもしれません。
上記の理由からも、ビジネスの成功者はよく資産運用に失敗してしまうのです。
もし、資産運用でもビジネスでも再現性高く成功したければ、以下のスタイルを取る必要があります。
- ビジネスでは、最速でやる。
- 資産運用では、ゆっくりやる。
家族や友人から、「あなたは、結局のところアクセルを踏みたいの?ブレーキを踏みたいの?どっちなの?」と言われるような、真逆のスタイルを取る必要があります。
真逆の成功法則④:好き・得意
ビジネスの成功法則:好き・得意にとことんこだわる
資産運用の成功法則:好き・得意にこだわりすぎない
ビジネスにおける好き・得意
ビジネスの世界では、好き・得意こそが命です。
例えば、USJ再建の立役者であり、現代最強のマーケターと名高い森岡毅さんも、以下のように言っています。
上記の言葉には、両学長も本当に同意しています。
ビジネスを成功させるためには、自分の強みに焦点を当てるしかありません。
- 誰かの苦手な仕事は、皆さんの得意な仕事かもしれません。
- 誰かの嫌いな仕事は、皆さんの好きな仕事かもしれません。
- 誰かがやりたくない仕事は、皆さんのやりたい仕事かもしれません。
なぜなら、強みとは相対的なものだからです。
必ずしも、業界一位である必要はありません。
会社の中や、チームの中で一番その内容について詳しいといったことでも、十分強みになるのです。
確かに、強みを磨いても必ず大成功するという保障はありません。
しかし、少なくとも強みにこだわらずに働いていた時より良い状況にすることは可能でしょう。
つまり、今よりも状況を良くする手段として、強みを磨くということは非常に有効な選択肢なのです。
資産運用における好き・得意
一方で、資産運用の世界においては、好き・得意にこだわりすぎると、かえってリターンを損なう可能性があります。
- 自分は自動車業界に詳しいから、自動車メーカーの株を買う。
- 自分はベトナムに駐在していたから、ベトナム株に投資する。
- 自分はバリュー株で成果が出たから、バリュー株以外は買わない。
上記のようなこだわりが、資産運用の世界では足かせになることがあるのです。
ビジネスの世界では、時間をかけて専門性を磨けば磨くほど収益が増えるという相関性があります。
しかし、資産運用の世界では、投資に詳しくなればなるほど収益も増えるとは限らないのです。
- 1日5時間かけて勉強して、個別株に投資する投資家。
- 1ヶ月に1時間しか投資について考えない、インデックス投資家。
→ 後者の方がリターンが良いということは多々ある。
一握りの天才投資家は、好き・得意を活かして最高の成績をたたき出します。
リベ大でも過去に紹介した、投資の神様とも呼ばれるバフェット氏や本多静六氏などは、その典型です。
一方で、長期に渡って成功を手にし続けられる人はごく少数でしょう。
そのため、万人向けの資産運用方法は、以下の通りとなります。
- 好き・得意にこだわり過ぎない
- ただ全世界株や全米株のインデックスファンドを買うだけ
インデックス投資の名著の中には、上記の運用方法を立証するデータがこれでもかというほどあります。
しかし、ビジネスで成功した人は以下のように考えがちです。
- 自分は、好き・得意を活かしてビジネスで成功できた。
- 資産運用でも、好き・得意を活かせば成功できるばずだ。
- ただ全世界株や全米株を買うだけの投資に、負けるワケがない!
上記の思考パターンで投資をした場合、うまくいく人と、失敗する人のどちらが多くなりそうか、皆さんなら想像がつくのではないでしょうか。
もし、資産運用でもビジネスでも再現性高く成功したければ、以下のスタイルを取る必要があります。
- ビジネスでは、好き・得意にこだわる。
- 資産運用では、好き・得意にこだわりすぎない。
家族や友人から、「あなたは、強みを活かしたいの?活かしたくないの?どっちなの?」と言われるような、真逆のスタイルを取る必要があります。
真逆の成功法則⑤:分散・集中
ビジネスの成功法則:基本、集中。
資産運用の成功法則:基本、分散。
ビジネスにおける分散・集中
ビジネスの世界では、選択と集中こそが命です。
以下は、アメリカの鉄鋼王と呼ばれる、アンドリュー・カーネギー氏の言葉です。
「コーヒーの商人なら、コーヒーに専念せよ。
砂糖の商人なら、砂糖に専念して、コーヒーのことは放っておけ。
2つを一緒にするのは、コーヒーに砂糖を入れて飲むときだけだ。
鉄鋼を製造するなら、鉄鋼に専念して銅のことは放っておけ。
鉄鉱石を採掘するなら、それに専念してその他の鉱山については避けることだ。
だからこそ、1つの事業だけに完璧に精通しなくてはならないのであり、
有能な人はこれしかしないのだ。
2つの異なる事業を完璧に理解している人など、いまだかつて会ったことなどない。」
さらに、カーネギー氏は以下のような言葉も残しています。
上記の言葉こそ、まさに選択と集中を一言で言い表した言葉でしょう。
ビジネスの世界で成功している人は、基本的には一点突破です。
つまり、基本戦略が集中なのです。
資産運用における分散・集中
ビジネスでは集中が基本戦略ですが、資産運用の世界では、上記でカーネギー氏が触れていたように分散が基本戦略です。
- 株だけではなく、債券や不動産、コモディティ(金・銀)にも投資する。
- 1つの企業だけではなく、複数の企業に投資する。
- 1つの国の企業だけではなく、複数の国の企業に投資する。
しかし、資産を分散すると基本的にリターンは小さくなります。
高度に分散をすることで、リターンはせいぜい年3〜7%程度に落ち着くことが多いのですが、ビジネスでの成功者達は、この低利回りに耐えられないワケです。
そして、ビジネスの成功法則である集中を、資産運用の世界に持ち込んでしまうのです。
資産運用とビジネスの世界では、コントロールできるリスクが違いすぎます。
集中投資で財を築けるのはごく少数です。
長い目で見れば、100人に数人の天才や凄腕、もしくは運の良い投資家だけでしょう。
もし、資産運用でもビジネスでも再現性高く成功したければ、以下のスタイルを取る必要があります。
- ビジネスでは、集中投資。
- 資産運用では、分散投資。
家族や友人から、「あなたは、大胆なの?ビビリなの?どっちなの?」と言われるような、真逆のスタイルを取る必要があります。
まとめ:資産運用とビジネスの法則は真逆である
今回は、資産運用とビジネスの「真逆の成功法5選」を解説しました。
① 人脈と情報
- ビジネスの成功法則:基本、人を通じて、ここだけの話を手に入れる。
- 資産運用の成功法則:基本、人を介さず、オープンな情報を活用する。
② 価格と価値
- ビジネスの成功法則:価格に見合う価値(または価格以上の価値)を提供する。
- 資産運用の成功法則:高い価格に、高い価値を期待しない。
③ スピード感
- ビジネスの成功法則:最速でやる。
- 資産運用の成功法則:ゆっくりやる。
④ 好き・得意
- ビジネスの成功法則:好き・得意にとことんこだわる。
- 資産運用の成功法則:好き・得意にこだわりすぎない。
⑤ 分散・集中
- ビジネスの成功法則:基本、集中。
- 資産運用の成功法則:基本、分散。
また、解説中に「基本」という言葉をつけていたように、必ず真逆にしなければならないというワケではありません。
資産運用とビジネスのどちらも、同じスタイルで進めて成功する人も存在しています。
しかし、今回の記事で紹介した真逆の法則で進めた方が再現性は高いはずという話ですので、この点はご了承下さい。
そして、この真逆の法則に従って行動すると、脳は1つですが、2つの真逆の姿勢を持つことになります。
はたから見た時、皆さんはスジの通っていない二重人格者に見えるかもしれません。
家族や友人から、「何だよあいつ!言ってることがコロコロ変わってるじゃん!ブレすぎ!」と思わるかもしれませんが、むしろ正解ということです。
人間には、自分の言動・発信・態度・信念を一貫させたいと思う、「一貫性の原理」というものが働きます。
しかし、資産運用とビジネスという2つの世界で成功したいのであれば、一貫性の原理に逆らわなければいけません。
-
成功のルールが同じなら、同じルールを使う。
-
成功のルールが異なっているなら、それぞれにあった成功ルールを使う。
上記のような柔軟性こそが、成功を呼び寄せるのです。
たしかに、あらゆる場面で一貫している人はカッコよく感じます。
しかし、その一貫性やこだわりに意味がなく、むしろこだわりが失敗を招いているのだとしたらどうでしょうか?
皆さんには、各分野で正しい成功ルールを選べる人になってくれたら嬉しいとリベ大は思っています。
以上、こぱんでした!
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