「幸福の3つの資本」と聞いて、その3つが何かパっと答えられるでしょうか?
正解は、以下の通りです。
- 金融資本
→ お金や株式、土地などの財産。 - 社会資本
→ 人とのつながり、絆。 - 人的資本
→ 働いて稼ぐ力。
上記は、リベ大おすすめ書籍でも紹介している、作家・橘玲氏の「幸福の「資本」論」という本で紹介されている考え方です。
- 一生働かなくて良いだけの十分な金融資産がある。
- 愛する家族、仲の良い友人たちに囲まれている。
- 自分の好き・得意を生かした天職についており、感謝されつつ十分な報酬を得られる。
上記の状態になっていることを考えると、「そりゃ幸せだわ!」となるはずです。
しかしもう少し掘り下げて考えてみると、幸福でいるためには、もう1つ重要なパーツが必要ということに気づきます。
健康という土台がなければ、皆さんは以下のような状態になります。
銀行口座に入っている100万円を有効活用できない。
休日に公園で子どもと遊んだり、友人とサーフィンや登山を楽しんだりできない。
精一杯仕事に取り組めない。
つまり、幸福の3つの資本の下には、「健康」という土台があるというワケです。
そこで今回の記事では、「健康資産に投資するメリット5選」について解説します。
健康を資産と呼ぶ理由は、健康に「経済的価値」があるからです。
健康になることで、いくら収入が増え、いくら支出が減らせるのでしょうか?
リベ大らしく、お金に絡めて解説していきます。
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:コスパ最強!健康資産に投資
目次
解説動画:【お金になります】「健康資産」を維持・強化するメリット5選
このブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
健康資産に投資するメリット5選
結論からお伝えすると、健康資産に投資するメリットは以下の通りです。
- 生産性が向上する
- 自己肯定感が向上する
- 生涯医療費を削減できる
- 資産運用期間が延びる
- 働ける期間が延びる
メリット①:生産性が向上する
健康資産に投資するメリットの1つ目が、「生産性が向上する」です。
心身ともに健康でいると、仕事の質が上がり、結果的に収入も増えます。
以前、東京大学と日本臓器製薬が、以下のような研究結果を公表しました。
- 一生の間に、80%以上の人が腰痛に悩まされる。
- 腰痛による経済損失額は、年間約3兆円。
- 肩こりまで含めると、経済損失額は年間約6兆円。
(参考:朝日新聞デジタル「腰痛の経済損失は年3兆円 業務効率低下、東大など試算」)
皆さんの中にも、仕事をしている時に「あ~腰が痛いな~」「肩こりがひどくて集中できないな〜」という経験をした人もいるでしょう。
このような状態の時は、業務効率がとても低下しています。
会社員の人は、業務効率が低下したという実感を持ちづらいかもしれません。
なぜなら、肩こりに悩まされている状態で仕事をしても、元気な状態で仕事をしても、給料日になるといつもと同じ給料が振り込まれるからです。
成果が出ていないツケを、企業が負担しているだけです。
そして生産性の低い従業員は、長期的には人事評価で報いを受けることになります。
一方起業家やフリーランスは、体調の不良が収入に直結するワケです。
仕事をこなせばこなすだけ収入が増え、肩こりや腰痛で仕事が遅れれば遅れるだけ収入は減ります。
肩こりによる損失について、日本経済新聞には以下のような記事がありました。
肩こりなどの痛みを抱えて仕事がはかどらないことで生じる労働損失は、病欠コストより大きいともいわれる。
実は、病気になって働けなくなるコストよりも、肩こりや腰痛などの不調で仕事がはかどらないコストの方が大きいそうです。
産業医科大学の永田准教授らが4万人を対象に調査したところ、「不調が原因で仕事の能率が悪くなる」という労働生産性の低下を金額に換算した損失コストは、1人あたり月間約1万円になるとのことです。
つまり、体調不良が原因で年間12万円も稼ぎそこなっているともいえるワケです。
不健康による生産性の低下をナメていると、知らず知らずのうちにお金を失ってしまいます。
メリット②:自己肯定感が向上する
健康資産に投資するメリットの2つ目が、「自己肯定感が向上する」です。
皆さんは、「ルックスが良い人は、年収が高い」という話を聞いたことはありませんか?
1970年代、アメリカ人を対象にした以下のような調査結果があります。
容姿が下から15%に入る、つまり並に満たない評価を受けた女性は、容姿が並の女性より4%収入が低い。
容姿が上から3分の1に入る、つまり並を上回る評価を受けた女性は、並の女性より8%収入が高い。
男性の場合、容姿が並に満たない人は、容姿が並の男性より13%収入が低い。
容姿が並以上の男性は、並の男性より4%収入が高い。
→ 研究結果によると、容姿により生涯で家一軒分(約2,700万円)もの差が生じうる。
(参考:東洋経済ONLINE「ルックスによる生涯賃金格差は2700万円!」)
「人は見た目が9割」というタイトルの本があるように、残酷な現実があるワケです。
生まれ、容姿、教育、身体能力、知能など、世の中にはいろいろなところで「格差」があります。
生まれ持ってのことなので、自分ではどうしようもないことも多々あるでしょう。
もし皆さんが「健康資産」への投資に目覚め、筋トレやランニングなどを通じ、スーツや洋服がよく似合う「ナイスボディ」を手に入れられたらどうでしょうか?
見るからに健康的・爽やかな雰囲気で人と接することができたらどうでしょうか?
「自己肯定感」は、”当社比”でかなりアップするはずです。
自己肯定感がお金に影響するタイミングは、以下のように多々あります。
- 転職の面接で、給与交渉をする時。
- 契約を取るために、大事なプレゼンをする時。
- 取引先に、重要な交渉を持ちかける時。
健康や身体つきは、自信に影響を与える重要な要素です。
ハーバード大学のとある研究によると、2分間「強そうな姿勢(パワーポーズ)」をとるだけで、体内のホルモン分泌が変わるそうです。
例えば、下図のような「両手を腰に置いて胸を張るポーズ」や「手を頭の後ろに組んで椅子に寄りかかるポーズ」などがパワーポーズにあたります。
研究結果によると、パワーポーズをとることで、テストステロン(男性ホルモン)が20%増加し、コルチゾール(ストレスホルモン)が25%低下するそうです。
「再現性がない」「効果がない」との指摘もあるようですが、研究結果からは人間はなかなか面白い生き物ということが分かります。
この話、なんとなく同意できる人もいるのではないでしょうか。
例えば異性にアプローチする場面でも、自信を持っている人の方が成功率が高いということもあるでしょう。
健康資産に投資して良い身体を手に入れ、自己肯定感を高めて堂々と振る舞いましょう。
結果的に自信がつき、ストレスが減り、良い結果につながります。
健康資産への投資を怠ると、真逆の結果が待っています。
メリット③:生涯医療費を削減できる
健康資産に投資するメリットの3つ目が、「生涯医療費を削減できる」です。
そもそも、1年間で国民1人あたりにかかる医療費はどのくらいでしょうか?
正解は、約33万円とのことです。
そして生涯医療費の金額は、約2,700万円にもなります。
この金額は保険適用前のものなので、実際の自己負担額はこの1割~3割程度です。
以下のグラフは、年齢ごとの年間にかかる医療費を表したものです。
- 0歳~4歳は年間約20万円。
- 15歳~19歳になるまで、医療費は低下を続ける。
- 20歳~24歳から、また医療費が上がり始める。
- 再び年間約20万円を超えるのは、50歳くらい。
- その後医療費はグングン上がり、最終的には年間100万円以上になる。
65歳以降に発生する医療費にいかに備えるかというのは、ライフプランニング上の重要課題の1つです。
終身医療保険で備えたり、まとまった貯金を用意しようと考えたり、皆さんそれぞれの方法で対策しているのではないでしょうか。
しかし、遺伝的なことや突発的な事情を一旦置いておくと、「生活習慣」から来る病気は、健康資産への投資により、ある程度防げます。
もし健康資産への投資を効果的にできれば、医療費自体を数十万円~数百万円レベルでカットできるかもしれません。
日本は少子高齢化により、社会保険の弱体化が想定されています。
「早いうちから健康資産に投資して、生活習慣病を防ぐ」というのは、以下の点からも非常に価値の高い取り組みといえます。
自分の生産性や幸福度を高める
日本の財政を支える
家計に対する経済的なコスパが高い
メリット④:資産運用期間が延びる
健康資産に投資するメリットの4つ目が、「資産運用期間が延びる」です。
無限に複利シミュレーションをしてしまうのは、投資家あるあるといっても良いでしょう。
- 元手:300万円
- 年利:7%(外国株インデックスの平均的な利回り)
→ 30年間運用すると、約2,400万円になる。
ここで、皆さんが現在30歳だと仮定しましょう。
60歳で一区切りと考えるのであれば、上記シミュレーションの運用期間30年という設定に違和感はありません。
しかし今は人生100年時代といわれており、健康寿命もグングン延びています。
そこで次は70歳を一区切りに考えてみましょう。
先ほどと同様に、元手が300万円だったにもかかわらず、資産額は約4,900万円になりました。
皆さんは、さらに次のように考えるかもしれません。
特に後半の資産の増え方は、凄まじくなっていることが分かるでしょう。
これが、投資家あるあるの「無限に複利シミュレーションしてしまう」です。
さらに「年利7%から、少し保守的に5%にしてみるか…」や「毎月3万円の積み立てを加えたらどうなる?」というようなカスタマイズが入るのもお約束です。
結局皆さんにお伝えしたい点は、このようなシミュレーションには、「皆さんが生きている」という大前提が存在していることです。
アインシュタインが、「複利は人類最大の発明である」と言っただけのことはあります。
とはいえそのパワーを存分に生かすためには、皆さんが長生きするという大前提が必要です。
資産5,000万円を年利5%で運用すれば、250万円の収益を生み出します。
人生の後半においては、1年長く生きるだけで、これくらい大きな経済的メリットがあるワケです。
マネーリテラシーの高い人にとって「健康資産への投資」は、経済的に見て勝てる確率の高い投資になります。
メリット⑤:働ける期間が延びる
健康資産に投資するメリットの5つ目が、「働ける期間が延びる」です。
- 金融資本
→ お金や株式、土地などの財産。 - 社会資本
→ 人とのつながり、絆。 - 人的資本
→ 働いて稼ぐ力。
働いて稼ぐことは「自己実現」「承認欲求」と深いつながりがあります。
よって、好き・得意でやりたいことができるのであれば、「可能な限り働き続けられた方が幸せ」というワケです。
リベ大でお伝えしているFIREは、「会社や役所など、組織からのリタイア」という意味合いが強くなっています。
なぜならこのような場所では、本質的な意味において自由に働くことが難しいからです。
もちろん、「自由なんていらない!今の職場で100%満足している!」という人が、雇われで働き続けることを否定するワケではありません。
好き・得意な仕事が自由なやり方ででき、さらに人に喜ばれてお金までもらえるとなると、一生働きたい思う人も少なくないでしょう。
両学長は現在、ずっと夏休みに遊んでいる感覚で、「働いている感覚」がないと言っています。
しかし、皆さんが幸運にもこのような仕事に恵まれたとしても、本当に働き続けられるかどうかは分かりません。
なぜなら仕事ができるかどうかは、健康状態に左右されるからです。
以下2つの状況をイメージしてください。
- 健康資産に投資した自分の未来
→ 75歳まで働ける - 健康資産に投資しない自分の未来
→ 65歳まで働ける
働ける人は、この10年で3,000万円~5,000万円というレベルのお金を稼げます。
一方で働けない人は、この期間の収入はゼロになります。
健康資産に投資する・しないで、生涯賃金にここまで影響が出る可能性があるワケです。
人的資本というのは、皆さんが持っている最も重要な財産の1つです。
その人的資本の寿命を延ばすためには、健康資産への投資が必須です。
何もしないと貯金残高が増えないように、何もしないと健康資産も増えません。
まとめ:健康資産の重要性を認識して、長く健康でいられる身体を目指そう!
「肩こりなどの痛みを抱えて仕事がはかどらないことで生じる労働損失は、病欠コストより大きい」とすらいわれています。
肩こりや腰痛などの経済損失は、1人あたり月約1万円になるという試算もあるほどです。
まさに、健康資産を軽視したことによる「目に見えないしっぺ返し」といえるでしょう。
ルックスは、経済格差を生み出す要因の1つといわれています。
先天的なことはさておき、努力でどうにかできる余地もあります。
例えば自分を好きになれる身体を作れれば、自己肯定感が向上し、良い仕事ができるようにもなるワケです。
生涯医療費は、保険適用前の金額で約2,700万円というデータがあります。
健康資産に投資することで、生活習慣に関わる医療リスクを低下させることができます。
健康に気を付けることで、数十万円~数百万円レベルで、医療費の自己負担額を減らせるかもしれません。
複利のパワーを生かすには、資産運用期間を延ばすことが大切です。
寿命・健康寿命が延びれば、資産運用期間を延ばすことができます。
資産を蓄えた後は、運用期間を1年延ばすだけで、劇的に収益が増えます。
つまり健康資産への投資は、モトが簡単に取れる投資というワケです。
人的資本(働いて稼ぐ力)は、幸福度的な意味でも経済的な意味でも、非常に重要な意味を持つ資本です。
健康資産に投資すると、元気に働ける期間が延びます。
「良い仕事」がある人にとっては、ボーナスタイムの延長ともいえるでしょう。
今回の記事を読んで、次のように感じた人もいるかもしれません。
「健康が大事だなんて当たり前のこと、分かってるよ!」
「知りたいのは、健康にどうやって投資するかというノウハウだよ!」
今回は、「健康には経済的な価値がある」という点を、数字を交えながら捉えてもらえたら十分です。
このようにアンテナの感度を高めておけば、健康に関する情報をより広く・効果的に拾えるようになるでしょう。
現在リベ大は、皆さんの「健康資産」に貢献できるよう、ヘルスケア分野に進出しています。
2023年は、クリニック3つ、デンタルクリニック1つ、動物病院1つを開院する予定です。
また2024年以降も、すでにクリニック4つを開院する予定になっています。
またリベ大のオンラインコミュニティ「リベシティ」においても、「朝ヨガ部」など、健康を増進するためのチャットもあります。
他にもリベシティでは、スポーツ・健康に関する集まり(オフ会)もたくさん開催されています。
今後リベシティでも以下のような企画ができれば、もっと魅力的な街になると考えています。
- 週1〜2回オンラインのトレーニングに参加することで、実年齢より10歳若い肉体を維持できる。
- 肩こりや腰痛、栄養管理について、プロにいつでも相談できる。
リベ大・リベシティでは、ヘルスケアの側面からも、皆さんの収入アップ・資産アップに貢献できるような取り組みができるよう、これからも頑張っていきます。
日本経済新聞の「「肩こり損失」コスト増」という記事によると、日本は平均寿命が84.4歳と世界一の長寿国であり、コロナ禍でも寿命が延びた数少ない国です。
一方、健康状態が「良い」「とても良い」と答えた人の割合は、36カ国中で2番目に低いというデータもあります。
しかも健康状態が「悪い」「非常に悪い」という回答は、全体で5番目に多かったとのことです。
「健康寿命」という観点では、課題・延びしろがまだありそうというワケです。
健康はお金と違い、ハッキリ目に見えないため、つい疎かにする人も多いでしょう。
しかし幸福度や経済的な観点からも、健康ほど大切な資産は他にありません。
自分の身体という最大の資産を、しっかりメンテナンスすることが重要です。
以上、こぱんでした!
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