こんにちは、こぱんです!
リベ大では、経済的自由を達成するために大切な「お金にまつわる5つの力」について情報発信をしています。
▼図解で分かる「お金にまつわる5つの力」
もちろん、コンビニ経営が事業である以上、
上手に経営して成功する人
上手に経営できずに失敗する人
どちらもいるので、ケースバイケースであることは当然です。
しかし、一般論としては「コンビニ経営でお金持ちになるのは厳しい」と言えます。
そこで今回の記事では、以下の3つについて解説します。
- コンビニのフランチャイズの仕組み
- コンビニオーナーの年収計算イメージ
- コンビニ経営でお金持ちになるのが難しい5つの理由
▼図解で分かる「稼ぐ力」
- サラリーマンを続けて、お金持ちを目指すのか?
- フリーランスになって、お金持ちを目指すのか?
- 独自のビジネスで起業して、お金持ちを目指すのか?
- フランチャイズを活用して、お金持ちを目指すのか?
様々な選択肢を知ることで、自分に合った「お金持ちへの道」が見えてきます。
そして今回の記事を読み進めていくうちに、フランチャイズの厳しさが分かるはずです。
目次
解説動画:コンビニ経営で誰でもお金持ちになれるのか?「厳しい5つの理由」を解説
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
コンビニのフランチャイズの仕組み
まず初めに、コンビニのフランチャイズの仕組みを例を挙げながら簡単に説明します。
例えば、リベ大両学長が「リベ大コンビニを作りたい!」と考えたとします。
しかし両学長には、
コンビニの開業ノウハウがないし
→どこの立地で、どんな内装にしよう?
運営ノウハウもない
→どうやってバイトを募集しよう?
商品の仕入れ先もないし
→そもそも、どんな商品が売れるのか?
ブランド力もない
→リベ大コンビニなんて見慣れないお店にお客さんが来るのか?
こういった理由で、「ビジネスとして成功する見込み」が全然ありません。
そこで学長が「どうしたものか…」と悩んでいると、
- セブンイレブン
- ローソン
- ファミリーマート
といった、大手コンビニたちが学長の耳元でこのように囁きます。
「利益の数十%の分け前をもらえるなら、お手伝いしますよ…」 「うちのコンビニの看板をお貸ししますし、店舗の運営ノウハウもきっちり指導します。お互いにとって悪い話じゃないと思いますが、どうでしょう?」これが、フランチャイズ・ビジネスの仕組みです。
フランチャイズとは、“franchise”という英単語が由来で、「特権を与える」の意味があります。
そして「特権を与える者」を“franchiser”(フランチャイザー)と呼び、「本部」とも呼ばれています。
彼らの看板(ブランド)や商品力を借りることで、誰でもコンビニ経営が出来るようになるというワケです。
一方で、「特権が与えられる者」を“franchisee”(フランチャイジー)と呼び、「加盟者」や「加盟店」などと呼ばれています。
コンビニオーナーは、本部から様々な協力を受けて、商売を行います。
そして、儲けた利益の数十%を「ロイヤリティ」として本部に支払うのです。
そのため、コンビニ経営が上手くいけばいくほど、
コンビニオーナーは儲かり
本部はロイヤリティで儲かります
パッと見る限りでは、「対等な立場」での「Win-Win」なビジネスモデルに見えます。
しかしその実態は、本部が「主」でオーナーが「従」の「主従関係」であり、その間には、のび太とジャイアンぐらい力の差があるのです。
世界に誇るユニクロブランドを持つファーストリテイリングの業績は以下の通りです。
- 売上高:2.3兆円
- 営業利益:2,580億円
一方で、セブンイレブンの国内コンビニ事業の業績は、この通りです。
- 売上高:9,710億円
- 営業利益:2,570億円(!)
セブンイレブンの国内コンビニ事業は、柳井さん率いるファーストリテイリングの
半分以下の売上で
ファーストリテイリング並みの営業利益を
出しています。
では、いったいどこから莫大な利益を出しているのか。
2018年11月時点では、セブンイレブンの全コンビニのうち直営店はわずか1.9%であり、残りの98.1%はフランチャイズとなっています。
つまり、フランチャイズでお金持ちになれるのは、
コンビニオーナーではなく
本部
というワケです。
ここをしっかり理解しておかないと、地獄を見ることになります。
それでは、大前提のフランチャイズの仕組みを押さえたうえで、次はコンビニオーナーの年収計算の流れを紹介します。
コンビニオーナーの年収計算イメージ
ここでは、コンビニオーナーの年収計算の流れを紹介します。
大手コンビニの平均日販は、約50~60万円です。
そこで、1ヶ月の売上を1,700万円と仮定します。(おにぎりや雑誌を売って1,700万円稼いでいるということ)
そこで利益を出すためには、まず商品の仕入れにかかったお金をマイナスする必要があります。
商品の原価はモノによって異なりますが、トータルで見ると売上の約70%となるようです。
つまり仕入れ値は、「1,700万円×70%=約1,200万円」となります。
その結果、粗利は「1,700万円-1,200万円=500万円」です。
次に粗利のうち55%をロイヤリティとして「本部」へ支払います。
ロイヤリティ率は、契約内容によって千差万別です。
今回は「土地や建物」を本部に用意してもらえる一方で、ロイヤリティが高くなるケースを想定しています。
ロイヤリティは「500万円×55%=275万円」となり、結局オーナーの手元に残るのは、「550万円(粗利)-275万円(ロイヤリティ)=225万円」となるのです。
そして最後に、以下のような店舗運営費をマイナスしなければなりません。
- アルバイトの人件費
- 廃棄コスト
- その他雑費(トイレの備品など)
これらの店舗運営費は、売上の約10%が平均と言われているため、「1,700万円×10%=170万円」となります。
手元に残っている225万円から店舗運営費170万円を引くため、月収は「225万円-170万円=55万円」となるのです。
年収ベースだと600万円ほどですが、さらにここから社会保険料や税金が引かれます。
ここまでの流れを整理すると、以下のようになります。
項目 | 金額 | 計算方法 |
月の売上 | 1,700万円 | コンビニの平均日販は50~60万円 |
商品原価 | 1,200万円 | 売上の約70%(1,700万円×70%) |
粗利 | 500万円 | 売上-原価(1,700万円-1,200万円) |
ロイヤリティ | 275万円 | 粗利の55%(500万円×55%) |
店舗運営費 | 170万円 | 売上の約10%(1,700万円×10%) |
オーナーの月収 | 55万円 | 粗利-ロイヤリティ-店舗運営費(500万円-275万円-170万円-) |
「平均日販=オーナーの月収」と言われることもありますが、まさに、そのような数字になっていることが分かります。
現実には、
- 立地によって売上が違ったり
- 仕入れの原価率が違ったり
- ロイヤリティ率が違ったり
- 店舗運営費が違ったり
するため、オーナーによって年収はマチマチです。
例えば、もし最初から「土地や建物」を持っているコンビニオーナーであれば、本部に支払うロイヤリティが減るため、自分の月収も多くなります。
資本力
本部との交渉力
店舗運営のマネジメントスキル
こういった点によってオーナーの年収は変わってくるというワケです。
特に、
- 良い店長を見つける
- バイトを上手に育てる
といった人材面のスキルは、収益面でもオーナーの働きの面でも、非常に重要です。
コンビニ経営でお金持ちになるのが難しい5つの理由
そしてここからは、コンビニ経営でお金持ちになるのが難しい理由について解説していきます。
その理由は以下の5つです。
- 時間単価が低い
- 身体を壊しやすい
- 経営裁量が小さく、本部有利な契約内容
- 撤退しにくい
- 財布を握られている
それぞれ詳しく解説していきます。
理由①:時間単価が低い
先ほど、コンビニオーナーの年収が約600万円だと計算しました。
ネット上でも年収700~900万円ぐらいだと言われているため、大きな差はないように思います。
年収の数字“だけ”見ると十分に思うかもしれませんが、問題は「何時間働いて、この収入なのか」ということです。
実際、コンビニオーナーの多くは働き詰めであり、ある調査によると平均休暇日数は驚愕の月1.8日とも言われています。
加盟店オーナーが自ら店頭に立つことが常態化していることもあり、中には「時給換算するとバイトよりも時給が低い」と嘆いているコンビニオーナーもいます。
また、コンビニ経営の多くは家族経営で成り立っています。
「夫が12時間働いて、妻も12時間働く」こうしてシフトに穴を空けないようにしていることもあるようです。
つまり、平均年収700~900万円といっても、実態は「夫婦2人合わせた収入じゃないの?」というワケです。
さらに本部の人から、
「売上が安定するまで、子供を作ったらダメですよ」と言われることもあるようです。
- オーナー自身の労働力が重要
- しかし、時給は高くない
こういった状況で、お金持ちになるのは難しいと言えます。
理由②:身体を壊しやすい
経営者・自営業者は身体が資本です。
労働法で守られている会社員と違って、自分が倒れたら誰も助けてはくれません。
その点、コンビニオーナーは前述の通り「超長時間労働」であるため、身体を壊しやすいです。
「週7日勤務で1日12時間労働」といったケースも少なくありません。
「コンビニオーナーになってはいけない」という本の中で、飯塚さんという社会保険労務士の方が以下のような試算をしています。
コンビニオーナーは、
過労死の危険を感じながら働いている中央省庁の人よりも3倍の命の危険がある
国家公務員の9倍以上、ケガや病気をしている
実際にセブンイレブンは、
- 60歳以上の人
- 身体の悪い人
とは、フランチャイズ契約をしないそうです。
なぜなら「深夜に働いてもらうこともあるため、強靭な肉体を持っていないとダメ」だからです。
理由③:経営裁量が小さく、本部に有利な契約内容
コンビニフランチャイズには、以下のような魅力的な言葉がたくさん並んでいます。
- 本部とオーナーの「共存共栄」
- 夢の独立開業
- 一国一城の主
しかし、その実態は「強い本部」と「弱いオーナー」の主従関係です。
オーナーによるコンビニ“経営”とは名ばかりで、現実には「本部の意向」に逆らった経営は出来ません。
もちろん、
- 本部はどこか
- どんな契約か
によって異なります。
例えば、本部の意向の例として以下のようなものがあるようです。
仕入れの99%は本部の推奨品
お客さんが減るため張り紙禁止(「トイレを使う際はお声がけください」「防犯カメラ設置中」など)
※万引きによる損失はオーナー負担であるため、本部には関係ない
見切り販売をさせない(賞味期限が迫ったものを値引き販売させない)
※廃棄品が多い方が、本部の利益が増える仕組みになっていることも…(闇)
利益が残りやすい商品を優先的に販売させられる
一般的に経営者とは、
といったように、色々な工夫を行います。
しかしフランチャイズの場合、自分の名前でお店をする場合と比べて経営裁量が小さいです。
もし本部の意思に逆らうと「フランチャイズ契約解除しますよ?」と本部から言われてしまうため、逆らえない状況になっています。
一時期、「名ばかり管理職」「名ばかり店長」といった言葉が世間を賑わせたことがありました。
それと同じように、コンビニ経営者の中にも「名ばかり店長」になってしまっている人もいます。
こうなってしまうと、コンビニオーナーの実態は、雇用契約を結んでいない会社員だと言っても過言ではありません。
自己責任という名目で、リスクはしっかり押し付けられるけど
リターンの大半は本部が持っていく
こういった図式になっているのです。
これらの現実を踏まえて、「加盟店不利」な契約について公正取引委員会も目を光らせるようになってきています。
ミニストップの藤本社長は「(創業以来)40年間、適切な契約の改正をしてこなかったと反省している」と述べ、加盟店不利な契約の見直しを発表しました。
理由④:撤退しにくい
起業するときは「撤退」について考えておくことが非常に大切です。
小さく始めて
上手くいったら大きく育てて
失敗したら撤退する
これらが商売の原則です。
もし撤退が遅れてしまうと、再起不能の大ダメージを負うことになってしまいます。
この点に関して、コンビニ経営は非常に撤退しにくいとされています。
なぜなら、フランチャイズ契約は15年のように長い期間であることが多く、もし途中で辞めてしまうと、何百万円規模の違約金が発生するからです。
フランチャイズを募集している各コンビニは、
「自己資金100~300万円で開業できます!」と言いますが、そんな少ない資金で、なぜ開店直後のコンビニの商品棚に商品をギッシリ並べることが出来るのでしょうか。
コンビニのフランチャイズ契約は、
失敗しても、最初のお金を失うだけでなく、
失敗したら「借金」と「違約金」で首が回らなくなる
こういった類のものです。
そのため、本部も脅しのように、
「短期間で辞めたら、保証人に迷惑をかけますよ…」と言ってくるというワケです。
コンビニ経営は一度始めると撤退しにくく、「上手くいかないとき」の自由裁量がありません。
上手く日販が伸びてくれれば良いですが、万が一経営に失敗したら「お金持ちへの道」は一気に遠のいてしまいます。
理由⑤:財布を握られている
実は、「コンビニの売上は、オーナーが自由に出来るもの」ではありません。
典型的なフランチャイズ契約では、コンビニの売上は一旦、全て本部に送金することになっています。
そこで、本部の計算によって、
- 仕入れにかかった代金がマイナスされて
- ロイヤリティも控除されて
残った金額がオーナーのものになるのです。
ここで、もしオーナーの手取りがたくさんあったとしても、「オーナーが自由に引き出せる金額は30万円」といった制限がかかることもあります。
こういった制限は、以下のような理由から設けられているようです。
- 本部への借金が残っている
- 売上は月によってブレる(赤字になった時の補填が出来るように)
本部としては、コンビニオーナーが煩雑な経理処理から解放されて、しっかりと資金管理できるようになるというメリットがあると言っています。
確かに、それらも一理あるかもしれませんが、リベ大両学長は「財布を握られた経営なんてありえない!」と話していました。
しかし、フランチャイズの仕組みが「しっかりしている」からこそ、全国のコンビニが右肩上がりで増え続けてきたことも事実です。
もし、
- 本部の一人勝ちで
- 加盟者が全く儲からない
といった仕組みであれば、新しい参入者はいなくなってしまいます。
参入者がいるということは、参加者にもメリットがあるワケです。
- 「コンビニ経営の闇」といった話が盛り上がったり
- 裁判になるレベルのトラブルが多かったり
している業界ではありますが、コンビニ一揆が起きて、全国のコンビニが閉店するといったことにはなっていません。
しかし、「お金持ちになれるかどうか?」といった視点から見ると、「期待できない」と言えます。
なぜなら本部によって「管理」されているからです。
まとめ:コンビニ経営で生活は出来るが、お金持ちになるのは難しい
今回の記事では、「コンビニ経営でお金持ちになれるのか?」について解説してきました。
そもそもフランチャイズとは、以下のような契約です。
本部が、加盟店に「ブランド」や「ノウハウ」を提供
加盟店が、本部に対して「ロイヤリティ」を支払う
そして、コンビニオーナーの年収は、このようなイメージで計算されます。
項目 | 金額 | 計算方法 |
月の売上 | 1,700万円 | コンビニの平均日販は50~60万円 |
商品原価 | 1,200万円 | 売上の約70%(1,700万円×70%) |
粗利 | 500万円 | 売上-原価(1,700万円-1,200万円) |
ロイヤリティ | 275万円 | 粗利の55%(500万円×55%) |
店舗運営費 | 170万円 | 売上の約10%(1,700万円×10%) |
オーナーの月収 | 55万円 | 粗利-ロイヤリティ-店舗運営費(500万円-275万円-170万円-) |
ざっくりですが、「平均日販=オーナーの月収」といった感じです。
そしてコンビニオーナーになることでお金持ちが遠のく理由は以下の5つでした。
- 時間単価が低い
- 身体を壊しやすい
- 経営裁量が小さく、本部有利な契約内容
- 撤退しにくい
- 財布を握られている
どれも言葉通り、致命的な要素です。
「昔と比べたら良くなっているよ!」 「すごく儲けているオーナーもいるよ!」といった声があるのも承知していますが、フランチャイズにトラブルが多いのも事実です。
今では生活のインフラとも呼べるコンビニですが、24時間いつでも使える背景には、
本部の人たちが長年かけて作り上げた道理的なシステム
コンビニオーナーの血のにじむような努力
があります。
そういった背景があるなかで、「コンビニオーナーはお金持ちになりにくい」といった情報発信をするのは、気が引ける部分もあるのですが、正直に解説しました。
本部には本部の事情が、オーナーにはオーナーの事情があるのは重々承知していますが、コンビニの存在が多くの生活を支えているのも事実です。
以上、こぱんでした!
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140万部発行された、「お金の大学」。
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