こんにちは、こぱんです!
みなさんは投資の世界にある「相場格言」を知っていますか?
例えば、2つの有名な相場格言がこちらです。
- 「人の行く 裏に道あり 花の山」
→儲けたければ、他人と違うことをしなさい
- 「もうはまだなり まだはもうなり」
→株価がもう底と感じる時は底ではなく、まだ下がると感じる時はすでに底
どちらも自分が良いと考える判断はアテにならない、ということを意味しています。
「セルインメイ(Sell in May)=株は5月に売れ」
セルインメイは有名な相場格言なので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
一方で、セルインメイは勘違いされがちな相場格言でもあります。
そこで今回は、セルインメイという相場格言について2つのことを解説していきます。
- セルインメイの本当の意味とは?
- セルインメイは正しいのか?
目次
解説動画:株は5月に売れ(セルインメイ)は正しいか?
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
セルインメイの本当の意味とは?
セルインメイ(Sell in May)、つまり「株は5月に売れ」ということから勘違いされている意味がこちらです。
- 5月に株を売れ=5月に株価が下がる
- 株価が下がるなら、先に売り逃げしたほうが良い
では、本当に5月に株価は下がるのでしょうか?
過去30年における5月のダウ平均株価、日経平均株価の上昇、下落をまとめた結果がこちらです。
- ダウ平均株価→上昇60%、下落40%
- 日経平均株価→上昇、下落ともに50%前後
過去のデータでは、5月に株価が下落しやすいという傾向はみられませんでした。
ダウ平均株価にいたっては、株価が上昇する場合が多かったことも分かりますね。
Sell in May and go away, and come on back on St. Leger’s Day.
(5月に売却したら、セント・レジャーズ・デイまで戻ってくるな)
セント・レジャーズ・デイは9月第2土曜日のことで、イギリスで大きな競馬レースが行われる日です。
そして、セルインメイの本当の意味をまとめると以下のようになります。
- 春、株高の5月に売れ
- 夏、株式市場が盛り上がらない6~8月は何もするな
- 秋、9月第2土曜日以降に株を買え
「5月は株価が下落するから売れ」という勘違いは、正反対の意味だったことがわかります。
セルインメイは正しいのか?
セルインメイの本当の意味は分かりましたが、果たしてその意味は正しいのでしょうか?
春は株高になりやすいと言われていますが、根拠は定かではありません。
- 企業の決算スケジュールが関係しているとか
- ヘッジファンドの動向が影響しているとか
夏は「夏枯れ相場」とも言われており、株式市場は盛り上がりません。
実は1年で最も取引参加者が減る時期が夏なのです。
日本だけでなく世界全体も以下のように休みが多く、相場への関心が低くなるためですね。
- 日本→お盆休み
- 海外→避暑地へバカンス
秋~冬はハロウィン効果と呼ばれるアノマリーがあり、株高になりやすいと言われています。
アノマリーとは、合理的な理由は分からないけれど「なぜかそうなる」という謎の法則のことです。
セルインメイを過去のデータから検証する
では、セルインメイに従って投資を繰り返すと本当に儲かるのでしょうか?
そこで、10月に買って、5月に売るという戦略で30年間投資をした場合のデータをみてみましょう。
- 日経平均株価の場合→勝率60%、平均リターン約5.2%
- ダウ平均株価の場合→勝率87%
ダウ平均株価の勝率が異常に高いですが、米国株式市場は基本的に右肩上がりということも考慮しておきましょう。
また、Twitterでなのなのさん(@nano_nano2001)がセルインメイに関するグラフを公開していました。
半年ごとに算出している、投資時期アノマリーに関するデータを更新しましたの。
【日経平均・資産率】
・10月終値で買い⇒ 4月終値で売る場合:321%
・4月終値で買い ⇒10月終値で売る場合: 38%
・売買をせずにずっと保有していた場合:116% pic.twitter.com/0bRYa13yLi— なのなの@けんぎょう投資家 (@nano_nano2001) May 3, 2020
日経平均株価を1992年から分析しても、明らかにセルインメイが有効に機能していることが分かります。
逆にセルインメイとは反対の戦略では、ひどい成績になるということも興味深いですね。
ただ、対象のデータ、分析期間によって結果は変わるため注意しましょう。
- 対象データ:ダウ平均株価、S&P500、日経平均株価、TOPIX、その他の株価指数など
- 分析期間:いつから、いつまでを分析するか
セルインメイを盲信するのではなく、あくまで「そういう傾向がある」と理解することが大切ですね。
また、セルインメイ以外にも「儲かる謎の法則」というアノマリーはたくさんあります。
ですが、みんなが気づいた時点で、その有効性が失われることが多いです。
セルインメイから考える現在の株式相場
2020年5月の株式相場は、様々な問題を抱えているにも関わらず少し株高です。
コロナウイルスが実体経済にダメージを与えている
米国では感染者数の減少トレンドが未だに見えない
米中貿易摩擦の問題も再燃しかけている
2020年3月23日にダウ平均株価が底値(18,591.93ドル)をつけてから、多くの人が「2番底」を警戒しています。
2番底:景気悪化や株価暴落によって、株価が大きく下落する。その後しばらく上昇が続き、再度株価が大きく下落して底を打つこと。
しかし2020年5月時点で、株価は一本調子で回復を続けています。
リベ大としては5月の株価は高めであり、夏にかけて一旦下落するのではないかと考えています。
そのため、投資手法に合わせた以下のような運用が良いでしょう。
- インデックス投資→そのまま継続
- 高配当株投資→控えめに資金投入
インデックス投資は投資のタイミングを考える必要がないため、セルインメイを気にする必要はないです。
その他の投資をしている場合は、セルインメイを少し意識するとリターンの改善に役立つかもしれません。
なお、最新の相場状況は、YouTubeチャンネルの高配当株ランキングにある「毎月の投資トピック総まとめ動画」を参考にしてみてください。
→ 【買い増し注意!】株式投資に役立つ2021年4月の投資トピック総まとめ
まとめ:大切なのはセルインメイの続きの言葉
セルインメイという相場格言は「5月に株価が下がるから、売り逃げしておこう」とよく勘違いされます。
実際のデータからも、5月に株価が下がるという明らかな傾向は確認できませんでした。
セルインメイの全文、ほんとうの意味は以下の通りです。
Sell in May and go away, and come on back on St. Leger’s Day.
(5月に売却したら、セント・レジャーズ・デイまで戻ってくるな)
- 春、株高の5月に売れ
- 夏、株式市場が盛り上がらない6~8月は何もするな
- 秋、9月第2土曜日以降に株を買え
初心者向けの株式投資をメインで扱うリベ大では、短期投資ではなく、中・長期投資の人が多いと思います。
その場合は以下のようなスタンスが良いですね。
5月に売る
5月は買いすぎないようにする
買いすぎないことで高値づかみを避けやすくなります。
未だ有効に機能している数少ないアノマリーの1つであるセルインメイ。
みなさんの投資手法に合わせて、少し意識してみると良いかもしれませんね。
以上、こぱんでした!
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