
個人事業主(フリーランス)のみなさん、こんにちは!前回に引き続き「いまさら聞けない税金の話」です。
サラリーマンと違って、個人事業主は「税金の逃げ道」が多いという性質を持っています。「逃げ道」というとなんだか物騒な物言いですが、この講座では合法のお話をします。
個人事業主として働くということはつまり、税金との戦いでもあります。一緒にしっかり学んでいきましょう!
- 【第1回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」基本の考え方編
- 【第2回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」家の支出を抑える編
- 【第3回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」保険の支出を抑える編
- 【第4回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」車の支出を抑える編
- 【第5回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」サラリーマンの税金編
- 【第6回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」個人事業主の税金編
- 【第7回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」投資をはじめてみよう編
- 【第8回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」投資商品を知ろう編
- 【第9回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」株と投資信託の基本編
- 【第10回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」不動産で騙されたくない編
目次
個人事業主の税金!その特徴を知ろう
ざっくりいうと、サラリーマン所得以外の所得は、すべて個人事業主の所得です。ハンドメイドでアクセサリーを作って自分で売った、なんて方は立派な個人事業主ですよ。
個人事業主とサラリーマンの税金に関する違いは多くありますが、一番わかりやすい大きな違いを先にご説明します。
サラリーマンは、「源泉徴収」という形で、毎月給料から税金を引かれてから、ふだんの生活費などにお金をつかうことができますよね。
一方、個人事業主は、源泉徴収がありません。そのかわり、1年間の儲けを年度末にまとめて計算する「確定申告」という作業をします。その確定申告のあとに、税金を払います。
つまりは、サラリーマンと個人事業主では税金を引かれるタイミングが違います。
そして、税金を先に引かれてしまうサラリーマンと違い、個人事業主は税金をコントロールしやすい立場だということです。
- サラリーマンと個人事業主では税金を引かれるタイミングが違う
- 税金が引かれてからお金をつかえるのがサラリーマン
- お金をつかったあとに税金を引かれるのが個人事業主
- 個人事業主のほうが税金をコントロールしやすい立場
税金をコントロールできる人になろう
同じ収入、同じ税率、同じ生活費のサラリーマンと個人事業主で、どのくらい手元に残る金額が違うのかを例で見てみましょう。
これはサラリーマンの所得が500万円で、税率を30%と仮定した場合の計算です。税率を払ったのちに、家賃や携帯代などを差し引くと、手元に150万円残りました。
これは個人事業主の収入が500万円で、税率を30%と仮定した場合の計算です。家賃や携帯代を経費として計上することで、所得が300万円になりました。その所得から税金を計算したので、手元に210万円残りました。
この通り、「経費」をしっかり計上し、税金をコントロールすることで、同じ出費や収入でも、手元に残る金額は変わってきます。
これはあくまで考え方の例です。実際にはサラリーマンにも控除のしくみはあるので、全くコントロールできないわけではありません。
しかし、毎月会社に税金を天引きされてしまうサラリーマンと比較すると、個人事業主のほうがコントロールしやすいということです。
(※詳しくは前回参照)
- 経費をしっかり計上することで、手元に残る金額が変わる
- 同じ収入・同じ生活費・同じ税率でも個人事業主のほうがお金が残しやすい
税金をコントロールする方法
税金は所得に対してかかります。売上ではありません。売上をあげるためには経費がかかります。
売上から、売上をあげるためにかかった経費を引いた金額を所得といいます。その所得に税金がかかります。
「わたしは1年でいくらほど売上をあげました。そのためにこんな経費がかかりました。」と、証明するために年度末に国に申請する作業を「確定申告」といいます。
確定申告とは
確定申告とは、1月1日〜12月31日までの1年間の儲けを確定し、翌年の2月16日〜3月15日の間に国へ申告することを言います。
以上が所得税の確定申告のかんたんな定義です。
なぜこんなことをしなければいけないのか、というとサラリーマンは毎月税金を源泉徴収で会社が勝手に引いて処理してくれますが、個人事業主はそうもいかないので、自分から申告しにいく必要があります。
図解:確定申告とは?
サラリーマン+副業はどうすればいいの?
最近は副業の流れがどんどん強くなっているので、働きながら副業をする人は多くなるでしょうね
会社からの給与所得とは別に、個人の事業所得がある場合は、給与所得は「年末調整」で経費を計上して、個人の事業所得分は「確定申告」で経費を計上します。
(※年末調整は前回参照)
サラリーマン+赤字の副業はどうすればいいの?
最近は副業をはじめる人も多いですね。初期投資がある程度かかる副業をはじめたら、その年は副業が赤字という人もでてくるでしょう。
たとえば、給与所得が年間300万円だとします。税率を仮に20%とすると、税金を年間60万払ったことになります。
一方、副業で今年は100万円赤字だったとします。
そうすると、あなたは給料300万−副業赤字100万で、損益の通算は200万円の利益ですよね。
でも、給料は勝手に税金が源泉徴収で天引きされているので、「300万の利益がある」という前提で、すでに60万引かれてしまっています。
これは、税金を払いすぎの状態です。
こういった場合は確定申告で赤字を申告します。
そうすると、払いすぎた税金が返ってきます(還付金)。
※赤字で確定申告を行った場合、会社の住民税が減ることで会社に副業がバレるリスクが高まります。
副業の赤字は繰り越せる
たとえば、あなたが1年目に300万円の赤字だったとします。
そして、2年目に600万円の黒字を出せたとすると、通常であれば2年目の「600万×税率」で計算されます。
しかし、1年目に赤字を申告しておくことで、その赤字を翌年以降の黒字に繰り越せます。
つまり、2年目は「(今年の黒字−去年の赤字)×税率」で計算できるので、「(600万−300万)×税率」となり、大きな節税になりますね。
- 一年間の利益や経費を国に申告する作業を「確定申告」という
- 個人事業主の所得があるのに確定申告をしないとペナルティがある
- サラリーマン+副業の場合は、年末調整+確定申告を行う
- 副業が赤字の場合は赤字を確定申告するとお金が返ってくる場合もある
- 副業の赤字は3年繰り越せる
まとめ
税金は高いです。税金をコントロールする立場になって、なんとか抑えないといけません。仮に税金で3割とられてしまうということは、1年におきかえたら約4ヶ月はタダ働きしてることになります。
個人事業主はある程度の所得までは税金がかからないように出来ます。なので、サラリーマンよりも2〜3割は手取りを増やすことができますので、自分の事業を持つことは非常に有利です。
次回以降では、具体的に副業や投資の話にはいっていきます。つまり、「お金のなる木」を作りはじめるときが来ました。
ここまでの回をよく読んでいただいて、まずは支出をおさえましょう。
そしてできた自由なお金をさらに増やす取り組みをご紹介しますので、今後ともお付き合いくださいませ。
- サラリーマンと個人事業主では税金を引かれるタイミングが違う
- 税金が引かれてからお金をつかえるのがサラリーマン
- お金をつかったあとに税金を引かれるのが個人事業主
- 経費をしっかり計上することで、手元に残る金額が変わる
- 同じ収入・同じ生活費・同じ税率でも個人事業主のほうがお金が残しやすい
- 一年間の利益や経費を国に申告する作業を「確定申告」という
- 個人事業主の所得があるのに確定申告をしないとペナルティがある
- サラリーマン+副業の場合は、年末調整+確定申告を行う
- 副業が赤字の場合は赤字を確定申告するとお金が返ってくる場合もある
- 副業の赤字は3年繰り越せる
おすすめの書籍
個人事業主の方や、これから副業をはじめようと思っているかたにおすすめの税金の書籍をご紹介します!
- 【第1回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」基本の考え方編
- 【第2回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」家の支出を抑える編
- 【第3回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」保険の支出を抑える編
- 【第4回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」車の支出を抑える編
- 【第5回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」サラリーマンの税金編
- 【第6回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」個人事業主の税金編
- 【第7回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」投資をはじめてみよう編
- 【第8回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」投資商品を知ろう編
- 【第9回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」株と投資信託の基本編
- 【第10回】貯金ゼロからはじめる「お金の増やし方講座」不動産で騙されたくない編