こんにちは、こぱんです!
コロナの影響で、人事領域にAIの導入が進むというニュースがありますね。
採用や人事評価など、色々なことに使えるAIが出てきているようです。
すでに、AIの活用は人事領域でも進んでいて、人事の要というべき以下の3つの業務にまで広がっています。
- 採用
- 教育
- 評価
朝日新聞社の全国世論調査によれば、AIに人事評価をされることに、8割近くの人が抵抗を感じているようです。
しかし、リベ大ではAI人事の導入に賛成しています。
なぜリベ大はAI人事に賛成なのかを含め、今回の記事では以下のことについて解説します。
- AI人事とは何か?
- AI人事についてのリベ大の見解
- AI人事の課題
目次
解説動画:会社員の運命がAIに左右される日が来るのか?
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
AI人事とはどんなもの?
AI人事は、大きく3つに分けることができます。
- ① 採用分野のAI人事
- ② 教育分野のAI人事
- ③ 評価分野のAI人事
① 採用分野のAI人事
採用分野のAI人事では、以下のような活用方法があります。
- 心理テストの結果分析
- エントリーシートの選別
- 記述式テストの採点
- ビデオ面接の合否判定
さらに最近では、以下のような評価・分析も出来るようになり、非常に大きな進歩を遂げています。
- ゲーム形式の行動評価
- 文章からの性格分析
コロナの影響で増えてきたビデオ面接では、
- 言葉の選び方
- 声のトーン
- 話す速度
- 内容
- 表情
などを判別するAIが実用化されています。
また、面接官側の評価傾向をチェックして、調整するシステムも実用化されています。
ソフトバンクでは、新卒採用の動画面接の評価に、以下のような内容で、正式にAIの運用を開始しました。
AIが合格判定→合格
AIが不合格判定→人間が確認
AIの運用により、選考作業の時間が70%削減できているようです。
IBMでも、AI活用で75%の時間削減が実現しているようなので、人手不足の強い味方になりそうです。
今後は、“人間の面接官には好かれなくても、AIの面接官には好かれる”という人材も出てくるかもしれません。
韓国では、すでに主力企業の約1/4がAI導入、もしくは導入を検討しているので、「AI面接塾」に大金を支払う就活生も現れているとのことです。
いずれ日本でもそうなる可能性は十分あります。
また、リベ大では、AIによるSNS分析を採用活動に活かす技術に注目しています。
この技術は、“応募者のSNS投稿をチェックしてその人の性格や傾向を調べる”技術で、これからは「個人で稼ぐため」だけではなく、「就職・転職のため」にもSNSが重要になりそうです。
② 教育分野のAI人事
教育分野のAI人事では、例えばチャットロボットが研修に使われ始めています。
- 新入社員に、社内制度を教える
- 営業マンに、製品仕様を教える
- カスタマーサポートの担当者に、お客様対応を教える
- 採用面接官に、質疑応答事例を教える
他には、従業員ひとりひとりの
- 所属部署
- 仕事内容
- スキルレベル
に合わせた学習コンテンツを選定・推奨するAIもあり、IBMでは実際に活用しています。
逆に、AIによる無慈悲なシゴキが始まる可能性もありますが(笑)
③ 評価分野のAI人事
評価分野のAI人事では、以下のような活用方法があります。
- 人事評価
- 賃金決定
日本的雇用の特徴のひとつである「年功序列」が崩れていくなら、年齢以外の要素(成果など)で従業員を評価する仕組みが必要になります。
人間がやると手間がかかる分野なので、「AIにまかせよう!」という発想は今後広がっていきそうです。
実際に
- 日本IBM
- 幸楽苑ホールディングス(ラーメンチェーン経営)
などで、人事評価や賃金決定にAIが活用されています。
㈱RevComm(レブコム)のMiiTel(ミーテル)というサービスは、電話営業や顧客対応をAIがリアルタイムで解析し、採点&フィードバックをするようです。
- 話す速度
- 会話のかぶせ率
- 沈黙回数
- 抑揚
- NGワード
「AIが人を正しく評価できるの?」と疑問を持つ人も多いと思います。
しかし、AIが「従業員の活躍の可能性」を判定し、8割を超える的中率を出したというニュースもありました。
AIは、もはや本人以上にその人のことを理解しており、高い確率で未来を見通せることが明らかになってきました。
ミーテルとは違うサービスですが、AI分析サービスでは以下のようなアドバイスの事例があります。
- 85%の確率で○年以内に辞めます
- 能力は高いですが、会社に対しての不満があるので、チームリーダーには向きません
- 能力は並みですが、○○な人と組み合わせたチームにすると相性が良いですよ
AI人事は3つの分野で今後も普及する見込み
以上見てきた通り、以下の分野ですでにAI活動を始めています。
- ① 採用分野のAI人事
- ② 教育分野のAI人事
- ③ 評価分野のAI人事
AI人事についてのリベ大の見解
ここまでAI人事について解説してきましたが、皆さんはどう思いますか?
そもそも、これから少子高齢化が激化する日本では、テクノロジーの力を使わないという選択肢はありません。
AIも道具の一種なので、使い方によって良くも悪くもなります。
だからこそ、早く取り入れて小さく失敗して、上手な使い方を学んでいくのが、良いのではないでしょうか。
小さく失敗していくことが大事だと思います。
採用にも、教育にも、評価にも、AI活用されそうな以下の3つの業務フローがあります。
- 業務フロー① 組織としての、目標・評価基準作り
- 業務フロー② 個人への当てはめ
- 業務フロー③ 結果の伝達
業務フロー① 組織としての、目標・評価基準作り
結論から言うと、目標・評価基準の設定は、AIに任せず、人間の手に残した方が良いと思います。
どういう人と働きたいか
どういう人に育てたいか
どういう人を評価するか
これは、人事部や経営層の魂を注ぐべき部分で、一番大切なところです。
なぜなら、これらは“会社の価値観、目的地をはっきりさせること”と同じだからです。
この部分をAI任せにしてしまうということは、会社の行く末をAI任せにしてしまうということです。
たとえば、成績良好な社員のデータをAIに放り込んで、“似たような人を採用する、育てる、評価する”というやり方にも、以下のような課題があります。
- 「今までうまくいっていた人」と同じような人を集めて本当にうまくいくのか?
- 具体的な評価基準がブラックボックスでいいのか?
業務フロー② 個人への当てはめ
ぜひAI活用をしたい業務フローが、個人への当てはめです。
業務フロー①で設定した「組織としての、目標・評価基準」を、個人へ当てはめて評価する業務フローは、人がやると以下の問題点がありました。
- 主観が入って公平になりにくい
- 手間がかかり過ぎる
主観が入って公平になりにくい
たとえば、あなたが上司として数名の部下を評価しないといけない場合、はたして1人1人を正確・公平に評価できるでしょうか?
もしかしたら半年前にミスをした部下の評価より、最近仕事でミスをした部下の評価を、つい低くしてしまうかもしれません。
逆に、自分と仲の良い部下の評価をつい良くしてしまうかもしれません。
手間がかかりすぎる
しかも、上司の評価が部下の人生を左右することもあるので、上司側も適当に評価するわけにはいきません。
その上評価する部下の人数も1人ではなく、何人か評価しなければいけないことも多いですよね。
なので、どうしても部下の評価に時間がかかってしまうのです。
しかし、これらの問題はAIに任せることでクリアできます。
業務フロー③ 結果の伝達
業務フロー②ではAIの活用を推奨しましたが、この業務フロー③「結果の伝達」は、ぜひ人間の手に残したい部分です。
AIに任せてしまうのは、どうにも愛がないからです。
AIに
「大変良く頑張りました」
「もう少し努力が必要です」
と言われても、ピンときませんよね。
愛を感じない伝えられ方だと、なかなか建設的に受け取れないと思います。
とはいえ今後、AIがさらに進化して、1人1人の嗜好に合わせて、姿や形を変えて、フィードバックする可能性もあります。
AI人事の課題について
これまで、AI人事の活用法について解説してきましたが、「今すぐ使えるね!」とはまだまだ言えない状況でもあります。
AI人事には以下の課題があります。
- 業績への影響検証はまだできていない
- 評価のブラックボックス化が問題になっている
- 個人情報保護の問題がある
- 差別を助長する懸念がある
AI人事の導入によって、業績にどう影響するか、検証はまだこれからの話です。
また、評価のブラックボックス化についても課題があります。
実際に、2020年4月には日本IBMの労働組合は評価基準の開示を求めて、東京都労働委員会に救済を申し立て中、という事例があります。
さらに、個人情報保護の問題もあります。
リクルートが就活生の内定辞退率を予測・販売して謝罪に追い込まれたこともあります。
4つ目の課題は、差別を助長する懸念があることです。
2018年、amazonではAIを活用した採用を取りやめました。
その理由は、女性を差別するAIが誕生してしまったためです。
AI人事は活用すべきだと思いますが、適切な運用に関しては、まだもう少し時間がかかりそうです。
まとめ:AIと「上手に付き合う」発想が必要
これからの世界では、AI人事の活用は避けられません。
特に日本の場合は、少子高齢化で人手不足になるので、AIと「上手に付き合う」発想がどうしても必要になってきます。
AIはあくまでも道具なので、世の中を良くするか悪くするかは、人間の使い方次第です。
包丁も料理に使えば便利ですが、人を刺せば凶器です。
AI人事については、まだまだ課題も多いし、色々感じることはあると思います。
ですが、以下の点を踏まえてAIと上手な付き合い方を考えていきましょう。
どういう目的で作られ、どう機能するのか?
どういう分野でなら、便利に使えるか?
どういう使い方なら、みんなが幸せになれるのか?
いつの間にか時代に取り残されないように、新しいテクノロジーについてきちんと学ぶことは非常に重要です。
一見、「自分の人生に関係ないことかな?」と思うことでも、思わぬところで経験が活かされることもあります。
これからもしっかり学び行動して、自由への道を歩んでいきましょう。
以上、こぱんでした!
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