こんにちは、こぱんです!
リベラルアーツ大学では、投資に関する様々な情報を発信していますが、中でもS&P500への投資をおすすめしています。
投資のスタイルは割安株投資や成長株投資など投資家によって様々です。
今回のS&P500に関しては、
- 割安株投資(バリュー)
- 成長株投資(グロース)
これら2つをどのように考えるかということが論点になってきます。
そこで今回は2つの投資スタイルを比較しながら以下の3つについて解説していきます。
- 過去10年間のバリューとグロースのリターン差について
- バリュー株投資がオワコンと言われる3つの理由
- 次の10年をどう考えるかのヒント
「バリュー投資に不安を抱いている」「自分の投資スタイルが決まりきっていない」という人は必見です。
そもそも「S&P500って何!?」という人は以下の記事を参考にしてくださいね。
目次
解説動画:【もはや時代遅れ?】割安株の惨敗とオワコンと言われる3つの理由を解説!
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
バリューとグロースの基本スタイル
割安株投資(バリュー)の基本スタイル
割安株投資(バリュー)とは、市場に「過小評価」されて割安になっている株に投資するスタイルです。
一般的には、
PER(株価収益率)
PBR(株価純資産倍率)
配当利回り
など特定の指標を基準にして割安かどうか判断しています。
そして「何か」が起きることで、「この企業って案外やるじゃん!」と市場の評価が見直されれば、一気に大きなリターンを獲得できるのです。
成長株投資(グロース)の基本スタイル
成長株投資(グロース)とは、売上や利益の成長性が高い市場の人気者に投資するスタイルです。
S&P500を構成する企業は、
地味で不人気な子(割安株)
キラキラ輝く人気者(成長株)
と明確に分かれています。
過去10年間でバリューとグロースの差はどれだけついたのか?
S&P500に含まれているバリュー指数とグロース指数、それぞれの過去10年間の成績を比べると、結果は以下の図のようになります。
赤線:グロース…10,000ドル→35,000ドル(年利14.30%)
青線:バリュー…10,000ドル→23,000ドル(年利9.28%)
このように過去10年間、ほぼ一貫してグロースの大勝利となっています。
セクター(業種)に関しても顕著な結果となっており、過去4年間で以下のように差が付きました。
赤線:ハイテク…10,000ドル→22,000ドル(年利26.51%)
青線:エネルギー…10,000ドル→5,000ドル(年利−16.26%)
このように、
- 成長性の高い人気企業か
- 成長性の低い不人気企業か
どちらに投資したかで見える景色が大きく違ってくることがわかります。
バリュー株投資がオワコンと言われる3つの理由
過去10年間の成績を見てわかるように、バリュー投資はオワコン扱いされています。
- バフェットですら市場平均に劣後
- 景気後退期でもグロースに劣後
- 財務諸表の限界
理由1:投資の神様のウォーレンバフェットですら市場平均に劣後
バフェットの投資スタイルは、バリュー投資寄りであることで有名です。
1965年以来、年率20%で運用しており、S&P500指数の年率10%を大きく上回っています。
今年2~3月のコロナショックでもバフェットは上手く立ち回ることができずに、投資家たちから失望されてしまいました。
今やバフェットが投資しているのは「時代遅れの企業ばかりだ」と指摘されているのです。
理由2:景気後退期でもグロースに劣後
リーマンショック以降、約10年にわたり相場は右肩上がりで、10年8ヶ月に渡る景気拡大は過去最長でバリュー株が輝くチャンスはありませんでした。
そんな中、ついにコロナの影響で景気後退期が到来。
バリュー投資家たちが笑うはずだったのですが、なんと大ダメージを受けたのはバリュー株の方でした。
以下のグラフのように、ナスダック総合指数というハイテク企業中心の指数はコロナショック前に値を戻すどころが、史上最高値を更新しているのです。
景気拡大期で強いのは、グロース
景気後退期で強いのも、グロース
これがバリュー投資がオワコンと言われる2つ目の理由です。
理由3:財務諸表の限界
バリュー投資というのは財務諸表の情報を重視しています。
B/Sを見ることで、その企業がどんな資産を持っているかがわかります。
たとえば、ディズニーランドが
総資産1兆円である
現金預金で3,000億円近く持っている
土地を1,000億円分持っている
こういった情報がわかるのです。
この場合の限界とは、
ブランド力
人材の優秀さ
といった「将来の収益性」に関わる重要な情報が財務諸表には載らないということです。
極端な例ではありますが以下の2つの事例では、どちらが将来の収益性が高いか考えてみてください。
- 敏腕経営者が以前の会社の右腕・左腕を呼び戻して資本金1,000万円で起業
- 会社員が脱サラして友達を2人誘って資本金1,000万円で起業
どちらの会社でも、この時点で財務諸表から読み取れるのは「資本金1,000万円の企業である」ということだけです。
以下の情報は財務諸表から読み取れないのです。
- 経営者の能力
- スタッフの力
- 過去の実績や未来への期待(ブランド力)
もはや、財務諸表の数値をベースに機械的な分析をしても意味がなくなりつつあるのです。
時代が進んで、ハイテク企業の魅力・可能性が財務諸表に載りきらなくなってきています。
ここで注意すべきこと!
財務諸表を読めるようになるに越したことはありませんので、ぜひ一度勉強してみましょう。
▼財務諸表を勉強するのにこの本がおすすめです!
次の10年をどうしていくべきか?
以上を踏まえて、次の10年間をどうしていくべきなのか、以下の2つのヒントを示していきます。
- 都合の良い期間だけでデータを切り取って判断しない
- 目移りしやすい人は、国際分散投資が無難
ヒント1:都合の良い期間だけでデータを切り取って判断しない
世の中には様々な投資対象・投資手法があります。
投資対象:株、債券、不動産、ゴールドetc…
投資手段:バリュー、グロース、米国株、日本株、国際分散etc…
長期にわたり、一貫して勝利し続けてきた「他の何にも負けない投資法」は存在しないのです。
どの投資手法であっても、良い時も悪い時もあります。
都合の良い時を切り取って、
これが正解
これは間違い
と断言することは難しいのです。
さきほど、以下のハイテクセクターがエネルギーセクターに大勝利しているチャートをお見せしました。
これは2017年~2020年の期間ですが、切り取り期間を変えてみると以下のようなチャートになります。
赤線:ハイテク
青線:エネルギー
2005年~2013年までの8年間は、一貫してエネルギーセクターがハイテクセクターを上回り続けていました。
上2つのチャートを見てわかるように、切り取る期間によっていくらでも印象操作が可能です。
後出しじゃんけんで、
- これが最強
- これはダメ
そう言うことは誰にでもできます。
米国株より、日本株が強い時もあるし
米国株より、新興国株が強い時もあるし
米国株より、全世界分散が強いときもあるし
米国株が非常に優秀な投資対象であるのは間違いないですが、必ず他の投資対象に勝てる「唯一の正解」かというとそんなことはありません。
ヒント2:目移りしやすい人は、国際分散投資が無難
投資に関するニュースというのは、
良いものを持ち上げて
悪いものをこき下ろす
ものであるため、常に「意志の強さ」を試されることになります。
しかし、今は成績が悪くても5年後、10年後にどうなっているかはわかりません。
去年のパフォーマンスが良かった投資対象・投資スタイルへ常に乗り換え続けていたら、いつか痛い目をみます。
これは過去の歴史からも学べることではあります。
もしそうであれば、国際分散投資が無難です。
国産分散投資とは、
どこの国が勝つか
どういうセクターが勝つか
どの企業が勝つか
どんな運用スタイルが勝つか
こういったことを一切予想しないで、人類の成長を享受するという投資スタイルです。
そのため「人類、世界経済は成長する」この前提だけを信じることができれば「どこが成長しても取りこぼしがない」ことになります。
その結果、腰を据えて資産運用のリターンを享受することができるのです。
これからずっと、
- バリューが永遠に負け続ける
- 厳選した高配当株が、確実に市場平均に劣後し続ける
ということにはならないでしょう。
一方で、今成績の良い米国株インデックスが将来、永遠に勝ち続けることにもならないでしょう。
- 都合の良い期間だけでデータを切り取って判断しない
- 目移りしやすい人は、国際分散投資が無難
まとめ:自分の信じるストーリーに則って「目的」に合った「手段」を
過去10年間、バリュー(割安株)はグロース(成長株)に負け続けてきました。
そしてバリュー投資がオワコンであると言われるようになってきています。このように言われる理由は様々ですが、以下の3つを紹介しました。
- バフェットですら市場平均に劣後
- 景気後退期でもグロースに劣後
- 財務諸表の限界
こういった現実を踏まえて、今後10年間どうしていくべきか?
それを考えるヒントとして、以下の2つをご紹介しました。
- 都合の良い期間だけを切り取って判断しない
- 目移りしやすい人は、国産分散投資が無難
なお、今回は米国市場について取り上げましたが、最後にひとつ参考情報をご紹介します。
それは日本で株式投資をやって、億万投資家になった人の投資スタイルは、
- 日本株
- 割安成長株(バリュー)
- 集中投資
という人が多いこと。
出来るだけ短い期間で
資産運用だけで
億万長者を目指したいのであれば、知っておいても良い事実だと言えます。
興味のある方は以下の書籍を参考にしてみてください。
以上、こぱんでした!
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