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会社員には逆風が吹いている
会社員に副業をオススメする理由はただ1つ。
日本の成長に期待できなくなってきたからです。
会社員の給与は25年前と変わらない水準
2012年以降、会社員の給与は上昇傾向にあります。
しかし、もっと長い期間で見てみると会社員の給与水準は25年前と変わらない水準であることが分かります。
(参考:JIJI.com「【図解・経済】平均給与の推移」)
今は、高度経済成長期のような「頑張れば誰でも報われる可能性が高い」という時代ではないのです。
最近の賃上げは、政府主導で行われてきたものですから、政治が変わればどうなるか分かりません。
日本は成熟国。超少子高齢化社会になっていることを考えると、右肩上がりの成長にはあまり期待できないでしょう。
社会保険料は増え続けている
収入が伸び悩むなか、ひたすらに右肩上がりを続けているのが「社会保険料」です。具体的には、年金保険料や健康保険料ですね。
このたった10年の間に、年収700万円の人の社会保険料は20万円も増加しています。20万円あれば家族で豪華な旅行に行けますね...
(参考:NIKKEI STYLE「所得別に試算 税と社会保険料、1000万円超で負担増」)
収入については今後伸びる可能性がまったくないとは言い切れません。一方で、社会保険料の増加は不可避です。それは、日本が超少子高齢化社会だからです。
若者が減り、老人が増えるというのは、そういうことなのです。日本に住む限り、この状況からは誰も逃れられません。
年金もほぼ確実に減る
今の現役世代が、伸びない給与・増える社会保険料に四苦八苦しながら、なんとか老後までこぎつけたとしましょう。
しかし、そこに安泰の老後はありません。
「年金受給額」が「現役時の収入」の何パーセントに当たるかを所得代替率と言います。現在の所得代替率は63%ほどですが、将来は51%程度まで減少すると試算されています。
金額でみると、夫婦2人の平均受給額は21.8万円から17.7万円にまで減少します。なんと、4.1万円もの減少です。
年間約50万円、20年受給するなら1000万円ものお金を失ったことになります。
この減少分を「個人で準備せよ!」という時代が来ているのです。
結論:好きなこと・得意なことを副業にして稼ぎ続けよう
この状況に対する有効な打開策がコレです。
好きなこと・得意なことを副業にして稼ぎ続けよう
もし、現役時に月5万円の副収入が得られれば、家計に年間60万円の余裕が生まれます。
- 貯金してもいい
- 投資してもいい
- 遊びに使ってもいい
そういうお金です。
なぜなら、「稼ぎ続ける」ことを前提にしているからです。老後になっても、年金の他に月5万円の副収入があれば生活にかなりの余裕が生まれます。
現在、国民年金の受給額は1人あたり約6.5万円です。40年間も保険料をおさめ続けてこの金額です。5万円という金額がバカにならないことがよく分かりますね。
もともと好きなこと・得意なことをやっているわけですし、時間は有り余っているのです。健康でさえあれば何の苦痛もありません。
好きなこと・得意なことで収入を増やすというのは、最強の対策なのです。
サラリーマンを助ける強力な武器。それが青色申告特別控除
青色申告特別控除とは
青色申告とは、確定申告方法の1つです。
確定申告とは、所得にかかる税金の額を計算・納付するための手続きです。所得とは、ひとまず「稼いだお金のこと」だと思ってもらえればOKです。
個人の所得の計算期間は1月1日から12月31日の1年間。確定申告書などの必要書類をそろえて、2月16日から3月15日までに税務署に提出します。
本来であれば所得税の納税は確定申告によって行うものです。しかし、会社員は「年末調整」という手続きによって納税の精算が済んでいるため、確定申告が免除されているのです。
そこをあえて、自分で確定申告することにメリットがあるんです。
青色申告という申告方法を使えば、なんと65万円分の「税金がかからない枠」をゲットできるのです。これを、青色申告特別控除と言います。
サラリーマンが副業して青色申告を活用するメリット
青色申告の最大のメリットは、税金がかからない「65万円」の枠です。
年収500万円の人がいたとします。この人が払っている税金/社会保険料は約110万円です。
年収565万円にアップしたとします。払う税金/社会保険料は約125万円です。
結局、会社員としての年収が65万円アップしても、手取は50万円しか増えていないということです。
ところが、副業で得た65万円の収入を青色申告すれば、65万円まるまる自分のものになります。これが、「税金がかからない65万円の枠」の意味です。
それだけではありません。青色申告を活用することにより、日常の生活費を「経費」にする余地が出てきます。これにより、さらに節税メリットが得られます。
そもそも、税金というのは次の算式で計算されます。
所得×税率
所得というのは、収入から経費を引いたものです。例えば、収入が100万円で経費が30万円だと
もし、PCを15万円で買ってそれを経費にするとどうなるでしょうか?

結果的には、PCを20%オフで買えたことになるわけです。
このように、副業をするために支払ったお金、例えば
- 住居費の一部
- 電気代の一部
- 副業に関連する書籍代
- 副業に使うPC代
- 副業のための通信費
などを経費にすることが可能です。
経費を使うことで、経費×税率の分だけ税金が安くなります。例えば、経費が50万円で税率20%なら、年間の節税額は10万円になります。
税金/社会保険料が取られ放題の会社員にとって、最強の味方になりえるんです。非常に重要なポイントなので、もう一度まとめておきます。
誰が青色申告特別控除を使える?
そもそもどんな人が青色申告特別控除を利用できるんでしょうか?
ズバリこういう人です。
- 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいる
- これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳している
- (2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出する
簡単に見ていきましょう。
まず、不動産所得というのは賃貸アパート等から得た家賃収入などのことです。地主・大家さんがもらってるお金ですね。
事業所得というのは「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などから得た所得」を言います。自分ではじめる副業はコッチですね。
非常に範囲の広い所得ですが、事業所得とされるかどうかの考え方にはポイントがあります。
営利性・反復性・常識的に考えて事業っぽいかどうかで判断します。要するに、
- お金儲けのためにやっていて、
- 一回きりじゃなくて何度も繰り返して利益を得ていて、
- 世間が見てもそれって商売だよねっていうもの
これがいわゆる「事業」になります。
要するに、結構あいまいなんです(笑)
年間20万円以上の収入を継続的に得ていれば、事業とする余地があると考えてもらってOKです。
最初は売上が低くても、今後伸びていくかもしれませんから、そこは「僕は事業主だ!」という気持ちでやっていきましょう。
青色申告の条件である②簿記による記帳や③財務諸表の作成・添付は、専用の申告ソフトを使えばかなり楽にできるようになっています。これは後述します。
確定申告って大変じゃないの?
青色申告特別控除を使うには、いくつかの手続きが必要です。
- 「開業届」を提出する
- 「所得税の青色申告承認申請書」を提出する
- 実際に確定申告する
「開業届」や「青色申告承認申請書」の記入は1時間もかかりません。税務署への提出も簡単に終わります。試行錯誤しながらでも半日あればすべて終わるでしょう。このへんの手続きは別途解説します。
とにかく、まったく難しくないということだけ覚えておいてください。
そして、難関に感じる確定申告ですが、これも今の時代だいぶ楽になりました。優秀な人達が素晴らしい申告ソフトを作ってくれているからです。サポートも非常に手厚いです。
たとえばMFクラウド確定申告などは、非常~に優秀なツールです。こういうソフトがなければ、気軽に副業をすすめるなんて出来ません。
昔は、帳簿も申告書も全部手書きだったんですよ...何十時間かかるのかと...今は良い時代です。
フリープランであれば利用料はずっと無料です。ちょっとでも副業に興味が出た方は、個人事業主になったつもりで、ユーザー登録して画面内容を確認してみてください。
このソフトが、会社員の未来を豊かにする「最強の相棒」になります。
簿記による記帳や財務諸表の作成も、自然とできるように設計されています。とはいえ、全く知らない状態から1人でこれと向きあうのはストレスになるでしょう。
登録してみたけど、やっぱり専門用語が多くて良く分からない!という人のために、今後わかりやすい解説記事を書いていこうかなと思っています。
最初は慣れずに苦労することもあると思いますが、メリットは計り知れません。
人生最大の支出は「税金/社会保険料」です。これをコントロールすることがお金持ちへの第一歩。
そして、あなたが育てた大事な副業は、転職をしても会社を辞めても決してなくなりません!
収入は増えて、節税にもなる。人生の安定に繋がりますよ~
結論:サラリーマンこそ青色申告特別控除を最大限活用せよ!
税金がかからないこと、経費が使えるようになることを考慮すると、副業で65万円強を稼いで青色申告することには年収100万円アップぐらいの効果があります。
裏を返せばそれほど税金や社会保険料の負担は重いのです。
最後に、もう一度この記事で伝えたかったことをまとめておきます。
好きなことで生きていくという言葉があります。大変に思うかもしれませんが、好きなことだけで生きていく必要はありません。
- 好きなことでこぢんまり稼ぐ
- うまくいったら規模を拡大する(別に拡大しなくてもいい)
こういう選択肢だってあるのです。
「会社員+副業」というのは、自由で楽しい生活を目指す第1歩になるかもしれないですね。