皆さんがリベ大で日々学んでいるように、リベ大両学長も日々「お金のノウハウ」を蓄積しています。
今回の記事は、両学長がインプットしたニュースの中から、お得なモノやトレンドを毎月ピックアップしてお届けする人気企画、「お金のニュース」です。
リベ大で紹介するお金のニュースは、以下のテーマに関係したものに絞っています。
- 年収アップ(転職、副業、起業ネタ)
- 貯蓄額アップ(節約ネタ)
- 投資(株式投資、不動産投資ネタ)
- 資産防衛(節税対策、詐欺にあわないための知恵)
今回は2024年の第8弾として、皆さんの資産形成に関係する重要なニュースを厳選しました。
「お金のニュース」は、以下のような人に向けた時間節約記事となっています。
「新聞を読む暇がない」
「ネット記事を見る時間がない」
「読んだけどよく意味が分からなかったから、解説してほしい」
毎月1本、このシリーズの記事を1年間読み続ければ、金融リテラシーが上がるネタを約100本も学べます。
コツコツと積み上げていくことで、毎月確実にレベルアップできるでしょう。
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目次
解説動画:【注目ニュース多数】2024年8月 学長が選ぶ「お得」「トレンド」お金のニュース Best7
このブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
【2024年 第8弾】お金のニュース
ニュース1:日銀利上げで株価急落
1つ目のニュースは、2024年8月2日のブルームバーグから、「日銀利上げで急落した日本株、長期的見通しへの投資家の期待変わらず」です。
日銀の利上げにより株価が急落!8年ぶりの下落率を記録したというニュースです。
日銀の利上げをキッカケにして、短期金利のBefore・Afterは以下のようになりました。
- Before:0.0%~0.1%
- After:0.25%
「そのうち利上げされるだろう」というのは分かっていたものの、このタイミングだと思わなかった人が多かったワケです。
この意味で、日銀の「市場との対話」は下手だったと言えるでしょう。
ちなみに利上げによって、以下のようなものに影響が出ると考えられます。
- 為替が円高になる
- 預金利息が増える
- 物価が下がる
- 住宅ローンの返済額が増える
ちなみに、実際に住宅ローンの変動金利が変わり、ローン返済額が変わるのは2025年1月頃でしょう。
なお今回の株価急落は、日銀の利上げだけが原因というワケでもありません。
アメリカで「景気後退入り」が懸念され始めていることも大きく影響しています。
- ISM製造業景況指数:46.8と過去8カ月で最低数値(50を下回ると景気縮小)
- 失業率:4.3%(予想:4.1%を上回る。雇用統計が弱い)
要は、不景気は来ないと楽観的だったところ、「あれ?ひょっとして不景気が来るのでは?」という雰囲気になってきたワケです。
リベ大でも、「円高・株安のダブルパンチで泣かないように、リスク管理には気をつけましょう」とお伝えしてきました。
今回のように、株式市場に「疑念」や「悲観」が生まれ、株価が急落する度に分かることがあります。
それは、「全員がインデックス投資で儲かる時代は一生来ない」という現実です。
なぜなら、
- 上がってる時はイケイケで買う一方、少し下がるだけで売ってしまう
- 直近の成績が、インデックスファンドよりも良いファンドがあれば乗り換えてしまう
という人が、むしろ多数派だからです。
投資の神様、ウォーレン・バフェット氏は次のように言っています。
株式市場は、「忍耐のない者」から「忍耐強い者」へお金を移転する装置である
今回も、忍耐のない者がお金を失い、(長期的に見れば)忍耐強い者にお金が移っていくということでしょう。
日本株にせよ米国株にせよ、今回のような時こそあらためて自問自答してください。
自分の投資先は、10年先20年先に希望が持てないものなのか?
自分はつまらないニュースに振り回されていないか?
自分は十分な忍耐強さを持っているか?
お金持ちになる確率を1%でも高めたいのであれば、見るべきものをしっかり見て、見る必要のないものは見ないスタンスをとりましょう。
見るべきものとは、投資先企業の業績や財務、そして自分の家の家計です。
見る必要のないものとは、毎日の株価の値動きや、不安を煽るSNSです。
なお記事では、ゴールドマン・サックスなどの投資家・アナリストによる以下のような見解も紹介されています。
長年のマイナス金利を経て日本の金融政策が正常化するのに伴い、企業の価格決定力と賃上げが経済成長を促進し、相場を下支えすることが見込まれるという。
(中略)
長期の基調的なファンダメンタルズは依然として良好だ。
この点に関しては、リベ大も同じような意見です。
ここから株価が下がっていけば、日本の優良高配当株を買いやすくなるだけの話です。
ちなみに株価は「先行指標」なので、これから業績が落ちてくる可能性もあります。
今のように投資家心理が悪化して株価が下がり、実際に業績も落ちてさらに株価が下がれば、正真正銘の阿鼻叫喚になるでしょう。
つまり、本物のバーゲンセール到来というワケです。
しっかりリスク管理・資金管理をしながら、引き続き淡々とやっていきましょう。
ニュース2:【史上最悪の暴落日】やっぱり“アノ人”は買ってました
2つ目のニュースは、2024年8月8日の現代ビジネスから、「日経平均「史上最悪の大暴落」の夜、個人資産800億円「伝説の投資家」が「必死にやっていたこと」」です。
2024年8月5日、日経平均株価が史上最大の下落幅となる−4,451円を記録しました。
あの日、個人資産800億円の伝説の個人投資家で、ベストセラー「わが投資術」の著者、清原達郎氏は爆買いしていたそうです。
記事の中から、清原氏の発言を引用します。
・(暴落の)最初の印象は、地球が終わるわけでもないのに何でこんなに下がるの?というもの。次に、なんとか買わなきゃ、です。
・証券会社には230億円の現金がある。とりあえずそれを全部使おう。さらに下がるようなら銀行の預金を証券会社に移さなきゃ。
・『どうして株価が下がったのか解説して欲しい』というメールが入っているのに気が付きましたが無視です。とにかく今は買い注文。
とにかく、「買うことしか考えてなかった」という点がよく分かります。
・(日銀を批判している経済番組のコメンテーターに対して)何をいってるんだか。私は日銀に拍手を送っています。たった0.25%の政策金利の上げで極端な円安を止めたんですからね。『あっぱれ』ですよ。
・今回の下げは実態のない雑音で日本の株式相場は戻ると思います。ある程度戻ってそれ以降は日本企業の実力次第ですが、自社株買いが続いているので株価が継続的に上昇する可能性が高いですね。
- 暴落で盛り上がっている人たちがいる
- プロでも未来は分からない
- インデックス投資家は、興奮も絶望もしてはいけない
順番に解説します。
暴落の日のSNSは、まさに阿鼻叫喚という状態でした。
皆さんの中にも、怖くなって保有銘柄を売りたくなった人も多かったのではないでしょうか。
なぜなら、以下の点を頭に入れて準備しているからです。
- 市場は必ず暴落すると分かっている(いつ起きるかは分からない)
- いつ暴落が起きても良いように準備している
人は想定外の事態に恐れおののくものです。
逆に言うと、想定内であれば落ち着いて動けます。
さらに、暴落を上手に利用すれば「儲けるチャンス」にもなり得ます。
皆さんも改めて、「余裕を持った投資」「リスク許容度の範囲内の投資」について考えていきましょう。
今回のニュースで、「清原氏の行動が全て正しい!真似しよう!」とお伝えしたいワケではありません。
直近で大きな暴落がやって来る可能性もあります。
今回のような相場では、たくさんの「損する人」が生まれる一方で、たくさんの「儲ける人」も生まれます。
皆さんも以下のような情報をたくさん見聞きしたのではないでしょうか。
このような話に釣られてはいけません。
長い目で見て、その人が本当に勝ち続けられる保証はありません。
リベ大から皆さんへのアドバイスは、「全部、“話半分”で聞く」「”この人についていけば助かる、儲けられる、は幻想”と知る」です。
投資において頼りにして良いのは、いつも自分だけだと肝に銘じましょう。
今回の暴落を経験して、多くの人が投資家として磨きがかかったはずです。
いろいろなことを経験しながら、投資家としての自分を強くしていきましょう。
暴落時にウキウキして立ち向かってる人が頼もしく見え、「自分も、暴落時に盛り上がって投資したい!」と感じた人もいたかもしれません。
原則は以下の通りです。
- 短期投資 = 投機(ギャンブル)要素強め
- 長期投資 = THE・投資。いつも冷静に淡々と
いつも淡々と行うべき長期投資において、激しい感情の浮き沈みは不要というワケです。
10年20年30年のスパンで見た時、目の前のイベントは全てが些細なことです。
インデックス投資家は、以下のような状態であり続けましょう。
- 投資に対して、過度な期待を持たない
- 投資に対して、過度な興奮をしない
- 投資に対して、過度な不安を抱かない
- 投資なんかで絶望しない
ニュース3:【株価下落で耐えきれず?】オルカンやS&P500から資金流出!新NISA後、初の試練に
3つ目のニュースは、2024年8月8日のQuick Money Worldから、「オルカンなど主要ファンドから資金が流出 7日の投信」です。
暴落が起きた8月7日、ファンドの資金流出が1,000億円を超えました。
2024年7月~8月は、以下のように米国株投資家にとって逆風が吹いた期間でした。
- S&P500:直近高値の5,667ptから約5,200ptへ、一時8.3%下落
- 為替:1$ = 160円付近から145円へ、9.4%下落
株安・円高のダブルパンチで、ピーク時と比べて資産が約17%減ったイメージです。
上記グラフの右端、8月7日のところが極端に下がっているのが分かります。
これはつまり、ファンドを解約した投資家が多かったということです。
ちなみにリベ大で紹介している2つのファンドに関して、資金の流出状況は以下のようになっています。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):226億円
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):78億円
新NISA開始以降、オルカンから1日で1億円以上の資金が流出するのは初めてとのことで、いかに大きな流出だったかが分かります。
インデックス投資には、以下のような特徴があります。
- 相場が上がる、下がるは読まない
- どの会社、業界が成長するかは読まない
- 15年や30年といった長期スパンで、人類の経済がトータルで成長すればOK
- 下げ相場には、全て付き合う(暴落を受け入れる)
- 上げ相場にも、当然全て付き合う
株式相場の歴史を振り返ると、上げ相場の期間(平均約5年)の方が、下げ相場の期間(平均約1年)よりずっと長くなっています。
そして、上げ相場の上げ幅の方が、下げ相場の下げ幅より大きいのも特徴です。
結局、下げ相場も含めて全部付き合うと、お金が増えるというワケです。
上記グラフは、
- 青線:投資し続けた場合
- 黄線:株価が最も上昇した5日間に投資をしなかった場合
という2つを比べたものになっています。
見て分かるように、たった5日の上げを逃しただけで、パフォーマンスに非常に大きな差が生じていることが分かります。
下落から逃げようとすると、上昇も取り逃してしまうというのが、お金を増やす一番の足かせになるというワケです。
最近の日経平均の暴落でも、大きな下落と大きな上昇がセットになっていました。
「インデックスファンドは、絶対に売らない」という信念を持って運用することをおすすめします。
今回のようなニュースがあると、SNSなどは以下のようなコメントで溢れます。
でも、こういった態度を取るのはおすすめしません。
先ほど「売ったらダメ」という点はお伝えしましたが、絶対に儲かるから言っているのではなく、儲かる可能性が高いから言っているワケです。
投資の世界は、いつも不確実。未来がどうなるかは誰にも分かりません。
「人類の株式市場の歴史を振り返ると、ここが最後の逃げ場だった」という可能性もゼロとは言えません。
- セオリー通りやれば絶対に儲かる
- 自分は絶対に損しない
自分は「売らない」選択をしたけど、他者が「売る」判断をしたことは尊重する。
なぜなら、結局のところ誰が正しいのかは分からないから。
というくらいの謙虚さは持っておきたいところです。
株式市場は、買う人と売る人が両方いて成り立ちます。
買う方は、「この値段で売ってくれるなら安い!買おう!」と思い、売る方は「この値段で買ってくれるならお得!売ろう!」と思っているワケです。
将来的に見てどちらが正しいかはさておき、お互い理由があって決断しているのです。
株式市場では、以下のようなものがゴチャゴチャになって取引が成立しています。
- 国籍、人種、年齢、性別
- 経験、スキル、資金力
- 価値観、投資スタイル
インサイダーや相場操縦など、いろいろな問題があるのも事実です。
しかし、この市場があるおかげで、
- 一般庶民にも、資産形成のチャンスがある
- 起業家は、一攫千金を夢見て起業できる
という具合に、経済がイイ感じで回っているワケです。
このような世界で、他の取引参加者がすることをバカにするのは、相手の判断を尊重せず、市場の仕組みを理解していないようなものです。
結局、市場に敬意を持って接する方が、イイ距離感でお金とも付き合えるでしょう。
リアルでも株式市場でも、やることは同じです。
- 相手の考えを尊重する
- 自分は、自分の考え・行動を良くすることに集中する
油断せず、慢心せず、人をバカにせず、自分のより良い未来に向かって、一歩ずつ進んでいきましょう。
ニュース4:【超重要】暴落時に落ち着いて確認すべきこと
4つ目のニュースは、2024年8月9日の日本経済新聞から、「上場企業の純利益10%増 4〜6月、円安・AIが支え」です。
日本の上場企業、4〜6月の業績が好調というニュースです。
2024年8月5日に日経平均株価が歴史的大暴落を記録しましたが、このような時に落ち着いて確認すべきことがあります。
- 今、企業が儲かっているかどうか
- 今後、企業はどれぐらい儲かるのか
という点を確認する必要があります。
企業の儲けが大きい一方で、株価だけが下がっているとしたら、ものすごいチャンスというワケです。
- 【左上】業績が上がり、株価も上がっている
→ 普通の状態で割安感なし - 【右上】業績が下がっているのに、株価が上がっている
→ 割高なので買いたくない - 【右下】業績が下がり、株価も下がっている
→ 普通の状態で割安感なし - 【左下】業績が上がっているのに、株価が下がっている
→ 割安感があるので買いたい!
上記内容を踏まえて、今回のケースを見てみましょう。
2024年4月~6月の日本企業の決算は、以下のようになっています。
- 純利益の増益率は、前年同期比10%増
- 3四半期連続の増益
つまり、しっかり儲けているワケです。
東証プライム上場企業は、2024年3月期まで3年連続で最高益を更新している状況です。
そこから今年に入ってまだ増益しているので、良い業績が続いていると言えるでしょう。
4月〜6月期の平均レートは「1ドル = 約156円」と、前年同期比で約20円の大幅な円安という状況でした。
これが輸出企業がガッポガッポ儲かる要因になりました。
逆に言えば、円高が進めば業績悪化の要因になります。
為替以外の要因では、AI関連のビジネスが好調です。
相場を引っ張る新しいテーマがあるというのは、株式市場にとっては良いことです。
上記グラフの赤い線は、TOPIXの予想EPS推移を表しています。
※EPS=1株あたり純利益
「専門用語は分からない!」という人も、とりあえず数字だけ見てください。
2014年は100円を切るくらいだったところ、2024年は180円を超えるところまで来ています。
これの意味するところは、日本の上場企業の稼ぐ力が、この10年で2倍近くになったということです。
今回の株価暴落は、上記表の左下部分に該当するため、買い向かいやすかったことになります。
なぜなら、業績が好調な中での株価下落だったからです。
コロナの時は、今後企業の業績がどうなるのか全く読めなかったので、株価が下がっても安易に買うのが難しい状況でした。
- 大災害があったワケでもない
- 金融ショックが起きたワケでもない
- 戦争が起きたワケでもない
- パンデミックが起きたワケでもない
今回は日銀の利上げに伴う、投資家たちのポジション整理のような下落でした。
暴落時に自信を持って買いにいけるかどうかは、「企業の業績イメージがどれだけアタマに入っているか」が大きく影響します。
ある程度業績を見られるようになると、インデックス投資家は暴落時に狼狽売りをしなくなり、アクティブ投資家も良いタイミングで良い銘柄を買えるようになります。
企業業績、ある程度は把握しておきましょう。
ニュース5:【2年3か月ぶり】ついに実質賃金がプラス!でも?
5つ目のニュースは、2024年8月7日の日本経済新聞から、「実質賃金、6月プラス転換」です。
2年3カ月ぶりに、実質賃金がプラスになりました。
大事なニュースなので、基本的な点から解説していきます。
実質賃金というのは、「物価変動を考慮した賃金」のことです。
皆さんが会社から毎月もらう給料は、「実質賃金」ではなく「名目賃金」です。
「名目賃金が毎月100万円増える」と聞いて、皆さんはどう感じますか?
金融リテラシーの高い人は、「物価の状況が分からないと、答えようがない」と回答します。