![【2024年 ⑪】両学長が選ぶ「お得・トレンド」お金のニュースBest7](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/0897d705dcdebd681b84d6dec2f3afcc.png)
皆さんがリベ大で日々学んでいるように、リベ大両学長も日々「お金のノウハウ」を蓄積しています。
今回の記事は、両学長がインプットしたニュースの中から、お得なモノやトレンドを毎月ピックアップしてお届けする人気企画、「お金のニュース」です。
リベ大で紹介するお金のニュースは、以下のテーマに関係したものに絞っています。
- 年収アップ(転職、副業、起業ネタ)
- 貯蓄額アップ(節約ネタ)
- 投資(株式投資、不動産投資ネタ)
- 資産防衛(節税対策、詐欺にあわないための知恵)
今回は2024年の第11弾として、皆さんの資産形成に関係する重要なニュースを厳選しました。
「お金のニュース」は、以下のような人に向けた時間節約記事となっています。
「新聞を読む暇がない」
「ネット記事を見る時間がない」
「読んだけどよく意味が分からなかったから、解説してほしい」
毎月1本、このシリーズの記事を1年間読み続ければ、金融リテラシーが上がるネタを約100本も学べます。
コツコツと積み上げていくことで、毎月確実にレベルアップできるでしょう。
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目次
解説動画:【知ると差がつく】2024年11月 学長が選ぶ「お得」「トレンド」お金のニュース Best7
このブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
【2024年 第11弾】お金のニュース
ニュース1:【要注目】年収103万円の壁は変わるのか?
![](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/202411-18.png)
1つ目のニュースは、2024年11月4日のJBpressから、「いったい誰得?国民民主党の「103万円の壁」引き上げでもパートの働く意欲は高まらない」です。
国民民主党が掲げる「103万円の壁」の解消が実現するかが注目されています。
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:どうなる!?年収103万円の壁
きっかけは、10月27日に行われた衆議院選挙です。
![](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/202411-1.png)
(出典:NHK「衆議院選挙2024特設サイト」)
与党(赤色)が大敗し、過半数を割ってしまったことが分かります。
これでは、国会の多数決において、与党だけで勝つことができません。
つまり自民党・公明党は、野党の説得・協力なくして政策を通すことができなくなったワケです。
そこで自民党・公明党が目をつけているのが国民民主党。
政策が似ている部分があるため、「お互いに協力してイイ感じでやっていきましょう」と声をかけている状況です。
その国民民主党の掲げる公約が、
- 国民の手取りを増やす
- (具体的には)103万円の壁を解消する
というものです。
与党は、自分たちの政策を通すために国民民主党に協力を求める一方で、国民民主党の政策を通すために自分たちも歩み寄ろうとしています。
つまり「103万円の壁解消」は、それなりに可能性がある話になりました。
「ついに変わるタイミングが来たのか?」ということで、注目度がどんどん高まっている状況です。
ここで「103万円の壁」の基本を押さえておきましょう。
以下の図をご覧ください。
![](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/202411-2.png)
(出典:JBpress「いったい誰得?国民民主党の「103万円の壁」引き上げでもパートの働く意欲は高まらない」)
基礎控除48万円、給与所得控除55万円を合わせると103万円になります。
これらの控除があるおかげで、103万円まではお金を稼いでも所得税が一切かかりません。
ちなみに、「扶養控除」や「配偶者控除」など他の控除まで含めて考えると、以下のような4人家族の場合、
- 夫
- 専業主婦
- 16歳の子ども
- 70歳の親(同居)
夫はざっくり年収240万円(月20万円)までは所得税がかからない計算です。
なぜこのような「控除」があるのかというと、憲法が定める「生存権」を反映しているからです。
憲法には、『すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』と書いてあります。
政府がコレを実現しようとすると、「これくらいの年収までは税金かけたらダメだな…」という最低ラインを設定する必要があるワケです。
このような背景を押さえておくと、「控除の額が昔から同じなのはおかしい!」ことに気づけるでしょう。
今このタイミングで見直しの話が出てくるのは、至極当然の話です。
制度を決める人たちには、しっかり話し合ってもらいましょう。
仮に103万円の壁が178万円まで拡大した場合、基本的に皆さんの手取りは増えます。
年収によって、どのくらい手取りが増えるかを見ていきましょう。
- 200万円 → 手取り8.6万円UP
- 500万円 → 手取り13.2万円UP
- 1,000万円 → 手取り22.8万円UP
「〇〇万円の壁」という言葉には、実は2つの意味があります。
- 「所得税がかからない」ラインを示す壁。
- 「社会保険料がかからない」ラインを示す壁。
今回の103万円の壁は、所得税がかからないラインの話です。
仮に103万円の壁を178万円に拡大したとしても、社会保険料の話も考えなければなりません。
社会保険料の方で「130万円の壁」が残っていれば、そのラインで収入を稼ぐことをやめる人も出てくるでしょう。
そこで、「社会保険料の方はどうするの?」という指摘が出ているワケです。
基礎控除を75万円拡大して「178万円の壁」にした場合、国と地方を合わせて7兆円~8兆円の税収減が見込まれています。
リベ大のスタンスは今まで通りです。
政治的な意見はさておき、
- 与えられた条件で、皆さんの収入・資産が最大化するようにサポートする
- 103万円の壁がなくなり皆さんの手取りが増えれば、そのお金をしっかり貯蓄できるようサポートする
- 増えたお金を効率よく運用できるようサポートする
- ぼったくり保険のような商品に投資しないようにサポートする
上記のようなイメージです。
12月には、毎年おなじみの「税制改正」の話も出てきます。
ニュース2:フリーランス保護新法スタート!
![](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/202411-19.png)
2つ目のニュースは、2024年11月1日のTBS NEWS DIGから、「フリーランス守る新法きょうから 「買いたたき」や報酬の減額は禁止 取引条件は書面やメールで明示」です。
「フリーランスを守る法律が11月からスタート!この法律に違反しないように!」というニュースです。
2020年の政府調査によると、国内のフリーランス人口は462万人とのこと。
ところがフリーランスとしての働き方には、色々な課題もあります。
その1つが「立場の弱さ」です。
- 仕事の発注事業者(企業など):立場が強い
- 仕事を受注するフリーランス:立場が弱い
上記のような関係になりがちというワケです。
フリーランスの中には、次のような経験をした人もいるのではないでしょうか。
- 報酬を減額される
- 納品物の受け取りを正当な理由なく拒否される
- 突然仕事を打ち切られる
今回新しくできた法律は、フリーランスが安心して働くことができるように、ムチャな発注事業者からフリーランスを守ることを目的としています。
そこで行政のホームページも、以下のような雰囲気になっています。
![](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/202411-4.png)
(出典:公正取引委員会リーフレット)
- フリーランスの皆さん
→ こんなお悩みありませんか? - 事業者の皆さん
→ こんなことしてませんか?
フリーランスは自分にどんな権利があるのかを、発注事業者は自分にどんな義務があるのかを、しっかり確認しておきましょう。
この法律に違反した場合には罰則もあります。
「仕事の内容」や「報酬金額」などをハッキリと決める。
その内容を書面又は電磁的方法(メールやSNSメッセージなど)で明示。
発注した物品等を受け取った日から、60日以内のできる限り短い期間内で支払う。
フリーランスに対して1カ月以上の業務を委託した場合には、以下のような行為はアウトになります。
- 受領拒否
- 報酬の減額
- 返品
- 不当なやり直し強制
広告などでフリーランスの募集をする際は、仕事や報酬の内容について虚偽表示や誤解させてしまうような表示をしてはダメ。
フリーランスに対して6カ月以上の業務を委託している場合、フリーランスからの申し出に応じて、フリーランスが育児・介護と業務を両立できるよう必要な配慮をする。
例えば妊婦検診がある日は就業時間を短くしたり、オンライン業務を認めたりするなど。
発注事業者側で、以下のような体制づくりが必要に。
- 従業員に対してハラスメント防止の研修を行う
- ハラスメントに関する相談窓口を設ける
フリーランスに対して6カ月以上の業務を委託している場合で、その業務委託に関する契約を解除する場合・更新しない場合は、
- 30日前までに
- 書面などで
予告しなくてはいけません。
またフリーランスに契約解除の理由を聞かれた場合、開示する必要もあります。
確かにこのような法律があれば、
- 発注事業者との取引が適正化されそう
- 就業環境が良くなりそう
など、フリーランスとしては今よりも安心して働ける可能性があるでしょう。
この「7つの義務」は、いつどんな時も全てが課せられるワケではありません。
- 発注事業者の規模(従業員を雇用しているかどうか)
- フリーランスへの業務委託期間(1カ月未満?6カ月未満?それ以上?)
によって、「1個守れば良い」「4個~5個守れば良い」「全部守る必要がある」など変わります。
ケースバイケースなので、自分の場合はどうなのか、公正取引委員会のリーフレットなどで確認しておきましょう。
身近な法律については、必ずその概要を押さえておきましょう。
フリーランス新法によって発注事業者には「義務」が課せられた一方で、フリーランスには「権利」が生まれました。
「取引条件を明示してください」
「受け取り拒否はできないはずです。受け取ってください」
「契約の解除は30日前までにしなくてはいけないはずです」
このように、フリーランスは法律を根拠に自分の主張を通せるようになりました。
法律を知らないと、相手に良いように扱われて、結果的に損をします。
まだ法律がしっかり浸透していないようなので、今後どうなるか注目です。
ニュース3:【手取りが減る?】年収106万円の壁、撤廃へ
![](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/202411-20.png)
3つ目のニュースは、2024年11月8日の日本経済新聞から、「厚生年金、年収「106万円の壁」要件は撤廃へ 厚労省調整」です。
社会保険の「年収106万円の壁」が撤廃されそう!というニュースです。
① 所得税の壁
→ これ以上稼ぐと、所得税がかかるようになるライン
② 社会保険料の壁
→ これ以上稼ぐと、社会保険料がかかるようになるライン
今回の話題は、「② 社会保険料の壁」です。
- 年収106万円までは、社会保険料(厚生年金保険料や健康保険料)がかからない
- 年収106万円を超えると、いきなり社会保険料がかかるようになる
- すると給料から社会保険料を差し引かれるため、手取りが減る
- 具体的には15%ほど手取りが減る
- 壁を超えた瞬間に、ざっくり年間の手取りが約15万円減る!
- 壁を超えなければ、手取りは約106万円なのに
- 壁を超えた瞬間に、手取りが約90万円になる
このような状況であれば、働かない方が合理的と考える人がいても何もおかしくはありません。
106万円の壁が廃止される方向になっている理由として、最低賃金の上昇が挙げられます。
そもそも短時間労働者に関して、社会保険への加入が必要か不要かは、次の条件に該当するかで決まります。
① 事業所の規模
→ 従業員51人以上の企業で働いている
② 労働時間
→ 週20時間以上働いている
③ 賃金
→ 月額88,000円以上稼いでいる(年収にすると約106万円。いわゆる106万円の壁。)
④ 勤務期間
→ 継続して2カ月を超えて働いている(働く見込み)
⑤ その他
→ 学生ではない
上記のような条件を全て満たすと、「社会保険に加入しなければならない = 社会保険料を納めなくてはならない」というワケです。
2024年10月時点の日本の最低賃金(全国)は1,055円で、2023年から51円も上昇しています。
賃金上昇に伴い、最低賃金で週20時間働くと、月額賃金が8万8,000円を上回る地域が増えているワケです。
そのため厚生労働省は、②の「週20時間以上働いたら社会保険に加入」のルールさえ残しておけば、賃金要件は不要になると判断したということです。
106万円の壁撤廃は、社会保険加入者を増やすための国の陰謀
106万円の壁撤廃は、最低賃金上昇によって無意味になってきた賃金要件を消すため
とはいえ、国として「厚生年金の加入者を増やしたい」と考えているのは事実でしょう。
厚生年金に加入することで、老後が安定する人が増えるというのが表の理由です。
しかし本当の理由は、厚生年金の加入者を増やさないと、年金制度がどんどん弱くなっていくからです。
仕送り型は、以下のような仕組みです。
- 働いてる世代の納める社会保険料が
- 働いてない世代の年金になる
今は、長寿化・高齢化が進み、「保険料を納める側」と「もらう側」の比率がどんどん崩れている状態です。
パートタイマーのように、「今まで厚生年金保険料を納めていなかった人」も対象にしていかないと、制度が立ち行かなくなるワケです。
国は、「今の手取りは減りますが、将来もらえる年金が増えるから良いでしょ!」と説明しています。
会計士の山田真哉氏の試算によると、現実の数字は以下のようになっています。
- 壁を超えると、手取りが15万円減る
- 将来年金が増えても、元を取るには28年かかる(93歳でペイ)
この実態を知れば、多くの人は「手取りは減るけど、年金が増えるからOK」とはならないでしょう。
ちなみに年収の壁撤廃をはじめとする改正により、新たに200万人が社会保険料を納めるようになると想定されています。
(参考:朝日新聞デジタル「「106万円の壁」収入条件を撤廃へ 厚労省方針 労使の負担変更も」)
今回のニュースを見て、次のように考えた人もいるのではないでしょうか。
「週20時間以上働くと社会保険加入になる(=手取りが減る)のであれば、週19時間働くようにすれば良いのでは?」
コスパだけを考えるのであれば、現状このような考え方もできます。
ただ国は、労働時間の要件もそのうち撤廃する可能性が高いでしょう。
さきほど説明したように、国の本音は「厚生年金の加入者を増やしたい」という点に尽きるからです。
以前から繰り返してお伝えしていますが、日本の社会保険制度は、少しずつ少しずつコスパが悪くなっていきます。
リベ大がおすすめするのは、年収の壁を気にせず、今のうちに稼げるだけ稼ぎ、貯められるだけ貯め、資産を積み上げていくスタンスです。
仮に今後社会保険料が上がったり税金が増えたりした場合でも、貯めた資産が、配当・利息といったインカムゲインや、値上がり益を生み出してくれ、相殺してくれるからです。
資産は、言わば家計を支える第2・第3の働き手のようなものです。
ニュース4:【悲報】高額療養費、自己負担額引き上げか?
![](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/202411-21.png)
4つ目のニュースは、2024年11月8日のKYODOから、「医療費上限の引き上げ検討、政府 自己負担、時期や幅が焦点に」です。
医療費の自己負担額が増えるかもしれません。
政府は8日、医療費が高額になった際、患者の自己負担を一定にとどめる「高額療養費制度」の上限額を引き上げる検討に入った。
高齢化が進んで医療費が膨らむ中、医療保険制度を維持する狙い。引き上げの時期や幅は今後詰める。
これは、家計管理という目線では大きなニュースです。
なぜなら今後、自己負担することになる医療費の総額が増えるためです。
収入を増やすなり貯金を増やすなり、ルール改正によって「失うことになるお金」を補填できるようにしなければなりません。
治療に1万円かかったとしても、自分のサイフから出して支払う額は、3割の3,000円でOKというワケです。
とはいえこのルールの場合、大病を患って多額の医療費がかかった場合に困ったことになります。
例えば治療費に100万円かかった場合、自己負担分の3割(=30万円)払ってくださいと言われても、大金を支払うのが難しい人も少なくないでしょう。
そこで国は「高額療養費制度」を作りました。
- どれだけ多額の医療費がかかったとしても
- 自己負担するのは「上限額」まででOK
![](https://liberaluni.com/wp-content/uploads/2024/12/202411-5.png)
(出典:KYODO「医療費上限の引き上げ検討、政府 自己負担、時期や幅が焦点に」)
- 年収1,160万円以上の場合:月額約25万円
- 年収770~1,160万円の場合:月額約17万