2022年2月8日、アメリカン・エキスプレスより、旅行好きな人にとってインパクトのある3つのニュースが発表されたのをご存知でしょうか?
SPGアメックスがなくなる。
2種類の「マリオットボンヴォイアメックス」カードが新たに誕生。
- マリオットボンヴォイアメックスプレミアム(プレミアムカード)
- マリオットボンヴォイアメックス(一般カード)
SPGアメックスは、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムに生まれ変わり、自動で切り替えとなる。
SPGアメックスは、以前リベ大ブログの記事でも紹介したことがあり、旅行好きな人にとって年会費以上の価値を実感できる魅力的なカードです。
そのため、SPGアメックスがなくなるというニュースに衝撃を受けた人は多いはずです。
そして「新しいカードは価値を感じられるのか?」と気になっている人もいるでしょう。
そこで今回の記事では、新たなカード「マリオットボンヴォイアメックス」について、以下の4つを解説していきます。
- マリオットボンヴォイアメックスの特徴10選!SPGアメックスと徹底比較
- SPGアメックスから切り替わる時の重要な4つのポイント
- マリオットボンヴォイアメックスプレミアムをおすすめできる人・できない人
- 【期間限定】マリオットボンヴォイアメックス入会特典キャンペーンを解説
マリオットボンヴォイアメックスについての結論を、簡潔に伝えると以下になります。
マリオットボンヴォイアメックスプレミアム
- カード決済額が年間400万円以上
→ 年会費以上の価値を実感でき、旅行系最強カードとしておすすめ。
- カード決済額が年間150万円以上
→ カードの使い方次第で年会費以上のメリットがあるので検討の余地あり。
- カード決済額が年間150万円未満
→ 保有するメリットが少なく、基本的におすすめしない。
※ただし、2022年4月25日までの期間限定キャンペーンを活用できれば「1年間限定」でカード発行を検討する余地がある。
マリオットボンヴォイアメックス(一般カード)
- 改悪が重なった影響でカードを保有するメリットは少ない。
上記の通り、誰が使ってもお得なカードから、ある程度メリットのある人が限定されるカードになりました。
しかし、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムを使いこなせる人にとって、年会費以上のメリットが得られることに変わりはありません。
今回の記事作成にあたり、「デルタマイルをANAマイルに!」を運営する、マスゴミマイラーさんにご協力をいただきました。
なお、過去の記事「【旅行好き必携】最強カードSPGアメックスで100万円以上得をする方法を解説!」でもご協力いただいています。
目次
解説動画:【最強の旅行クレカ】SPGアメックスが転生した「マリオットボンヴォイアメックス」おすすめできる人・不要な人
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
マリオットやアメックスとは?
今回、新たに誕生したカードは以下の2種類です。
- マリオットボンヴォイアメックス(一般カード)
→ 正式名称:マリオット・ボンヴォイ・アメリカン・エキスプレス・カード
- マリオットボンヴォイアメックスプレミアム(プレミアムカード)
→ 正式名称:マリオット・ボンヴォイ・アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
マリオットグループについて
マリオットグループとは、世界131の国と地域に30のブランドと7,000を超えるホテルやリゾートを運営する、世界最大の高級ホテルチェーンです。
そして、マリオットグループの会員プログラムを「マリオット・ボンヴォイ」と言います。
楽天ユーザーが楽天会員になるように、マリオットユーザーはマリオット・ボンヴォイの会員になるイメージです。
アメックスについて
アメックスの正式名称は「アメリカン・エキスプレス」と言います。
主に旅行業と資金決済業を手掛けている、アメリカの世界最大規模のクレジットカード会社です。
なお、アメックスの特徴は高いステータス性で、過去に「モテる(かもしれない)クレジットカード」として紹介しています。
関連記事
→ 【経営者も愛用】モテる(かもしれない)クレジットカード5選
マリオットボンヴォイアメックスの特徴10選!SPGアメックスと徹底比較
それでは、SPGアメックスとマリオットボンヴォイアメックスの一般カード、プレミアムカードの合計3枚を比較していきましょう。
カードの変更ポイントをまとめた一覧表と、表の見方は以下の通りです。
表の並び
- 左側:マリオットボンヴォイアメックス(一般カード)
- 中央:SPGアメックス
- 右側:マリオットボンヴォイアメックスプレミアム(プレミアムカード)
文字色の説明
- 赤文字部分:SPGアメックスと比較して改善された箇所
- 青文字部分:SPGアメックスと比較して改悪された箇所
特徴10選の解説に入る前に、ポイントを一つお伝えしておきます。
今回マリオットボンヴォイアメックスの一般カードについて、詳しく知る必要はありません。
なぜなら、マリオットボンヴォイアメックスの一般カードは改悪が重なり、受けられるメリットの少ないカードになってしまったからです。
リベ大としては、コスパを考慮した上で「マリオットボンヴォイアメックスの一般カードを保有する必要性は低い」と考えています。
年会費:23,100円(税込)と高めだがステータスはシルバーエリートのためメリットが少ない
ポイント還元率とマイル還元率が低い:100円につき2ポイントでマイル換算0.83%
無料宿泊特典の付与:年間で150万円決済が条件にも関わらず35,000ポイント分と改悪
以上を踏まえ、SPGアメックスとマリオットボンヴォイアメックスを比較し、特典について一つずつ確認していきましょう。
特徴①:年会費
特徴1つ目は年会費です。
SPGアメックスと比較し、新カード2種類を見ていきましょう。
SPGアメックス:34,100円(税込)
マリオットボンヴォイアメックスプレミアム:49,500円(税込)
- 年会費は値上げだが価値はそれ以上に高まっているため妥当
マリオットボンヴォイアメックス(一般カード):23,100円(税込)
- 年会費は値下げだが受けられるメリットが少なくなり改悪
SPGアメックスの年会費は34,100円(税込)と高そうに見えますが、得られるメリットを考えると、これでも破格の安さでした。
なぜなら、特徴4つ目で解説する「カード更新時の無料宿泊特典」を利用するだけでも、年会費を超えるメリットがあったからです。
無料宿泊特典とは、カード更新時に年会費34,100円(税込)を支払うと、特典として5万円相当のポイントがもらえる特典です。
SPGアメックスは無料宿泊特典以外にも様々なメリットがあり、旅行好きなマリオット利用者にとっては発行しないと損なカードだったと言えます。
とはいえ、いくら価値があっても年会費3万円を超えるクレジットカードの発行に抵抗を感じる人が多くいたのも事実です。
そこでアメックスは、クレジットカードを価格帯の異なる2枚に分け、ユーザーに新たな選択肢を提示してきたのでしょう。
マリオットボンヴォイアメックスプレミアムの年会費は、49,500円(税込)です。
「クレジットカードの年会費をそんなに払うなんて!」と考える人もいるかもしれません。
しかし、マリオットを頻繁に利用するユーザーならば、比較的リーズナブルな年会費だと感じるでしょう。
なぜなら、今回の記事で詳しく解説する様々な特典を受けられることで、年会費49,500円(税込)以上の価値があると気づいているからです。
マリオットボンヴォイアメックスの一般カードの年会費は、23,100円(税込)です。
さらに、特徴4つ目で詳しく解説しますが、カード更新時の無料宿泊特典のメリットが大幅に削減されました。
マリオットボンヴォイアメックスの一般カードを、年会費23,100円(税込)に見合う価値が得られるように使うのは、相当難易度が高いでしょう。
そのため、あえて持つ必要性が低いカードになってしまったと言えます。
特徴②:ポイント還元率とマイル還元率
特徴2つ目は、ポイント還元率とマイル還元率です。
まず、SPGアメックスの還元率を確認しておきましょう。
- 通常の利用 → 100円につき3ポイント
- マリオットを利用した場合 → 100円につき6ポイント
- マリオットポイント → マイルへの交換は100円につき1.25マイル(マイル換算1.25%)
SPGアメックスと新カード2種類を比較した結果が以下になります。
マリオットボンヴォイアメックスプレミアム
- 100円につき3ポイントでマイル換算1.25%
- 年会費は上がったが還元率は現状維持
マリオットボンヴォイアメックス(一般カード)
- 100円につき2ポイントでマイル換算0.83%
- 年会費と還元率は共に下がり改悪
アメリカには、マリオットボンヴォイアメックスの上位カードとして「マリオットボンヴォイブリリアントアメックス」があります。
いわゆる、日本のマリオットボンヴォイアメックスプレミアムのアメリカ版で、ブリリアントは「見事な/華々しい/素晴らしい」を意味します。
しかし、年会費は日本とほぼ同じ450ドル(約5万円)にも関わらず、ポイント還元率は1ドルにつき2ポイントでマイル換算0.83%という名前からは想像できない低水準なのです。
マリオットボンヴォイアメックスに詳しい人の中には「日本の新しいカードも米国水準になるのでは!?」と還元率の改悪を覚悟していた人が大勢いました。
しかし、日本のマリオットボンヴォイアメックスプレミアムは「100円につき3ポイントでマイル換算1.25%」といった高水準を維持してくれたのです。
マリオットボンヴォイアメックスプレミアムのポイント還元率とマイル還元率は、世界中のマリオットカードの中でも破格だと分かるでしょう。
特徴③:ステータス付与
特徴3つ目はステータス付与です。
SPGアメックスと比較し、新カード2種類を見ていきましょう。
SPGアメックス
- カードを持っているだけでゴールドエリートのステータスが付与される
マリオットボンヴォイアメックスプレミアム
- ゴールドエリート付与と現状維持
- プラチナエリート昇格条件:年間のカード決済額が400万円以上
※本来プラチナエリートを獲得するためには年間50泊もの宿泊が必要
マリオットボンヴォイアメックス(一般カード)
- シルバーエリート付与に改悪
- ゴールドエリート昇格条件:年間のカード決済額が100万円以上
マリオットボンヴォイアメックスプレミアムは、条件を満たせばプラチナエリートのステータスを獲得できます。
プラチナエリートで受けられる、様々な特典は以下の通りです。
- 無料でスイートルームにアップグレード可能
- クラブラウンジを無料で利用可能
- 無料の朝食やアメニティなどが選べるウェルカムギフト
- 16時までのレイトチェックアウトが可能
…etc
例えば、1泊3万円から6万円のスイートルームにアップグレードし、レイトチェックアウトを利用したとしましょう。
15時にチェックインし、翌日12時にチェックアウトでホテルに1泊した場合の滞在時間は21時間です。
1泊6万円のスイートルームなら1時間あたり約2,800円の計算になります。
16時までのレイトチェックアウトを利用し、4時間長く滞在できれば「3万円 + 2,800円 × 4時間 = 約41,200円分」の金銭的な価値を、1回の宿泊で得られるのです。
さらに、レイトチェックアウトが可能になると心にゆとりを持てるため、満足感といった感覚的な価値も高まります。
なお、本来プラチナエリートを獲得するには、マリオット系列のホテルに年間50泊もの宿泊が必要です。
おおまかな計算ですが1週間に1回のペースで宿泊することになり、プラチナエリート獲得が簡単ではないと分かるでしょう。
しかし、ホテルの上級会員は非常に付加価値が高く、上級ステータスを年間400万円のカード決済という条件のみで獲得できるなら破格と言えるのです。
以下のような人は、カード決済をマリオットボンヴォイアメックスプレミアムに集中させるだけで、高級ホテルのプラチナエリート資格を目指せます。
- 生活費のほとんどをクレジットカード決済している
- カード決済額は月平均で30万円~40万円
でも「マリオット × アメックス」に限った話ではないんだよ。
例えば、アメックスのヒルトン系のホテルカードで最高ステータスを獲得するには、年会費66,000円(税込)だけでなく年間200万円のカード決済も必要です。
そして、航空会社の会員制度で最上級会員になるには、飛行機を頻繁に利用するだけではなく年間600万円のカード決済が条件となります。
(参考:「アメリカン・エキスプレス」、「ANAマイレージクラブ」より)
すなわち、どのようなサービスもお金を使う人が優遇されるスタイルになってきていると言えるのです。
ここで一つ、アメリカと日本のプレミアムカードで、プラチナエリート獲得に必要なカード決済額を比較してみましょう。
- マリオットボンヴォイアメックスブリリアント(アメリカ):年間で75,000ドル(約880万円)
- マリオットボンヴォイアメックスプレミアム(日本):年間で400万円
→ アメリカでプラチナエリート獲得するには日本の2倍以上の決済額が必要
プラチナエリートの獲得に年間400万円のカード決済が必要なのは厳しい条件ですが、世界的に見ると条件達成しやすいのも事実と言えます。
そのため、年間400万円のカード決済が可能な人なら、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムを持つ選択肢があるというワケです。
なお、1人で年間400万円のカード決済が難しい人は、特徴6つ目で紹介する家族カードの内容も、ぜひチェックしてください。
なぜなら、カード決済額400万円の条件を家族で達成するといった選択肢もあるからです。
一方、マリオットボンヴォイアメックスの一般カードではシルバーエリートが付与されます。
しかし、目立ったメリットのない資格のため、年会費23,100円(税込)を支払い、マリオットボンヴォイアメックスの一般カードを保有する必要性は低いと言えるでしょう。
特徴④:カード更新時の無料宿泊特典
特徴4つ目はカード更新時の無料宿泊特典です。
SPGアメックスと比較し、新カード2種類を見ていきましょう。
SPGアメックス
- カードを更新すると無条件で5万ポイント分の無料宿泊特典を付与
マリオットボンヴォイアメックスプレミアム
- 5万ポイント分の無料宿泊特典の付与で現状維持
- 条件追加:年間150万円以上の決済が必要
マリオットボンヴォイアメックス(一般カード)
- 付与される無料宿泊特典は35,000ポイント分に改悪
- 条件追加:年間150万円以上の決済が必要
SPGアメックス最大の特典とさえ言われた、5万ポイント分の無料宿泊特典の付与に改悪のメスが入りました。
最大の特典と言われた理由は、SPGアメックスは年会費34,100円(税込)を支払ってカード更新すれば、日程次第で1泊6万円以上の高級ホテルに宿泊が可能だったからです。
マリオットボンヴォイアメックスプレミアムのカード更新時、5万ポイント分の無料宿泊特典が付与されるのはSPGアメックスと同じです。
ただし、特典の獲得には条件が追加され、年間150万円以上のカード決済がないと無料宿泊特典は付与されなくなります。
今回条件が追加されましたが、無料宿泊特典に魅力を感じている人にとって、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムを発行する余地があるのは変わりません。
なぜなら、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムを保有し、特典を利用すれば年会費以上の高級ホテルに無料で宿泊できるからです。
そして、これまでも年間で150万円以上のカード決済をしている人は、条件追加の影響は少ないとも言えるでしょう。