こんにちは、こぱんです!
リベ大では、経済的自由を達成するために「お金にまつわる5つの力」について情報発信をしています。
▼図解:お金にまつわる5つの力
リベ大ブログの読者である皆さんの中にも、FIREを達成するために行動している人もいるでしょう。
そこで今回は、「FIREを目指せ 最強の人生向上術 経済的自由を達成する方法」という、FIRE(ファイア)をテーマにした非常に興味深い一冊を紹介します。
著者はアメリカ人のスコット・リーケンス氏です。
一見すると、人生向上術やFIREの達成方法などが書かれているノウハウ本に思うかもしれませんが、実際はFIREを目指すアメリカ人夫婦のドキュメンタリーです。
書籍の主人公は以下の2人で、実際の出来事に基づいたウソ偽りのない物語がつづられています。
夫:スコットさん(※今回紹介する書籍の著者)
妻:テイラーさん
2人はBMWの自動車を所有し、カリフォルニアのビーチでボートや高級ワインを楽しむような夫婦でした。
しかし、ある時から経済的自立を目指し始め、アメリカ中のFIRE仲間と交流しながら新天地を追い求めていくというストーリーです。
さらに、FIREを目指すために必要な倹約生活を行う過程の、夫婦間の衝突も包み隠さず書かれています。
ぜひ読んでみてほしいな^^
書籍を紹介する理由は「FIREに関する悩みは日本特有ではなく世界共通である」ということを、皆さんに知ってほしいからです。
そこで今回は、書籍「FIREを目指せ 最強の人生向上術 経済的自由を達成する方法」を題材に、以下の2点について解説します。
- 世界共通!FIREの悩み7選と対応策
- 結局FIREとは何なのか?
今回の記事を読むことで、「悩むのは自分だけではなかった」や「世界中の人たちは、こうして悩みを解決しているのか」と、勇気をもらえるでしょう。
また、いまひとつFIREが何を目指しているのか分からない人にも、新しい発見があるはずです。
なお、経済的自由を達成し早期リタイアを目指すFIREについては、過去の記事で詳しく解説しています。
興味のある人はぜひ参考にしてください。
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:FIRE 世界共通の悩み
目次
【日本人だけじゃなかった!】FIREに関する世界共通の悩み7選とその対応策
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
世界共通!FIREの悩み7選と対応策
世界共通であるFIREの悩みは以下の通りです。
- ①家族や友人に話しづらい
- ②配偶者の協力が得られない
- ③地方と都会のどちらに住むべきか?
- ④貯蓄率をどのように限界まで高めればいいのか?
- ⑤リタイア後に失う収入がもったいないと感じてしまう
- ⑥投資リターンが予想よりも少なかったらどうしよう
- ⑦FIREを目指したのは間違いだったのではと不安になる
FIREの悩み①:家族や友人に話しづらい
1つ目は、家族や友人に話しづらいという悩みです。
アメリカの大手金融機関であるウェルズ・ファーゴが行った調査によると、お金の話は「死・宗教・政治」を抜き、最も避けたい話題の第一位だったそうです。
物語の主人公2人のうち、まず夫のスコットさんがFIREに興味を持ち、心奪われました。
そして、スコットさんは妻のテイラーさんにFIREについて話し始め、テイラーさんもFIREに少しずつ興味を示すようになります。
夫婦2人は、FIREに向けた取り組みを本格的に始動させたのち、家族や友人に自分たちの計画やFIREがいかに素晴らしいものかを熱く語ったそうです。
「倹約して収入の50%を貯蓄するんだ!」
「家や車、保険にお金をかけず、本当に大切なものだけにお金を使うんだ!」
「一定の貯蓄額を超えたら、全力で株式ファンドを買って資産運用し続けるんだ!」
「そんな生活、何が楽しいのか分からない。」
「投資なんて危険すぎる。」
「リタイアして何がしたいの?」
「新興宗教のようで怖い。」
スコットさん夫婦も上記のような反応に遭ったそうです。
あまりの手応えのなさに、当時の出来事を妻のテイラーさんは以下のように語っています。
「私ったら、バカみたい。もう二度と誰にもFIREの話をしたくないわ」
お金の話をしづらいのは日本でも世界でも同じです。
特にFIREというテーマは、大勢の人と異なるお金との付き合い方であるため、誰もが共感してくれるワケではありません。
しかし「話しづらいから誰にも話さない」という姿勢のままでは、より良く生きるチャンスを失ってしまいます。
もし皆さんが周りの人と異なる行動をする時は、以下の2つの対応策を試してみてください。
他者を批判しない
自分の計画に集中する
スコットさん夫婦は、様々な経験を乗り越え、以下の結論に至りました。
異なる生き方をする友人たちと疎遠にならずにすむ方法を探っていく必要があると気づいた。僕らは、他人の経済的選択や優先順位を批判するつもりはない。
FIREムーブメントで重要なのは、自分が計画的な選択をすること、人を批判することじゃないんだ、と気づいたの。
自分の生き方を尊重してほしい時は、まずは他人の生き方を尊重することから始めましょう。
その上で、周囲に流されず自分の計画に集中してみてください。
人の批判をせず、ひたすら自分の夢に向かって努力を続ける人は魅力的に映るはずです。
結果として、志を同じくする仲間や理解者に巡り合えるでしょう。
FIREの悩み②:配偶者の協力が得られない
2つ目は、配偶者の協力が得られないという悩みです。
親戚や友人の理解を得るよりも重要なのは、FIREに対する配偶者の協力です。
リベ大両学長のYouTubeライブやSNSでも「配偶者の協力が得られないのですが、どうしたらいいですか?」と、数多くの質問が寄せられます。
主人公の一人であるスコットさんも、妻のテイラーさんの協力について悩んでいました。
では、配偶者の協力が得られない状況に、どう対応していけば良いのでしょう?
スコットさんは「幸せを感じる瞬間ベスト10エクササイズ」を通じ、少しずつ妻のテイラーさんとの距離を縮めていきました。
幸せを感じる瞬間ベスト10エクササイズとは「1週間のうち、どのような時に幸せを感じるか?」を夫と妻がそれぞれ10個ずつ書き出し、お互いに見せ合うものです。
妻のテイラーさんは一つずつ書き出すことで、自分が幸せを感じる瞬間に多くのお金は必要ないと気づきました。
娘の笑い声を聞いている時
夫とコーヒーを飲んでいる時
家族そろって食事をしている時
…etc
上記のいずれも、多くのお金はかかりません。
次第に妻のテイラーさんは、「もしかしたら、幸せな時間を作るためにFIREを目指した方が良いのでは?」と考えるようになりました。
スコットさんは、テイラーさんとの日々の丁寧なコミュニケーションを欠かしませんでした。
その上で、FIRE達成に向けて最初は小さなチャレンジからスタートし、大きなチャレンジへゆっくりと移行していったようです。
- 小さなチャレンジ:毎朝のコーヒーとサンドイッチの買い物をやめる
- 大きなチャレンジ:車(BMW)を手放す
理解を得るにはステップがあり、焦りは禁物です。
配偶者の協力が得られないと悩んでいる人は、ぜひ「幸せを感じる瞬間ベスト10エクササイズ」を試してみてください。
試した結果、たとえ幸せな瞬間に多くのお金が必要だと判明しても、その結果を踏まえてお互いが納得できる道を探していくことは十分可能なはずです。
配偶者の気持ちも尊重しつつ、お互いの理解を深めていきましょう。
FIREの悩み③:地方と都会のどちらに住むべきか?
3つ目は、地方と都会のどちらに住むべきかという悩みです。
FIREを達成するために、住居費は大きな論点となります。
「家賃を抑えられる方が堅実なはずだから、FIREを目指すなら家賃の安い地方が良いだろう。」と考える人もいるでしょう。
しかし、価値観は人によって異なるため、日本でも常に「FIREを目指す上で最適な場所」について議論されています。
なお、どこに住むかという話題に興味のある人は、過去の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
夫のスコットさんは映像作家で、FIREに関するドキュメンタリー映像を制作する過程で多くのFIRE達成者に取材を行ったそうです。
取材を通じ、スコットさんは「どこで暮らそうとFIREを達成できる」という一つの真理に到達しました。
つまり、重要なのはどこで暮らすかよりも「どう暮らすか」だと彼は気づいたのです。
都会で月20万円に支出を抑えて貯蓄をしながら楽しく暮らす人もいれば、地方で月50万円の支出によって1円も貯められない人もいます。
都会に住めば住居費や食費、ベビーシッター代など、多くの出費を伴うこともあるでしょう。
しかし都会であれば、高い生活費を相殺できる収入の良い仕事や充実した公共機関、無料の娯楽設備などが数多く存在します。
全ては自分の優先順位次第であり「どう暮らすか」というポイントを間違えなければ、住む場所に関わらず、FIREは達成できるというワケです。
FIREの悩み④:貯蓄率をどのように限界まで高めればいいのか?
4つ目は、貯蓄率をどのように限界まで高めればいいのかという悩みです。
FIREを達成するために最も重要な指標を、皆さんはご存知ですか?
正解は「貯蓄率」なんだ。
貯蓄率とは、収入のうち何%を貯蓄に回せたかという指標で、実はFIREへの秘決は貯蓄率にあるのです。
ここで、FIRE界隈では非常に有名な貯蓄率の大切さが分かる以下のグラフを紹介します。
- 10本ある曲線:投資リターン
- グラフの縦軸:リタイアまでの年数
- グラフの横軸:貯蓄率
ここで、貯蓄率が10%と50%の場合を比べ、リタイアまでの年数の変化を見てみましょう。
投資リターンは3%と仮定します。
前提条件:投資リターンは3%(下記グラフの▲印)
貯蓄率:10%の場合(下記グラフ左側の赤枠)
- リタイアまでの年数:およそ70年
貯蓄率:50%の場合(下記グラフ右側の赤枠)
- リタイアまでの年数:およそ20年
→ 貯蓄率を10%から50%に高めることでリタイアまでの年数を約50年間も短縮できる
上記のグラフより、貯蓄率を高めていくほど、リタイアまでの年数が短くなるのが分かります。
そのため、FIREを目指す人たちは生活の満足度が低下しないギリギリのラインまで貯蓄率を追求しようとします。
では、どのような方法で貯蓄率を限界まで高めるのでしょうか?
貯蓄率を限界まで高めていく方法は以下になります。
倹約のプロに手法を学ぶ
自分にできそうな手法をマネする
FIREコミュニティでは驚くほど創意と工夫に富んだ、奇抜かつ独創的な節約術が用いられていて、どんな手段を使うかは、状況に応じて取捨選択、変更できる。だから、実際に決める前に、服を試着するように様々な手段を試してみればいい。
〝私の方法のほうがまし〟でもなければ、〝きみの方法が間違い〟でもない。各自が自分に合う方法で目的を達成すればいい。
世の中には数多くの倹約方法が存在しており、まさにファッションのようにバラエティー豊富です。
もし気になる倹約方法があれば、洋服を試着するように積極的に実践してみましょう。
ここで大切なのは、自分自身に合う倹約方法を見つけ、目標に向かって懸命に取り組む姿勢です。
自分の選択が合っているのか、または他人が間違っているのかという基準ではありません。
なお、リベ大のオンラインコミュニティ「リベシティ」には、生活費を効果的に下げるための方法や、経済的自由を達成するために必要な情報が集まっています。
もし、情報収集だけでなく実践の場が欲しい人は、ぜひリベシティも活用してみてください。
FIREの悩み⑤:リタイア後に失う収入がもったいないと感じてしまう
5つ目は、リタイア後に失う収入がもったいないと感じる悩みです。
FIREの重要な要素は年収ではなく貯蓄率であると、先ほど解説しました。
とはいえ、FIREを達成できる人には、もともと高所得で稼ぐ力に優れた人が多いのも事実です。
そのため、FIREの実現が近づくにつれ、もったいない気持ちが一段と強くなるのでしょう。
書籍には、スコットさんが悩んだエピソードも掲載されています。
「FIREをせずに、今の仕事をずっと続ければ、資産を700万ドル増やせる可能性がある。
本当にFIREしてしまって良いのか?そもそもFIREをする意味があるのか?」
この悩みを友人に打ち明けると、友人は笑い、そしてスコットさんに言いました。
「FIREは幸せな人生に何が必要かを探っていくことだよ。スコット、君はいったい何に700万ドルも必要なんだい?」
スコットさんは、友人の言葉で我に返りました。
自分が幸せを感じる人生に、700万ドルの資産は必要ないことに気づいたのです。
さらにもう一つ、FIRE達成者のリタイア後の生活について見ていきましょう。
実は、FIRE達成者が現役で働いているケースは多く、日本やアメリカで「それはFIREではない!」という議論が存在するそうです。
スコットさんの取材でも、FIREを達成した後も多くの人が夢を追うために仕事を続け、収入を得ているのが明らかになっています。
FIRE達成者の働く姿は世間から見ると不可思議に映り、以下のような反応があります。
しかし、お金のために働く必要がなくなるのと、実際に働かなくなるのとは必ずしもイコールではありません。
FIREを達成した後も仕事を続ける人は、お金以外のことを軸として働いており、結果的に収入を得られているだけなのです。
なお、両学長もFIRE達成者の一人であり、経済的自由を手に入れた後の生き方や考え方について過去の記事で紹介しています。
結局のところ、リタイア後に失う収入を惜しむ気持ちや悩みは自然と解決するとリベ大は考えています。
なぜなら、以下の2つのことに気がつくタイミングが、皆さんに遅かれ早かれ訪れるからです。
- 本当にやりたいことを自由にしていると、結果的に稼げてしまうこと。
- 必要以上にお金を稼がなくても問題ないこと。
早期リタイアを意味する、FIREの「RE(Retire Early)」部分は「会社からの早期リタイア」と考えると一番分かりやすいでしょう。