こんにちは、こぱんです!
リベ大では、経済的自由を達成するために「お金にまつわる5つの力」について情報発信をしています。
▼図解:お金にまつわる5つの力
お金に関する情報発信をしていると、様々な質問をいただきます。
その中で今回は、FIRE(Financial Independence, Retire Early)に関する質問を見ていきましょう。
「最近、FIREが様々なメディアで取り上げられています。
FIREの認知度が高まる中で、批判の声も耳にするようになりました。
FIREの批判に対して、リベ大の考えを聞きたいです。」
最近、テレビでFIRE特集が放送されたこともあり、FIREに対する考えを求められることが増えました。
FIRE、つまり「経済的自由を達成して早期リタイアしよう!」という考えについて、リベ大は肯定的です。
リベ大で学んでいる人の中には、FIREを目指して頑張ってはいるけれど、批判を受けて不安になっている人がいるかもしれません。
そこで今回の記事では、FIREに関する主な5つの批判への回答と解説をしていきます。
- ①節約生活の何が楽しいのかわからない
- ②もっとお金を使って社会貢献すべきだ
- ③仕事を辞めたら絶対ヒマになる
- ④暴落がきた瞬間終わり
- ⑤FIRE自体が目的になるのはおかしい
目次
解説動画:【5つの批判】FIRE批判に対して思うことをつらつらと述べます
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
FIREに対する批判5つとその回答
批判①:節約生活の何が楽しいのかわからない
批判:「そんな節約生活、何が楽しいんだ?」
回答:「自由を獲得するプロセスは、最高にエキサイティングです。」
リベ大では、節約は2つに分けられると考えてます。
良い節約とは選択と集中です。
偉大なるインデックス投資家、チャールズ・エリス氏、バートン・マルキール氏も書籍「投資の大原則」で同じような内容を主張しています。
FIRE志向のある人は、モノへの出費を節約して、節約した分のお金を自由を買うための原資にします。
- ベースとなる考え方は「お金こそが自由の土台」。
- 物的に豊かになることより、精神的・時間的に自由でいることの方が重要。
例えば、3,000万円を貯めて年利4%で運用できれば、120万円の資産所得を作ることは難しくありません。
この貯めた3,000万円というお金が、自由の土台(基礎)になります。
また「使う力」を意識している人は、健康や時間、家族や友人のためといったように、使うべきところにはお金を使います。
▼図解:使う力
もし無限にお金があるなら、どんどんお金を使って、どんどん投資をして、経済を回しながら同時に蓄財できるでしょう。
しかし、平均年収436万円という今の日本社会では、なりふり構わずお金を使うとお金は貯まりません。(参考:国税庁「令和元年分民間給与実態統計調査結果」より)
本当に欲しいものを手に入れるためには、選択と集中をするしかありません。
大人になっても、自由を買うために節約するというのは、本当に自由が欲しい人にとっては楽しいことでしょう。
批判②:もっとお金を使って社会貢献すべきだ
批判:「自分のためにお金を貯めこまずに、もっとお金を使って社会貢献すべきだ!」
回答:「一理あると思います。ただし、FIREを目指す過程でも達成後でも、十分に社会貢献しているという考えもあります。」
もっとお金を使って社会貢献すべきという批判は、いろんな意味が込められていると思います。
その中で、「みんながみんな、FIREを目指す生活を始めたら社会は回らなくなる」という考え方は、一理あるでしょう。
経済学の用語では合成の誤謬(ごびゅう)と言います。
一方で、FIREを目指していても社会貢献をしているという見方もできます。
- 普通に暮らしているだけで、すでに十分な社会貢献をしている。
- 最速FIREした人は、とんでもない額の税金を払っている。
例えば、年収450万円のAさんが支払っている税金や社会保険料、生活費を見ていきましょう。
- 年収:450万円(手取り年収360万円)
→ 住民税と所得税の約30万円、社会保険料を約60万円を納付 - 年間生活費:240万円
- 年間投資額:120万円
Aさんは年収450万円のうち、約4分の3にあたる約330万円を税金や社会保険料、生活費に充てています。
十分に社会を支えていると言えるのではないでしょうか。
▼図解:年商・収入・手取り・所得の違い
関連動画
しかし、「普通に暮らしているだけで、十分社会貢献しているなんて信じられない」と思う人もいるかもしれません。
確かに、世帯年収が1,500万円超のような超高収入の人たちの一部には、手取り収入の大半を投資に回している人もいます。
しかし、彼らはそもそもとんでもない金額の税金を納めているのです。
日本は累進課税なので、収入が高ければ高いほど税金が増えます。
例えば、最近FIREしたリベ大両学長の知人は、約5,800万円の税金・社会保険料を納めています。
2年で7,000万円の資産を作り、FIRE達成。
- 個人事業で年収6,000万円稼ぐ
- 手取り収入の9割を投資に回す
2年で約5,800万円の税金・社会保険料を納める。
- 所得税:約4,200万円
- 住民税:約1,200万円
- 社会保険料:約400万円
約5,800万円という金額は、平均的な生涯賃金のサラリーマンが、一生をかけて納める税金に匹敵します。
また、1,000万円の元手を10倍の1億円にした投資家も、利益9,000万円の20%に相当する1,800万円の税金が発生します。
このように、FIREしようと頑張ってる人も、最速FIREを達成した人も、同じ社会を支えている一員と言えます。
いわゆる、フリーライダー(タダ乗りしている人)ではありません。
批判③:仕事を辞めたら絶対ヒマになる
批判:「仕事を辞めたらヒマになるのではないか。」
回答:「ヒマになったらまた働けば良いです。」
経済的自由を達成している人、つまり「資産所得>生活費」の人には働かない自由があります。
働きたければ働けば良いし、働きたくなければ働かなくても良いのです。
一方で、経済的自由を達成していない人には、働かない自由が基本的にありません。
働かない自由の選択肢がない人の「ヒマになるだけではないか?」という意見は、イソップ童話の「酸っぱいブドウ」と同じです。
経済的自由を手に入れて、「こんなヒマはいらない!」と絶望してお金を捨てた人は見たことがありません。
ヒマになる人がいるのは間違いないですが、新しい事業を始めたり、社会活動をしたりと色々やり始める人も多いです。
一方でこの話を聞き、「ヒマになるのだとしたら、何年も何年もお金を貯めるなんて、無駄だったということでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、リベ大では無駄ではないと考えています。
少し話は変わりますが、アメリカには「〇〇・マネーを持て」という言葉があります。
バカ野郎・マネーは「そんな話納得できるか、バカ野郎!」と言って、電話を切るためのお金です。
- 顧客から、電話で理不尽なクレームを受けた時。
- 上司から、電話で理不尽な業務命令を受けた時。
自分の主張を通すためには、仕事がなくなっても食べていけるお金(=バカ野郎・マネー)が必要です。
バカ野郎・マネーを持つ人は、自分のやりたい仕事を続けられます。
逆に「どうせ仕事を辞めたらヒマになるんだから、お金は貯めない」と考えて、経済基盤を固めなかった場合はどうでしょうか?
ある日突然、社会の理不尽に抵抗できない無力な自分がいることに気づくかもしれません。
ヒマになったらどうしようかについては、ヒマになってから考えれば良いです。
批判④:暴落がきた瞬間終わり
批判:「暴落がきた瞬間、投資資金がなくなって、生活できなくなるのではないか。」
回答:「金融資産を築くことのみに集中した場合は、おっしゃる通りです。」
暴落によって金融資産の価値が減る可能性を指摘する人もいるでしょう。
「金融危機が起きたら、資産価格が50%下落することもある。」
「株価が下がるだけでなく、配当金も大きく減るかもしれない。」
「せっかく1億円貯めても、半分になったら5,000万円。同じ生活水準では生きていけない。」
- トリニティスタディを基礎とした長期投資法は、暴落を想定したシナリオ。
- お金にまつわる5つの力をトータルで鍛えていれば生き残れる。
トリニティスタディは暴落を想定したシナリオ
トリニティスタディとは、別名「4%ルール」と呼ばれる、アメリカのトリニティ大学の教授3人が考案した資産取り崩しルールです。
リベ大でも、インデックス投資の出口戦略として解説してきました。
彼らが想定するシナリオには、暴落も含まれています。
トリニティスタディの暴落を考慮した研究結果では、4%ずつ取り崩せば95%以上の確率で、30年経っても資産が残ります。
むしろ、当初より資産が増えるケースもあります。
FIREを目指している人達は、暴落があることは前提で、暴落が起きても大丈夫なようにポートフォリオ設計・人生設計をしています。
お金にまつわる5つの力をトータルで鍛えていれば生き残れる
なぜなら、過去は通用しても将来は通用するとは限りませんし、そもそも5%の確率で失敗するからです。
手堅く感じる配当金投資も、その配当金が永続する保障はどこにもありません。
リベ大は「お金さえあれば大丈夫」と考えているわけではありません。
お金にまつわる5つの力をバランス良く磨くことが大切だと、一貫して伝え続けています。
▼図解:お金にまつわる5つの力
5つの力が高い人は、暴落が起きても人生が台無しになることはないでしょう。
- 貯める力:ムダのない洗練された家計支出。
- 稼ぐ力:その気になれば、いつでも働いてお金を稼げる。
- 増やす力:暴落時に短期目線で狼狽売りをしない。
- 守る力:詐欺などでお金を失わない。
- 使う力:健康、時間、自己投資や人間関係などにお金を使える。
資本主義社会において、お金に関する能力が高いことは、いつでもどこからでも立て直せることと同義です。
「いつでも働ける力があるようにするなんて、Retirement(引退)じゃない!」と思う人もいるかもしれません。
リベ大としても、Retirement Earlyの部分は補足が必要だと考えます。
Retirement Early from Kaisha、つまり(もし会社がイヤなら)会社を辞めることには賛成ですが、仕事を辞めるべきとは考えていません。
日本では、下記のような膨大な調査データが積みあがっています。
- 日本人は他の国と比較し、会社への貢献意欲が低い。
(参考:THE ADECCO GROUP『日本はなぜ従業員エンゲージメントが低いのか?』より) - 自営業者の方が、被雇用者より幸福度が高い。
(参考:#SHIFT『本当に「幸せ」な業種とは?』より) - 自営業者の悩みは、基本的にお金の問題である。
(参考:JILPT『「独立自営業者」の就業実態』より)
つまり、お金のある自営業者の方が、人生の満足度・幸福度は高い傾向があると言えます。
環境が良ければ手放す必要はありません。
もし好きなこと・得意なことで、時間や場所に縛られず良い報酬が得られるなら、「ハイ!喜んで仕事します!」と言う人は多いでしょう。
なぜ、すぐに理想の仕事をしようと思えないかは、下記のような思いがあるからかもしれません。
理想的な仕事は求人票では見つからない。
独立すれば好きな仕事ができるかもしれないが、金銭的なリスクや恐怖が勝ってしまう。
この恐怖を乗り越えるために必要なものが、経済的自由という土台なワケです。
FIRE後の生活を支えるのは、金融資産だけではありません。
それはあくまで土台であり、建物ではないからです。
どんな建物を建てるかはその人次第ですし、ワラの家ではなくレンガの家を建てた人は、オオカミ(暴落)が来ても大丈夫です。
5つの力をしっかり磨けば、FIRE達成後も、暴落がないことを祈り続ける人生にはなりません。
批判⑤:FIRE自体が目的になるのはおかしい
批判:「FIRE自体が人生の目的になるのはおかしい。」
回答:「人生の目的を決めるのは、一人ひとりの自由です。」
この批判は「会社を辞めること自体が、人生の目的になるのはおかしい」と言い換えられます。
確かに、上記の批判や「大切なのは、会社を辞めた後に何をするかを明確にすること」という主張も正論です。
しかし、世の中には色々な人がいます。
何かを始める前に、自分の人生の目的がぼんやり見えてる人。
日々の仕事・生活に精一杯で、人生の目的を考える余裕がない人。
また、FIREを目指している人の中には、「今すぐ仕事を辞めて、生活環境を一気に変えるのは不安」と思う人もいます。
FIREを目指す過程で、お金を貯めて運用し経済基盤を整えていくことは、人生の理不尽に耐えるHP(ヒットポイント)を増やすものだと言えるでしょう。
また、ある程度の経済的余裕ができた時点で、下記のような変化が起きるかもしれません。
- 転職する勇気がでる
- 独立開業や起業する勇気がでる
- 家族を持つ勇気がでる
- もっと欲しいものが見つかる
- 自分の夢に挑戦する勇気がでる
「本当にやりたいことが分からないから、まずは経済的自由を目指す」ことは、非常につぶしが利く選択肢です。
「お金さえあればすべての問題が解決する!」は間違いですが、「お金があれば多くの問題を解決できる!」はひとつの現実です。
そのため、FIRE自体を目的とすることに対するリベ大の意見は、次の通りです。
極論、FIREそのものが目的になっても良い。
- 「富士山に登ることが目的!」と変わらない。
- どんな目的をもってどうやって生きるかは、その人の自由。
目的がなくても、FIREを目指す中で、経済基盤が固まることは良い。
人生に対する考え方は、人それぞれ自由です。
まとめ:色々な意見をもとに自分にとって最良の選択をしよう
今回は、FIREに対する主な5つの批判について、リベ大の考えを回答してきました。
→ 回答:本当に自由が欲しい人にとっては楽しい。
→ 回答:FIREを目指す過程や達成後で、十分に社会貢献している。
→ 回答:ヒマになってから考えれば良い。
→ 回答:暴落は想定済。金融資産を築くだけでなく、「お金にまつわる5つの力」を磨けば問題ない。
→ 回答:考え方は人それぞれの自由。極論、FIREそのものが目的になっても良い。
FIREを達成したいと思っていても、批判されて不安になる人は少なくないでしょう。
しかし、もし本当に皆さんがFIREを目指したいなら、前向きに頑張った方が良いとリベ大は考えます。
そもそも、FIRE肯定派・否定派のどちらが正しいかどうかではなく、考え方は人それぞれなのです。
今は世界中を見渡してみても、60歳を過ぎてから引退するのが当たり前です。
そんな中「30~50代でひと財産築いて引退しよう」という話なので、色々なところからネガティブな意見が出てくるのは当然と言えます。
何を言われても動じないぐらい心構えでないと、人と違うことをして生きるのは大変かもしれません。
リベ大はFIREに肯定的なため、どうしても発信する内容はイイコトに偏りがちです。
最近FIREの認知度が上がったことで、色々な経験や知識、様々な視点からの意見を耳にすることも増えました。
自分にとって心地よい意見だけでなく、あらゆる意見を聞くことは非常に大切なことです。
なぜなら、否定的なコメントの中に、皆さんの人生を好転させるヒントがあるかもしれないからです。
肯定的、否定的な意見をバランスよく取り入れて、あらためて自分のやりたいこと、目指す人生のカタチを考えるきっかけになれば嬉しいです。
一方で、行動を起こす段階ではバランス良くというワケにいかず、進む道を決める必要があります。
最後に、FIREを目指す人へ今回のような世間の疑問・批判に対する心構えをお伝えします。
以上、こぱんでした!
「お金にまつわる5つの力」を磨くための実践の場として、オンラインコミュニティ「リベシティ」をご活用ください♪
同じ志を持った仲間と一緒に成長していきましょう!
140万部発行された、「お金の大学」。
情報を最新化・新規コンテンツ追加して【改訂版】としてパワーアップ!(なんと52ページ増量!)
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