
こんにちは、こぱんです!
この記事では、両学長の「8月の投資トピック総まとめ」レポートをもとに、2026年8月の経済ニュースと統計を振り返ります。
リベ大がおすすめしている投資方法は、インデックス投資と高配当株投資の2つです。
8月の出来事がこの2つの投資にどう影響しそうか、そして私たちの仕事や生活環境=景気はどうなっているのかを、数字と出典つきで整理しました。
- 日本の経済状況:株価指数の推移、景気を見る7つの参考材料、8月の国内トピックス
- 海外の経済状況:G7の株価指数、ゴールド・債券ETF・高配当ETFの値動き、8月の海外トピックス
- まとめ:8月を踏まえた投資のポジション
目次
【日本】8月末の株価指数|日経平均は年初来+約28%、J-REITは−約11%
8月31日時点の主な株価指数は、次のとおりです。
| 指数 | 8月31日時点 | 年初来 | 8月単月 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 66,312円 | +27.93% | +3.03% |
| グロース市場250(連動ETF) | 647円 | +20.97% | +18.10% |
| TOPIX | 4,156pt | +19.52% | +3.82% |
| J-REIT(連動ETF) | 1,941円 | −11.04% | −3.55% |
※端数は四捨五入しています。
※J-REIT(不動産)とグロース市場250指数は、その指数に連動するETFのデータです。
そのため、実際の指数の動きとは誤差があります。
年初来で見ると、日経平均株価は+約28%と絶好調です。
TOPIXやグロース市場も+約20%と好調な一方、J-REITは−約11%と低迷しています。
ざっくりまとめると、今は次のような状況です。
- 株式:AI・半導体関連の大型株だけでなく、バリュー株や新興株も強くなってきた
- J-REIT(不動産):金利上昇の影響で弱い
8月単月はグロース株が+18.10%と急上昇
8月単月で見ると、日経平均株価・TOPIX・J-REITは下旬以降ほとんど値動きがなく、落ち着いた相場でした。
一方、新興市場のグロース株は+18.10%と大きく上昇しました。
→ 【2026年8月】日本株の業種別ベスト5・ワースト3|学長が今月から高配当株ポートフォリオを作るとしたら
背景としては、次のような点が挙げられます。
- 日経平均株価やTOPIXと比べて出遅れ感があった
- 日経平均の上値が重くなったため、投資マネーが中小型株に向かった
- 好決算が重なった
新興企業は時価総額が小さい分、少し資金が集まるだけで株価が大きく動きやすいのが特徴です。
東証33業種で年初来マイナスは2業種だけ
東証33業種のうち、年初来でマイナスなのは次の2業種だけです。
- 不動産:−約3%
- 建設業:−約2%
今は「日本株を幅広く持っている人は、だいたい利益が出ている」相場です。
株を持つ人が豊かになるフェーズは、まだ続いていきそうです。
【日本】景気は良い?悪い?7つの参考材料をチェック
日本株(TOPIX)は年初来+約20%と好調です。
次の7つの経済指標で確認していきます。
- 月例経済報告
- GDP
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー調査
- 消費者物価指数
- 実質賃金指数
- 完全失業率・求人倍率
①月例経済報告|「緩やかに回復」、リスクに自然災害が追加
日本政府の公式見解(月例経済報告)は、次のとおりです。
景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある。
先月から変わったのは「リスク」の部分です。
- 先月:中東情勢のみ
- 今月:中東情勢と自然災害
熊本地震や千葉豪雨の発生を受けて、「自然災害」という文言が追加されました。
出典:月例経済報告 令和8年8月27日公表
②GDP|年率+1.1%、個人消費が弱く期待外れ
GDPは、国の経済規模を測る指標です。
日本のGDPは700兆円近くあり世界4位ですが、GDPは「額」ではなく「成長率」で見るのがおすすめです。
成長率ごとに、経済規模が2倍になるまでのおおよその年数をまとめました。
| GDPの成長率(年) | 経済規模が2倍になるまで |
|---|---|
| 3% | 約24年 |
| 2% | 約36年 |
| 1.1%(今回) | 約65年 |
| 1% | 約72年 |
※72を年利で割ると、何年で2倍になるかのざっくりした目安を計算できます。
資産運用の利回りにも使えるので、覚えておくと便利です。
最近発表された4〜6月の実質GDP(年率換算)の増減率は、+1.1%でした。
出典:日本経済新聞「4〜6月の実質GDP年率1.1%増 3四半期連続プラス」
この結果について、両学長の評価は「悪い」です。
理由は次の2つです。
理由①:期待外れ
事前の予測は年2%超の成長だったのに、結果は年1%台でした。
テストで80点を取れたと思っていたら70点だった、というようなイメージです。
理由②:個人消費が弱い
GDPの約半分を占める超重要項目の個人消費が、前期比−0.02%でした。
全体ではなんとか+1%の成長を確保したものの、内訳を見ると一番重要な要素が弱い状況です。
人々が使うお金がどんどん増えている状態が「好景気」なので、個人消費が伸びないうちは景気が良いとは言いにくいです。
③景気動向指数|基調判断は「改善」、先行指数は横ばい
景気の現状を示す一致指数は、前月比+0.6ポイントと少しだけ上昇しました。
出典:景気動向指数
景気動向指数には「基調判断」という公式コメントがついていて、全部で5パターンあります。
| 基調判断 | 意味 |
|---|---|
| 改善 | 最も良い状態。景気拡大中 |
| 足踏み | 景気は良いが、一時的に横ばいになっている |
| 局面変化 | 転換点。良くも悪くも景気のトレンドが変わりそう |
| 下げ止まり | 景気は悪いが、悪化の勢いは止まりつつある |
| 悪化 | 最も悪い状態。景気縮小中 |
出典:auじぶん銀行 お金のコラム集
今月は、先月に引き続き一番良い評価の「改善」でした。
一方、景気に先行して動く先行指数は、ここ1年弱で急激に伸びていましたが、今月は前月比±0.0ポイントの横ばいでした。
「景気が良くなりそう」という勢いは、弱まってきた印象です。
景気動向指数は、景気全体の現状を知ったり、将来の動向を予測したりするときに使われる経済指標です。
産業・金融・労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに算出されています。
いろいろな指標をミキサーにかけると、1つの「景気動向指数」ができあがるイメージです。
景気に一致して動く「一致指数」、景気に数か月先行して動く「先行指数」などがあります。
④景気ウォッチャー調査|45.7ポイントで50を下回る
7月の景気ウォッチャー調査は45.7ポイントで、景気判断の分かれ目となる50を下回りました。
猛暑でエアコンや男性用日傘、タクシーなどの需要は増えたものの、物価高による買い控えが根強く残っています。
出典:景気ウォッチャー調査 8月10日公表
百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2,000人にインタビューし、結果を集計・分析して発表する調査です。
50を上回ると「景気が良い」と感じている人が多く、50を下回ると「景気が悪い」と感じている人が多いことを示します。
月例経済報告や景気動向指数は好景気を示す一方、景気ウォッチャー調査は「悪い」を示しており、この温度差が最近の日本経済の特徴です。
- マクロ(国全体の数字):好景気
- ミクロ(一人ひとりの生活実感):不景気
3か月連続で上昇しているとはいえ、まだ「悪い」水準です。
消費者心理が弱い背景は、主に次の3つです。
- 地政学リスクの高まりへの不安(アメリカとイラン、ロシアとウクライナ、中国と台湾など)
- 令和8年熊本地震の影響への不安
- インフレ(物価の値上がり)による今後の生活への不安
⑤消費者物価指数|コアCPIは+1.8%、インフレ再燃の気配
コアCPI(生鮮食品を除く総合指数)は、7月に前年同月比+1.8%でした。
6月・7月の動きを見ると、インフレが再び強まりそうな気配が出てきています。
出典:日本経済新聞「消費者物価指数、7月1.8%上昇 エネ価格上昇で6月から伸び拡大」
あわせて注目したいのが、業者間の取引価格を示す企業物価指数です。
7月の企業物価指数は7.2%上昇し、2か月連続で7%を超えました。
出典:日本経済新聞「7月の企業物価指数7.2%上昇、2カ月連続7%超 AI需要も押し上げ」
業者間ではインフレがかなり進んでいるので、店頭価格もいずれ上がると考えるのが自然です。
- 今まで:100円で仕入れたおにぎりを、110円で販売していた
- これから:110円で仕入れたおにぎりを、110円で販売する
仕入れ値が上がったのに売値を据え置くことは考えにくく、115円や120円に値上げされるでしょう。
まとめると、インフレ率は去年の水準(3%前後)より下がってきたものの、また上がりそうで、物価高には油断できない状況です。
⑥実質賃金指数|+1.6%で6か月連続プラス
2026年6月の実質賃金は前年同月比+1.6%で、6か月連続のプラスとなりました。
出典:日本経済新聞「6月の実質賃金1.6%増、6カ月連続プラス 夏季賞与伸び」
賃上げと夏のボーナスが追い風で、大手企業のボーナスが初めて平均100万円を超えたというニュースもありました。
人手不足への危機感と好調な業績が、賃上げ・賞与アップにつながっています。
中小企業はそれほどでもない、という話もありますが、賃上げが進んでいるのは事実です。
ただ、給料は伸びているはずなのに、GDPや景気ウォッチャー調査で見たように個人消費には強さがありません。
なぜ消費が増えないのか、財布のひもを締めている人が多いのはなぜなのかは、今後も注目したいポイントです。
⑦完全失業率・有効求人倍率|雇用環境は悪くない
最後に、雇用環境です。
| 指標(7月) | 数値 | イメージ |
|---|---|---|
| 完全失業率 | 2.4% | 100人中2.4人が完全失業者 |
| 有効求人倍率 | 1.18倍 | 仕事を探す人1人あたり求人が1.18件(売り手市場で就職しやすい) |
出典:日本経済新聞「7月の有効求人倍率1.18倍、前月と横ばい 完全失業率は2.4%」
出典:一般職業紹介状況(令和8年7月分)について|厚生労働省
「仕事がない」という状況ではなく、雇用環境は悪くないといえます。
日本の景気まとめ|全体は良いが、生活実感は弱い
リアルな景気について、ここまで見てきた7つの参考材料を表にまとめます。
| 指標 | 評価 | ポイント |
|---|---|---|
| 月例経済報告 | ○ | 「緩やかに回復」中。リスクは中東情勢・自然災害 |
| GDP | × | 年率換算で+1.1%。個人消費が弱く、期待外れ |
| 景気動向指数 | ○ | 現状の景気は少し上昇。先行きは横ばい |
| 景気ウォッチャー調査 | × | 45.7ポイントで、生活実感は悪い |
| 消費者物価指数 | ○ | +1.8%。インフレ再燃の気配 |
| 実質賃金指数 | ○ | 6か月連続のプラス。賃上げ+ボーナスで好調 |
| 完全失業率・求人倍率 | ○ | 失業率は低く、求人倍率も安定 |
日本の景気をまとめると、次のとおりです。
- 「全体」で見ると良い(ただし、勢いは鈍りつつあるかもしれない)
- 「個別」に見ると、生活実感が良くない人も多い
- リスク要因は、中東情勢や自然災害
実質賃金のプラスが「6か月連続」ではなく「1年、2年」と続けば、状況も変わってくるはずです。
【日本】8月の国内トピックス|日米協調の円買い介入と上場企業の好業績
8月の国内トピックスは、次の2つです。
- 日米協調の円買い介入
- 上場企業の業績好調と増配
①日米協調円買い介入|約28年ぶり、効果は一時的か
8月3日、日米両政府は、7月末に円買いの協調介入を実施したと発表しました。
日米両政府がそろって円を買ったことで、1ドル163円くらいだった為替レートは1ドル155円くらいまで急激に円高が進みました。
出典:日本経済新聞「危機モードの円安阻止、日米が協調介入発表 金利上昇の連鎖を懸念」
この話のポイントは、次の3つです。
ポイント①:約28年ぶりのレアイベント
前回、日米協調の円買い介入が行われたのは1998年です。
28年に1回という、かなり珍しい出来事です。
ポイント②:日本もアメリカも、行き過ぎた円安を止めたい
- 日本:円安で、パン(小麦)やチョコ、コーヒーなど輸入品の価格が上がりすぎて困る
- アメリカ:円が弱すぎて日本製品が安く買えてしまい、アメリカ製品が割高に見えて売れにくい
ポイント③:効果は一時的?
協調介入で一時155円台まで円高が進みましたが、今は160円付近まで円安に戻っています。
円そのものの魅力が足りない限り、「介入の効果は一時的」というのが一般論です。
今後の為替レンジは140円台〜160円とみているエコノミストが多いようです。
日米両政府が介入した160円台前半は、当面の「上値(天井)」として意識されそうです。
ここ数年、オルカンやS&P500などの外国株に投資してきた人は、円安の影響もあって資産を大きく増やしてきました。
円安による資産の押し上げは、いったんこのあたりで一服しそうな雰囲気です。
先月のお金のニュースもあわせてチェックしておくと、流れがつかみやすくなります。
→ 【2026年 7】両学長が選ぶ「お得・トレンド」お金のニュースBest7
②上場企業は業績好調|配当総額は23兆円で過去最高
東証プライム上場企業の数字は、次のとおりです。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 2026年4〜6月期の純利益 | 前年同期比 約7割増(34社に1社は過去最高) |
| 2027年3月期の純利益予想 | 前期比14%増(6年連続で過去最高) |
出典:日本経済新聞「上場企業の純利益、27年3月期14%増に上振れ シェア上位勢が躍進」
利益の絶対額と利益率が、どちらも着実に伸びています。
これを受けて、配当金も増えています。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 配当総額 | 23兆円(前期比6%増・6年連続で過去最高) |
| 増配企業 | 5割弱 |
出典:日本経済新聞「上場企業の配当総額23兆円、5割弱が増配 家計所得を押し上げ」
好調な業績を背景にした、中身のある増配です。
国内上場企業の株式は17%が個人に保有されているので、単純計算で約4兆円分の配当が家計に流れ込むことになります。
個人消費は伸び悩んでいますが、高配当株投資をしている人の財布は潤っていそうです。
自分が働くだけでなく、お金にも働いてもらう「2馬力」を当たり前にして、消費も増やしていきたいですね。
【海外】G7の株価指数|8月は全世界的な株高
G7(主要先進7か国)の主な株価指数の年初来リターンは、次のとおりです。
| 順位 | 株価指数(国) | 年初来 | 資産2倍までの目安 | 最高値更新 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | FTSE MIB(イタリア) | +15.95% | 4.5年 | 8月中 |
| 2 | S&P TSX(カナダ) | +14.37% | 5.0年 | 8月中 |
| 3 | S&P500(米国) | +12.28% | 5.9年 | 8月中 |
| 4 | FTSE100(イギリス) | +8.77% | 8.2年 | 7月中 |
| 5 | DAX40(ドイツ) | +7.00% | 10.3年 | 8月中 |
| 6 | CAC40(フランス) | +1.70% | - | 8月中 |
| 参考 | TOPIX(日本) | +19.52% | 3.7年 | - |
※「資産2倍までの目安」は、この成績のまま1年が終わり、その利回りが続いた場合のざっくりした年数です。
最下位のフランスを除き、どの国も十分すぎるリターンです。
8月単月ではフランス株(−3.24%)の弱さが目立ちましたが、そのフランス株も月の初めのほうに最高値を更新しています。
イギリスは7月中、ほかの国は8月中に最高値を更新しており、どう見ても全世界的な株高です。
ただし、このペースが続くとは限らず、大きく減る年もあると考えておくことが大切です。
今年はすでに十分なリターンが出ているので、「もっと増やしたい」とリスクを取りすぎないよう気をつけましょう。
米国一強は終わる?米国株とほかの地域を比較
最近の注目テーマ「米国一強時代は終わるのか」について、定点観測として年初来パフォーマンスを比べます。
| 対象 | 投資先 | 年初来 |
|---|---|---|
| S&P500 | 米国株 | +12.28% |
| VEA | 米国を除く先進国にまるごと投資するファンド | +16.73% |
| VWO | 新興国にまるごと投資するファンド | +12.57% |
米国株も悪くない成績ですが、米国を除く先進国には負けており、新興国とはほぼ互角です。
【海外】ゴールド・債券ETF・米国高配当ETFの値動き
ゴールド(GLD)|8月に反転の兆し
代表的なゴールドETF「GLD」は、年初来で+約2.55%です。
7月末まで下がり続けていましたが、8月に入ってようやく反転の兆しが見えてきました。
出典:グーグルファイナンス SPDRゴールド・シェア(GLD)
ちなみに、ビットコインも少し持ち直しています。
法定通貨の信用が損なわれていく世界、つまりインフレが進む世界では、引き続き一定のニーズがある資産といえそうです。
米国債券ETF(AGG・LQD・HYG)|利回り4〜6%、利上げによる値下がりに注意
投資額に対して4〜6%ほどのインカム(利息)がほしいなら、米国債券は悪くない投資候補です。
米国の代表的な債券ファンドを3つ比べました。
| ETF | 特徴 | 年初来 | 分配金利回り | 主な投資対象 |
|---|---|---|---|---|
| AGG | 米国総合債券。ローリスク・ローリターン | −2.47% | 4.04% | 約7割が格付けAA(ダブルエー)の債券 |
| LQD | 優良社債。ミドルリスク・ミドルリターン | −3.61% | 約4.65% | 約9割が格付けBBB(トリプルビー)〜Aの債券 |
| HYG | 投資不適格債。ハイリスク・ハイリターン | −1.02% | 約5.87% | ほぼすべてが格付けCCC(トリプルシー)〜BBの債券 |
AGGは安全性の高い債券が中心で、この安全性で利回り4.0%を取れるのは悪くない水準です。
大きなリスクを取りたくない老後の生活で、十分なインカムを確保するのに役立つ水準です。
HYGは「ジャンク債」とも呼ばれる投資不適格の債券を集めたファンドで、利回りは6%に迫りますが、不景気には弱いので注意が必要です。
ただ、後で解説するように米国では利上げがありそうな雰囲気で、金利が上がれば債券価格は下がります。
今の4.0〜6.0%という金利水準は魅力的ですが、これからまとめて買いたい人は、もう少し様子を見てもよいかもしれません。
米国高配当ETF(HDV・VYM・SPYD)|値上がりで利回りは過去平均以下
高配当ETFは、キャピタル(売却益)とインカム(分配金)の両方を狙えるファンドです。
| ETF | 年初来 | 現在の分配金利回り | 過去平均の利回り |
|---|---|---|---|
| HDV | +21.30% | 約3.07% | 約3.5% |
| SPYD | +14.73% | 約4.06% | 約4.5% |
| VYM | +14.18% | 約2.21% | 約2.9% |
※年初来のリターンに分配金は含んでいません。
いずれも、年初来+約12%のS&P500を大きく上回りました。
ちなみに、ナスダック100(米国の代表的なハイテク株指数)は年初来+約17%です。
分配金を含めると、高配当ETFとハイテク株はほぼ互角といえます。
一方で、値上がりの影響により、分配金利回りは過去平均よりかなり低い水準になっています。
先ほどの債券ETFと比べても利回りの魅力は乏しく、強い増配が期待できる状況でもありません。
両学長は、米国の高配当株を買うよりも、欧州や日本の高配当株を買うほうが好みとのことです。
4〜5%の利回りを無理なく狙えるからです。
【海外】8月のトピックス|世界で長期金利上昇・ジャクソンホール会議で利上げ警告?
8月の海外トピックスは、次の2つです。
- 世界で長期金利が上昇
- ジャクソンホール会議で利上げ警告?
①世界で長期金利が上昇|背景はインフレ・財政懸念・AI投資
米国・フランス・ドイツ・日本と、どの国を見ても長期金利が上がっています。
出典:日本経済新聞「世界で金利上昇連鎖、日本30年ぶり高水準 中東・財政・AI投資の重圧」
一般に、長期金利とは10年物国債の利回りのことです。
今の日本の長期金利は約3.0%です。
これは、日本政府が国債を発行してお金を借りる際に「年3.0%の利息を払わなければならない(元本は10年後に返す)」という意味です。
理由は次の3つです。
理由①:インフレ
物価が毎年5%上がる世界で年3%の固定金利を受け取ってもおいしくないので、インフレが進むとより高い金利が求められます。
理由②:財政懸念
個人の借金と同じで、財政状態の悪い国ほど「返ってくるか不安」と見られ、高い金利を求められます。
理由③:AIへの巨額投資
ハイパースケーラーと呼ばれる大規模クラウド事業者が、AIへの投資資金を集めるために、巨額で高利回りの社債を発行しています。
Googleの親会社アルファベットやAmazon、Microsoft、Metaは業績も財政状態も良く、国に匹敵する格付けを持っています。
投資家が国債と優良な社債を選べる世界では、国も社債に負けない高い金利を払う必要があります。
この3つを背景にした長期金利の上昇は、短期で落ち着くものではなさそうです。
債券は、金利が上がると価格が下がります。
高めの金利につられてうかつに手を出すと、さらに金利が上がったときに含み損が大きく膨らむので注意しましょう。
②ジャクソンホール会議で利上げ警告?|9月の利上げ確率は約60%に
8月27日〜29日に、ジャクソンホール会議が開かれました。
アメリカ・ワイオミング州のジャクソンホールで年1回開かれている、世界的な経済会議です。
出典:日本経済新聞「ジャクソンホール会議が開幕、FRBの針路占う 28日深夜に議長講演」
世界各国の中央銀行総裁や有名な経済学者、大手金融機関の幹部やエコノミストなどが参加します。
今回押さえておきたいのは、FRBのウォーシュ議長が講演で「インフレが続くなら利上げもありうる」という趣旨の発言をしたことです。
アメリカの9月の利上げ確率は、次のように変わりました。
| 時点 | 9月の利上げ確率 |
|---|---|
| ジャクソンホール会議前 | 約35% |
| ジャクソンホール会議後 | 約60% |
「利上げはなさそう」という雰囲気から、「利上げもありうる」という雰囲気に変わりました。
あくまで一般論ですが、利上げがあると次のような動きが起きやすくなります。
- ドル高になる(金利の高いドルを欲しがる人が増えるため)
- アメリカの債券価格が下がる
- 米国株に下落圧力がかかる
自分の資産に不利なことが起きるかもしれないと感じた人は、今のうちに心の準備をしておきましょう。
予想していれば耐えられます。
金利が上がると身近な資産にどんな影響があるのかは、こちらの記事で解説しています。
→ 政策金利が上がると何が起きる?預金・国債・不動産への影響3つ
まとめ:8月を踏まえた投資のポジション
- 8月の日本株は引き続き好調。特にグロース株が急上昇
- 国内景気は上向き。ただし、インフレ再燃の懸念などもあって個人消費は弱い
- 実質賃金は6か月連続のプラス。賃上げ+ボーナスで好調
- 約28年ぶりの日米協調円買い介入。一時約8円の円高になったが、効果は一時的か
- 日本の上場企業は業績好調。過去最高益を背景に増配が相次ぐ
- 世界中で株価が好調。アメリカもヨーロッパ各国も最高値圏
- ゴールドに反転の兆し
- 米国高配当株はパフォーマンス好調も、配当利回りが低下。欲しい水準ではない
- 世界中で長期金利が上昇。背景はインフレ・財政懸念・AIへの巨額投資。債券価格の下落に注意
- FRBのウォーシュ議長が、ジャクソンホール会議で利上げを警告か
8月もいろいろな出来事がありましたが、両学長の投資スタンスは変わりません。
- インデックス運用(iDeCoやNISA):淡々と継続
- アクティブ運用(高配当株投資):日本株は、良い銘柄があれば拾っていく。米国の高配当株は、今は買い時ではない
現在の日本の高配当株は731社で、前月末から79社減りました。
8月は高配当バリュー株にも投資マネーが流れたことで、魅力的な高配当株が減っています。
とはいえ、買うものがまったくないわけではないので、引き続き良い銘柄を厳選していきたいところです。
米国の恐怖・強欲指数は「Neutral(普通)」
最後に、米国の「恐怖・強欲指数」を確認します。
相場が強気のときは「Greed(強欲)」、弱気のときは「Fear(恐怖)」を示す指数です。
最新の状況は「Neutral(普通)」で、強気にも弱気にも偏っていない、平穏な状態でした。
出典:Fear & Greed Index
2026年も、残すところあと4か月です。
今のところ「〇〇ショック」と名がつくような株価暴落は起きていませんが、このまま無風で終われるとは限りません。
何が起きても大丈夫なようにリスクをコントロールしつつ、腰を据えて長期投資を続けていきましょう。
資産所得を育てる考え方をさらに学びたい人は、こちらもどうぞ。
→ 【増やす力 強化編 1】「資産所得が育つ」両学長のお金の講義6選
▼動画で学ぶ


















