
皆さんがリベ大で日々学んでいるように、リベ大両学長も日々「お金のノウハウ」を蓄積しています。
今回の記事は、両学長がインプットしたニュースの中から、お得なモノやトレンドを毎月ピックアップしてお届けする人気企画、「お金のニュース」です。
リベ大で紹介するお金のニュースは、以下のテーマに関係したものに絞っています。
- 年収アップ(転職、副業、起業ネタ)
- 貯蓄額アップ(節約ネタ)
- 投資(株式投資、不動産投資ネタ)
- 資産防衛(節税対策、詐欺にあわないための知恵)
今回は2025年の第11弾として、皆さんの資産形成に関係する重要なニュースを厳選しました。
「お金のニュース」は、以下のような人に向けた時間節約記事となっています。
「新聞を読む暇がない」
「ネット記事を見る時間がない」
「読んだけどよく意味が分からなかったから、解説してほしい」
毎月1本、このシリーズの記事を1年間読み続ければ、金融リテラシーが上がるネタを約100本も学べます。
コツコツと積み上げていくことで、毎月確実にレベルアップできるでしょう。


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目次
解説動画:【知ると役立つ】2025年11月 学長が選ぶ「お得」「トレンド」お金のニュース Best6
このブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
【2025年 ⑪】お金のニュース
ニュース1:【要注意】歳をとるほどインフレがつらい理由

1つ目のニュースは、2025年10月11日の日本経済新聞から、「値上げ許容度、50代低く 本紙調査、若年層と10ポイント差 賃金上昇率の違い映す」です。
20代~30代と比べて、50代は値上げに対する許容度が低く、値上げに不満を感じている人が多いようです。

先に、インフレ対策の結論からお伝えします。
- インフレに強い資産を持つ(預金や債券ではなく、株式や不動産)
- いつでも好きな仕事で稼げるように準備しておく
この結論を踏まえ、今回の記事では「なぜ歳をとると値上げを許容しにくくなるのか」を中心に解説していきます。

- 対象者:全国の20代~50代の男女1,041人
- 調査期間:8月6日~10日
- 調査内容:値上げによる家計の負担感など
〈主な調査結果〉
- 20代~40代:63%~66%の人が「値上げは仕方ない」「どちらかと言えば仕方ない」と回答
- 50代:56%の人が同様に回答
つまり、50代の方が「値上げは仕方ない」と考えている人が約10%も少なかったワケです。


具体的には、以下のようなコメントもありました。
「自身も労働者として賃上げが進む社会になってほしい」(20代男性)
「人件費が上がれば経済が良くなる」(30代女性)
一方で50代は 「賃金が上がっている実感がない」というネガティブな意見が目立ちました。


2020年~2024年の賃金上昇率は、
- 20代→9.4%
- 30代→8.4%
- 40代→6.9%
- 50代→4.9%
というように、歳をとると年収額は若い世代より多くなるものの、年収の「上昇率」は低くなっています。


きつくなるのは、以下のような人です。
- ① 貯金好きな人
→ 貯めたお金の価値が削られ、買えるモノが減る - ② 年金生活者
→ 年金の価値がゴリゴリ削られ、買えるモノが減る - ③ 低所得者
→ ただでさえ生活が苦しいのに、さらに買えるモノが減る - ④ 賃金上昇率が低い会社で働く人
→ 働けども働けども、毎年買えるモノが減っていく - ⑤ インフレ率の高いモノをよく買う人
→ 例えばパンの値段が1年で2倍になる世界では、パンが大好きな人は生活が苦しくなっていく
一般に、日本の高齢者は「年金 + 貯金」で暮らしています。
現役世代より低所得の人も多いため、上記①②③に当てはまる典型的なインフレに弱い人と言えるワケです。

また先ほども見たように、50代になると賃金上昇率が大幅に低くなるのも「歳をとるほどインフレに弱くなる背景」の1つです。
年金収入の人にとっては、例えば賃貸マンションの管理費の値上げなども大きく生活を圧迫します。
収入は変わらないにもかかわらず、生活費だけが上がるプレッシャーがどれほど大きいか、皆さんも想像してみてください。


- インフレに強い資産を持つ
- 賃金上昇率の高い仕事をする
インフレに強い資産とは、株、不動産、ゴールドなどです。
そして忘れてはいけない資産が、自分の「稼ぐ力(人的資本)」です。
リベ大やリベシティで学んでいる人は、
- オルカンやS&P500連動ファンド、高配当株といったインフレに強い資産を持っている
- 転職、出世、副業、独立起業などで稼ぐ力を鍛え続けている
というように、すでにしっかり対策しているはずです。
現状皆さんが 「インフレ?確かに値上がりしているけど、そこまでつらくない」と感じるのであれば、これまで積み重ねてきた努力の成果なので自信を持ってください。
もしも資産形成のための取り組みをせず、新卒から同じ会社に居続け、貯金するだけで投資をしない状況なのであれば、今ごろインフレで困っていたかもしれません。

インフレ対策は、インフレが本格化してからでは遅いのです。
なぜならその段階では、
- 生活費がすでに高くなっており、投資資金をひねり出せない
- 株も不動産もゴールドも値上がりしている
という状態になっているためです。
この状態になると、労働者から資本家へのステップアップはかなりハードルが高くなります。

今はすでに物価が上がっていますが、それでも「インフレの初期段階」です。
その意味で、資産形成・インフレ対策はまだ間に合います。

ニュース2:【貯めこみすぎ!】お金の使い道、上場企業に説明責任

2つ目のニュースは、2025年10月18日の日本経済新聞から、「現預金の使い道、上場企業に説明責任 金融庁が統治指針改訂へ」です。
金融庁が、「上場企業が現預金をため込みすぎず、適切に活用しているかどうかの説明を求める方向」で検討しているようです。

そこで今回の記事では、
- 今どうなっているのか
- どのよに関係するのか
この2点について解説します。
まずは以下のグラフをご覧ください。
上場企業がどれくらい現預金を貯めこんでいるかの推移を示したグラフです。

桁が大きすぎて実感が湧きにくいですが、「とんでもなく貯めこんでいる」事実は伝わるのではないでしょうか。
もちろん商売がうまくいけばお金は増えていきます。
しかし同時に、次のような疑問を持つ人も出てきます。
「そのお金、ちゃんと有効活用していますか?」
「従業員にしっかり給料を払っていますか?」
「未来のための事業投資をしていますか?」
上場企業は、株主をはじめ、多くの利害関係者に支えられています。
だからこそ社長が、「お金の使い道は自分の勝手だ!口を挟むな!」と言うワケにはいきません。
金融庁主導のもと、上場企業は「現預金を効率的に活用しているのか、説明責任を課される」方向で話が進んでいるのが今の状況です。



上場企業が、ため込んだ現預金を有効活用するようになると、経営の効率性が上がり、売上や利益が増えます。
その結果、株価が上がる可能性があるワケです。
日本株に投資している人にとって嬉しいだけではなく、オルカン保有者にとってもプラス材料になります(オルカンの約5%は日本株)。
今回のニュースのように、企業に説明責任が課された時、企業の対応は大きく次の3つに分かれます。
- 率先して前向きに対応する
- 他社の動向を見て“形だけ対応する”
- 無視するか、必要最低限の対応しかしない
あくまでも両学長個人の意見ですが、「良いな」と思う企業は1と3だそうです。

逆に「微妙」と思う企業は2。
なぜなら決断力が弱く、建前ばかりで本質的な経営ができていない印象だからです。
このような企業の対応の違いを見ることで、就職・転職時の会社選びの質が格段に上がります。
デフレ時代なら、「現金をため込むな」という話題にはなりません。
なぜならデフレは、現金の価値が上がり続ける世界だからです。
しかし今は、現金は寝かせるより投資した方が価値を生む状況になっています。
企業に「もっとお金を活用しなさい」という状況なのは、まさにインフレ時代が到来している表れです。



今回は上場企業に関する話でしたが、ぜひ皆さん自身も現預金の有効活用(資産形成の効率化)を意識してみてください。
貯金と投資のバランスを最適化し、「じぶん株式会社(=あなた自身)」の株価をどんどん上げていきましょう。
ニュース3: オルカン S&P500の「その次」へ?

3つ目のニュースは、2025年10月23日のブルームバーグから、「野村HD社長、個人向けプライベート資産商品市場に拡大余地-テレ東番組」です。
野村HDの社長が、プライベート資産を組み込んだ投資商品の販売を積極化していきたい考えを示しました。

まずはニュースの概要からお伝えします。
野村HDの社長が、BSテレビ東京の番組で次のような趣旨の話をしていました。
- 日本の投資家のポートフォリオは、海外に比べてプライベート商品が「まだまだ少ない」
- パフォーマンス向上などのため、「日本には余地がある」「ここから積極的に取り組む」
- 商品性やリスクを説明し、ご理解いただいた上で投資してもらう

プライベート資産とは、具体的には次のようなものを指します。
- 未公開株(非上場株)
- 非上場企業の債券
- 不動産、インフラ
要は、証券取引所のようなオープンな市場で買えない投資商品です。
S&P500連動ファンドやオルカンなどが「ガラス張り」の世界だとすると、プライベート商品は「ブラックボックス」の世界のようなイメージです。
今プライベート資産の市場は大きく成長しており、今後も伸びると予測されています。(下図参照)


- 富裕層だけができるオーダーメイド投資をしませんか?
- ハーバード大学が採用する投資戦略をあなたも!
- S&P500やオルカンの“次の投資”としてプライベート投資をしませんか?
冒頭に伝えた結論の通り、これらはしっかり断りましょう。
広告を見て問い合わせをしたり、自分から情報を取りに行ったりしてはいけません。

- コスト(手数料)が高い
- リスクの大きさが不明瞭
名著『ウォール街のランダムウォーカー』には次のように書かれています。
ヘッジ・ファンド、プライベート・エクイティおよびベンチャー・キャピタル・ファンドにも手を染めないほうがいい。
これらの商品は時には大きな儲けが出るが、ファンド・マネジャーは法外な手数料と、儲けの二〇%をピンハネしてリッチになる。
しかし個人投資家にとってはほとんど儲けが残らない。

プライベート資産は、「コスト面」「リスク面」で、リターンに見合わないことが多いのです。
今回取り上げたニュースでも、野村HDがプライベート資産の販売に積極的な理由は「新たな収益源として育てたいから」に他ならないでしょう。
ここで有名な金融ジョーク、「投資家のヨットはどこにある?」を紹介します。
昔々のものがたり。
おのぼりさん一行が、ニューヨークの金融街を見学させてもらっていた。
一行がウォール街にほど近いバッテリーパークへやって来ると、ガイドのひとりが停泊中のすばらしいヨットの数々を指さして言った。
「ごらんください。あそこに並ぶヨットは、みな銀行家やブローカーのものですよ」気のきかない田舎者がこう聞いた。
「お客のヨットはどこにあるのかね?」
(参考出典:フレッド・シュエッド・ジュニア著「投資家のヨットはどこにある?」)

なぜなら、儲かっているのはウォール街の銀行家で、投資家にお金はあまり残らないからです。
この話は、ぼったくり商品を売っている側が儲けて、リスクを取っている投資家が儲からないという皮肉を伝えています。
プライベート資産への投資は、この話そのものです。

S&P500やオルカンが広く浸透してくると、「それだけで良いんですか?」「もっと良い投資がありますよ?」という話が必ず出てきます。
繰り返しになりますが、このような話に耳を貸す必要はありません。
次のような整理をすると分かりやすいでしょう。
- 上場株・国債・上場ファンド
→ “殺菌消毒済”の食べ物 - プライベート資産
→ “状態不明”の食べ物

少なくとも、資産5,000万円超の小金持ち山に登るために必要な投資ではありません。
オルカンなどのインデックスファンドへ淡々と投資できる人は、いつか自分のヨットを持てます。
一方よく分からない商品に手を出す人は、業者のヨットを買うことになるでしょう。

ニュース4:【必見】オルカン最新情報

4つ目のニュースは、2025年11月7日の日本経済新聞から、「MSCI、「全世界株」日本4銘柄追加 キオクシア・JX金属など 3年9カ月ぶり純増、資金流入に期待」です。

突然ですが皆さんは、「良い投資家」と「悪い投資家」の違いは分かりますか?
答えは以下の通りです。
良い投資家:自分が何に投資しているか理解している
悪い投資家:自分が何に投資しているか理解していない


ということで、今回はオルカンの最新メンテナンス情報を解説していきます。
結論、日本株の銘柄入れ替えは、次のようになりました。



- 追加:AI・半導体関連
- 除外:食品関連
世界は今、AIブームの真っただ中です。
そのためAI関連企業は業績が伸び、株価も上がっています。
今回追加された企業を詳しく見ていきましょう。
- キオクシア
→ フラッシュメモリを製造する半導体メーカー - JX金属
→ AIデータセンター向けの材料で高いシェア - 荏原(えばら)
→ 半導体工場向けの装置やポンプなどを販売

一方で除外された食品系企業は、「円安で原材料価格が上昇」「賃金がそれほど伸びておらず消費が弱い」といった背景から、業績が伸びにくく株価も苦しくなっています。
今回除外された「明治HD」「日清食品HD」「ヤクルト」は、いずれも歴史ある有名企業ですが、今は逆風が吹いている状況です。



現在、オルカンは世界47カ国の約2,500企業に投資しており、投資対象は今回のように定期的に入れ替わります。
業績が良く株価が伸びている企業は追加
業績が悪化して株価が下がっている企業は除外
というように、基本的に自動メンテナンスされます。


皆さんが何もしなくても、成長産業の企業が組み入れられ、停滞産業の企業は抜けていく。その結果、世界全体の時価総額の約85%が適切にカバーされ続けます。
この自動メンテナンス機能こそ、時価総額加重インデックス最大の強みです。
リベ大でおすすめしているeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が代表例です。
今は、誰でも簡単に優良ファンドへ投資できる本当に良い時代になりました。


どのような投資スタイルであれ、入金力は最大の武器です。資産形成を成功させるためにも、圧倒的な入金力をつけていきましょう。
ちなみに高配当株投資家の皆さんは、除外された銘柄の“今後”は要チェックです。
なぜなら、多くの人が見放し、総悲観になったところが投資チャンスになるからです。
いずれにせよ、
- 自分が何に投資しているのか
- 今の経済状況がどうなっているのか
このあたりをしっかり理解しながら、資産形成を進めていきましょう。

ニュース5:【筋肉は正義】AI発展で潤うブルーカラー

5つ目のニュースは、2025年11月2日の日本経済新聞から、「米国で「ブルーカラービリオネア」現象 AI発展で潤う肉体労働者」です。
米国で、ブルーカラー(肉体労働者)の収入が上がっているようです。

- 音響装置の修理技師が、ポルシェに乗ってやって来た
- 配管工は、今や医者よりも収入が高い
AIには代替できない技能を身につけ、経験を積んだ職人の需要が高まっているワケです。
米労働省の統計によると、ブルーカラーの仕事で賃金が最も高いのは、エレベーターとエスカレーターの設置・修理工で、年間所得の中央値は10万6,580ドル(約1,600万円)と驚きの高水準です。
一方米国では、AIリストラが話題になっています。AI導入による業務効率化を背景に、不要になった従業員が解雇されるケースが増えているのです。
米国のとあるコンサルティング会社によると、米国では2025年1月~9月の間で約100万人分のリストラ計画が公表されており、過去5年間で最高水準とのことです。


そして冒頭でお伝えしたように、逆に高度な技術を持つブルーカラーが稼ぐチャンスは増えています。
ここでいう「技術」とは、以下の意味合いです。
工場の機械で代替できる大量生産型の技術ではなく
個別性の高い、職人的な技術

- 弁護士が自宅オーディオシステムを修理しようとしたところ、技術者から数千ドル(数十万円)を請求された
- アパートの水漏れ修理を頼んだら、2時間で800ドル(約12万円)を請求された
日本でも似たような現象が見られます。
例えば「くらしのマーケット」などのサービスでは、エアコン設置や電気工事などの価格が上がっています。
仮に電気スイッチの修理を1件1万円で受けている職人さんであれば、1日に3件工事を行えば3万円、20日稼働で月60万円です。

アメリカに話を戻すと、トランプ大統領は今年4月に熟練工の職業訓練を向上させる大統領令に署名しています。
関税戦争の結果、製造業がアメリカに戻ったとしても、職人がいなければ意味がないためです。
こうした背景もあり、アメリカの若者の間では、大学に進学してホワイトカラーを目指すよりも、職業訓練を受けてブルーカラーを目指す動きが増えているようです。

- 大学進学には多額の教育ローン(借金)が必要
- 大学に行ったからといって、希望のホワイトカラー職に就けるか分からない
- ブルーカラーはAIに代替されにくい
- 手に職をつければ長期的に有望
- ホワイトカラーより稼げる可能性がある


この流れは、多くの人にとってチャンスが増えて良いことではないでしょうか。
- 学力に自信がある人は、大学に進学してAIに負けないホワイトカラー職へ
- 体力に自信がある人は、大学に行かず機械に代替されにくいブルーカラー職へ
というように、いずれにせよ「人間ならでは」の価値を提供することに変わりはないからです。
一本道のレールに従い、「お金持ちになるにはこの道しかありません」と決められるより、はるかに面白いでしょう。
工場の機械もAIも、生産性を高めるものです。そして生産性が高まれば、人間に払えるお金も増えます。
AIの影響で仕事を失う人も出てくるでしょうが、長い目で見れば「人間の価値が上がっている」と捉えることもできます。

人間にしかできない仕事でしっかり稼ぐ
稼いだお金を優良インデックスファンドに投資する
とはいえ今の時代、子どもがいる家庭は進路選びに悩むことでしょう。
分かりやすい必勝パターンが存在しなくなるので無理もありません。
ココは悩みながら一緒に進んでいきましょう。
変化の激しい時代・長寿の時代では、「一生同じ仕事を続ける」という考え方自体が難しくなっています。
40年間同じ仕事を続けられると考える方が非現実的です。

同じ職種で転職するにせよ、まったく新しい職種に挑戦するにせよ、リスクを取れるのは「金融資産があるから」こそです。
たとえ稼げない時期があっても、蓄えがあれば乗り切れます。
その意味で、蓄財の価値はこれまで以上に高まっていると言えるでしょう。

ニュース6:ウォーレン・バフェットが語る「お金持ちの悩み」とは?

6つ目のニュースは、2025年11月11日のウォール・ストリート・ジャーナルから、「バフェット氏、株主へ「最後の手紙」 9つの注目点」です。

レジェンド投資家ウォーレン・バフェット氏(95歳)。彼が毎年書いている「株主への手紙」に、今回も興味深い内容があったのでサクッと紹介します。
バフェット氏は2025年末にバークシャーのCEOを退任する予定なので、今後は「株主への手紙」が読めなくなるワケです。

アメリカでは、市場改革によって「経営者の報酬」が公表されるようになりましたが、バフェット氏は株主への手紙で「この改革は裏目に出た」と述べています。
その理由は、経営者が他社の報酬を見て、さらに自分の報酬を引き上げようとしたからです。


新しいルールは節度ではなく、嫉妬を生み出した。
非常に裕福なCEOたちをしばしば悩ませるのは――結局のところ彼らも人間だ――他のCEOたちがさらに裕福になっていることだ。
嫉妬と貪欲は手を取り合って歩む。
本来、市場改革者たちは、「報酬が公表されれば、経営者は高すぎる報酬を恥じるだろう」「自分の報酬を抑えて、従業員や株主に還元するようになるだろう」と考えたのでしょう。
しかし結果は逆で、このルールが生み出したのは、節度ではなく嫉妬でした。
経営者たちの「もらいすぎ」を抑えるどころか、嫉妬と競争心を刺激し、報酬をさらに上げる方向に働いたワケです。



例えば、
- キャバクラで豪遊していたら、自分以上に豪遊している社長がいた
- 一等地にオフィスを借りたら、その上階にもっと広いオフィスを借りている社長がいた
- 買った別荘の横に、もっと大きな別荘があった
- 買ったヨットの隣に、さらに大きなヨットがあった
という具合です。
このような話はいくらでもありますし、投資家の集まりなどでも同じです。
お金持ちはお金持ちを呼び、お金持ちのレベルは収入や資産額で客観的に測れてしまうため、どこへ行っても自分以上のお金持ちを目にすることになります。

すると、自分がお金持ちに見えなくなるのです。
「お金持ちの中で一番の貧乏人」でいたい人はいません。
もう一度、バフェット氏の言葉を引用します。
非常に裕福なCEOたちをしばしば悩ませるのは――結局のところ彼らも人間だ――他のCEOたちがさらに裕福になっていることだ。
人間は、自分以外の人がお金持ちになるのをツラいと感じてしまう生き物です。
特に、それが身近な人ならなおさらです。
例えば、
- 会社の同僚が、投資で1億円の資産を作った
- 兄弟姉妹が、宝くじで3億円当てた
- 昔からの友達が、相続で5億円手に入れた
これらの話を聞いて、まったくモヤっとせずに受け入れられる人はほとんどいないでしょう。

- 見なくて良いものは、見なくて良い
- 比べなくて良いものは、比べなくて良い
他人の年収や資産額はどうしても気になるものですが、見てモヤモヤするタイプの人は距離を置くべきです。
他人の収入や財産に嫉妬する人は、幸せなお金持ちにはなれません。
95歳のバフェット氏が、最後の手紙のテーマの1つとして「嫉妬」を選んだことには、非常に重い意味があります。
嫉妬・貪欲が人生を台無しにする場面を、バフェット氏はイヤというほど見てきたのでしょう。
インターネットで他人の収入や財産が見えやすい時代だからこそ、この嫉妬というテーマはより重要です。


まとめ:【2025年 ⑪】お金のニュースを振り返ろう



自分が当たり前だと感じているお金の話が、友人に話してみたら「なんだそのマニアックな話は!」のように変わっていくはずです。
リベ大のオンラインコミュニティ「リベシティ」は、資産を増やす実戦の場として最高の街です。
今回紹介したような最新の情報も飛び交っているので、興味のある人はチェックしてみてください。

それでは、今月も最後はイチロー氏の名言を紹介します。

「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」
これからもリベ大を通じて、少しずつお金に関して学んでいきましょう。
その結果として、年収が400万円から450万円にアップしたり、年間貯金額が40万円から60万円にアップしたりという成果につながることを願っています。

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