こんにちは、こぱんです!
2020年8月28日に、安倍総理が首相官邸で「辞任」の意向を表明しました。
安倍総理辞任の報せを受けて、
- 日経平均株価は一時600円急落
- 為替相場は前日比1円20銭高と急激に円高が進み
- 1ドル=105円20銭となりました
言うまでもなく、日本の総理辞任は「世界のニュース」で、経済に与える影響は測り知れません。
今回は以下の3点について解説します。
- メディア各紙の反応
- 株価への影響(短期・中長期)
- 今後、どう資産運用していくか?
目次
解説動画:【超重要】安倍総理辞任で、資産運用はどうすべきか?3トピックを分かりやすく解説
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
メディア各紙の反応
安倍総理辞任に関して、メディアの反応をざっくり見てみましょう。
朝日新聞
朝日新聞の安倍政権に対する評価は、抜粋すると以下の通りです。
御厨氏は「安倍政権は『やった感』より『やってる感』を重視する」と言う。見事にこの政権の本質をついた分析だと思う
政府・日銀がやっていることは「財政ファイナンス」(日銀が紙幣を刷って財政を支えること)とか、「マネタイゼーション」(国債の貨幣化)と呼ばれる、先進国では「禁じ手」
この7年余りは世界経済や人口動態の動きのなかで日本経済はきわめて良好な環境を迎えていた。そのタイミングでたまたま誕生した安倍政権が、運良くその恩恵に預かった
毎日新聞
毎日新聞の記事はこちらです。
円安・株高で大企業中心に業績は上向き、戦後2番目に長い景気拡大も実現したが、多くの国民にその実感は乏しい
産経新聞
一方で、産経新聞は以下のような記事を出しています。
日本銀行による「異次元の金融緩和」は金融市場に歓迎され、行き過ぎた円高は是正され、株価は持ち直し、政権運営の原動力となった
経済界からは経済政策「アベノミクス」で企業業績を上向かせたこれまでの実績を評価する声が相次いだ
アベノミクスによる円安・株高効果で、輸出産業を中心に企業業績が回復
読売新聞
読売新聞の記事も見てみましょう。
大胆な金融緩和を柱とした経済政策「アベノミクス」を推進し、経済・雇用を回復軌道に乗せた
ブルームバーグ
海外メディアであるブルームバーグの記事は以下。
アベノミクス下での経済政策や日本銀行の金融政策運営に大きな変更はないとの見方でエコノミストはほぼ一致している
ウォールストリートジャーナル
同じく海外メディアのウォールストリートジャーナルの記事です。
在任中に日本経済は第二次世界大戦後最大の成長を遂げ、失業率は4半期ぶりの低水準に落ち込み、主要株価指数は倍の値上がり
首相は経済の立て直しを約束したにも関わらず、生産性や働きやすさでは他国と比べ依然劣っており、アベノミクスで未解決の課題を多く残した
各メディアの反応まとめ
メディアの反応をまとめると、大きく2つの関心事があります。
アベノミクスを評価するか?(これまでの話)
アベノミクス路線は継続されるか?(これからの話)
これらの関心事に対するメディアの反応をまとめると、以下の通りです。
景気回復の実感に乏しい政策だった
→厳しい指摘で、安倍政権を評価していない
円安・企業業績向上
→安倍政権の経済政策を評価している
今後もアベノミクスの路線の継続を期待する
→渋い論調でありながら、アベノミクスによる為替の状況・株高は評価している
さらにメディア全体をまとめると、
株式投資をしていた人は、その恩恵を得た
失業率は下がった
実質賃金は上がらず、いまいち生活は豊かにならなかった
非生産的・非合理的な働き方で、仕事が大変だった
という状況です。
これから安倍政権の総括が行われていくと思うので、
リベラル派の主張 保守派の主張 海外メディアの主張をバランス良く見つつ、「自分の考え」をまとめていきましょう。
株価への影響(短期・中長期)
安倍総理辞任による株価への影響を、短期・中長期で分けて考えてみましょう。
大前提として、理解して欲しいことが2つあります。
- トップの交代は、株式市場への影響が非常に大きい
- 株価への影響予想は「リベ大の私見」
2つの大前提
まず1つ目の大前提ですが「トップの交代や政権交代は、株式市場への影響が特大」ということです。
「誰が首相になり、どんな政策を行うか」は、その国の株式市場の行方を大きく左右します。
株高を目指すのは、安倍政権の政策の1つだったので、
- 「売り」のポジションを厚くとっていた人
- ひたすら買いのチャンスを伺っていた人
など国策に逆らっていた人は、利益を積み上げるのが難しい相場だったと思います。
アメリカでも「FRBとケンカしてはいけない」というウォール街の格言があります。
政府や中央銀行などの、巨大権力を持つ組織に逆らうようなトレードをすると、個人投資家は勝つことができません。
ちなみに、データで見るとわかりやすいのですが「長期政権と株高」には相関関係があります。
「政治の安定→経済の安定→株価の上昇」という流れがあるようで、政局が不安定になるのは一般的に経済にはマイナスです。
- 政権が株式市場にどういうスタンスを持っているのか?
- どんな経済政策を行おうとしているのか?
本当に重要なので、資産運用している人は今回のニュースを重く受け止めてください。
もう1つの大前提ですが、これから解説する株価への影響予想は「リベ大の私見」でしかありません。
大きなニュースが流れると
- アナリスト
- ストラテジスト
- コメンテーター
- 個人投資家
誰も彼もが好き放題言い始めるように、リベ大の意見もその数百人・数千人・数万人の中の1つに過ぎないので、予めご了承ください。
短期的な影響
本題の株価への影響について、まずは株価への短期的な影響から解説します。
結論から言うと、短期的な影響は、まったく分かりません(笑)
完全にノーアイデアで、特別に何かを売り買いするつもりはありません。
「○○だから、上がると思いますよ!」 「○○だから、下がると思いますよ!」というコメントをいくら頂いても「何もわからない」のです。
一般に国のトップが交代するときは、株価が上下に激しく動きます(=ボラティリティが高まります)。
- 減税するの?増税するの?
- 大規模な公共事業とかはやるの?やらないの?
- 金利は上げる?下げる?
- 後継は誰になるのか?政策の路線は維持されるのか?
- 解散はあるのか?
- 金融緩和はどうなるのか?
- 財政政策は?
経済の先行きは読みにくくなり、政策が維持されるか確かな情報もありません。
日本を含む世界中の機関投資家や個人投資家が、今回のニュースを受けてどう動くか?
- 株価のチャートを眺めてみても
- 様々な指標を眺めていても
そのトレンドが見えないのが現状です。
中長期的な影響
株価への中長期的な影響について、はっきり言うとネガティブです。
中長期では、日本株は下がると考えています。
理由は、安倍政権ほど「投資家に優しい」政権は珍しいためです。
後継が誰になるにせよ、安倍政権より「株価を上げる」ことに注力できる政権は、そうそうないと思います。
投資歴が長ければ長い人ほど、第2次安倍政権がいかに投資家に優しい存在だったか実感していることでしょう。
第2次安倍政権が発足した2012年以降のチャートをご覧ください。
株価が右肩上がりになっているのがわかります。
2012年以降に投資を始めた人は、買って持ってるだけで勝てるイージーな相場でした。
現状、日本株の6~7割が外国人投資家によって売買されていると言われており、日本株の上昇に一役買ってくれました。
しかし、外国人投資家たちが日本株を買った理由は
「日本企業の業績が向上しているから」ではなく
「日銀と年金機構が買いを入れるから」という感覚だと思います。
安倍政権による「買い支え」を上回るレベルの「買い支え」ができる政権が出てこないなら、外国人投資家にとっては「売り」だということです。
新聞にコメントを寄せている外国人投資家の反応を見ると「今までと同じで頼むよ」と言いたげなのがわかります。
- 「経済政策の大枠に変更はない」(ビル・ウィザレル氏)
- 「現行の緩和政策がほぼ維持されると予想」(マーク・チャンドラー氏)
- 「日本株投資への影響は限られるとみる」(ジェーソン・ドラホ氏)
- 「次期首相も経済政策“アベノミクス”の路線を踏襲することを期待」(クリス・ロー氏)
また、日本の状況を考えると「今までの路線を維持するしかないだろう」という感覚の人もいると思います。
それでも、変な路線変更もあるのが日本の政治です。
もし、次の政権の政策が「外国人投資家にそっぽを向かれる」ものなら、日本株は苦戦を強いられるでしょう。
今のところ
「政策は現状維持」
「日本株への影響は限られる」
という見立てが多そうですが、リベ大としては懐疑的です。
リベラル派の主張を見れば分かる通り、アベノミクスに批判的な人は大勢います。
リベラル派の政治家が実権を握り、経済政策を打てば、株式市場のエネルギーが逆回転します。
市場に資金を投入し続けて維持してきた株価なので、一度止まると逆回転を起こすでしょう。
なので中長期的な低迷を前提に、警戒心を高めているモードです。
今後、どう資産運用していくか?
以上を踏まえて、「今後、どう資産運用していくか」です。
これも、あくまでリベ大の私見です。
投資は自己責任ですから、くれぐれも最後は自分で考えて納得のうえで実行してください。
- 短期のキャピタルゲイン
- 長期のキャピタルゲイン
- インカムゲイン
短期のキャピタルゲイン
短期のキャピタルゲイン狙いについてです。
ボラティリティが上昇するので、大きな利益を獲得するチャンスが到来します。
「市場の他のトレーダーからお金がとれる!」と思う人は爆益を狙った取引にチャレンジしてください。
- 個別株への集中投資(現物・信用売買)
- オプションなどを使った取引も駆使
リベ大で紹介している
- インデックス投資(=長期のキャピタルゲイン)
- 高配当株投資(=インカムゲイン狙い)
などの「地味で儲からない」とされる投資が嫌な人は、首相辞任のような大きなニュースがあった時に、大きなリスクをとる必要があります。
僕もやってないや。
長期のキャピタルゲイン
長期のキャピタルゲイン狙い(=インデックス投資)についてです。
インデックス投資は、短期的にやることはありません。
その代わり、中長期的な目線で「日本株の割合を落とすか」を考える必要があります。
- VT(全世界株式に投資できるファンド)
- 楽天・全世界株式インデックスファンド
に投資している人は、自然に投資割合が調整されていくので何もしなくて問題ありません。
日本株が低迷して時価総額が減少すれば、自然とVTの中の日本株の割合も減っていきます。
一方で、
- S&P500
- ダウ
- 日経平均
- TOPIX
などの指数連動型ファンドを、自分で組み合わせている方は再考の余地があります。
自分でポートフォリオを作っている人は、日本株の投資割合をどうするか見直しを考えても良いかもしれません。
とはいえ、
- 一気に全部売る
- 一気に何十%も構成を変える
ような「急いで・大きく」動かす必要はありません。
先ほどのニュースで紹介したように、現状は「政策維持」の見方が強いからです。
安倍首相辞任のニュースで一時600円下げてはいるものの、パニックになる必要はないのです。
もともと余剰資金を長期で運用しているからね^^
そしてもちろん、米国株に集中投資している人は特にやることはありません。
日本株から資金が抜けるとしたら、そのお金は米国・ヨーロッパ・新興国などに向かうだけです。
ただし円高が進んだ場合は、外貨建ての資産の評価額は目減りするので注意が必要です。
世界中の国が金融緩和を行うことで、今の為替レートが維持されているに過ぎません。
なので、もし日本の政策スタンスが変わって円を刷らなくなったら円高になります。
円高懸念が高まっていることは、理解しておきましょう。
インカムゲイン
インカムゲイン狙いの投資についてです。
- 高配当株
- 債券
- 不動産
色々な種類がありますが、リベ大でよく扱う日本の高配当株について解説します。
金融緩和のお金が抜けて株価が下がるのは、高配当株投資家には悪いことではありません。
今まで株価が上昇してきた理由は「皆が、株価が上がると思っていた」からです。
実態経済・業績に関係なく
政府の金融緩和マネーによる値上がりを期待して
お金が入っていたわけです。
- 「値上がり期待の投資資金が抜けて」株価が下がる
- 「株価が下がるので株を売る」という人が増える
という流れで、企業の実力以上に株価が下がる可能性があります。
企業の実力以上に株価が下がった時が、高配当株投資のチャンスです。
減配可能性の低い、高収益・好財務の会社を買って
短期の含み損は気にせず、安定的に数%の配当をもらい続ける
市場の雰囲気がよくなって株価が回復すれば、インカム・キャピタル両方とれる
これが高配当株投資のやり方です。
投資は「トータルリターン」で考えるべきなので、値下がりが見えているのに買う、というのはナンセンスです。
しかし、それが成立し得る・心情的に取り組みやすいのが高配当株投資なのですね。
投資資金は余剰資金(=短期・中期では使わないお金)のはずです。
市場全体が「株なんて儲からない」といって、市場からいなくなる時には「元本は長期で成長すれば良い」と割り切りましょう。
10年20年と投資額の数%の配当金で利益確定し続けているうちに、経済サイクルが上向いて株価も上昇に転じます。
積み上げた配当金
安値で仕込めた株(株価)
が結果的に良いトータルリターンを生みます。
大切なのは、経済政策が「企業業績」に与えるダメージを慎重に読むことです。
特に日本の輸出企業は、円高になるとかなりダメージを受けます。
金融緩和のお金が抜けて値下がりした時に「買い時かどうか」をしっかり見極めましょう。
企業業績に影響なし:買い
企業業績に悪影響あり:買わない
高配当株投資は、インデックス投資と違って銘柄選定・投資タイミングが重要です。
リベ大では引き続き、インデックス投資の積立てを続けるとともにチャンスがあれば、高配当株も集める方針です。
もちろん債券や不動産なども見ており、ビジネスにも投資しているのでご理解ください。
あくまでも自分のリスク許容度・投資目的に従って、自分で考えて投資しましょう。
まとめ:バランスよく見つつ、「自分の投資方針」を確認しよう
今回の記事では、この3点について解説しました。
- メディア各紙の反応
- 株価への影響(短期・中長期)
- 今後、どう資産運用していくか?
メディアの反応:各社で差があるのでバランスよく見ていこう
メディア各紙の反応は以下のとおりです。
景気回復の実感に乏しい政策だった
→厳しい指摘で、安倍政権を評価していない
円安・企業業績向上
→安倍政権の経済政策を評価している
今後もアベノミクスの路線の継続を期待する
→渋い論調でありながら、アベノミクスによる為替の状況・株高は評価している
今後の論点は「アベノミクスを評価するか?この路線を継続か?切り替えるか?」というところです。
この論点については、まだ「未来をハッキリ語れる」政治家やアナリストは少ないので、続報を待ちたいところです。
引き続き
リベラル派の主張 保守派の主張 海外メディアの主張をバランス良く見つつ、「自分の考え」をまとめていきましょう。
株価への影響:短気は不明・中長期ではネガティブ?
株価の影響について、短期ではまったくわからず、中長期ではネガティブだと思っています。
トータルでアベノミクスがあまり評価されず
路線が切り替わるリスクがあると思っているからです。
切り替わらないにせよ、安倍政権ほど投資家に優しい政権は、なかなか出てこないと考えています。
なので、「株価が上がって欲しい投資家」にはネガティブです。
ただし、あくまでもリベ大の私見であることをご理解ください。
今後の資産運用:改めて自分の投資スタンスとよく相談しよう
今後どう資産運用していくかについては、改めて自分の投資スタンスとよく相談してください。
- 自分の投資目的は何なのか?
- 短期投資なのか?中長期の投資なのか?
- インデックス運用なのか?アクティブ運用なのか?
ボラティリティが高まる局面では、信用取引も使った短期のトレードで資産を大きく増やすチャンスです。
ただし資産を大きく減らすこともあるので、おすすめしません。
リベ大では「儲からない」と言われても、地味で堅実な運用をオススメしています。
リベ大でよく紹介してきた投資商品について、対応はそれぞれ以下の通りです。
VT(全世界株)やウェルスナビ(国際分散):何もしない
S&P500など米国集中投資:何もしない(円高注意)
S&P500やTOPIX連動ファンドで組んだポートフォリオ:日本株の割合を再考
高配当株投資(日本株):株価が下がったらチャンス(円高注意)
トップ交代・政権交代というのは、投資家にとって「トップクラスの重要ニュース」です。
このニュースの重さを受け止めて、改めて自分の投資スタンスを確認してみましょう。
大きなニュースがあった時「株価や経済はどう動くのか?」ということを身をもって経験しておくことは、今後の成功へ向けて良い機会になります。
今後も大きな経済ニュースについて都度解説していきます。
しっかり学んで行動して、自由への道を歩んでいきましょう。
以上、こぱんでした!
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