こんにちは、こぱんです!
リベ大では「無料で最高の金融教育」をモットーに、お金にまつわる5つの力について発信をしています。
▼図解:お金にまつわる5つの力
世界の人口の約0.25%に過ぎないユダヤ人ですが、
- ノーベル賞受賞者の20%がユダヤ人(ユダヤ系を含む)
- フォーブスが公表する長者番付でも、上位陣には常にユダヤ人がいる
上記の通りユダヤ人は、頭脳が優秀で、大金持ちや成功者が多いのです。
そんな彼らの成功の土台になっているのが「タルムード」であり、現代の日本を生きるために参考となる「お話」が数多くあります。
そこで今回は、タルムードの中から「正直な仕立て屋」というお話を紹介します。
豊かに暮らしていくために、非常に重要なお話です。
果たして、正直な仕立て屋は
ハッピーエンド
バッドエンド
どんな結末を迎えるのでしょうか?
タルムードに関して、1点だけ注意点があります。
聖典とみなされているのは、ヘブライ語で書かれたタルムードのみです。
他言語に翻訳されたものは誤訳の可能性があるため、より詳しく・正しく学びたい場合は専門書等を通じて学んでみてください^^
今回の記事は、「ユダヤ人の成功哲学タルムード金言集」のような日本語で解説したものを参考にしていますので、この点をご承知ください。
タルムードの話は、以下の記事でも紹介しています。
まだ見ていない人は、今回の話を見終わったらぜひご覧ください。
お金持ちになるための大原則を解説しています。
目次
解説動画:金持ちになりたい人が絶対に聞くべきタルムードの小話「正直な仕立て屋」
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
「正直な仕立て屋」
ある国で大干ばつが起こりました。
作物は枯れ、家畜は死に絶え、国中の人が困っていたところ、聖職者が夢の中で神様からのお告げを受けました。
「仕立て屋に祈りを捧げさせなさい。そうすれば大地に雨を降らせよう。」
ところが仕立て屋は、学のない人でした。
神へ祈るためのヘブライ語も分からない
聖書の内容もよく覚えていない
そのため最初は、聖職者は「きっとこの夢は間違いだ」と思って無視しました。
そして聖職者は、学のある人たちを集めて祈らせましたが、やはり一向に雨は降りませんでした。
その間も「仕立て屋に祈りを捧げさせよ」というお告げは、繰り返し何度も夢の中に現れました。
そこでとうとう、聖職者は仕立て屋に祈らせることにしました。
人々の代表として祈り台にのぼった仕立て屋は、いつも使っている巻き尺を持って祈りました。
「神様、私は仕立て屋を始めて40年になりますが、ただの一度も人を騙したり、ずる賢い商売をしたことはありません。
この巻き尺もご覧のとおり、全く狂いのない正確な巻き尺を使っています。」
「ですが、他の人は違います。
- わざと目盛りを狭くした巻き尺を使って生地を多く使ったように見せかけ、高い料金を要求する仕立て屋
- わざと秤を狂わせて、粉の量をごまかす粉屋
- 同じように秤を狂わせて、油の量をごまかす油屋
など、不正をしています。」
「でも私は違います。そういう不正は一切していません。
この私の正直で適正な商売を評価して頂けるならば、どうか雨を降らせてください。」
するとついに、雨が降り出しました。
その雨で、国中が救われたのでした。
これを知った人々は、自分の店に飛んで帰り、秤や巻き尺を正しいモノに直しました。
一見ハッピーエンドに感じるかもしれませんが、何か違和感を覚えた人もいるのではないでしょうか。
何も感じなかった人は、コナン君のようにアンテナを立てて、ぜひもう一度話を読みなおしてみてください^^
「正直な仕立て屋」は何を伝えるお話なのか?
では、「正直な仕立て屋」の2つのポイントと違和感について、解説していきます。
ポイント① 学問 < 正直さ
ポイント② 適正な商売は神様に愛される
お話から感じた違和感
ポイント① 学問 < 正直さ
1つ目のポイントは「学問 < 正直さ」ということです。
現代風に言うなら「マインドが最重要で、スキルは二番目」というイメージです。
もちろん知識やスキルは、武器にも防具にもなる大切なモノです。
ですが、知識やスキルが先行しても、本当の豊かさは手に入りません。
ヘブライ語が読める人の祈りではなく、
聖書を覚えている人の祈りでもなく、
正直な人の祈りが
神様に届き、恵みの雨につながったのです。
『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』という本があります。
クリスティーン・ポラスという人が、20年かけて行った「職場の無礼さ」についての研究をまとめた本で、日本でも10万部以上売れたベストセラーです。
人を見下すような発言をしたり、パワハラを繰り返すような無礼者を、職場で見かけたことがある人も多いと思います。
上司の場合:部下に「お前は本当にグズだな。給料ドロボウは明日から来なくていいぞ」と言う
同僚の場合:後輩に「お前みたいな能無しのフォローする身にもなってみろよ」と言う
マネージャーの場合:取引先に「仕様変更よろしく!報酬はそのままで!」と言う
『Think CIVILITY』では、「無礼な態度をとる人が職場にいるだけで、職場の生産性が下がる」ことが、実証研究の成果として示されています。
- 48%の人が、仕事にかける労力を意図的に減らす
- 38%の人が、仕事の質を意図的に下げる
- 80%の人が、無礼な態度を気に病んでしまい、仕事に集中できなくなる
実際、約10%の人が「職場に無礼な人がいる」ことを原因に、「転職」を経験しています。
その一方で「礼儀正しい人」というのは、周りから圧倒的に大切にされます。
両学長の周りにも、成功している人・豊かに暮らしている人には「礼儀正しい人」が圧倒的に多いそうです。
なぜなら、
正直
優しい
GIVEの気持ちにあふれている
人を大事にする
という人だったら、助けてくれる人が増え、チャンスも増えるからです。
「お金持ちは嫌な人が多い」というイメージを持っている人も大勢いると思います。
昔話でも、お金持ちは嫌な人が多いですよね。
ですが現実世界はむしろ逆です。
成功している人や豊かに暮らしている人は、圧倒的に礼儀正しい人・良い人が多いです。
いくらお金を持っていても、嫌な人はいずれ孤立してしまいます。
一時的にお金を持った人も、長い目で見たら無礼者は消えていくということです。
その経験があったからこそ、両学長は『Think CIVILITY』を読んだ時に
「ユダヤの歴史の中で受け継がれてきた英知が、科学的な研究で証明されたんだなぁ」
と感じたそうです。
リベ大が直接的なお金の知識だけではなく、マインド面についても触れているのは
- 歴史的な知恵として
- 実証研究で明らかにされた事実として
- 両学長自身が身をもって感じてきた体験として
「学問より正直さ」「スキルよりマインド」だと心底考えているからです。
姿勢さえ正しければ、スキルも結果も後からついてきます。
考え方・性格の良い人は、スキルも結果も後からついてきて成功しています。
ポイント② 適正な商売は神様に愛される
2つ目のポイントは「適正な商売は神様に愛される」ということです。
仕立て屋は40年間の長きにわたり、真っ当な商売を続けてきました。
ヘブライ語を学び続けたわけでも、
聖書の暗記に精を出したわけでもなく、
正直で適正な商売を続けてきたことが、
神様に指名され、祈りを聞き届けられる結果に繋がりました。
売り手良し
買い手良し
世間良し
みんなが喜ぶ状態のことを三方良しと言います。
逆に三方良しにならない商売は、長い目で見れば続きません。
誰かが無理をしている商売は、どこかでほころびが出るものです。
ケーキの売り手に無理をさせて「このイチゴケーキ200円で売って!」と買い叩いた場合を考えます。
上手くいけば、1回は200円で買えることができるかもしれませんが、
- もっと良い買い手(お客さん)を探すために去っていく
- 利益がなさすぎて潰れてしまう
などで、次からはケーキを買えなくなってしまいます。
売り手に無理をさせるのと同様に、
買い手に無理をさせて高く売りつける
世間の役に立たない商売を行う
などで、三方良しにならない場合も同じ話です。
三方良しにならない場合は、短期的には稼ぐことができても、長くは続きません。
「お金儲けは汚い」と思っている人は
- 従業員を働かせまくって搾取する
- お客さんにボッタクリ商品を売りつける
など、正直でも適正でもない商売ばかりを意識しています。
「お金儲けは汚いもの」という思い込みで
適正な商売
不適正な商売
この2つの区別がつかない人は、決してお金の神様に愛されることはありません。
「正直な仕立て屋」の違和感
最後にリベ大が感じた「正直な仕立て屋」の違和感についても解説します。
一見ただの「良い話」に見えますが、リベ大が「違和感」を覚えたのは、仕立て屋の
「他の人たちは正直じゃなかった。私だけが正直だった。」
という神に対する祈り方です。
リベ大の所感では、もしこの話に続きがあるのなら、この仕立て屋はいずれバッドエンドを迎えます。
理由は
「豊かになる正直者」から
「バカを見る正直者」へと
変貌したからです。
「正直な仕立て屋」の話を聞いて、以下のような感想を持った人もいるかもしれません。
「正直者が豊かになるとか、きれいごと言い過ぎ」
「道徳の教科書では正直者が報われるけど、現実はそんなに甘くないよ」
確かに現実の世界では、正直者が損をしてズル賢い方がお得に見えることも多々あります。
- ミスを正直に報告:怒られて減給になった
- ミスを黙っていた:お咎めなしで済んだ
そのため、
「僕は正直でした!だから神様に愛されました!」
という話を聞いても、理不尽にまみれた現実社会で生きる大人からすると「正直者はバカを見るだけ」と感じてしまい、納得できないですよね。
さて、では本当に正直者はバカを見るのでしょうか?
リベ大の見解ですが、正直者には
豊かになる正直者
バカを見る正直者
の2者がいると考えています。
豊かになる正直者は、自分の信念として「自分が正直でありさえすれば良い」と考える人です。
- 他人がどうか
- 他人からどう見られるか
について気にしません。
聖職者も、国民たちも
- この仕立て屋の正直さなんて気にも留めてなかった
- 評価していなかった(=祈らせようと思いもしなかった)
という状態でしたが、神様だけは見ていました。
この仕立て屋は、40年にわたり不平・不満を言わず、誰も見ていないところでずっと「正直」を貫き通していました。
だからこそ、祝福されたのです。
一方でバカをみるタイプの正直者は、自分が正直に生きているのに“他人にも”正直さを求める人です。
仕立て屋は、自分が正直に生きていたにもかかわらず、急に他人の批判を始めました。
- 「他の仕立て屋も、粉屋も、油屋も、誰も正直じゃない!」
- 「私だけが正直だったんだ!」
自分の正直さだけを伝えれば良いのに、自分の価値を上げるために他人を批判したのです。
例を出すと以下のようになります。
正直に仕事をしていたら、社長に正直さを買われて部長に昇進させてもらえた人がいました。
しかし、昇進した瞬間に積年の恨みを晴らすかの如く、
「他の人は不誠実なんだ!」
「みんな正直になるべきだ!」
と叫び出しました。
こんなことを言ってしまう人は、例えどんなに正直でも、その正直さが報われなくなることが多いです。
- 他人に評価されないから
- 自分が損するから
- 報われたいから
という理由で正直な態度をとるのを辞めるのは、打算的な正直さです。
幸い今までの誠実な態度を評価されてか、仕立て屋の祈りで雨は降りました。
ですが、もしこの仕立て屋が今回の件を“実績”として
「皆も、もっと私のように正直に生きるべきだ」
と、「他人に正直さを求める人」になってしまったら、いずれ誰からも祝福を受けられなくなる恐れがあります。
だから豊かになりたければ、「自分に対する正直さ」だけにフォーカスする方が良いでしょう。
正直に生きるかどうかというのは
自分だけの問題であって、
社会の問題ではありません。
この問題を混同して、時には怒りまで持ってしまう人もいるので注意しましょう。
自分が胸を張れるように正直に生きていたら、いずれ誰かが祝福してくれます。
まとめ:あくまで自身の内面の問題として、自分の正直さにフォーカスしよう
ユダヤ人の「人生の羅針盤」ともいえる書物・タルムードから「正直な仕立て屋」の話を紹介しました。
- 学はないけれど、40年にわたり正直で適正な商売を続けてきた仕立て屋
- 彼が祈ることで、干ばつに苦しんでいた国に雨が降り、国中が救われた
「正直な仕立て屋」は、「正直者が豊かになる」という原則を伝えるためのお話です。
「正直な仕立て屋」のポイントは2つです。
学問よりも正直さが重要です。
つまり、
マインドが最重要
スキルや知識は二番目
という順番です。
このポイントは、
- ユダヤの歴史的な知恵
- 最近の実証研究
- 両学長の経験
のどれを見ても、この順番は変わりません。
適正な商売をする人は豊かになります。
売り手良し
買い手良し
世間良し
という、三方良しの商売が適正な商売です。
「適正な商売」のオーナーになるというのは、経済的成功のための大原則の1つです。
最後に、リベ大の“個人的見解”として
豊かになる正直者
バカを見る正直者
この2者の違いについて触れました。
この仕立て屋がバッドエンドを迎えるのではないかと、心配になるね^^;
自分の正直さを声高に叫び、他人に正直さを強いるような人もいます。
しかし、そんな人の正直さの背景にあるのは「打算」です。
正直でいるかどうかは
個人の内面的な問題であり、
社会問題ではありません。
なので、自分の正直さにフォーカスしていきましょう。
タルムードには成功哲学が詰まっています。
- 上手なリスクの取り方の話
- ノーペイン・ノーゲインの話
- 「誠実さ」などのマインドの話
5,000年の知恵だけあって、豊かに暮らしていくために、とても重要なことを教えてくれます。
「正直な仕立て屋」が面白いと感じた方は、他のタルムードシリーズの解説もぜひ見てみてください。
以上、こぱんでした!
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