こんにちは、こぱんです!
インデックス投資で「全世界株式」のファンドに投資している人も多いと思います。
全世界株式は「アメリカを中心とした世界中の株式に投資できる」というものです。
つまり、全世界株式に投資することで"投資先を世界中に分散する"ことができます。
しかし、コロナウイルスなどの影響により世界中の相場は大暴落してしまいました。
分散投資ってホントに意味あるの?
ですが、世界中が一気に暴落して分散投資に不安を感じる声も多く聞こえました。
「分散投資に意味はあるのか?」の結論はこうです。
- 分散投資に「リスクを減らす効果がある」のは間違いないが
- 分散しまくることで無限にリスクを減らせるわけではない(リスクは常に残る)
というわけで今回は、
- 分散投資とは一体どんなものなのか?
- 分散投資の抱えるリスク
など、「分散投資のキホン」について分かりやすく解説します!
記事後半では「今後どう投資すればよいか?」という具体的なプランにも触れています。
目次
解説動画:【世界同時株安】分散投資に本当に意味があるのかを解説
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
分散投資(初級編)
分散投資とは?
分散投資の本質をよく表している例えがあります。
それは「タマゴを1つのカゴに盛るな」というものです。
(出典:大同生命「分散投資」)
これは、実際に資産運用を開始している人なら聞いたことがある話だと思います。
しかし、この話を聞いて「とにかくたくさんの銘柄に投資すれば安心なんだ!」と思ってしまう人がいます。
ところが、話はもう少し複雑です。
次は、もう一歩踏み込んだ部分を解説していきます!
分散投資の3つの例
(出典:金融庁「投資の基本」)
金融庁は「具体的な分散投資の例」を3つ挙げています。
- 資産を分散せよ
- 地域を分散せよ
- 時間を分散せよ
①資産を分散せよ
「資産を分散する」というのは、
- 株に投資する
- 債券に投資する
- 不動産に投資する
- ゴールドや石油といったコモディティ(商品)に投資する
など、資産を分散して投資することです。
②地域を分散せよ
「地域を分散する」というのは、
- アジアに投資する
- アメリカに投資する
- ヨーロッパに投資する
- アフリカに投資する
など、異なる地域に分散して投資をすることです。
③時間を分散せよ
「時間を分散する」というのは、
投資時期を集中させずに資産の購入タイミングを分けていく
ということです。
例えば、下記のような投資をしているAさんがいるとします。
- 全世界株式ファンドへ投資をしている
- 投資を始めて2年ほど経った
Aさんのような投資をしている場合は
①の資産クラスの分散は甘い
②の地域分散はOK
③は投資を始めてまだ2年なので、時間分散も甘い
タマゴのカゴに例えると、
- ちゃんとタマゴを複数のカゴに分けてはいるけれど
- それらのカゴがすべて同じテーブルの上に乗っている
- もしテーブルの脚が壊れて傾くとすべてのカゴがクラッシュする
そんなイメージです。
分散投資(中級編)
ここであらためて分散投資の意味を考えていきましょう。
まず、分散投資を考える上でハッキリ伝えておきたいことがあります。
それは、分散投資にリスク低減の効果があることは「数学的に証明されている」ということです。
「いろんなものに投資しておけばなんか安心だよね~」という、いい加減なものではありません。
個別株投資の2つのリスク
さて、個別株の投資には大きく2つのリスクがあります。
- アン・システマティック・リスク(=個別リスク)
- システマティック・リスク(=市場リスク)
①個別リスク(アン・システマティック・リスク)とは
まずは日本の株式市場について考えてみます。
例えば、トヨタ自動車の「個別リスク」とは
- 自動車の売れ行きによる業績変動のリスク
- 不祥事の発生
- 欠陥車の発生(重大な事故)etc...
つまり、個別リスク=その企業が固有に抱えているリスクのことを指します。
②市場リスク(システマティック・リスク)とは
市場リスクとは、日本の株式市場全体に関わるリスクのことです。
- 金利の変動
- どの政党が政権をとるか
- 戦争や気候変動 etc...
市場リスクの超重要ポイントは2つです。(ここが本題!)
- 個別リスクは分散投資によって減らせるが
- 市場リスクは分散投資でも減らせないということ
(出典:日経新聞「「株に先高観、それいけ」の愚、今こそ賢い分散投資」)
グラフの白い部分が、銘柄分散によって回避できるリスクです。
グラフを見ると、銘柄を増やせば増やすほどリスクが減っていることが確認できます。
しかし、リスクがゼロになるまで減るかというとそんなことはありません。
なぜなら日本にある企業に投資している以上、日本の株式市場全体に関するリスクだけはどうにもならないからです。
つまり、
- 個別リスクは銘柄数を増やせば増やすほど減らせるが
- システマティック・リスク(=市場リスク)は絶対に減らせない
ということになります。
全世界株式ファンドのリスク
さて、ここで視点をさらに大きくしてみます。
日本の株式市場ではなく、世界全体の株式市場に投資している場合を考えてみましょう。
全世界株式ファンドでは、
- Appleが倒産しようと
- トヨタが倒産しようと
全体として見れば致命傷になりません。
なぜなら、所詮は何千・何万社の1社に過ぎないからです。
一方で「市場全体に関わるリスク」だけは、いくらその市場内で分散投資しても意味がありません。
例えば、世界経済全体に対する影響力があるトランプ大統領がTwitterで呟くと、世界中の株価が動きます。
この場合、A社~Z社のどれに投資しようが、トランプ大統領の影響からは逃れられません。
2020年2月~3月の暴落相場のように、世界の株式市場全体に影響を与える出来事が起きた場合も同じです。
つまり市場リスクが牙を剥けば、株式市場内での銘柄分散は無力となります。
株価が暴落して市場が荒れたとき、
などの声がTwitterではたくさん見られました。
しかし、市場リスクは無くすことが出来ないので、こういうことは普通に起こります。
リベ大がオススメしているインデックス投資でも「暴落は避けられない」と言っているのも理由は同じです。
市場リスクだけは、必ず受け入れなければいけません。
インデックス投資をやる上で思い出して欲しいのは、下記の2つです。
- 暴落が不可避で「そのダメージを全部受ける」ということは
- 裏を返せば「上昇相場ではそのリターンをすべて取れる」ということ
そして、インデックス投資は長期間・トータルで見ると「下げよりも上げの方が強い」ので、最終的にはお金が増えます。
分散投資でリスク低減できる!というのは、具体的には個別リスクを減らせるということです。
分散すればするほど、無限にどこまでもリスクを減らせるわけではありません。
地球に巨大隕石が落ちてくるとき、自分1人だけ避けられると思ってる人はいないはずです(笑)
リスクに対する考え方を知っておけば、暴落相場でも「そういうもんだよね」と構えていられます^^
▼「インデックス投資の抱えるリスク」については下記の記事もチェック!
今後はどのように投資すれば良いのか?
インデックス投資の場合
では、先ほども例に出した
- 全世界株式ファンドへ投資をしている
- 投資を始めて2年ほど経った
Aさんの場合、今後どうすれば良いか?を解説します。
世界株式ファンドへ投資していることで、
個別リスクは極限まで低減されており、市場リスクだけが残っている
そのリスクを受け入れることで、世界経済成長のリターンを得られる
非常に効率の良い状態だと言えます。
株式と債券に分散する
もし「思った以上に下落幅が大きくて焦った!」という人もいるかもしれません。
その場合は、もっと資産クラスの分散を進めると良いです。
債券の割合を増やせば、ポートフォリオは底堅くなります。
今回の暴落相場でも【債券70%:株式30%】で運用していた人はノーダメージだったそうです。
債券に投資する場合も考え方は同じで、数多くの債券に投資すればするほど個別リスクは減らせます。
債券市場全体に関するトラブルが起きて、債券市場全体が暴落するときは逃げられません。
そこはきちんと理解した上で、投資をする必要があります。
リベ大では、債券ファンドとして下記の2つを紹介しています。
- 約7,600銘柄の債券に投資する「AGG(総合債券ファンド)」
- 約2,000銘柄の社債に投資する「LQD(優良社債ファンド)」
▼オススメの債券ファンドは下記動画で解説しています!
関連動画
まとめ:分散投資はリスクを減らせるので意味はある
「分散投資って意味あるの?」と聞かれたら、答えは1つです。
→ リスクを減らせるので、意味はあります!
効果の高い分散投資をするには、この3つを徹底することが重要です。
- 資産クラスの分散(株、債券、不動産、ゴールド 等)
- 地域の分散(日本、アメリカ、ヨーロッパ、新興国 等)
- 時間の分散(2020年~2050年まで30年かけて投資する 等)
そして、投資には大きく2種類のリスクがあります。
- 個別リスク
- 市場リスク
極限まで分散投資を徹底すると個別リスクがほとんど無くなり、市場リスクだけが残ります。
個別リスクがなくなれば、
- 個企業の業績・財務
- 将来性 etc...
細かいことを分析する必要はありません。
何もかも値下がりする暴落相場というのは、市場リスクが皆さんに牙を剥いた状態です。
これがイヤなら、投資をやめるしかありません。
なぜなら、市場リスクだけは「どんなに分散投資しても絶対に無くすことが出来ない」からです。
(※空売りでヘッジすることも出来ますが、投資のプロ向けです。)
ただし、当然ながらリスクをとらない人に、リターンはありません。
- リスクをとってリターンを得るか
- リスクをとらずリターンを諦めるか
また、投資が嫌いという人もいるかもしれませんが、皆さんの年金はこうした株や債券で運用されています。
銀行に預けているお金も、どこかの会社に投資されています。
現代社会において、間接的にでも投資に関わらず生きていくのは無理です。
そして投資をしないと、どんどん貧乏になってしまう世の中です。
以上、こぱんでした!
▼「投資についてもっと学びたい!」という人に読んで欲しい記事はこちら!