こんにちは、こぱんです!
一見すると、「結婚」と「企業買収」の失敗に共通点はなさそうですが、
- 結婚:人と人が1つになること
- 企業買収:企業と企業が1つになること
であり、実は失敗パターンが非常によく似ています。
企業買収というと、2019年にソフトバンクグループの傘下で、ヤフーの親会社であるZホールディングスがZOZOを約4,000億円で買収したことが大きな話題になりました。
先ほど紹介した書籍では、全部で8つの失敗パターンが紹介されています。
今回の記事では8つのうち5つをリベ大目線でまとめ直して、ランキング形式で紹介していきます。
今回の内容を読むことで、
独身の人:結婚で失敗しないための予備知識 既婚の人:今の自分たちを見つめ直すきっかけになるはずです。
実は、お金持ちと結婚には以下のように、切っても切れない関係があります。
全米の億万長者世帯の9割が既婚
億万長者の離婚率は、普通の世帯の1/3
結婚継続年数と資産額の間には、明確な比例関係がある
(婚姻期間が長ければ長いほど、家庭の資産は多い)
残酷なことを言うと、配偶者選びを間違えてしまうと、蓄財レースから脱落しかねません。
「お金と結婚」や「お金と恋愛」と聞くと、夢も希望もないように感じるかもしれませんが、
- 結婚のための持参金
- 政略結婚
といった言葉があるように、ロマンだけでは愛を語れないのが現実です。
目次
解説動画:【TOP5】理想の結婚はナゼ難しい!?結婚と企業買収の悲しい共通点を解説
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
「結婚」と「企業買収」の悲しい共通点TOP5
「結婚」と「企業買収」の悲しい共通点をランキング形式で紹介すると以下の通りです。
第5位:焦って決めると、間違える
第4位:デュー・デリジェンスが必須
第3位:対等な合併は恐ろしく難しい
第2位:思っていたより莫大な統合費用がかかる
第1位:シナジーは過大に見積もられる
それぞれ詳しく解説していきます。
第5位:焦って決めると、間違える
第5位は「焦って決めると、間違える」です。
結婚や企業買収において、慎重に相手を選ぶことが大切だと分かっているのに、なぜか焦ってしまうのには理由があります。
それは、周りから急かされるからです。
企業の所有者は株主であり、企業の経営陣は、株主から常に監視されながら「もっと稼げ!もっと金を増やせ!」とお尻を叩かれています。
そこでもし、経済状況が厳しくなり、売上や利益が減り続けているのにも関わらず経営陣が「まだ大丈夫でしょ!」とのんびりと構えていたら、株主は失望して、
- 社長や取締役の解任要求
- 株式を投げ売り(株価は暴落)
など、するはずです。
例えば、2011年にキリンホールディングスは、国内のビール市場縮小に危機感を抱いて海外に活路を求めました。
そして、ブラジルでビール業界第2位の会社を3,000億円で買収することを決断します。
しかし、ブラジル内で販売不振が続き、2015年には1949年の上場以来、初となる1,100億円もの赤字を計上するハメになってしまいました。
最終的に、キリンはブラジルの会社を1,000億円で手放しています。
皆さんの周りにも、
「いつまで独りでいるの?早く結婚しなよ」 「35歳を過ぎると結婚相手が見つからなくなるよ」といったように、急かしてくる親や友人がいるのではないでしょうか。
東洋経済ONLINEの記事によると、実際に35歳以上の人が結婚できる確率は6.9%しかないなんてデータもあるようです。
結婚を「目的」にしてしまい、結婚した後に「しまった!」と気付くケースは多々あります。
大切なのは、自分のペースで、自分の心の声を信じて決断することです。
ぜひ重大な決断をするときの教訓として「焦って決めると間違える」は覚えておきましょう^^
第4位:デュー・デリジェンスが必須
第4位は「デュー・デリジェンスが必須」です。
皆さんの中にも、
「自己申告の年収、ウソだったのかー!」
「お前、借金まみれじゃないか!」
と結婚後に気付く、そんな悲しい経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
デュー・デリジェンスとは、投資対象となる企業や投資先の
価値
リスク
などを精査することであり、“デューデリ”と呼ばれたりしています。
これは企業が他社を買収するときに必ず踏むプロセスです。
建築材料・住宅設備機器業界最大手のLIXILは、2014年にドイツのグローエという会社を約3,800億円で買収しました。
その際に、グローエの子会社ジュウユウ(中国)も一緒に付いてきたのですが、ジュウユウには多額の「簿外債務」があると発覚。
簿外債務とは「帳簿外にある債務」、つまり隠れ借金です。
ジュウユウは不正会計をしており、実態は「債務超過」でした。
結局、LIXILはこの件で約600億円の損害を被ることになりました。
この失敗の原因が「デュー・デリジェンス不足」です。
事前にしっかりと
- 売上や利益の状況
- 会社の負債の状況
をチェックしておけば、簡単に防げた事例だと言えます。
結婚も同じで、ある程度のデュー・デリジェンスは欠かせません。
年齢や年収、貯金額を多少「盛る」ぐらいであればかわいいものですが、
働いていないのに、働いているとウソをつく
借金のことを隠している
本人ではなく、実家に大きな問題がある
こういった事例は、いくらでも見つかります。
「愛」で全てが解決すればハッピーですが、結婚とは「ロマン」と「現実主義」の間にある摩訶不思議な制度なので、なかなか一筋縄ではいきません(笑)
結婚の前提が覆るようなウソがないか、
右手に愛を
左手にデュー・デリジェンスを
そんなスタイルで、明るい未来を見据えてください^^
第3位:対等な合併は恐ろしく難しい
第3位は「対等な合併は恐ろしく難しい」です。
とある会社が他社を一方的に支配するような買収を吸収合併と言います。
吸収合併は、買収した側が“買収された側”に変化を強制できるため、上手くいきやすいです。
例えば、
- 夫が超・亭主関白
- 妻が黙って夫に従う
こういったタイプの家庭が吸収合併のイメージです。
このように、吸収合併では「価値観(文化)の押しつけを相手に強制できる」ため、力関係がアンバランスなことで生まれるイザコザはありません。
この場合、夫婦関係としては「長く維持されやすい」傾向にありますが、この家庭では「夫の価値観」を超える“新しい何か”が生み出されることはありません。
これが非対等のデメリットであり、
関係の維持は簡単ではあるものの
新たな価値が創出されない
ということです。
一方で、夫と妻の関係が「完全に対等」な場合は、2人の協力によって、1人では生み出せなかった“新しい何か”が生まれる余地があります。
「1 + 1 = 3」となるようなパターンです。
対等な結婚の大前提は、双方の「完全な自立」です。
夫婦共に、自分1人で以下のことができる必要があります。
自分が生きていけるだけの稼ぎを得られる
掃除・洗濯・炊事など全てできる
育児をこなすことができる
このように、お互い1人でもやっていけるけれど、相手が好きだから一緒にいるという状況にならない限り、対等に付き合うことはできません。
- 妻に「子供が泣いているよ」と伝えるだけの夫
- 「家事ができてないね」と伝えるけど、自分は家事をしない夫
- 頼まれたモノすら買ってこれない、お使いのできない夫
これだけボロクソに言われてしまうと、夫側も
「誰の稼ぎで暮らしているんだ!だったら俺と同じくらい稼いでみろ!」と反論してしまいます。
これが対等な合併の難しさを物語っています。
例えば、以下の2社が合併した場合、上手くいきそうだと感じる方が多いのではないでしょうか。
- A社は、営業が得意で、研究開発が苦手
- B社は、営業が苦手で、研究開発が得意
しかし先ほどの夫婦の事例のように、ヘタをすると「相手にナメられるだけ」となってしまい、
夫:「お前は俺の稼ぎがなければ生きていけないくせに」
妻:「あなたは私がいないと生活できないくせに」
このようにお互いをバカにするか、最終的にはどちらかが一方的に主導権を握ることになります。
「僕はこれが苦手だから~」「私はこれだけやっているから~」といった発言は、ビジネスの世界でも家庭でも、大抵の場合は見逃してもらえません。
足元を見られたら、自分の立場が揺らぐだけです。
弱点が霞むほどの突出した長所(例:超高年収、プロレベルの家事)
自分のことは全て自分でできる自立スキル
こういった要素が土台になければ、お互いが尊重し合える対等な関係は続きません。
第2位:思っていたより莫大な統合費用がかかる
第2位は「思っていたより莫大な統合費用がかかる」です。
ちょっとでも油断すると、どこまでも自然に上がっていってしまうのが、
- 結婚式の費用
- 企業の買収費用
です。
木からリンゴが落ちるのとは逆の動きで、結婚式の費用は自然と増え続けていきます。
結婚式の費用は200万円ぐらいかなと思っていたのに、結婚式場のプランナーに
などと言われているうちに、気づけば300万円や400万円まで費用が膨らんでしまい、最初の見積金額では絶対にできないのが結婚式です。
企業買収にも似たような側面があり、買収コストは後からドンドンかさんでいくため、「思っていたより安く済んだ!」ということは滅多にありません。
なぜなら、以下のようなケースが多々あるからです。
システム統合するのに、もっと多くのお金が必要になった
買収先の工場の設備に不備があり、更新が必要になった
買収先のキーパーソンが辞職し、もっと高い給料で他の人をヘッドハンティングすることが必要になった
例えば、超有名なキレるサラリーマンの半沢直樹が勤める東京中央銀行は、2008年に、
- 東京第一銀行
- 産業中央銀行
が合併して誕生したという設定です。
原作やドラマでは、
- 旧東京第一出身の経営陣
- 旧産業中央出身の経営陣
がお互いに派閥争い(足の引っ張り合い)をしています。
文化の異なる2つの組織が合併すると、必ずこのような衝突が発生します。
この争いによって発生する余計なコストも「想定以上のコストがかかった…」となる典型例です。
結婚の場合でも、多額の結婚式費用を払った後に、
このように、いくらでも「必要なモノ」が出てきます。
文化の統合は、本当に大変です(笑)
ゼクシィによると、
- 結婚式費用の平均は約200万円
- 新婚旅行の平均は約70万円
- 新生活の準備費用は約50万円
といった感じで、トータルすると約320万円かかっているようです。
新婚さんの平均貯金額は323.8万円なので、結婚で貯蓄は全てなくなってしまいます。
第1位:シナジーは過大に見積もられる
第1位は「シナジーは過大に見積もられる」です。
シナジーとは、以下のような意味があります。
ものや事柄、人などが複数存在することで、お互いに作用し合い効果や機能を高めること
ロバートウェルター
突然ですが皆さん、三菱商事という会社はご存知かと思います。
五大総合商社の一つであり、三菱グループ御三家の一角でもある超エリート企業です。
- 平均年収約1,400万円
- 就職したい企業ランキング上位
- 合コンしたい相手企業ランキング上位
といったように、非常に人気のある企業でもあります。
このように、一般的には大人気の企業ですが、実は世界の投資家からは全く人気のない存在です。
なぜなら、買収しまくるからです。
今まで解説してきたように、買収は非常にハイリスクな行為だということが分かります。
焦ってすぐやると、間違える
正確なデュー・デリジェンスが難しい
対等な合併は難しい
思っていたよりも莫大な統合費用が必要
企業買収は、少し間違えただけでも大きな損失に繋がってしまいます。
大きな損失を避けるために行うリスク分散というのは、実は「投資家の仕事」です。
「Amazonだけに投資して、もしビジネスがコケて暴落したら大変だ。だから、Googleにも投資してリスク分散しておこう」このように、投資家は複数銘柄に投資をすることで、簡単に「2つの事業に投資」することができて、リスクヘッジができます。
ここで皆さんに質問です。
もし、GoogleとAmazonが「私たち合併(結婚)します!」と言ったらどう思いますか?
ここで世界中の投資家たちは、このように答えるワケです。
「分散は俺(投資家)がやる!お前らは自分のビジネスだけに集中しろ!」
複数の銘柄に投資すれば、「簡単に事業が買える」以上、企業間の買収が正当化されるケースはたった1つしかありません。
それがシナジーです。
三菱商事などの日本の総合商社は、コングロマリットと呼ばれています。
コングロマリットとは、「異業種の会社まで合併などで吸収し、多種類の事業を営む大企業」のことです。
投資家がコングロマリットを嫌う理由は色々ありますが、シナジーに期待していないことが大きな理由でもあります。
もし、皆さんが単に「1 + 1」の生活を楽しみたいのであれば、結婚という契約をしなくても、
- 恋愛関係
- 同棲
など、法律に縛られない形で、自由に好きにやれば良いのです。
そこを、あえて「結婚」という形で契約をするのは、お互いがシナジーに期待するからです。
分かりやすい事例を挙げると、子供が生まれれば「1 + 1 = 3」となります。
この場合、法律上の婚姻関係になければ、色々とややこしい問題が生じてしまうため、子供は結婚のシナジーの典型だと言えます。
子供をどうするかは価値観の問題でもあり、欲しいと思った時に授かれるとも限りません。
また、夫婦間のシナジーは子供に限らず、他にもたくさんあります。
しかし1つ言えるのは、今の日本人の離婚率は35%であり、「期待していたほどシナジーが得られなかった」と感じているカップルが3組に1組いるのです。
「1 + 1 = 3」どころか、「1 + 1 = 0.5」になることも珍しくなく、
「楽しい生活が待っているどころか、結婚したせいで人生マイナスだ…」と感じている人もいるということです。
まとめ:企業買収の失敗事例から学んで愛とお金を育もう
今回の記事では、「結婚」と「企業買収」の悲しい共通点TOP5を解説しました。
第5位:焦って決めると間違える
第4位:デュー・デリジェンスが必須
第3位:対等な合併は恐ろしく難しい
第2位:思っていたより莫大な統合費用がかかる
第1位:シナジーは過大に見積もられる
そして、これら5つから以下のことが学べます。
周囲に煽られて、焦って決めてはいけない
お金ことはシビアに確認しよう
弱点を全て打ち消すほどの「圧倒的な長所」か「完全な自立心」を持って相手に接しよう
結婚費用は大きく見積もって十分な準備をしよう
シナジーに過度な期待を持たない
繰り返しになりますが、「お金持ち」と「結婚」の話は切っても切れない関係にあります。
全米の億万長者世帯の9割が既婚
億万長者の離婚率は、普通の世帯の1/3
結婚継続年数と資産額の間には、明確な比例関係がある
(婚姻期間が長ければ長いほど、家庭の資産は多い)
以上、こぱんでした!
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