こんにちは、こぱんです!
リベ大では資産を増やすための手段として、投資に関する様々な情報を発信しています。
米国株の有名指数であるS&P500やナスダックは、3月のコロナショックから一転、2020年8月には連日、最高値を更新し続けていました。
今回の記事では、そんな時だからこそ知っておくべき話をユダヤ教の聖典「タルムード」から紹介します。
世界の人口の約0.25%に過ぎないユダヤ人ですが、
- ノーベル賞受賞者の20%がユダヤ人(ユダヤ系を含む)
- フォーブスが公表する長者番付でも、上位陣には常にユダヤ人がいる
上記の通りユダヤ人は、頭脳が優秀で、大金持ちや成功者が多いのです。
そんな彼らの成功の土台になっているのが「タルムード」であり、現代の日本を生きるために参考となる「お話」が数多くあります。
そこで今回は、タルムードの中から「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」というお話を紹介します。
タルムードに関して、1点だけ注意点があります。
聖典とみなされているのは、ヘブライ語で書かれたタルムードのみです。
他言語に翻訳されたものは誤訳の可能性があるため、より詳しく・正しく学びたい場合は専門書等を通じて学んでみてください^^
今回の記事は、「ユダヤ人の成功哲学タルムード金言集」のような日本語で解説したものを参考にしていますので、この点をご承知ください。
タルムードの話は以下の記事でも紹介しています。
目次
解説動画:【S&P500最高値更新】今こそ聞くべき戒めのお話「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」のあらすじ
まずはじめに、「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」のあらすじを紹介します。
あるときエジプトのファラオが夢を見ました。
ナイル川のほとりからまるまると太った七匹の牛が現れ、周りに生えている植物を食べているのです。
ファラオがその場を立ち去ろうとすると、今度はあばら骨が見えるほどガリガリに痩せこけている、不健康そうな七匹の牛が現れました。
なんとその痩せた牛たちは、自分より太った七匹の牛たちを次々に食べてしまったのです。
ファラオはこの夢がどういったお告げなのか、国中の預言者や臣下を集めて聞いてみるものの、誰も分かりません。
たまたまその時牢屋に閉じ込められていたヘブライ人が、夢を上手く読み解けるということで、ファラオの前に召し出されました。
(※このヘブライ人こそ、後にエジプトの最高執政官になるジョセフであり、人類史上最初の経済学者とも言われています。)
そこでジョセフはファラオにこう告げました。
「エジプトには、これから七年間大豊作が訪れます。しかし、その後の七年間は大飢饉が訪れます。
人々が大豊作のことを、思い出したくても思い出せないほどの恐ろしい大飢饉になります。」
「では、どう対策すれば良いのか?」とファラオが尋ねると、ジョセフこう答えました。
「豊作の七年間に、毎年の収穫を食べつくしてしまわずに、飢饉の七年間を乗り切るための、可能な限りの貯蓄をすべきです。」
ファラオはその通りにして、穀物を可能な限り倹約・貯蔵しました。
その後、エジプトには大豊作が訪れ、豊作の七年間が過ぎると八年目には予言通りの大飢饉が訪れたのです。
その大飢饉は、エジプト全土のみならず全世界にまで及び人々を苦しめました。
多くの周辺諸国は大飢饉により、その富の全てを失いました。
ジョセフの進言を取り入れたファラオのエジプトだけは、蓄えていた穀物で長き受難を乗り越えられたのです。
いかがだったでしょうか?
それでは、次から解説していきます^^
「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の解説
七匹の太った牛と七匹の痩せた牛は、「豊かさの次には貧困が訪れる。切り抜けられるのは“準備した者”だけ」という原則のお話です。
- 盛者必衰の理で有名な「平家物語」
- 怠け者のキリギリスが痛い目に遭った「アリとキリギリス」
このように一時の「豊かさ」にあぐらをかいているとひどい目をみるというのは、いつの時代・どこの国でもよくある話です。
お話として客観的に聞いている分には理解できているけど
現実(自分のこと)に落とし込んでみると、全然活かせてない
こういったタイプの話であるというわけです。
そして、今回のお話のポイントは以下の3つです。
- 「牛」は何を象徴しているか
- 皆、現状認識ができない
- 何を、どれだけ蓄えるべきか
ポイント1:「牛」は何を象徴しているか
今回の話で「牛」は「収入」を象徴していると考えてください。
豊作=太った牛=豊かな収入
不作=痩せた牛=貧しい収入
まず、この話をより深く理解するために、なぜ牛の数が「七匹」なのかという点について補足しておきます。
この理由として、ユダヤでは以下のように、「7」という数字が一区切りとして考えられているからだそうです。
- ヘブライ聖書によると、神は天地創造を6日で成し遂げ、7日目に休養した
- 6日働いて1日休むというサイクルを作ったのは、人類史上ユダヤ人が初めて
- ユダヤの農業では、6年間収穫したら7年目は休耕年にする
今回のお話は太った牛=豊かな収入は「7年しか続かないつもりで備えましょう」と言っているのです。
例えば、皆さんの手取り年収が800万円で基本的な生活費が年間400万円だとします。
多くの人は「今の収入レベルがいつまでも続く」と考えて、残った400万円で生活レベルを上げるか、浪費に使ってしまいます。
太った牛=豊かな収入が永遠に続けば良いのですが、もし8年目にリストラされて収入を失ったらどうでしょうか。
「収入ゼロ-基本生活費400万円」となり、年間で400万円の赤字です。
これではあっという間に生活が破綻してしまいます。
一方で、太った牛=豊かな収入が続いている間に浪費をせずに毎年400万円を貯められた人は、7年間で2,800万円の備えを作ることができます。
しっかり備えられていれば、たとえ収入がゼロになっても、痩せた牛=貧しい収入の時期を7年間乗り切ることが出来るのです。
ポイント2:皆、現状認識ができない
皆さんに質問です。
今、皆さんのところには太った牛が来ていますか?
それとも痩せた牛が来ていますか?
リベ大の意見ではありますが、
- 年功序列・終身雇用を信じて会社員を続けている人
- 米国のハイテク株で資産を大きく増やしている人
上記のような人のところには、だいぶ太った牛が来ています。
つまり、「その状態は、いつまでも続かないかもしれない」ということです。
- 時流に乗っていきなり大金を稼ぎ始めた経営者
- 仮想通貨バブルなどで儲けた投資家
- サラリーマン=オワコンと煽っていたフリーランス
こういった人たちの中に、自分のところに「太った牛が来ている」と現状認識できた人は決して多くはないでしょう。
ビジネスが上手くいっている人、暴騰する資産を持っている人には、何を言ってもその声は絶対に届きません。
なぜなら、その人たちにとっては今こそ「最大のチャンス」であり、守る時ではなく攻める時だからです。
- ビジネスが好調な時に「不景気に備えて貯金を貯めろ」
- 相場が好調な時に「暴落に備えてリスクバランスを見直せ」
といったことを言われても、好調な人たちは以下のように反論してきます。
「今から負け戦の準備をしてどうするんだ!!」
確かに、こういった人の中から億万長者が生まれるのも事実ですが、多くの人が敗れ去っていくことを知っておいてください。
「負けるまで大きな勝負を続けたら、いつか大きく負けるだけ」です。
多くの人は「自分だけは大丈夫」だと思っていますが、それが落とし穴です。
大切なことなので繰り返しますが、「お話」を客観的な立場で聞くと理解できるものの、備えが足りずに滅んでしまったエジプト周辺諸国のことを、
「アホだなぁ」と思うか、
「一歩間違えれば自分もそうなる」と思って、
自分を省みるか、ここが一つの運命の分かれ道になります。
ポイント3:「どれくらい」備えるべきか
ここまでの話を聞いて、
- 太った牛=豊かな収入はいつまでも続かないこと
- 現状認識:太った牛が来たら、それに気づかなければならないこと
上記2つについては、理解していただけたと思います。
そこで問題になるのが、将来に対してどれだけの備えが必要かということ。
ここが分からないと、皆さんも自分の生活をよくするための「具体的なアクション」に落とし込めないですよね。
今回の話では、ジョセフはファラオに対して「飢饉を乗り切るための、出来る限りの備蓄をすべき」と進言しています。
例えば、以下のケースを想定してみます。
「今は会社の業績が好調で、賞与が100万円貰えた。こんな好景気はいつまでも続かないから将来に残しておきたいけど、いくら残せば良いのだろう?」しかし現在の世界は一昔前に比べるとかなり恵まれています。
戦後、生まれた方にとって、「飢饉」という言葉は歴史の授業でしか見ないものになりました。
実際、ベストセラーである「ファクトフルネス」を読むと、世界がどんどん良くなっていくことが分かります。
一部の超大金持ちが、世界の富の大半を握っているのも事実ですが、その一方で多くの庶民の生活レベルが上がっているのも事実です。
基本的人権が認められており、大きな戦争もなく
安全な住居・美味しいごはんがあって
水道・電気・ガス・交通・医療などのインフラが整っている
厚生労働省の調査によると、2016年に日本で飢饉で亡くなった人は16名でした。
つい数百年前の江戸時代に発生した4大飢饉では、数百万人が亡くなったとされています。
今のような「恵まれた世の中」で暮らしていると、現在のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)にも気を配りながら、将来にどれくらい備えるのが適切かは悩ましい問題です。
考え方はそれぞれ違いますが、ここではリベ大からのヒントとして、以下の3つのアイデアを紹介します。
- 経済的自由に達するまでは、ひたすら「全力で備えよ」
- 収入の〇%を貯蓄し続けよ
- 収入の〇%を「人」と「スキル」に使え
- 配当・利息・家賃収入が生活費を上回るまで
- 生活費の25年分貯めるまで
このラインまで全力で備え続けるのは、一つの考え方です。
なぜなら、経済的自由さえ達成してしまえば、「痩せた牛が来る=収入がなくなる」ことが問題にならなくなるからです。
しかし実は、そうなると今度は「資産収入が永遠に続かない可能性」を考慮しなければならないのですが、また別の機会に解説します^^
- リストラされて無職になった
- 業績不振により、給与・賞与カットされている
- 主要取引先との取引がなくなって、売上が激減
こういった「痩せた牛が来ている」状況の人は、生活の立て直しに全力を尽くすべきですが、収入の〇%を備えに回すと決めるのもおすすめです。
収入が増えるほど、
生活の質を上げるために使えるお金が増えるし
その一方で、貯蓄に回せるお金も増える
だからこそ、QOLのバランスが取りやすくなるのです。
バビロンの大富豪の教えでは、「10%を貯蓄に回せ」と言っており、これを守り続けるのも良いアイデアだと言えます。
「痩せた牛」の期間を乗り切るために必要なものが、自分の倉庫に貯めておいた穀物(金融資本)だけとは限りません。
- 社会資本(助け合える家族・仲間)
- 人的資本(本業とは別なことで稼ぐスキル)
これらも対策になりえます。
豊作の期間に、家族や友人との繋がりを強固なものにしつつ、新たな分野に自己投資のためのお金を使っておけば、「将来への備え」として機能します。
収入の10%ほどを交際費や自己投資に充ててみてはいかがでしょうか。
では、最後に大切な補足をしておきます。
「今、自分のところには痩せた牛が来てるわ…」と思っている人には残酷な現実かもしれませんが、ユダヤ人的・タルムード的な考え方だと、
- 豊作の後には、必ず不作が来ますが
- 不作の後に、必ず豊作が来るとは限りません
「悪いことも耐えてさえいれば、なんとかなる」こういった期待をしないのがユダヤ人だそうです。
苦しい現状を突破する突破口になるのが、
ノーペイン・ノーゲイン(犠牲なくして成功なし)の法則
適正リスクをとる勇気
です。
これらについては、以下の動画で詳しく解説されていますので、参考にしてください^^
参考動画
→【子供でも楽しめる】金持ちになりたい人が絶対に聞くべき小話「魔法のザクロ」
→【子供でも楽しめる】金持ちになりたい人が絶対に聞くべき小話「難破船と3人の乗客」(アニメ動画)
犠牲・痛みを覚悟して、適正なリスクを取り、勇気を出して行動を起こしましょう。
それが「太った牛が訪れる未来」に繋がります^^
まとめ:調子の良い時こそ、将来に備えるスタンスを
今回の記事では、ユダヤ人の「人生の羅針盤」ともいえる書物“タルムード”から「七匹の太った牛と七匹の痩せた牛」の話を紹介しました。
「豊かさの次には貧困が訪れる。切り抜けられるのは“準備した者”だけ」という原則を伝えるお話です。
この話で出てくる「牛」は「収入」を象徴しています。
「太った牛=豊かな収入は、7年ぐらいしか続かないと思え」ということが、古くから伝わるユダヤの教えです。
多くの人は、自分に「太った牛が来ている」ことに気付けずに、今得られている収入のほとんどを使い切ってしまいます。
高度経済成長期の「終身雇用・年功序列」の日本の会社員は、勤務期間中、太った牛が訪れ続ける一種のボーナスステージにいました。
今回紹介したように、残念ながら「豊作の時代」は永遠に続かないことが、証明されつつあります。
- 給与削減
- 中年リストラ
- 役職定年
- 退職金カット
など、痩せた牛の登場機会はどんどん増えています。
これは、サラリーマンを卑下しているのではありません。
経営者でも、会社員でも、フリーランスでも、結局全員同じように、「太った牛」がいつまでも来続けることはないのです。
そして、現在の株式市場はコロナウイルスにより、史上最長「11年」にも及ぶ景気拡大が終わりを告げ、本当だったら「痩せた牛」が来るはずのターンです。
しかし現状としては、金融緩和・財政政策で無理やり株価を維持しています。
今は株価が爆上げで、景気が良さそうに見えますが、「太った牛の6~7匹目」が来ていてもおかしくありません。
つまり、そろそろ「痩せた牛」の影がちらつき始める頃だとも言えるのです。
以上、こぱんでした!
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