
こんにちは、こぱんです!
日本でも「金利のある世界」が戻ってきて、政策金利の先行きがニュースでよく取り上げられるようになりました。この記事では、政策金利がこの先さらに上がった場合に、預金・個人向け国債・不動産(住宅ローンを含む)の3つにどんな変化が起きそうかを整理します。あわせて、金利上昇の時代にお金をどこに置くかの考え方も紹介します。
目次
政策金利とは?日銀が決める「お風呂の温度」
最近、経済メディアで「日銀の利上げはこれからも続き、政策金利は今よりかなり高い水準まで上がるのではないか」という海外金融機関のエコノミストの予想が話題になりました。
日本の政策金利は長いあいだゼロ近辺の水準で推移してきましたが、ここ数年の利上げで少しずつ上がってきています。久しぶりに「金利がつく世界」が戻ってきたわけです。
そもそも、日本の金利の大もとをコントロールしているのは日本銀行(日銀)です。イメージしやすいのが、小さな子どものためにお風呂を沸かす場面です。お湯を何度にするかは、子どもではなく親が決めますよね。それと同じで、国民(子ども)にとってちょうどいい「経済の温度」を、日銀(親)が景気や物価の様子を見ながら決めています。
日銀が政策金利を動かすと、それに合わせて世の中のさまざまな金利も変わっていきます。
政策金利が上がったときに起きそうなことは、次の3つです。
- ①銀行の預金金利が上がる
- ②個人向け国債の利率が上がり、魅力が増す
- ③不動産投資家(と住宅ローンを借りている人)に逆風が吹く
金利上昇で起きること①銀行の預金金利が上がる
1つ目の変化は、預金金利の上昇です。
日銀が政策金利を上げると、銀行の普通預金金利や定期預金金利も、それに合わせて上がっていく関係にあります。反対に、政策金利がゼロ近辺だった時期は、預金にお金を置いていてもほとんど利息がつきませんでした。
政策金利がさらに上がれば、普通預金・定期預金ともに、今より高い金利がつく可能性があります。貯金が多い人ほど受け取れる利息が増えるので、コツコツ貯めてきた人にとってはうれしい変化です。
ただし、どこまで上がるかはあくまで予想です。今回話題になったエコノミストの予想も、どちらかといえば攻めた見立てで、必ずそうなるという数字ではありません。「これから預金金利が大きく上がるはず」と決めつけてお金の計画を立てるのは避けたいところです。
ほかにもお金にまつわる最新ニュースは、こちらの記事でまとめて紹介しています。
→ 【2026年 7】両学長が選ぶ「お得・トレンド」お金のニュースBest7
金利上昇で起きること②個人向け国債の利率が上がる
2つ目の変化は、個人向け国債です。金利の上昇にともなって、個人向け国債の利率も上がってきており、注目を集めています。
個人向け国債の3つのタイプ
個人向け国債には3つのタイプがあり、毎月発行されています。変動金利型の「変動10年」は半年ごとに適用利率が変わり、固定金利型の「固定5年」「固定3年」は発行時の利率が満期まで変わりません。
▼図解:個人向け国債3タイプの違い
| タイプ | 金利の種類 | 利率の変わり方 |
|---|---|---|
| 変動10年 | 変動金利 | 半年ごとに適用利率が変わる |
| 固定5年 | 固定金利 | 発行時の利率が満期まで変わらない |
| 固定3年 | 固定金利 | 発行時の利率が満期まで変わらない |
「10年」「5年」「3年」というのは、何年後に満期を迎えるかを表しています。個人向け国債は、満期になると最初に払ったお金(元本)が目減りせずに戻ってきます。
政策金利がさらに上がれば、これから発行される個人向け国債の利率も上がっていくと考えられます。元本が目減りしない安全資産でそれなりの利率がつくなら、リスクをあまり取りたくない人にとっては使い道がありそうです。
途中で換金するときのルール
個人向け国債は、発行から1年たてば額面1万円単位で中途換金できます。
ただし、中途換金するときは「中途換金調整額」として、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。
出典:個人向け国債の中途換金についてのよくある質問 : 財務省
この「0.79685」という数字は、税金に関係しています。国債の利子は受け取るときに20.315%分の税金が差し引かれるため、実際に手元に入った分(税引後)に合わせて利子に0.79685を掛けている、というしくみです。
つまり、途中でやめると「直前2回分の利子を、税引後の金額で返す」イメージです。受け取った利子の一部を手放すことにはなりますが、元本そのものが削られるわけではありません。
金利上昇で起きること③不動産投資家と住宅ローンに逆風
3つ目の変化は、不動産投資家にとっての逆風です。原因は大きく2つあります。
理由1:ローンの利払いが重くなる
金利が上がると、借金に対して支払う利息が増えます。不動産投資では数千万円から億単位のローンを組むことも珍しくないため、金利がわずかに上がるだけでも、毎月の返済額は大きく膨らみます。
家賃収入から経費を払った残りよりも、銀行への返済額のほうが多くなってしまうと、足りない分は貯金から補うしかありません。手元の現金が尽きれば、破綻の危機です。そこまでいかなくても「金利を払うために働いている」状態の人は増えてしまうかもしれません。
理由2:物件が高く売れにくくなる
一般に、金利が上がると不動産価格は下がりやすくなります。ローンを組んで物件を買おうとする人が減るからです。買いたい人が減れば価格は下がる、というのが経済の大原則です。
「利払いがきつい」「売ろうにも高く売れない」という二重の苦しみが、不動産投資家を追い詰める可能性があります。
インフレで価格が上がるケースもある
とはいえ、金利上昇が必ずマイナスになるとは限りません。家賃をしっかり値上げできる、資材費や人件費の高騰で建物の価格が上がっている、希少性の高い立地で土地の価格が上がっている、といった場合には、インフレによる値上がりが金利上昇の負担を上回ることもあります。
投資家ウォーレン・バフェットの有名な言葉に「潮が引いて初めて、誰が裸で泳いでいたかが分かる」というものがあります。金利の上昇はまさに「潮が引く」タイミングで、無理のない計画で投資していた人と、そうでない人の差がはっきり出てくるはずです。
マイホームの住宅ローンも本質は同じ
「不動産投資家は大変だなあ」と他人事にはできません。マイホームの住宅ローンも、本質的には同じ話です。変動金利で借りている人は、金利が上がれば返済がきつくなります。マイホームの需要が冷え込めば、売りたいときに高値で売りにくくなる点も共通しています。
ただ、住宅ローンは不動産投資のローンと比べて金利水準が低めな傾向があります。また、変動金利の住宅ローンには、返済額の見直しを一定期間ごとに行うルールや、見直しの際に返済額が増える幅に上限を設けるルールを採用している商品も多いです。金利が上がってもすぐに翌月から返済額が跳ね上がるとは限らないため、どちらかといえば不動産投資家のほうが先に苦しくなりそうです。自分のローンがどんなルールになっているかは、契約内容で確認しておきましょう。
金利上昇時代のお金の置き場所と3つの注意点
実際のところ、政策金利がいつ、どこまで上がるかは誰にも分かりません。確かなのは「今、金利は上昇トレンドにある」ということくらいです。そのうえで、両学長からのメッセージは次の3つです。
- 借金はしない
- わずかな金利差を追いかけることに時間を使いすぎない
- 利回りが固定の債券を焦って買わない
金利が上がる局面では、借金の負担は重くなる一方です。また、少しでも条件のいい預け先を探し回るより、その時間を本業や副業、自己投資に回したほうが、結果的にお金が増えやすいはずです。
そのうえで、お金の置き場所はシンプルに考えるのがおすすめです。
▼図解:お金の性格別の置き場所
| お金の性格 | 置き場所の例 |
|---|---|
| 生活防衛資金を確保したうえでの余力 | 全世界株式のインデックスファンド(オルカンなど) |
| リスクを取りたくないお金 | ネット銀行の普通預金 |
| リスクを取りたくないお金が増えすぎたとき | 個人向け国債(変動10年) |
変動10年は半年ごとに適用利率が変わるので、金利の上昇トレンドにもついていけます。固定タイプのように、低い利率のまま満期まで固定されてしまう心配はありません。
貯金を増やすための考え方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→ 【2026年 7】「貯金が増える」両学長のお金の講義7選
→ 【貯める力 強化編 2】「貯蓄額アップに直結」両学長のお金の講義6選
まとめ
今回は、政策金利がさらに上がった場合に、私たちのお金に起きそうな3つの変化を紹介しました。
- 日本の金利の大もとは日銀が決めていて、長くゼロ近辺だった政策金利は上昇トレンドにある
- ①政策金利が上がると、普通預金・定期預金の金利も上がりやすい
- ②個人向け国債の利率も上がる。満期には元本が目減りせずに戻り、発行から1年たてば中途換金も可能(直前2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれる)
- ③不動産投資家は「利払いの増加」と「物件が売れにくくなる」の二重の逆風。変動金利の住宅ローンも本質は同じ
- 政策金利がいつどこまで上がるかは誰にも分からない。予想はあくまで予想
- 借金はしない、わずかな金利差を追いかけすぎない、利回り固定の債券を焦って買わない
- 余力はインデックスファンド、リスクを取りたくないお金はネット銀行の普通預金、増えすぎたら個人向け国債(変動10年)へ
金利のある世界をどう生きていくか、自分なりに考えるきっかけにしてみてくださいね。
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