こんにちは、こぱんです!
皆さんは、SDGs(エスディージーズ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
アメリカの大統領が、環境問題に熱心なバイデン氏に決まり、最近ますます注目されるようになっている言葉です。
自分たちの生活にはもちろん、資産運用にも関係する2021年のスペシャル・キーワードです。
そこで今回の記事では、以下を解説していきます。
- SDGsとは
- SDGsを取り入れて生活を豊かにするコツ2つ
- リベ大の取り組みとSDGsの関係
今回の記事を読めば、SDGsの概要について理解できます。
また、「こんな会社員生活イヤだ!」「もっと豊かな暮らしをしたい!」という思いを持った方にも、今後の指針になるのでオススメです。
以下の図解を見てから記事を読み進めると理解しやすくなるので、参考にしてください。
▼図解:SDGs(持続可能な開発目標)とは?
目次
解説動画:【知らないと恥ずかしい】SDGsのキホンと、SDGsを取り入れて生活を豊かにするコツ2つ(アニメ動画)
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!
SDGsとは
SDGsの概要
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
- 国連加盟国193カ国が達成を目指す「2016年から2030年までの国際目標」
- 2015年9月に、ニューヨークの国連本部で行われた国連サミットで採択
皆さんも新しい年を迎えると、下記のように今年の目標を立てることでしょう。
皆さんの目標は基本的に1年ごとに変わっていきますが、SDGsは2030年までの国際目標です。
目標を立てたのが2015年のことなので、なんと15年間にも及ぶ長期計画でもあります。
人間に例えると、赤ちゃんが高校生になるくらいの時間です。
この15年という長い歳月をかけて、国連加盟国193カ国が達成したい目標は全部で17個あります。
- 目標1【貧困をなくそう】
- 目標2【飢餓をゼロに】
- 目標3【すべての人に健康と福祉を】
- 目標4【質の高い教育をみんなに】
- 目標5【ジェンダー平等を実現しよう】
- 目標6【安全な水とトイレを世界中に】
- 目標7【エネルギーをみんなに そしてクリーンに】
- 目標8【働きがいも経済成長も】
- 目標9【産業と技術革新の基盤をつくろう】
- 目標10【人や国の不平等をなくそう】
- 目標11【住み続けられるまちづくりを】
- 目標12【つくる責任つかう責任】
- 目標13【気候変動に、具体的な対策を】
- 目標14【海の豊かさを守ろう】
- 目標15【陸の豊かさも守ろう】
- 目標16【平和と公正をすべての人に】
- 目標17【パートナーシップで目標を達成しよう】
これら17の目標をすべて達成することで、地球を破壊せず、次の世代にツケを残すことなく、今生きている人達も幸せに経済成長を享受できるというわけです。
今、必死に働いている人達のなかにも「こんな働き方、いつまでも続かないよ」と思っている人は多いでしょう。
誰かを犠牲にしたり、環境を犠牲にしたりして実現される経済成長は、もう限界だということです。
目標1〜4(貧困・飢餓・保健・教育)
1番目の目標は、「貧困」です。
1日1ドル90セント(約200円)の貧困ライン未満で暮らす人は今、世界に7億8,300万人もいるそうです。
これを地球全体で考えると、10人に1人は貧困ライン未満で暮らしています。
「日本ではそんなの関係ないでしょ」と思う人もいるかもしれません。
ですが相対的貧困(大多数の人より貧しい状態の人)という観点で見ると、日本でも1人親世帯を中心に、7人に1人は貧困の定義に当てはまるとのことです。
2番目の目標は、「飢餓」です。
栄養不良で苦しんでいる人の数は、8億1,500万人で、これは世界人口の9人に1人に値します。
「必要とされる食料」と、「日本で捨てられている食料」を比較すると、ショッキングな事実が見えてきます。
- 栄養不足に苦しむ人たちが必要な食料:320万トン
- 日本で「食べられるのに捨てている食料」:646万トン
また、世界では120億人分の食料が生産されているのに、10億人近くの人が飢えに苦しんでいるというデータもあります。
世界の食料問題については、ドキュメンタリー映画の「ありあまるごちそう」が分かりやすいので、おすすめです。
食について色々と考えるきっかけになるでしょう。
3番目の目標は、「保健」です。
「健康のために、週に1回ジムに通おう!」、「スナック菓子を食べすぎない!」などといったレベルの話ではありません。
日本では実感しにくいかもしれませんが、世界では十分な医療を受けられない人は多いのです。
- 5歳未満の子供が5秒に1人死んでいる
- 2人に1人は基礎的な医療を受けられない
上記のような悲惨な現状を変えるための目標です。
例えば日本の労働環境でも、健康と福祉の面から見直さなければいけないコトは、まだまだあるでしょう。
4番目の目標は、「教育」です。
リベ大でもいつも伝えている通り、知識は武器にも防具にもなります。
国連事務総長が立ち上げたGEFIという組織が、教育に関して以下のような調査結果を公表しています。
- 全ての学生が基礎的な読解力を身につければ、1億7,100万人が貧困から抜け出せる
- 全ての女性が初等教育を受ければ、出産による死亡は66%減少する
- 全ての母親が中等教育を受ければ、子どもの死亡は49%減少する
目標5〜9(ジェンダー、水・衛生、エネルギー、経済成長と雇用)
5番目の目標は、「ジェンダー」です。
「性別に関係なく、自分らしく生きられる社会」を目標にしています。
課題は多岐に渡っており、以下のようなものがあります。
- 18歳未満で強制結婚させられた人:7億5,000万人
- 娘と息子の相続権が平等でない国:39ヵ国
- 女性を家庭内暴力から守る法律がない国:49ヵ国
- セクハラ
- 家事・育児負担の偏り
- 政治家・経営者・研究者といった職種の性別格差
6番目の目標は、「水・衛生」です。
日本にいると忘れがちですが、世界ではまだまだ「水と安全はタダ」ではありません。
- 排泄物で汚れた水を飲まなければいけない人:18億人
- 不衛生な水などによる病気で死亡する子ども:約1,000人 / 日
蛇口をひねれば安全な水が出てくるのは、かなり恵まれたことなのです。
7番目の目標は、「エネルギー」です。
ざっくりいうと、以下のような目標です。
-
クリーンエネルギーの導入をすすめることで地球温暖化を防ぐ
-
電力エネルギーにみんながアクセスできるようにする
クリーンエネルギーは最近日本でも話題になっていますが、以下のような現実を知らない方も多いかもしれません。
- 世界人口のうち現代的な電力を使えていない人:13%
- 有毒な燃料を屋内で使ったために死んでしまう人:年間400万人
日本にいると実感しにくいことですが、安全に、好きなように電気を使えるのは、世界では当たり前ではありません。
8番目の目標は「経済成長と雇用」です。
日本で暮らしている皆さんにとっても、身近に感じられる問題かもしれません。
- ワーキングプア
- 長時間労働
- 女性や障がい者への差別
経済成長や雇用の問題が解決し、誰もが働きやすく、やりがいを感じられる仕事ができる世界になれば、皆さんにとっても嬉しいことでしょう。
リベ大でも働きやすい環境づくりなど、できるところから皆さんと一緒に行動していきたいと思います。
目標9〜12(インフラ・産業化・イノベーション、不平等、持続可能な都市、持続可能な消費と生産)
9番目の目標は「インフラ・産業化・イノベーション」です。
道路・電気・水道・インターネットなどインフラに関する目標です。
災害の多い日本にとって、「自然災害があっても、すぐに復旧できるカタチをつくる」はかなり重要な話題でしょう。
10番目の目標は「不平等」です。
- 世界のお金持ち上位8人の資産は、世界の貧しい人36億人分の資産とほぼ同じ。
- 貧しい家の子どもは、お金持ちの家の子どもの3倍も死亡率が高い。
- 農村部の女性は、都市部の女性の3倍も出産時死亡率が高い。
上記のような不平等を解決できることを目標にしています。
特に、米国大統領選挙やコロナの問題による分断・格差が大きな話題です。
11番目の目標は「持続可能な都市」です。
- 災害が起きてもすぐに復旧する街
- 弱い立場の人(子ども、障がい者、高齢者など)に配慮のある街
- スラム化しない街
リベ大のオンラインコミュニティ「リベシティ」も持続可能な場所になるよう、鋭意建設中です。
12番目の目標は「持続可能な消費と生産」です。
世界中の人が今の日本のような暮らしをするには、地球2.8個分の自然資源が必要だそうです。
世界の人口は現在74億人ですが、2050年には96億人に達する見込みです。
- 資源の無駄遣いを減らす
- 食品ロスを減らす
- ゴミを減らす
- 大気汚染を止める
目標13〜17(気候変動、海洋資源、陸上資源、平和と公正、パートナーシップ)
13〜17は目標だけ紹介します。
それぞれが目標に掲げられた背景には、先ほどから紹介してきたような「衝撃の数字」があります。
興味のある人は、ぜひ調べてみてください。
SDGsが自分たちの生活にどう関わるのか
「子供の社会科の授業じゃないんだから、もっと実生活に役立つような話をしてよ〜」
と思っている方も多いかもしれません。
「SDGsって、私の人生にどんな関係があるの?」という点について、リベ大目線でコメントしていきます。
- より良い人生を考えるうえで指針になる
- 資産運用に役立つ
より良い人生を考えるうえで指針になる
1つ目は「より良い人生を考えるうえで指針になる」ということです。
皆さん、デスノートという作品をご存知ですか?
死神が落とした「ノートに名前を書かれた人は死ぬ」ノートを拾った主人公が、そのノートを使って、犯罪者の名前を書いて「世直し(自称)」していくお話です。
映画「デスノート the Last name」の最終局面では、主人公と主人公のお父さん(デスノートを使って殺人を繰り返す息子を追い詰める警察官)の間で、以下のような会話があります。
主人公「善人が、悪人の犠牲になってる。無価値な人間、抹殺したほうがいい人間は、山のようにいる!もう法律では救えない世界になってるんだよ!」
お父さん「確かに法律は完全じゃない。法律を作った人間が完全じゃないから完全であるはずはない。だが、正しくあろうとした人類の努力の積み重ねが法律だ。お前は独りよがりだ。独りよがりで 人の命を奪うことなど、絶対に許されない」
金子修介監督「デスノート the Last name」より
この2人のやりとりには、深い学びがあると思います。
SDGsとは、193カ国の代表者・関係者たちが議論に議論を重ねて作り上げた「これからの地球・人間社会」を考えるうえでの1つの結論です。
独りよがりではない、人類の知恵の結晶と言っても良いでしょう。
17の目標には「人の幸せ」「自分の幸せ」を考える時に、重要なことがたくさん含まれています。
- 貧困は敵(お金がないと生活は成り立たない)
- 飢餓は敵(食べることは生きることで、幸せなこと)
- 健康は大切
- 教育は大切
- ジェンダー平等
- 国家間の平等
- 公正と平和
今の生活に、何かしら不満を抱えている人もいると思います。
そんなときは、SDGsに関連した、以下のような行動を起こすのもおすすめです。
- 生活を改善してみる
- 仕事の方向性を変える
- ビジネスのアイデアを模索してみる
ちなみに、リベ大が今やっていること・考えていることが、SDGsとどう関係しているかは、後ほど解説します。
資産運用に役立つ
2つ目は「資産運用に役立つ」ということです。
資産運用業界のトレンドは「社会にやさしい会社に投資しよう」となっています。
社会にやさしい会社とは、まさに説明してきた「SDGs」に熱心に取り組んでいる会社のことです。
- フードロスを解決するサービスを考えている
- 女性を積極的に幹部登用している
- 工場でクリーンエネルギーを活用している
- エコな新製品を開発している
こうした環境(Environmental)、社会(Sotial)、ガバナンス(Governance)に配慮した企業への投資をESG投資と呼びます。
ESG投資の金額は、年々増え続けています。
私たちの年金を運用しているGPIFも、SDGsに取り組む企業に投資してリターンを得ることを目指し、下記のような図を公開しているほどです。
GPIFを筆頭に、日本の機関投資家(プロの投資家)のESG投資の運用額は、今や310兆円にもなります。
ESG投資(前略)温室効果ガス削減の国際的枠組み「パリ協定」や、15年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」が普及を後押しし、日本の機関投資家の運用残高は20年時点で310兆円に上っている。
Yahoo!ニュース「『ニュースワード『ESG投資』」より
機関投資家が積極的に買う銘柄は激しく値上がりし、機関投資家が積極的に売る銘柄は激しく値下がりします。
少し前にブーム化していた、米国の「タバコ株」や「石油株」への逆張り投資が、現状失敗に終わっています。
その理由はSGDs、ESG投資の流れに真っ向から逆らう企業の株を、機関投資家が「投資対象からガンガン外していった」からです。
機関投資家は、一度売ると決めれば「徹底的に」売ります。
今後の資産運用を考えるうえで、SDGsは1つの大きなキーワードです。
皆さんが保有しているファンドや銘柄が、メガトレンドに逆らうものになっていないか、ぜひチェックしてみてください。
しかし、投資については注意が必要です。
「SDGs厳選ファンド」「ESG厳選ファンド」といった、テーマ型のアクティブファンドも、今後ますますたくさん出てくるでしょう。
そういったファンドに投資したい人は、くれぐれも「法外な手数料」でぼったくられないように気をつけてください。
テーマが良くても、ファンドも良いかは別問題です。
リベ大の取り組みとSDGsの関係
最後に、リベ大が今やっていること・考えていることと、SDGsの関係について解説していきます。