
こんにちは、こぱんです!
この記事では、両学長のライブ配信をもとに、住宅ローン(変動金利)の重要ポイント3選を紹介します。
変動金利の決まり方、金利の見直し時期と返済額の変化、金利上昇への対応策が分かる内容です。
住宅ローンの変動金利が上がってきて、悲鳴も聞こえるようになってきました。
変動金利で住宅ローンを組んでいる人は、ぜひ確認してくださいね。
目次
住宅ローンの変動金利の決まり方|4つの要素

まずは超重要な「基本のキ」からです。
野球でいえば「バットを持って、ボールが来たら打ち返す」くらいの基本です。
それすら理解しないまま、多額の住宅ローンを組んでいる人はたくさんいます。
住宅ローンの変動金利は、次の4つの要素をもとに決まります。
- 要素①:政策金利
- 要素②:短期プライムレート
- 要素③:基準金利
- 要素④:引き下げ幅(割引・優遇)
この①〜④を踏まえて、実際の借入金利が決まります。
要素①政策金利:日銀がコントロールする金利
政策金利は、日本銀行(日銀)がコントロールしている金利のことです。
日銀は利上げや利下げを通じて、日本の経済を「いい感じ」に調整しようとしています。
- 利上げ:景気が良くて物価が上がりすぎているときに行う。お金を借りにくくして経済の過熱を抑える
- 利下げ:景気が悪いときに行う。お金を借りやすくして、消費や投資を促す
今の日本は、数字の上では「景気が良い」状態です。
実感はなくても、「戦後最長の景気拡大になるかも」と言われるほど。
そこに世界的な物価高・インフレ圧力も加わり、日本の物価が上がりすぎています。
だから金利を上げて経済を冷まそうとしているのが今、というわけですね。
→ 政策金利が上がると何が起きる?預金・国債・不動産への影響3つ
要素②短期プライムレート:最優遇金利
短期プライムレート(短プラ)は、民間の銀行が最も信用力の高い企業に、1年未満の短期融資をする際の最優遇金利です。
地元の中小企業には金利5%で貸すけれど、天下のトヨタ様には金利2%で貸す、というイメージ。
政策金利と短プラはとても仲良しで、だいたい一緒に動きます。
政策金利が0.25%上がれば短プラも0.25%上がり、0.25%下がれば短プラも0.25%下がる。
トイレに一緒に行く関係だと思ってもらえればOKです。
要素③基準金利:住宅ローンの「定価」
ここからが、ようやく住宅ローン金利の話です。
基準金利は、住宅ローンの「定価」のようなもの。
おにぎり屋さんが定価100円でおにぎりを売るように、銀行は金利3%で住宅ローンを売る(お金を貸す)わけです。
そして銀行は、この基準金利を短プラをもとに決めています。
トヨタ様への貸出金利(短プラ)が2%なら、個人向け住宅ローンの基準金利は3%ぐらいかな、という具合。
トヨタに2%で貸すのに個人に1%で貸すのを基本にしていたら、ちょっと変ですよね。
要素④引き下げ幅(割引・優遇):完済まで変わらないのが基本
定価が金利3%でも、お客によっては安く売ってあげることがあります。
- エリートサラリーマン:ぜひ借りてほしいので金利を1.5%下げる
- 収入が安定しない個人事業主:金利は下げない(定価のまま)
重要なのは、この引き下げ幅が、一度ローンを組んだら完済までずっと変わらないのが基本だという点。
将来金利が上がれば、基準金利が上がった分だけ、自分の適用金利もそのまま上がります。
「金利が上がってかわいそうだから追加で割引」とはならないんですね。
みんなが「変動金利が上がる!」と騒いでいるのは、①〜④を踏まえて決まった、この最終的な金利のことです。
変動金利の上昇は個人には止められない
ここまで説明してきたのは、「変動金利の上昇は、じたばたしてもどうにもならない」と理解してほしかったからです。
変動金利が決まる大元は、政策金利。
会社の社長に「給料を上げて」と言ってもなかなかOKはもらえないのに、日銀に「政策金利を上げないで」と頼んで通るはずがありません。
現在の政策金利は1.25%です。
日銀はこれを1.75〜2.0%まで上げると予想されていて、一部では2.5%という話もあります。
↓
② 短プラが上がれば、基準金利が上がる
↓
③ 基準金利が上がれば、借入金利も上がる
この流れは、個人には絶対に止められません。
日銀が金利を上げる限り、住宅ローン金利上昇のダメージを食らうしかないのです。
変動金利はいつ変わる?見直しは年2回

日銀が政策金利を上げると、巡り巡って住宅ローン金利が上がる。
では、自分の金利はいつ変わるのでしょうか?
住宅ローンの変動金利は、一般的に年2回見直されます。
多くの金融機関では、4月1日と10月1日が基準日です。
新しい金利は、一般的に基準日の2〜3ヵ月後から反映されます。
- 4月基準:7月の返済分から
- 10月基準:1月の返済分から
世の中の金利はダイナミックに動いていても、自分の住宅ローン金利は年2回しか動かない。
まずはここを押さえておきましょう。
金利上昇で返済額はどう変わる?5年ルールと125%ルール

返済額がどのぐらい変わるかについては、次の3つがダイレクトな回答です。
| 回答 | 理由 |
|---|---|
| ①5年間は変わりません | 5年ルール |
| ②今の毎月の返済額の1.25倍までしか増えません | 125%ルール |
| ③トータルの総支払額で見ると、めちゃくちゃ増えます | ツケは後で払わされる |
回答①5年間は変わらない(5年ルール)
半年に1度の見直しで金利が上昇しても、「元利均等返済」なら返済額はすぐには上がりません。
「5年ルール」があるからです。
返済負担の急増を防ぐためのルールで、金利が上がっても返済額は5年間同じという仕組み。
当初の返済額が月10万円なら、5年間は月10万円のままです。
ただし、「すぐに大変になるわけじゃない、安心」と思ってはいけません。
返済額は一定でも、元本部分と利息部分の内訳は変わっているからです。
- 金利上昇前:10万円のうち利息3万円・元金7万円
- 金利上昇後:10万円のうち利息4万円・元金6万円
毎月7万円返せていた元金が6万円に減る、つまり元金の返済が予定より遅れているということ。
このツケは、将来キッチリ払わされます。
5年後には毎月の返済額が増え、元金の減りが遅い分、トータルで支払う利息も増える。
問題を後回しにしているだけで、全然助かっていないんですね。
「銀行がそんなに金利を上げなかったのかしら」と考えるのは完全にアウト。
銀行はそんなに甘くありません。
回答②最大1.25倍まで(125%ルール)
多くの金融機関は、5年ルールの他に「125%ルール」も採用しています。
5年後に返済額を見直す際、前回の返済額の最大1.25倍(125%)までしか上げないという仕組みです。
「最大1.25倍まで増える」と分かれば、心の準備もできるでしょう。
とはいえ、5年ルールも125%ルールも、急激な返済増加を防ぐための「ごまかし」に過ぎません。
125%を超えた部分、つまり本来支払わなければいけなかった分は、後でキッチリ払わされます。
なお、ここまでは一般的な「元利均等返済」の場合の話。
「元金均等返済」や一部のネット銀行など5年ルールが無い住宅ローンでは、金利上昇がそのまま毎月の返済額に即反映されます。
回答③総支払額はめちゃくちゃ増える
金利がどんどん上がった場合の、ごまかしのない答えは「めちゃくちゃ増えます」です。
ローンの残り期間が30年の場合の総返済額を見てみましょう。
| 借入額 | 金利 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 5000万円 | 1% | 5,790万円 |
| 5000万円 | 2% | 6,650万円 |
金利がたった1%上がるだけで、総返済額が860万円も増えます。
書籍『お金の大学』でも伝えたとおり、金利は味方にすればこれほど頼もしいヤツはいない一方、敵にすればこれほど恐ろしいヤツはいません。
変動金利で借金をしている以上、金利上昇局面で大きなダメージを受けるのは仕方のないことです。
金利上昇への対応策3つ|家計見直し・繰上げ返済・借り換え

対応策①家計見直し(王道)
王道は家計の見直しです。
収入を増やし、支出を減らす。
これが基本中の基本。
転職・副業・共働きなど、あらゆる手で収入を増やしましょう。
そのうえで余計な支出を見直し、借金返済パワーを強化します。
返済額が月3万〜4万円増えるぐらいなら、家計の見直しで対応できる家庭は少なくないはず。
大変にはなりますが、マイホームを持っているからこその喜びや楽しみもあるでしょう。
ぜひ乗り越えてほしいところです。
対応策②繰上げ返済(返済額軽減型がおすすめ)
住宅ローン金利が3%などになっていたら、それはそれで「おいしい投資先」と見ることもできます。
株式投資にはリスクがありますが、借金返済にリスクはありません。
繰上げ返済は、確定3%の利回りで資産運用をしているようなもの。
繰上げ返済の方法は2種類あります。
- 返済額軽減型:毎月の返済額は減るが、返済期間は変わらない
- 期間短縮型:毎月の返済額は変わらないが、返済期間が短くなる
総返済額を減らす効果は期間短縮型の方が大きいものの、今回のおすすめは返済額軽減型です。
「毎月のローン返済が苦しい、どうにかしたい」というのが趣旨だからですね。
繰上げ返済をするほど毎月の返済額が減り、暮らしがラクになっていきます。
対応策③借り換え
借金の金利は、低ければ低いほどいい。
金利3%で借りていて、金利2.5%のところがあるなら乗り換えるべきです。
借り換えには手数料などもかかるため、トータルで得になるかしっかりシミュレーションしましょう。
自分だけでは無理という人は、専門家を頼ってください。
こういうときに払う1時間いくらといった専門家への報酬は、十分に元が取れます。
なお、「変動金利から固定金利にした方がいいですか?」という質問には答えられません。
将来の変動金利を予想して、一番お得な選択肢を教えてほしいと言われているのと同じだからです。
将来の金利は誰にも読めません。
その他の選択肢:売れるうちに売る
「家を売れるうちに売ってしまう」という選択肢もあります。
金利上昇局面で「穏やかな人生が脅かされている」と感じたなら、撤退も立派な選択肢です。
世の中には、実際に体験してみなければ分からないこともたくさんありますからね。
金利が上がるのを止める方法はありませんが、やれることはいくらでもあります。
正しい知識をもとに正しい行動をして、乗り切っていきましょう。
まとめ
- 住宅ローンの変動金利は「政策金利・短期プライムレート・基準金利・引き下げ幅」の4つの要素で決まる
- 引き下げ幅は完済まで変わらないのが基本で、基準金利が上がれば適用金利もそのまま上がる
- 政策金利は現在1.25%で、今後1.75〜2.0%まで上がるかもと言われている
- 変動金利の見直しは一般的に年2回(4月1日と10月1日が多い)
- 元利均等返済なら、返済額は5年間変わらず(5年ルール)、上がっても1.25倍まで(125%ルール)
- ただし、総支払額はめちゃくちゃ増える(5000万円・30年なら金利1%→2%で860万円増)
- 対応策は、家計見直し(王道)・繰上げ返済(返済額軽減型)・借り換え。売れるうちに売るのもアリ


















