投資しろ投資しろって言うけどさ、そんなに投資で得するならみんなやってるはずじゃん。どうして貯金している人の方が多いの?

それは、最近までの日本は貯金こそが最強の投資法だったからです。

 

貯金が最強の投資法?

貯金が最強の投資法だったという事実は、次の2点から確認することができます。

  1. 株価の推移
  2. 地価の推移

まずは、株価の推移から見てみましょう。

 

1990年~2000年前半の株価

TOPIX(トピックスと読みます)の推移を見てみます。

TOPIX(東証株価指数)とは

東証市場第一部に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする株価指数です。

昭和43年(1968年)1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したものであり、日本経済の動向を示す代表的な経済指標として用いられる

(出典:東京証券取引所

東証HP「指数値の推移」より筆者作成

一時は約3,000ポイント近くまで上昇したTOPIXも、1991年~1993年のバブル崩壊により大幅に下落。2000年に持ち直しの動きが見られるものの、結局その後1,000ポイントを下回る水準にまで下落しています。

ピーク時に投資した人は、資産を3分の1ほどに減らしてしまったことになります。この期間中に株式投資をしていた人は、利益を上げるのが難しかったでしょう。

日本において、TOPIXのような「指数に賭けるインデックス投資」が流行らなかった理由も分かりますね。

 

貯金最強ッ!

 

1990年~2000年前半の地価

土地ドットコムより筆者作成

バブル崩壊により、1991年をピークに大幅に下落。この期間中は、ただの一度も地価が上昇していないことが読み取れますね。

どのタイミングで不動産を購入しても、値下がりは避けられなかったということです。

ちなみに、筆者の両親はバブル真っ盛りの時期(1990年頃)に、田舎に5,500万円の戸建てを購入しました。2018年現在、土地・建物の値段は1,200万円ほどになっています。

日本の住宅市場は少し特殊で、建物は築25年ぐらいになると価値がゼロになるようになっています。築50年の建物でも、しっかりメンテナンスされていれば価値がつく海外住宅市場とは景色が違うようです。

土地が値上がりすればまだマシだったのでしょうが、建物価値の下落にくわえて地価下落というダブルパンチで、大きな痛手を負うことになりました。

結局、筆者の実家は長い時間をかけて4,300万円ほど価値が下落したことになります。

4,300万円...せめてこれがそのままの価値で残っていれば、老後も安泰だったのにね...

 

頭金を1,000万円ぐらい入れていたらしいので、住宅ローンの金額は4,500万円ほどだったようです。これ、金利3%で35年借り入れると、支払総額は7,000万円をこえてきます。

経済的損失は4,300万円どころではないのですね。価値のないものに対する借金の金利を払い続けてきたわけですから。

結局、庶民が汗水たらして働いたお金は

  1. 建物という消費財の消耗
  2. 土地価格の下落
  3. 金利

このトリプルパンチで、泡のように消えていったということです。これでは庶民が資産形成などできるはずがありません。

 

つまり、正解は株も買わず、住宅も買わず、ひたすら貯金を続けることッ!

貯金最強ッ!

 

お金が紙切れになる!ハイパーインフレの恐怖

ということで、この時代・この場所に限って言えば、「貯金 is 最強」だったことが分かりますが

  • いつの時代でも
  • どこの場所でも

貯金が最強だということではありません。お金をタダの紙切れに代えてしまう恐怖の現象があるからです。それは、インフレです。

 

インフレとは

インフレってなに?
 

インフレとはインフレーションの略で、私たちが普段買っている日用品やサービスの値段(物価)が上がり続けることをいいます。(後略)

(SMBC日興証券「初めてでもわかりやすい用語集 インフレ(インフレ)」より。太字は筆者)

 

モノの値段が上がる…なんか大変な感じがするね!

モノの値段が上がるということは、例えば

今まで「80円でハンバーガー1コを買えた」のに、「100円出さないとハンバーガー1コが買えなくなる」ということです。

これは逆に言うと、「80円の価値」が、「ハンバーガー1コ分」→「ハンバーガー0.8コ分」に減ってしまった

ということになります。

モノの値段があがること≒おカネの価値が下がること」なのです。

 

つ、つまり…ボクの貯金は…

何もしていないのに、価値が減ってしまうということです。

特に、ハイパーインフレと言われる激しいインフレでは、お金の価値がそれまでの半分になったり、1/10になったり、1/100になったりします。

 

まさかぁ!いくらなんでも、そこまではないよね。激しい妄想お疲れさまです。

では、実際に起きたインフレについて見てみましょう。

 

世界各国で起きたハイパーインフレ

まずは、世界のさまざまな国で実際に起きたハイパーインフレから。

 

①ベネズエラ(南アメリカ)-44万%

外務省HPの「ベネズエラ基礎データ」には、さらりと

 

物価上昇率 180.9%(2015年:ベネズエラ中銀)

と記載されています。

180%のインフレとは、「去年100円で買えたものが、今年は180円出さないと買えない」という状況です。お金の価値は、1年間で半分近くまで下落してしまうのです。

さらに、ブルームバーグ「火を噴くベネズエラのハイパーインフレ、年率440000%を突破」によれば、2017-2018年には年率換算で440,000%を超えるペースのインフレが起きているといいます。

今年がんばって44万円貯めても、来年になったら100円分の価値しかない…。怖すぎる…!

 

②ジンバブエ(アフリカ)-2億3千万%

最近ハイパーインフレの起きた国として有名なのが、ジンバブエ。

 

(前略)08年にインフレ率が一時、2億3千万%以上になり、失業率も数十%に上ると言われる。

(朝日新聞「ジンバブエ新大統領、異名は「クロコダイル」より。太字は筆者)

「毎日物価が倍になる」「パン1コ買うのに山積みの紙幣が必要」などとウワサされました。

もう、貯金がどうとか言ってる場合じゃないよね!?

 

③ドイツ(ヨーロッパ)-100兆%

過去をひも解いてみると、ドイツにも極端なインフレの経験があります。

 

(前略)モノとお金のバランスが大きく崩れて1兆倍ともいわれる"ハイパーインフレ"が発生、社会が大混乱した。そこにナチスが登場し、欧州最大の悲劇である第二次世界大戦が発生するのである。

(DIAMOND online「欧州中央銀行でインフレが最優先課題とされる歴史的理由より。太字は筆者)

け、けっこうすごいことが、世界中で起きてるんだね…。

 

日本で起きたハイパーインフレ

日本とて、他人事ではありません。日本でも実際に、ハイパーインフレは起きています。

 

1934年から1936年の水準と比較すると、国内の小売物価指数は約180倍に高騰している。約15年で物価が180倍なので、年率換算すると40%強のインフレということになる。一連のインフレによって大量の預金を持っている富裕層はその資産のほとんどを失ってしまった

(ニューズウィーク日本版「ヘリコプターマネー論の前に、戦後日本のハイパーインフレを思い出せ」より。太字は筆者)

40%って、めちゃくちゃだよね!?

かなりめちゃくちゃな状況と考えて間違いないでしょう。これは他でもない日本の過去です。

 

インフレは

  • 妄想ではない(現実に起きている)
  • 過去の話ではない(ベネズエラでは現在進行形)
  • 他人事ではない(日本でも起きている)

のです。

なかなかにおそろしい出来事です。

でもさでもさ、「今の日本では」インフレなんて起きてないよね?

では、身近な日本の状況をチェックしてみましょう。

 

身近でも起きている!日本のインフレはひっそりと進行中

ハイパーインフレは極端な例としても、身近なところでインフレは起きています。分かりやすい事例を2つほどあげてみましょう。

  • 教育費
  • 有名商品

これらの値動きを見てみることにします。

 

教育費のインフレ

教育関連費は、1976年以降2010年頃まで、ひたすらインフレし続けてきました。

(出典:総務省統計局「品目別価格指数」より筆者加工

※この指数は、2015年度時点を100としています

教育費(特に大学の学費)が値上がりを続けているという事実はしばしば話題になります。

教育資金は、幼稚園から大学まですべて公立だったとしても、子供1人につき1,000万円以上かかります。高校から私立に通うと、約1,500万円準備する必要があります。

大きなお金が必要になるからこそ、前もって計画的に貯蓄する必要があるわけですが、そのぶんインフレによる影響も大きくなります。

大学進学資金を18年かけてコツコツ貯めたは良いけれど、インフレのせいで結局足りなくなってしまった...こんなことも十分起きるということです。

 

ステルス値上げ

ステルス値上げという言葉をご存知でしょうか。2018年7月4日付のライブドアニュースで、こんな記事が掲載されました。

  • 価格は変えずに容量を減らしたり、質を下げたりする「ステルス値上げ」
  • ある調査では、男女1000人のうち63.6%がステルス値上げを実感している
  • 特に、「スナック菓子」を購入するときに感じたという人は62.6%にも上った

(出典:価格はそのままで内容量減少「ステルス値上げ」に6割の人が実感

ステルスという言葉は、戦闘機の「ステルス」からきています。ステルス戦闘機というのは、レーダーにひっかかりづらく、その存在が気づかれにくい特殊な戦闘機です。

みんなが知っている有名商品が、ステルス戦闘機のごとく「誰にも気づかれないうちにコッソリと」値段が上がっているようなのです。

ライブドアニュースでも取り上げられているスナック菓子ですが、例えばカルビーのポテトチップス

  • 1975年 90g 100円
  • 2018年 60g 100円

こんな感じで、実質的に1.5倍に値上がりしています。

カントリーマアムなんかも、その容量激減っぷりがよく話題になります。

  • 2005年 330g 323円
  • 2016年 200g 323円

こちらも実質1.5倍以上に値上がりしています。最近のカントリーマアム、手に取ってみると「こんなにちっちゃかったっけ!?」と驚きます。

いつの間にか容量が減っている商品wikiなんてものがあるので、興味がある方は覗いてみて下さい。ハーゲンダッツなんかも載っています。

 

総務省統計局が発表している品目別価格指数を見ると、長期的にはゆるやかなインフレになっていることが良く分かります。

実感しているかどうかは別として、インフレによる現金価値の目減りというのは、身近なところで確実に起きているのです。

 

貯金オンリーは「インフレが起きない」ことに賭けた投資法

貯金オンリーというのは、現金集中投資に他なりません。

  • 現金
  • 株式
  • 債券
  • 不動産

現金は、色々な資産クラスの1つに過ぎないのです(そして、現金と一口に言っても、円、ドル、ユーロなど様々な現金の種類があります。)

円しか持たないというのは、裏を返せば「円の価値は目減りしない」ということに賭けた投資法です。あらゆる資産クラス、通貨の中から、円だけに一極集中投資をする合理性はあるのでしょうか。

日本人にとって、円は生活に使う実用的な通貨ですから、そこはしっかりと認識して貯金を確保しておく必要があります。しかし、ある程度の貯金ができたら、資産運用を考えても良い時期なのかも知れません。

資産運用の原則は「分散投資」

何が起きるか分からないからこそ、色々な資産クラス・通貨に分散して資産を守る必要があるのです。株式や不動産への投資は、あなたの資産をインフレから守る有効な手段になります。

 

まとめ:最強のインフレ対策は「労働力」という悲しいオチ

ある程度の「貯金=円」を確保できたら、株や不動産を買って分散投資しましょう!

不動産投資は敷居が高いですが、株式であれば、インターネットを使って少額から気軽に買い付けることができます。

株や不動産への投資こそが

  • インフレから資産を守る手段であり
  • 利殖により資産を殖やす手段でもあり
  • ひいては自由への道に繋がります

コツコツと積み上げて、少しでも自由に近づいていけるといいですね。

ちなみに、ハイパーインフレの最強の対策は「人的資本」です。労働こそが最強のインフレ対策であることは歴史が証明しています。

ハイパーインフレが起きると、年収10億円とか余裕ですからね。

労働最強ッ!一生働きましょう!

あれ?

おしまい!

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